加藤産業株式会社

ブランドなど:カンピージャムプロッシモ
卸売業食品卸プライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02719 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、政府による政策効果等により景況感は緩やかに回復しておりますが、世界的な金融引き締め政策の長期化による海外景気の下振れリスクや中国経済の先行き懸念、為替相場の見通し、今後の日銀による金融政策の動向など、国内景気の先行きは不透明な状態が続いております。

食品流通業界におきましては、消費者の食生活や購買行動の多様化が進むとともに、小売業の業種・業態を超えた競争が激しくなっております。さらに、原材料価格も含めた仕入価格やエネルギー価格等のコストアップに一服感がみられるものの、人件費の増加や円安の影響も加わり、商品の値上げが断続的に実施される状況が続いております。また、商品の値上げ等により家計への負担感がさらに増すことで、日常の生活関連消費については生活防衛意識が一層強くなると予想されます。そして、外食関連需要に回復が見られる一方、家庭内消費に関連する需要は堅調ではあるものの、物価上昇に伴う節約志向の進行による消費マインドの冷え込みが強まることが懸念されます。

このような状況に対して当社グループは、グループミッションである『豊かな食生活を提供して人々の幸せを実現すること』を目指して、デジタル技術の活用も含めた取引先との取組み強化、業務の生産性向上及び人材の育成・活性化に取り組み、付加価値を高める営業活動・業務活動を進めてまいりました。そして、2023年10月には、当社のジャム類等の製造事業を株式会社グリーンウッドファクトリー(兵庫興農株式会社より商号変更)へ承継し、グループ内で卸売事業と製造事業に特化する体制へ変更することにより、製造機能の充実と事業の成長を目指してまいります。また、菓子卸売事業の中間持株会社である加藤菓子ホールディングス株式会社を設立し、管理業務の集約化・一元化等を通してさらなる生産性の向上と営業力の強化を進め、今後の菓子卸売事業拡大の基盤を構築してまいります。

海外事業におきましては、今後の当社グループの成長戦略の一つとして位置づけ、マレーシア・ベトナム・シンガポール・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、日本を含めたアジア地域における食品流通事業の強化を進めてまいりました。そして、2023年10月にはシンガポールの食品卸売会社であるTeo Soon Seng Pte.Ltd.の株式を取得して連結子会社とし、同国での確固たる卸売業グループとなることを目指し、今後も東南アジアを中心に海外事業全体のさらなる拡大を図ってまいります。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間における営業収益は、既存得意先を中心とした取引の増大に加えて、外食関連需要の回復による取引の増加もあり、前年同四半期に比べて6.2%増加して3,024億36百万円となり、営業利益は51億84百万円(前年同四半期比14.4%増)、経常利益は58億24百万円(前年同四半期比12.8%増)となりました。そして、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期に比べて11.6%増加の37億68百万円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。

 

<常温流通事業>

当社グループの主力事業であります常温流通事業につきましては、家庭内消費に関連する需要は堅調に推移しておりますが、原材料価格も含めた仕入価格やエネルギー価格等のコストアップに一服感がみられるものの、人件費の増加や円安の影響も加わり、商品の値上げが断続的に実施される状況が続いております。また、商品の値上げ等により家計への負担感がさらに増すことで、日常の生活関連消費については生活防衛意識が一層強くなることが予想され、厳しい経営環境で推移いたしました。

このような状況に対して、価格だけに頼らない価値の提供に向けて、提案型営業の一層の推進や卸売業としての役割・機能の進化を通して、仕入先との取組み強化及びデジタル技術の活用も含めた得意先との関係強化を図るとともに、業務の生産性向上及び人材の育成・活性化に努めてまいりました。

以上の結果、営業収益は1,879億26百万円(前年同四半期比5.3%増)となり、営業利益は40億48百万円(前年同四半期比10.9%増)となりました。

 

<低温流通事業>

低温流通事業につきましては、行動制限の撤廃や入国制限の緩和等により人流と国内消費の回復が期待される環境になりつつある一方、物価上昇に賃金上昇が追いつかず生活防衛意識のさらなる高まりが懸念されるとともに、各種コストの上昇等もあり、厳しい経営環境で推移いたしました。

このような状況に対して、付加価値商品の積極的な提案を継続して行い、取引先との関係強化を図るとともに、コスト削減に向けた業務効率化に取り組んでまいりました。

以上の結果、営業収益は304億21百万円(前年同四半期比2.7%増)となり、営業利益は4億88百万円(前年同四半期比57.2%増)となりました。

 

<酒類流通事業>

酒類流通事業につきましては、外食関連需要やインバウンド需要が回復しているものの、飲酒人口の減少や若年層のアルコール離れ等により消費の規模は縮小傾向が続いております。さらに原材料やエネルギー価格の上昇、物流面におけるコストアップにより商品の値上げが断続的に実施されている状況にあり、2023年10月の酒税法改正等を背景に消費の二極化がより一層鮮明になっている中で、今後の消費者の購買動向によっては企業間の競争が一層激しさを増す厳しい経営環境で推移いたしました。

このような状況に対して、主要取引先との取組み強化、自販力の強化及び得意先の要望に応じた提案型営業の強化を図るとともに、利益管理を徹底し、業務の効率化や生産性の向上を図り、ローコストオペレーションに取り組んでまいりました。

以上の結果、営業収益は、既存得意先との取引増大に加えて外食需要の回復も寄与し、625億3百万円(前年同四半期比9.7%増)となり、営業利益は4億41百万円(前年同四半期比68.0%増)となりました。

 

<海外事業>

海外事業につきましては、マレーシア・ベトナム・シンガポール・中国国内での食品卸売事業の展開を図っており、既存の海外卸売業としてのベースに加え、日本国内で培ってきた営業力の浸透及び経営管理の定着と、各国でのプロモーションの強化、取り扱いブランドの新規獲得、現地企業間でのシナジーの創出に取り組んでまいりました。

以上の結果、営業収益は、2023年4月に株式を取得したNam Khai Phu Service Trading Production Co., Ltd.の連結化に加えて、為替変動の影響もあり、205億86百万円(前年同四半期比9.4%増)となりましたが、営業利益は、マレーシアでの主要なサプライヤーブランドの一部が政策変更されたことで、当該ブランドの取り扱いが減少したこと等により、営業損失38百万円(前年同四半期は営業利益1億7百万円)となりました。

 

<その他>

その他の事業につきましては、物流関連事業がその主な内容であり、営業収益は、物量の増加等により30億47百万円(前年同四半期比9.1%増)となり、営業利益は諸経費等の減少により1億99百万円(前年同四半期比13.1%増)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて387億14百万円増加し4,915億82百万円となりました。

流動資産は、主に売上債権及び棚卸資産が増加したことから、364億6百万円増加し3,477億84百万円となりました。また固定資産は、有形固定資産の取得及びのれんの計上により増加したことから、23億8百万円増加し1,437億98百万円となりました。

流動負債は、主に仕入債務が増加したことから、352億69百万円増加し3,075億21百万円となり、固定負債は、投資有価証券の時価評価額の上昇等により繰延税金負債が増加したことから、4億46百万円増加し253億51百万円となりました。

純資産は、29億99百万円増加し1,587億8百万円となり、その結果、自己資本比率は30.9%となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。