売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04895 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

当第3四半期連結累計期間(以下、当期)におけるわが国経済は、ペントアップ需要の顕在化等による個人消費を中心とした緩やかな回復傾向がみられた一方、海外の経済回復ペース鈍化、物価・資源価格動向の影響による不確実性が極めて高い状況にあります。

当社が事業展開をしている葬儀業界では、65歳以上の高齢者人口の増加を背景に、葬儀に関する潜在ニーズは2040年まで継続的な増加が見込まれる一方、故人との大切な最後のお別れの場である葬儀の本質は変わりませんが、核家族化の進行及びコロナ禍を契機とした葬儀の小規模化・簡素化の傾向は続いております。加えて、各地での新規出店の加速、マッチングサイト運営事業者の台頭等により、特に小規模葬儀のサービス提供をめぐる競争が激化する中、葬儀業界及びライフエンディング業界におけるM&Aが増加しており、業界全体の再編が進む状況下にあります。

 

このような事業環境下において当社は、2032年に迎える創業100年に向けて当社グループが進むべき方向、ありたい姿を定めた「新10年ビジョン(2022年5月公表)」において掲げた、「葬儀事業の拡大」および「ライフエンディングサポート事業の拡大」の達成を目指し「中期経営計画(2022年度~2024年度)」を推進しております。

上記、中期経営計画の重点項目である「葬儀事業の拡大」については、「リーズナブルでありながら高い品質のサービス」を提供する家族葬ブランド「エンディングハウス(ENDING HAUS.)」を2023年3月に新たに立ち上げ、この「エンディングハウス」の展開による自社出店と、M&Aによる店舗網の獲得・拡大によって、同中期経営計画期間3ヶ年内で31会館の新規出店を計画しております。

M&Aについて、2023年12月21日付で㈱東京セレモニー完全子会社化について公表しておりますが、本件M&Aは首都圏内における「エンディングハウス」の出店拡大・スピード化を目的としており、㈱東京セレモニーが有する高品質のサービス提供体制と当社の出店戦略・ノウハウを掛け合わせることで、首都圏における事業基盤の成長・強化促進に大きく寄与するものと考えております。

 

当期のグループ葬祭3社の葬儀施行収入は、前年同四半期(以下、前年同期)比0.7%の増収となりました。これは、全葬儀件数は前年同期比で1.1%低下した一方で、一般葬儀(金額5百万円以下の葬儀)を中心に葬儀施行単価が前年同期比1.8%の増加となったことによるものです。当期においては、2022年から2023年初頭頃まで続いた全国的な超過死亡傾向が落ち着き、その反動による死亡者数の伸び鈍化(あるいは前年割れ)が見られ、当社グループの葬儀件数伸び率にも一定の影響がありました。

葬儀に付随する商品の販売やサービス提供による収入は、仏壇仏具、後日返礼品を中心に前年同期比増収となりました。

費用については、将来的な新規出店に伴う葬儀件数増加及び売上拡大に備えた人員体制強化のための人件費・採用費の増加、新規出店に伴う地代家賃の増加、先行投資としての広告宣伝費の増加等により、営業費用は前年同期比6.2%の増加となりました。また、販売費及び一般管理費は、主に基幹情報システムの稼働によるソフトウエアの減価償却費の増加等により前年同期比8.4%増加となりました。

 

この結果、当期の営業収益は161億18百万円となり、前年同期比2.6%の増収、営業利益は将来成長のための計画的な先行投資の実施により25億69百万円と前年同期比13.4%の減益となりました。経常利益については25億75百万円と前年同期比12.3%の減益、税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益は16億50百万円と前年同期比14.7%の減益となりました。なお、2022年4月に設立した葬祭会社「㈱グランセレモ東京」(㈱広済堂ホールディングス51%、当社49%の出資による合弁会社)に係る持分法による投資利益は16百万円となり、業績は堅調に推移しております。

 

当社グループでは、葬祭3社および当社を中心とした会社グループ別の4つのセグメント、「公益社グループ」、「葬仙グループ」、「タルイグループ」、「持株会社グループ」を報告セグメントとしております。なお、「公益社グループ」には、㈱公益社に加え、㈱公益社の葬儀サービスのサポートのほか介護サービス事業や高齢者施設での食事の提供等を行うエクセル・サポート・サービス㈱および終活関連WEBプラットフォーム事業を行うライフフォワード㈱を含んでおります。また、上記M&Aによって当社グループ入りとなった㈱東京セレモニーについては、第4四半期の取得となり、当期報告には含まれません。

当期のセグメント別の経営成績は次の通りです。

 

ア 公益社グループ

公益社グループの中核会社である㈱公益社においては、葬儀施行単価は前年同期比1.7%上昇しましたが、葬儀施行件数が主にコロナ関連葬儀の減少により前年同期比2.3%減少したため、葬儀施行収入は前年同期比0.6%の減収となりました。

葬儀に付随する商品の販売やサービス提供は、販売強化により、料理、仏壇仏具、後日返礼品を中心に前年同期比増収となりました。

費用については、将来の新規出店に伴う葬儀件数の増加、売上拡大に備えた人員体制強化のための人件費・採用費の増加、先行投資としての広告宣伝費等の増加により、前年同期比増加しました。

この結果、当セグメントの売上高は132億27百万円(前年同期比1.7%増)、セグメント利益は15億49百万円(前年同期比15.1%減)となりました。

 

イ 葬仙グループ

葬仙グループの㈱葬仙においては、葬儀施行件数は前年同期比同等で推移し、葬儀施行単価における会葬者の増加に伴う上昇傾向が継続したことにより、葬儀施行収入は前年同期比6.4%の増収となりました。葬儀に付随する商品の販売やサービス提供にも注力し、後日返礼品や仏壇仏具を中心に前年同期比増収となりました。

この結果、当セグメントの売上高は11億63百万円(前年同期比7.4%増)、セグメント利益は1億9百万円(前年同期比4.8%増)となりました。

 

ウ タルイグループ

タルイグループの㈱タルイにおいては、小規模な葬儀に適した新規会館を中心に葬儀施行件数が前年同期比8.7%増加と引続き堅調に推移し、葬儀施行単価は低下したものの葬儀施行収入は前年同期比7.1%の増収となりました。また、葬儀に付随する商品の販売やサービス提供についても、仏壇仏具や後日返礼品の販売増により、前年同期比増収となりました。

その一方で、出店に伴う広告宣伝費、地代家賃等を中心に費用が増加しました。

この結果、当セグメントの売上高は14億41百万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は3億8百万円(前年同期比19.6%増)となりました。

 

エ 持株会社グループ

持株会社グループの燦ホールディングス㈱においては、主に配当金収入の増加により増収となりました。

費用については主に新規出店に伴う地代家賃・減価償却費等の固定費が増加しました。

この結果、当セグメントの売上高は55億45百万円(前年同期比9.3%増)、セグメント利益は27億92百万円(前年同期比11.0%増)となりました。

 

 

② 財政状態

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は108億80百万円となり、前連結会計年度末(以下、前期末)比1億58百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が6億94百万円減少したこと等によるものです。

また、固定資産は主に、新規会館投資等に伴う建設仮勘定の増加と減価償却の進行による有形固定資産の減少の差し引きにより有形固定資産が38百万円増加したこと、繰延税金資産の減少により投資その他の資産が2億13百万円減少したこと、基幹情報システムの構築に伴い無形固定資産が1億15百万円増加したことにより251億29百万円となり、前期末比60百万円減少しました。

この結果、総資産は360億9百万円となり、前期末比2億19百万円減少しました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は26億30百万円となり、前期末比9億29百万円減少しました。これは主に、未払法人税等が5億84百万円、賞与引当金が2億97百万円それぞれ減少したこと等によるものです。

固定負債は10億8百万円となり、前期末比45百万円減少しました。これは主に、長期未払金の減少によるものです。

この結果、負債合計は36億38百万円となり、前期末比9億75百万円減少しました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は323億71百万円となり、前期末比7億55百万円増加しました。

これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益16億50百万円を計上する一方、剰余金の配当4億85百万円を支払うことにより利益剰余金が11億65百万円増加したこと、ならびに自己株式を4億56百万円取得したことによるものです。

この結果、自己資本比率は前期末比2.6ポイント上昇し、89.9%となりました。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

また、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針についても重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

該当事項はありません。