売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04934 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの行動制限が解除され経済活動の正常化が進む中で、景気回復の兆しが見えております。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化などによる原材料費・エネルギー価格の高騰や物価の上昇に加え、為替相場の変動など依然として先行き不透明な状況が続いています。当社グループの事業領域である小売・サービスにおいては、個人消費は回復基調にあります。
雇用情勢は給与等の増加により改善の動きがみられ、消費動向も外食、旅行等の対面型サービスを中心に回復の兆しが見られます。

このような中、当社グループでは各事業分野において、人生100年時代に向けた需要増加を見据え、顧客サービスの向上、販促活動や商圏の拡大及び事業再編に積極的に取り組んでまいりました。

その結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高39,735百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益1,475百万円(同3.4%減)、経常利益1,546百万円(同0.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益824百万円(同2.0%減)となりました。

事業の種類別セグメント業績は次のとおりです。

各セグメントの営業損益のほかに、各セグメントに帰属しない全社費用等1,010百万円があります。

 

〈クリクラ事業〉

宅配水市場は、定額かつ安価で利用できる浄水型ウォーターサーバーの需要拡大に伴い顧客獲得競争は一層激しくなっております。また、物価高騰による既存顧客のボトルの買い控えや、巣ごもり需要の解消により1件当たりのボトル消費量は減少傾向が見られます。クリクラ事業では、浄水型ウォーターサーバーへの需要拡大に対して、単身者や高齢者に向けた小型の浄水型ウォーターサーバー「putio(プティオ)」を新たに販売開始しました。また、ショッピングモールなどで行うイベント営業も強化し、販促活動強化に取り組みました。

直営部門は、宅配水「クリクラ」において、物価高騰による買い控えや大手企業の参入により前年同期と比較すると顧客件数が減少しているものの、解約率は改善傾向にあります。また、長引く暑さによる水の需要増加や消費促進施策により1件当たりの消費量が増加、さらに前年度実施したクリクラボトルの値上げの影響により顧客単価が増加し、売上高は前年同期比で増加しました。次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」においては、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行した影響で、ウイルス対策として利用していた顧客の解約が増加し、売上高は前年同期比で減少しました。結果、ジアコの売上高減少をクリクラボトルや副商材の売上高増加が補い、直営部門全体の売上高は前年同期比で増加しました。

加盟店部門では、前年同期と比較した顧客件数は減少しているものの、前年度に実施した値上げの影響でボトル売上が増加し、売上高は前年同期比で増加しました。

損益面では、長引く暑さの影響やクリクラボトルの値上げによる売上高増加により、営業利益は前年同期比で増加しました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高11,567百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益1,357百万円(同14.6%増)となりました。

なお、2023年3月に株式会社クリクラ長崎を新設し、第1四半期連結累計期間より損益計上しております(影響は軽微)。

 

〈レンタル事業〉

レンタル事業では、感染症で変化したクリンネス市場の需要やライフスタイルに対応した商品・サービスの提供を行いました。さらに人生100年時代に向け、家事代行や介護用品レンタル等のサービス需要の増加を見込み、販売網の拡大やサービス体制の強化に取り組みました。

主力のダスキン事業では、ダストコントロール部門において、物価高による家計の見直し等から解約率が増加し売上高が減少しました。一方、家事代行や害虫駆除、花と庭木の管理といった包括的な役務サービスを提供するケアサービス部門、介護用品や福祉用具のレンタル・販売を行うヘルスレント部門において、引き続き事業数を増やしたこと(2018年8月に締結した株式会社ダスキンとの資本業務提携後から販促人員を増強して営業活動拡大)に加え、長引く暑さによるエアコン需要の高まりを受け、ケアサービス部門でのクリーニング受注が増加したこともあり、売上高は前年同期比で増加しました。また、2023年11月8日開催の取締役会において、株式会社ダスキンとの間で、共同プロジェクトを発足しました。このプロジェクトは、2018年8月に締結した株式会社ダスキンとの資本業務提携が事業規模の拡大に寄与し、さらなる事業拡大・成長のために発足したものです。プロジェクトの詳細は今後両社間協議により決定し進める予定です。

害虫駆除器「with」を主力とするウィズ事業では、主要顧客である飲食店への納品率が向上したことに加え、新規顧客獲得を目的とした販促活動の強化により、売上高は前年同期比で同水準(微増)となりました。

法人向け定期清掃サービスを提供する株式会社アーネストでは、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行した影響で、前年度売上に貢献していた厚生労働省が実施する水際対策の支援事業の受注が減少し、売上高は前年同期比で大幅に減少しました。

なお、2023年6月に賃貸物件等の原状回復工事を中核事業とする株式会社キャンズを子会社化し、第2四半期連結累計期間より損益計上しております。

損益面では、ダスキン事業、ウィズ事業での売上高増加があったものの、株式会社アーネストの売上高が減少した影響で営業利益は前年同期比で減少しました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高13,281百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益1,296百万円(同14.4%減、株式会社キャンズののれん償却額6百万円を含む)となりました。

 

〈建築コンサルティング事業〉

地場建築業界及び市場は、人口減少による住宅着工棟数の減少や慢性的な職人不足、長引く建築部資材の高騰により、依然として厳しい外部環境となりました。

コンサルティング部門では、長引く建築部資材の高騰やコロナ関連融資の返済開始により、引き続き顧客である地場工務店の経営改善に関する投資意欲は低下しました。また、当第3四半期連結会計期間も第2四半期連結会計期間に引き続き、IT導入支援を目的とした補助金対象商品の販売比重が増加しました。補助金対象商品は、審査申込から審査通過、振込までに時間を要し、当第3四半期連結会計期間受注分の売上高計上が第4四半期連結会計期間以降となることに加え、第1四半期及び第2四半期の受注数減少により売上高は前年同期比で減少しました。

2023年4月1日にエースホーム株式会社がナックスマートエネルギー株式会社を吸収合併し社名変更したナックハウスパートナー株式会社では、省エネ関連部資材の施工及び販売を手がけるスマートエネルギー事業(旧ナックスマートネルギー株式会社)において、半導体不足に起因する商品供給遅延が収束し供給量が安定化したこと、及び材工売上高の伸長により、売上高は前年同期比で同水準(微増)となりました。

住宅ネットワーク事業(旧エースホーム株式会社)では、上棟数の減少に伴う部材売上の減少や、コンサルティング部門と共同開発した補助金対象商品の審査期間に時間を要し、売上高は前年同期比で減少しました。

損益面では、ナックハウスパートナー株式会社のスマートエネルギー事業において、前年度に引き続き卸売中心から工事請負を含めた販売構成にシフトチェンジしたことで売上総利益率が改善しましたが、売上総利益率の高いコンサルティング部門における売上高減少により、建築コンサルティング事業全体の営業損失は前年同期比で大幅に拡大しました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高4,044百万円(前年同期比8.8%減)、営業損失247百万円(前年同期営業損失48百万円、ナックハウスパートナー株式会社ののれん償却額30百万円を含む)となりました。

 

〈住宅事業〉

住宅業界は、国土交通省発表の12月新設住宅着工戸数によると、貸家や分譲住宅を含む全体では、7ヵ月連続の減少、当社の事業領域である持家では25ヵ月連続の減少となり、引き続き厳しい状況となりました。

株式会社ケイディアイでは、昨年からの土地価格や建築部材等の高騰による住宅価格の上昇が影響し、在庫の減少による販売戸数が伸び悩み売上高は前年同期比で減少しました。

株式会社ジェイウッドでは、建築部資材の上昇分を販売価格に転嫁したことによる1棟あたりの販売単価の上昇や販売用不動産の売上高増加があったものの、完工棟数が減少し、売上高は前年同期比で減少しました。

損益面では、株式会社ケイディアイにおいて在庫の減少や住宅価格の上昇が影響し、販売戸数が減少したことで、営業利益は大幅に減少しました。株式会社ジェイウッドでは、1棟あたりの販売単価と売上総利益率が改善し売上高の減少分を補填したことにより営業損失が縮小しました。株式会社ジェイウッドの損益改善がありましたが、株式会社ケイディアイの損益悪化により、住宅事業全体の営業損失は前年同期比で拡大しました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高5,777百万円(前年同期比13.4%減)、営業損失225百万円(前年同期営業損失219百万円、株式会社ケイディアイののれん償却額7百万円を含む)となりました。

 

〈美容・健康事業〉

化粧品業界は、新型コロナウイルスの5類感染症への移行に加え、脱マスクの動きが加速したことで、メイクアップ及びアンチエイジング等のスキンケアの需要が増加しました。また、訪日外国人によるインバウンド消費も増加しており、業界全体に持ち直しの兆しが見られました。

化粧品・健康食品の通販を主力とする株式会社JIMOSでは、「SINN PURETÉ(シンピュルテ)」の伸長や、アフターコロナで美容液ファンデーションの需要が回復し、「MACCHIA LABEL(マキアレイベル)」での新規顧客獲得が順調に推移、また、原料資材高騰及び物流費用の上昇を商品価格に反映し各ブランド値上げをしたことで、売上高は前年同期比で増加しました。

栄養補助食品の販売を手掛ける株式会社ベルエアーでは、会員数減少により売上高は前年同期比で減少しました。

化粧品・健康食品・医薬品等の通販を行う株式会社アップセールでは、EC販売の価格競争が激化したことによる販売量の減少、医薬品販売の新規顧客獲得効率の悪化により売上高は前年同期比で減少しました。

化粧品受託製造を主力とする株式会社トレミーでは、化粧品市場の回復に伴う既存顧客からの受注増加に加え、大手販売先からの新規受注やインバウンド需要による受注があり、売上高は前年同期比で大幅に増加しました。

損益面では、株式会社アップセールにおいて売上高減少による損益悪化の結果損失計上となったものの、株式会社JIMOS、株式会社トレミーの売上高が増加したことに加え、グループ会社間のオフィス共用やコストコントロールが寄与し、美容・健康事業全体の営業利益は前年同期比で大幅に増加しました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高5,114百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益305百万円(同143.7%増、株式会社JIMOS、株式会社ベルエアー、株式会社トレミー及び株式会社アップセールののれん償却額等128百万円を含む)となりました。

 

(2)財政状態の分析

資産、負債および純資産の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における資産総額は、36,756百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,979百万円減少しております。これは主に、販売用不動産が1,136百万円、未成工事支出金が624百万円増加した一方で、現金及び預金が4,118百万円減少したことによるものであります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債総額は、14,613百万円となり、前連結会計年度末と比べ918百万円減少しております。これは主に未払法人税等が759百万円、買掛金が311百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産額は、22,143百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,060百万円減少しております。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上と配当支払の結果、利益剰余金が341百万円減少、及び自己株式の消却により資本剰余金が514百万円減少したことによるものであります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)が対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発費の実績は軽微なため記載しておりません。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。