売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04369 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行により、社会経済活動の正常化が進み、個人消費の持ち直しやインバウンド需要についても回復の動きが見られました。しかしながら、世界情勢が不安定な中、円安進行や原材料価格の高騰などによる物価上昇の影響で、消費者の節約志向が高まっている面もあり、依然として経済の先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループを取り巻く環境としては、コロナ禍において高騰した海上運賃が需給バランスの正常化に伴い、前年同期比で下落しており、当社グループで最も貨物の取扱量が多い中国航路も海上運賃の下落が続く状況となりました。

このような中、当社グループは、主力である国際貨物輸送に加え、通関や配送、検品・検針・加工業務といった輸出入の付帯業務の受注増加に向けて、精力的に営業活動を展開してまいりました。さらには、デジタル戦略も強く推進し、昨年6月に貨物検索サービスを刷新、同年11月には機能拡充するなどして、顧客の貿易業務の利便性向上と競争力強化を図るための取り組みを行ってまいりました。

当第3四半期連結累計期間では、アパレル関連製品の取扱いは、外出機会が増したことで9月下旬ごろまで復調の動きが見られましたが、10月、11月では冬物商材を中心に荷動きが鈍化することとなりました。また、コロナ禍での巣ごもり需要により、輸入量が増加した雑貨関連や家具等の消費財は、需要の一巡や輸入者の在庫調整、物価高による消費者の買い控え等により輸入量が減少しており、国際貨物の取扱量は低調な推移となりました。さらには、海上輸送の運賃下落の影響も重なり、営業収益は減少する結果となりました。しかしながら、運賃水準の下落等で営業原価が抑制されたことで売上総利益率は改善し、コストの見直しや削減、抑制も継続して行ないながら、可能な限りの利益創出に努めてまいりました。また、それに加えて、前連結会計年度で実施した中国での一部の事業所閉鎖により、事業所の運営コストが低減できました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は39,499百万円(前年同期比29.1%減)、営業利益は3,566百万円(前年同期比22.0%減)、経常利益は3,738百万円(前年同期比21.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,476百万円(前年同期比24.2%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次の通りであります。

 

   日本

当第3四半期連結累計期間では、前年同期と比較し、海上輸送の運賃下落が進む中で輸入者の重荷となっていた物流コストは低減してきております。この状況下、当社グループは、新規顧客の獲得に注力するとともに既存顧客の取引拡大を図るため、営業活動に鋭意取り組んでおります。しかしながら、前年同期よりも円安の環境下において、商品の在庫調整やコロナ需要の一巡、さらには物価上昇等の影響もあり、輸入貨物の荷動きが弱い状況で推移しました。

その結果、海上輸送の取扱コンテナ本数は、輸入で176,131TEU(前年同期比8.0%減)、輸出入合計では186,883TEU(前年同期比8.3%減)と前年同期を下回りました。また、通関受注件数も貨物の取扱量が減少したことで、104,211件(前年同期比2.6%減)と前年同期を下回る結果となりました。

以上のことから、日本における営業収益は、運賃水準の下落と取扱高の減少の影響で33,935百万円(前年同期比30.3%減)と前年同期を下回りました。セグメント利益は、売上総利益率の改善効果とDXの推進等により人件費や事業活動における費用の抑制に努めたことで2,969百万円(前年同期比25.1%減)となり、営業収益よりも減少率は縮小しました。

 

②中国

日本向け貨物の取扱量が減少したことで、中国国内での輸送関連の収益機会も減ることとなり、その結果、中国における営業収益は4,723百万円(前年同期比18.4%減)となりました。一方で、売上総利益率の改善と収益性向上に向けての取り組みが奏功し、セグメント利益は465百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

③その他

ミャンマーの子会社での検品・検針における収益、国内物流の収益が回復傾向にある一方で、台湾及びベトナムの子会社では、日本向け貨物の取扱量が減少し、その結果、営業収益は840百万円(前年同期比31.7%減)となり、セグメント利益は131百万円(前年同期比23.9%減)となりました。

 

(注)TEU(Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)とは、海上コンテナの数量を表す単位で、20フィートコンテナ1個分を1TEUと計算します。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,232百万円増加し26,121百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,065百万円増加し22,114百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が784百万円、立替金が251百万円増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ167百万円増加し4,007百万円となりました。これは主に、有形固定資産が195百万円増加したことによるものであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ380百万円増加し8,666百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ79百万円増加し6,674百万円となりました。これは主に、買掛金が313百万円増加したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ301百万円増加し1,992百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が69百万円増加したことによるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ852百万円増加し17,454百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益2,476百万円を計上した一方で、剰余金の配当により2,114百万円が減少したことによるものであります。また、為替換算調整勘定が429百万円増加したことによるものであります。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

 

(4) 経営方針・経営戦略等

社会や競争環境が大きく変化を遂げる中、当社では、第2四半期連結会計期間において、基本理念を現代に即し未来を見据えた尖りのあるものへと刷新し、あわせて経営方針も刷新いたしました。新しい理念に基づいた考え方や行動を企業文化としてグループの隅々まで浸透させていくことで、更なる成長と飛躍を目指してまいります。

新たな基本理念及び経営方針は、以下となります。

[基本理念]

創発

[経営方針]

1.創発により、変化の激しい環境に適応し、お客様と共に持続的に成長します。

2.お客様のニーズに基づいた拠点網を拡充し、組織全体が創発により有機的に結びつき創造性あふれる活発な組織を構築します。

3.一人ひとりの想像力を高め、創発が生まれる企業文化を作ります。

4.世界に挑戦できる主体的・自律的な人材を育成し、創発による変革を実現します。

 

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。