売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04410 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

2023年3月期末において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前年同四半期連結累計期間との比較、分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)の我が国の経済を概観すると、景気はこのところ一部に足踏みもみられますが緩やかに回復しており、雇用・所得環境が改善する中で、各種政策の効果もあって、回復の継続が期待されています。しかしながら、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響にも十分注意する必要があります(政府「月例経済報告」2023年12月)。

こうした経済環境の中、地上波テレビ広告市況は、在京キー局におけるスポット広告費投下量が前年同四半期を下回るなど、厳しい状況が続いています。一方、地上波テレビの視聴率動向については、2023年10月クール(10月2日~12月31日)の平均個人視聴率において、当社グループは、ゴールデン帯(19~22時)で在京キー局トップの個人視聴率を獲得しております。

このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、地上波テレビ広告収入が大きく落ち込んだものの、デジタル広告収入が堅調に推移したほか、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復によりコンテンツ制作収入や興行収入が増加したことや、la belle vie㈱の連結子会社化などにより、前年同四半期に比べ5億8千6百万円(+0.2%)増収3,062億1千9百万円となりました。

売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、新型コロナによる行動制限がなくなったことを受けて番組制作費や事業費が増加したことや、la belle vie㈱の連結子会社化による費用増などにより、前年同四半期に比べ49億6百万円(+1.8%)増加2,751億5千7百万円となりました。

この結果、営業利益は前年同四半期に比べ43億2千万円(△12.2%)減益310億6千2百万円、経常利益は持分法による投資利益などを計上したものの19億2千4百万円(△4.9%)減益370億6千万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、投資有価証券売却益の計上などにより60億8千4百万円(+22.5%)増益331億7千4百万円となりました。

 

当社グループのセグメントごとの経営成績は次のとおりです。

① メディア・コンテンツ事業

地上波テレビ広告収入のうちタイム収入は、「ラグビーワールドカップ2023™」などの大型スポーツ中継番組のセールスが堅調だったものの、レギュラー番組セールスの減速が続き、前年同四半期に比べ46億5千9百万円(△5.6%)減収782億6千9百万円となりました。スポット収入は在京キー局の中で引き続き高いシェアを維持したものの、地区投下量が前年同四半期を下回った影響などにより、62億6千4百万円(△7.1%)減収822億7千4百万円となりました。

BS・CS広告収入は、厳しい市況の影響を受け、前年同四半期に比べ2億8千9百万円(△2.5%)減収112億7千4百万円となりました。

デジタル広告収入は、民放公式テレビポータル「TVer」等による動画広告セールスが堅調に推移し、前年同四半期に比べ9億9千万円(+27.5%)増収45億8千7百万円となっています。

コンテンツ販売収入は、アニメ事業の海外向けセールスが好調だったことや、中国向けのキャラクター商品化権収入などが伸びたことを受け、前年同四半期に比べ22億1千8百万円(+4.1%)増収569億8千1百万円となりました。

コンテンツ制作収入は、新型コロナの影響からの回復によりイベントや展示会受注などが好調で、㈱ムラヤマが増収となったことから、前年同四半期に比べ22億8千5百万円(+16.7%)増収159億6千6百万円となりました。

物品販売収入は、ファッションECサイトを運営するla belle vie㈱を連結子会社化した影響によって、前年同四半期に比べ15億8千8百万円(+10.9%)増収161億8千3百万円となっています。

興行収入は、上述の行動制限解除も相まって「ディズニー・アニメーション・イマーシブ・エクスペリエンス」や「ルーヴル美術館展 愛を描く」などのイベントがきわめて盛況に推移したほか、「アンパンマンこどもミュージアム」の入場者数が好調に推移していることなどにより、前年同四半期に比べ28億1千8百万円(+39.9%)増収98億8千1百万円となりました。

その他の収入は、前年同四半期に比べ9億7百万円(+14.6%)増収71億1千5百万円となりました。

この結果、メディア・コンテンツ事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前年同四半期に比べ2億8千9百万円(△0.1%)減収2,832億7百万円となっています。
 なお、第1四半期連結会計期間より、従来「その他の収入」に含まれていた「コンテンツ制作収入」について事業上の重要性が高まってきたことから別掲しております。前年同四半期の情報についても、変更後の区分に組み替えて記載しております。

 

② 生活・健康関連事業

スポーツクラブ運営による施設利用料収入を主とする生活・健康関連事業の売上高は、キッズ会費収入の増加などにより、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前年同四半期に比べ2億6千5百万円(+1.4%)増収198億2千4百万円となりました。

 

③ 不動産関連事業

汐留及び番町地区を主とする不動産関連事業の売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、前年同四半期に比べ5億1千3百万円(+6.5%)増収83億8千1百万円となりました。

 

当社グループの財政状態は次のとおりです。

当第3四半期連結会計期間末においては、前連結会計年度末に比べて資産合計は1,024億7千2百万円増加1兆1,379億7千4百万円、負債合計は211億5千9百万円増加2,130億7千5百万円、純資産合計は813億1千3百万円増加9,248億9千8百万円となりました。

資産の増加は、la belle vie㈱、㈱スタジオジブリの連結子会社化に伴い、のれん及び各種資産が計上されたことや、時価上昇に伴い投資有価証券が増加したことなどによるものです。負債の増加は、投資有価証券の時価上昇に伴う繰延税金負債の増加があったことや、信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)開始に伴う長期借入金の計上があったことなどによるものです。純資産の増加は、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことによる利益剰余金の増加や、投資有価証券の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加があったことなどによるものです。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更又は新たに発生した課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、133百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。