売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04582 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は当四半期連結会計期間の末日現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、一部足踏みが見られるものの、新型コロナウイルス感染症による制限の緩和に伴い、個人消費やインバウンド需要の持ち直し等の動きが見られます。また、雇用・所得関係が改善するものの、資源価格の高騰や、物価上昇の影響等により、依然として先行き不透明な状況が続きました。

 このような状況下、当企業グループはより一層の効率化を図るとともに、積極的な営業活動に努めて参りました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間は、売上高62,464百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益1,848百万円(前年同期は営業損失1,166百万円)、経常利益847百万円(前年同期比26.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,505百万円(前年同期比60.0%減)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(映像関連事業)

 配給は、邦画8本、洋画3本、アニメ4本、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマと、多様な作品を公開しました。邦画では3月の「なのに、千輝くんが甘すぎる。」、9月の「こんにちは、母さん 」が興行収入10億円を超えるヒットとなりました。洋画では4月の「パリタクシー」がヒットしました。また、4月の「滝沢歌舞伎ZERO FINAL 映画館生中継!!」は全国で売り切れが続出し、大ヒットとなりました。

 興行は、邦画では「名探偵コナン 黒鉄の魚影」が興行収入100億円を超える大ヒットとなり、「君たちはどう生きるか」「キングダム 運命の炎」等も大ヒットしました。洋画では「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」が大ヒットとなりました。他方、2023年8月に発生した台風7号の浸水被害により一部の映画館が休館となりました。

 テレビ制作は、地上波にて連続ドラマ「やわ男とカタ子」、2時間ドラマ「再雇用警察官5」「警視庁追跡捜査係-交錯-」、BS放送にてスペシャルドラマ「悪女について」、時代劇「無用庵隠居修行7」「鬼平犯科帳SP 本所桜屋敷」、連続ドラマ「めんつゆひとり飯」「雲霧仁左衛門6」「OZU ~小津安二郎が描いた物語~」を制作しました。

 映像版権は、DVD・ブルーレイディスク販売にて「なのに、千輝くんが甘すぎる。」「魔法使いの嫁 SEASON2」「シャイロックの子供たち」「“それ”がいる森」「銀河英雄伝説Die Neue These 策謀」「シスター 夏のわかれ道」「ある男」「エンドロールのつづき」等の新作を発売し好調に推移しました。

 配信は、定額制動画配信では「耳をすませば」を独占配信し、売上に大きく貢献しました。都度課金型動画配信では「ある男」「かがみの孤城」の2作品を独占先行配信し話題となりました。

 CS放送事業等は、松竹ブロードキャスティング㈱が、昭和アイドル特集など特色ある番組を編成し、新規加入者数の向上に結びつきました。また、ケーブルテレビ局の新規採用が決定するなど、有料放送市場におけるシェア拡大に努めました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は32,859百万円(前年同期比10.3%増)、セグメント利益は1,433百万円(前年同期はセグメント損失1,519百万円)となりました。

(演劇事業)

 歌舞伎座は、歌舞伎座新開場十周年を冠した公演を上演し、4月の「鳳凰祭四月大歌舞伎」が盛況を博しました。4月以降は2部制公演となり、6月から一幕見席の販売も再開する等、コロナ禍以前の公演形態に戻すことができました。

 新橋演舞場は、3月の「ルーザーヴィル」、4月の「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」、5月「少年忍者『俺たちのBANG!!!~大劇場を占拠せよ~』」、7月の新作歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐(つきのつるぎえにしのきりのは)」、9月の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」、10月の「少年たち」、11月の「シェルブールの雨傘」等が好成績を収めました。6月の熱海五郎一座公演と8月の「ビートルジュース」は一部公演中止となりましたが、好評を博しました。

 大阪松竹座は、3月の「東西ジャニーズJr. Spring Paradise」、4月の「ルーザーヴィル」「垣根の魔女」、5月の「少年忍者『俺たちのBANG!!!~大劇場を占拠せよ~』」、7月の「七月大歌舞伎」、9月の「ビートルジュース」、10月の「星降る夜に出掛けよう」、11月の「キャメロット」等が好成績を収めました。8月の「One ANOTHER」は一部公演中止となりましたが収益を確保しました。

 南座は、3月に「三月花形歌舞伎」、4月に「若き日の親鸞」、6月に「星降る夜に出掛けよう」、8月に「坂東玉三郎特別公演」、9月に「新・水滸伝」、10月に「錦秋喜劇特別公演」を上演し、収益に貢献しました。

 その他の公演は、3月のサンシャイン劇場での「歌うシャイロック」が好評を博し、6月の三越劇場では新派百三十五年記念「三婆」、10月の日生劇場では「キャメロット」が高収益を確保しました。

 巡業は、4年振りに公文協歌舞伎巡業が再開し、全国38会場を公文協東コース・西コースとして廻り、好評を博しました。

 シネマ歌舞伎では、4月からシネマ歌舞伎「月イチ歌舞伎2023」がスタートしました。METライブビューイングは、2022-23シーズンの後半7作品を順次7月まで上映しました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は18,258百万円(前年同期比8.6%増)、セグメント損失は891百万円(前年同期はセグメント損失1,299百万円)となりました。

(不動産事業)

 不動産賃貸では、入居テナントとの綿密なコミュニケーションと良好な関係構築に努めることで、主要物件の高稼働により安定収益を確保し、概ね計画通りの収益に貢献しました。また、新たに東銀座エリアに土地建物を取得し、賃貸稼働を開始しました。中長期戦略である東銀座エリアマネジメント活動における一般社団法人とまちづくり推進協議会は賛同いただく企業も増え、コロナ禍の収束状況を見極めて街の賑わい創出イベントを開催するなど、地域貢献及びエリアの価値向上のための取り組みを一層強化しました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は9,757百万円(前年同期比6.8%増)、セグメント利益は4,169百万円(同0.6%減)となりました。

(その他)

 プログラム・キャラクター商品は、「なのに、千輝くんが甘すぎる。」「東京リベンジャーズ」シリーズ等の作品を中心に収益に貢献しました。

 イベント・オンライン配信は、4月に幕張メッセにて超歌舞伎2023「御伽草紙戀姿絵」を開催し、同時生配信視聴数は過去最高となりました。ホラーコンテンツ「松竹お化け屋本舗」シリーズは、5月に宿泊型ホラー「インフェルノロッジ」を岐阜県のキャンプ場で開催、7月からは宮崎県、8月は愛知県にてホラーイベントを開催し人気を博しました。アニメ作品「ARIA」シリーズによる初のオーケストラコンサート「ARIA The SINFONIA」は、本公演に加えて3面スクリーンでのライブビューイング及び配信も実施し盛況となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は1,588百万円(前年同期比14.5%減)、セグメント損失は438百万円(前年同期はセグメント損失374百万円)となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ21,086百万円増加し、199,889百万円となりました。これは主に土地、現金及び預金の増加等によるものであります。

 負債は、前連結会計年度末に比べ16,884百万円増加し、109,205百万円となりました。これは主に借入金の増加等によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ4,201百万円増加し、90,683百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益及びその他有価証券評価差額金の増加等によるものであります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分

析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容に、重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当企業グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要

な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(7)従業員数

 当第3四半期連結累計期間において、当企業グループの従業員数に著しい増減はありません。

 

(8)主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、著しい変動はありません。

 

(9)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した経営成績に重要な影響を与える要因

に、重要な変更はありません。

 

(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当第3四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性について著しい変動はありません。