売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04773 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日、以下、「当第3四半期」という。)の日本経済は、雇用・所得環境が改善する下で、個人消費などで緩やかな回復の動きが見られました。一方、物価上昇や海外経済情勢、さらには金融・為替市場の動向などに留意が必要な状況が続きました。

このような状況において、当社グループは、「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築をめざし、「セコムグループ2030年ビジョン」の実現に取り組んでいます。また、2023年5月には、ビジョン実現に向けて今後の目指すべき方向性をより明確化し、成長をさらに確かなものとするために「セコムグループ ロードマップ2027」を策定し、各種取り組みを積極的に展開しております。

当第3四半期も、事業所向けのシステムセキュリティ「AZ」シリーズや、家庭向けの「セコム・ホームセキュリティNEO」を中心とした、セントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売を積極的に推進しました。2023年10月には、日本初となる、AIを活用して巡回・侵入監視を行うセキュリティドローン「セコムドローンXX(ダブルエックス)」の開発を発表しました。また、12月には、ウェブブラウザや専用のスマートフォンアプリを使用してどこからでもクラウド上の管理ツールにアクセスでき、遠隔で入退室管理が可能なサービス「セコムクラウド型アクセスコントロール」を販売開始するなど、様々な取り組みを通じて、ますます多様化・高度化するお客様の安心ニーズに対し、きめ細やかな切れ目のないサービスを提供することに努めました。

 

当第3四半期の連結売上高は2022年7月より連結子会社となった株式会社セノンの寄与や、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したこと、安全商品の売上が増大したことなどによる、セキュリティサービス事業の増収などにより、8,356億円(前年同期比5.2%増加)となりました。営業利益は地理空間情報サービス事業およびBPO・ICT事業の減益はありますが、セキュリティサービス事業、防災事業および保険事業などの増益により、1,036億円(前年同期比3.6%増加)となりました。経常利益は米国などにおける投資事業組合運用益で47億円増加したことなどにより、1,197億円(前年同期比6.7%増加)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は763億円(前年同期比6.2%増加)となりました。

なお、当第3四半期の売上高、経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益は過去最高を達成することができました。

 

セグメントごとの業績につきましては、次のとおりであります。

 

セキュリティサービス事業では、売上高は2022年7月より連結子会社となった株式会社セノンの寄与、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したこと、安全商品の売上が増大したことなどにより、4,519億円(前年同期比5.5%増加)となり、営業利益は849億円(前年同期比3.4%増加)となりました。

 

防災事業では、売上高は消火設備や火災報知設備の増収により、1,085億円(前年同期比10.8%増加)となり、営業利益は火災報知設備の原価率の低下などにより、52億円(前年同期比98.4%増加)となりました。

なお、当事業は建設業界の影響を受ける部分が多いため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。

 

 

メディカルサービス事業では、売上高はインドにおける総合病院事業会社タクシャシーラ ホスピタルズ オペレーティング Pvt.Ltd.の増収および医薬品の販売が好調となったことなどにより、600億円(前年同期比3.7%増加)となり、営業利益は48億円(前年同期比5.4%増加)となりました。

 

保険事業では、売上高は保険引受収益および運用収益の増収などにより、428億円(前年同期比5.4%増加)となり、営業利益は自然災害による損害の減少などにより、100億円(前年同期比14.9%増加)となりました。

 

地理空間情報サービス事業では、売上高は国内公共部門の減収などにより、384億円(前年同期比5.4%減少)となり、営業損益は工事損失引当金の計上などによる原価の増加や人件費の増加などによる販売費及び一般管理費の増加により、6百万円の営業損失(前年同期は17億円の営業利益)となりました。

なお、当事業は主要市場である官公庁への納品時期が主に3月末になるため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。

 

BPO・ICT事業では、売上高はコンタクトセンター業務やバックオフィス業務全般のBPOサービスを提供する株式会社TMJの減収はありますが、データセンター事業の増収により、937億円(前年同期比0.5%増加)となりました。営業利益は株式会社TMJの減収および原価率の上昇などにより、79億円(前年同期比12.3%減少)となりました。

 

その他事業では、売上高は399億円(前年同期比12.3%増加)となり、営業利益は53億円(前年同期比9.0%増加)となりました。

 

当第3四半期末の総資産は、前連結会計年度末に比べ177億円(0.9%)増加して2兆67億円となりました。流動資産は、現金護送業務用現金及び預金が403億円(29.8%)増加の1,758億円、現金及び預金が1,253億円(24.0%)減少の3,970億円、受取手形、売掛金及び契約資産が251億円(16.0%)減少の1,323億円となり、流動資産合計は前連結会計年度末に比べ1,112億円(11.0%)減少して8,962億円となりました。固定資産は、投資有価証券が1,067億円(35.8%)増加の4,051億円となり、固定資産合計は前連結会計年度末に比べ1,289億円(13.1%)増加して1兆1,105億円となりました。

 

負債は、前連結会計年度末に比べ56億円(0.8%)減少して6,674億円となりました。流動負債は、現金護送業務用預り金が401億円(33.7%)増加の1,590億円、その他が150億円(49.3%)減少の154億円、未払法人税等が146億円(64.3%)減少の81億円、賞与引当金が121億円(61.6%)減少の75億円、支払手形及び買掛金が118億円(25.2%)減少の351億円となり、流動負債合計は前連結会計年度末に比べ137億円(3.7%)減少して3,636億円となりました。固定負債は、繰延税金負債が79億円(72.6%)増加の188億円、リース債務が78億円(53.7%)増加の225億円、保険契約準備金が75億円(4.1%)減少の1,784億円となり、固定負債合計は前連結会計年度末に比べ81億円(2.8%)増加して3,037億円となりました。

 

純資産は、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が358億円(3.3%)の増加、自己株式が439億円(40.3%)の減少、その他有価証券評価差額金が92億円(49.2%)の増加、為替換算調整勘定が178億円(170.1%)の増加となり、純資産合計は、233億円(1.8%)増加して1兆3,393億円となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期の研究開発費の総額は5,435百万円であります。