売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04583 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の概況)

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、景気は、緩やかな回復の動きがみられる一方、海外景気の下振れリスクや物価上昇の影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような情勢下にあって当社グループでは、2022年4月に策定した「中期経営計画 2025」の各事業戦略の推進と数値目標達成に取り組んでおります。当第3四半期連結累計期間における経営成績は、営業収入は2031億円(前年同四半期比13.0%増)、営業利益は416億1千万円(同16.0%増)、経常利益は441億8千2百万円(同8.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は284億2百万円(同4.7%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。

 

映画事業
 映画営業事業では、東宝㈱において、ゴジラ70周年記念作品「ゴジラ-1.0」を製作し、公開いたしました。そのほか、共同製作や配給した作品のうち、「名探偵コナン 黒鉄の魚影」が興行収入100億円超えを記録、「君たちはどう生きるか」「キングダム 運命の炎」「劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』」「ミステリと言う勿れ」などヒットいたしました。また、東宝東和㈱等が配給した「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」が大ヒット、「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」「ワイルド・スピード/ファイヤーブースト」などヒットいたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は33,198百万円(前年同四半期比13.9%増)、営業利益は11,668百万円(同7.0%増)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、映画館への配給が25,513百万円(前年同四半期比30.6%増)、劇場用映画の国内配信が956百万円(同69.2%減)となりました。

 映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、上記配給作品のほか、バラエティに富んだ邦洋画作品を上映いたしました。当第3四半期連結累計期間における映画館入場者数は30,865千人と前年同四半期比4.2%の増加となりました。なお、TOHOシネマズ㈱では、エネルギー価格の高騰や人件費増加等により2023年6月1日から映画鑑賞料金を改定いたしました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は58,956百万円(前年同四半期比11.7%増)、営業利益は9,086百万円(同55.1%増)となりました。当第3四半期連結累計期間中の劇場の異動につきましては、TOHOシネマズ㈱が2023年4月17日に大阪府門真市「TOHOシネマズ ららぽーと門真」(9スクリーン)、11月30日に北海道札幌市中央区「TOHOシネマズ すすきの」(10スクリーン)をそれぞれオープンいたしました。これにより、当企業集団の経営するスクリーン数は全国で19スクリーン増の740スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。

 映像事業では、東宝㈱において「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」「SPY×FAMILY」「Dr.STONE」「ハイキュー!!」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」等、製作出資いたしましたTOHO animation作品の国内外の配信・商品化権収入に加え、各種配分金収入がありました。パッケージ事業では「すずめの戸締まり」「わたしの幸せな結婚」に加え、TOHO animation作品の「呪術廻戦」「お兄ちゃんはおしまい!」「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」の販売が伸長いたしました。出版・商品事業では、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて当社グループ配給作品の「名探偵コナン 黒鉄の魚影」「ゴジラ-1.0」「映画ドラえもん のび太と空の理想郷」「わたしの幸せな結婚」の販売が好調に推移いたしました。また、TOHO animation作品のキャラクターグッズ販売が営業収入に寄与いたしました。TOHOスタジオ㈱では、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、堅調に稼働いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務に関して受注持ち直しの動きに加え、原価抑制に努めました。これらの結果、映像事業の営業収入は44,107百万円(前年同四半期比31.3%増)、営業利益は8,925百万円(同42.8%増)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、アニメコンテンツの利用が18,987百万円(前年同四半期比52.4%増)、パッケージの販売が4,875百万円(同7.8%増)、映像作品等に係る美術製作が6,593百万円(同9.6%増)となりました。

 以上の結果、映画事業全体では、営業収入は136,262百万円(前年同四半期比18.0%増)、営業利益は29,680百万円(同28.9%増)となりました。

 

演劇事業
  演劇事業では、東宝㈱の帝国劇場におきまして、大人気コミック「SPY×FAMILY」初のミュージカル化を実現し全席完売、日本初上演として話題となった「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」が満席となりました。そのほか、「Endless SHOCK(Endless SHOCK/ Endless SHOCK Eternal)」「DREAM BOYS」「チャーリーとチョコレート工場」「LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~」を上演し盛況に推移いたしました。シアタークリエにおきましては「RENT」「おかしな二人」「She Loves Me」「SHOW BOY」「M.クンツェ&S.リーヴァイの世界~3rd Season~」「のだめカンタービレ」等を上演し、日生劇場では「ラグタイム」が大入りとなりました。また、社外公演として「キングダム」「SPY×FAMILY」等を全国へ展開いたしました。東宝芸能㈱では、所属俳優がCM出演等で好調に推移いたしました。

  以上の結果、演劇事業の営業収入は14,508百万円(前年同四半期比4.6%増)、営業利益は2,256百万円(同1.0%増)となりました。

 

不動産事業
  不動産賃貸事業では、保有物件の有効活用に努めつつ、テナントに対するきめ細かな対応により、賃貸用不動産の空室率は、当第3四半期連結会計期間末において0.2%となりました。一方で、減価償却費等の費用の増加がありました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は21,917百万円(前年同四半期比4.7%増)、営業利益は8,841百万円(同2.2%減)となりました。

 道路事業では、公共投資が底堅く推移しましたが、建設技能者の不足に加えて、労務費・資機材価格の上昇が継続する等、依然として予断を許さない状況が続きました。このような状況の中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、積極的な営業活動を行うとともに、積算精度の向上や入札における総合評価方式への対応強化を図りました。その結果、道路事業の営業収入は21,639百万円(前年同四半期比2.6%増)、営業利益は3,943百万円(同0.9%減)となりました。なお、営業収入の主な内訳は、道路の維持管理・清掃等19,663百万円(前年同四半期比2.3%増)であり、またその他の収益632百万円(同5.8%増)が含まれております。

 不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、人手不足や人件費・原材料費の増加が継続する一方、資材の供給不足等により延期となっていた工事の実施があったほか、新規受注確保に努めました。その結果、営業収入は7,837百万円(前年同四半期比5.0%増)、営業利益は834百万円(同21.6%増)となりました。

 以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は51,393百万円(前年同四半期比3.9%増)、営業利益は13,619百万円(同0.6%減)となりました。

 

その他事業
 東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」やTOHOリテール㈱の劇場売店等において、積極的な営業活動に努めました。その結果、その他事業の営業収入は935百万円(前年同四半期比6.8%増)、営業利益は191百万円(同16.1%増)となりました。

 

(財政状態の概況)

当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は30,580百万円増加し、564,677百万円となりました。これは現先短期貸付金で64,999百万円の減少がありましたが、現金及び預金で57,650百万円、有価証券で9,211百万円、土地で5,070百万円、投資有価証券で14,937百万円の増加があったこと等によるものです。

負債では前連結会計年度末から18百万円増加し、110,424百万円となりました。

純資産は前連結会計年度末と比較して30,561百万円増加し、454,252百万円となりました。これは利益剰余金で17,907百万円の増加、その他有価証券評価差額金で9,744百万円の増加があったこと等によるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,752百万円減少し、103,369百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金は、税金等調整前四半期純利益が44,283百万円、減価償却費が7,521百万円ありましたが、仕入債務の減少が4,504百万円、棚卸資産の増加が2,391百万円、法人税等の支払額が18,517百万円あったこと等により、29,294百万円の資金の増加(前年同四半期比2,093百万円の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が41,200百万円、金銭の信託の解約による収入が2,300百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が37,595百万円、有形固定資産の取得による支出が16,151百万円、投資有価証券の取得による支出が13,601百万円、金銭の信託の取得による支出が2,300百万円あったこと等により、29,182百万円の資金の減少(前年同四半期比26,114百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金は、配当金の支払額が10,412百万円、非支配株主への配当金の支払額が429百万円あったこと等により、11,004百万円の資金の減少(前年同四半期比7,626百万円の増加)となりました

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。