株式会社アイ・テック

上場廃止 (2023/01/25) 株式の併合 卸売業鉄鋼スタンダード

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01297 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大懸念や企業物価・消費者物価の上昇により、景気の下押しはあるものの、個人消費、設備投資及び生産等を中心に持ち直しの動きが見られ、企業収益においても一部に弱さが見られるものの改善しており、景気は総じて見れば持ち直しております。また、海外経済におきましては米国等を中心に回復しているものの、中国においては不動産市場の動向、経済活動の抑制の影響に加えて、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの懸念もあり、先行きは不透明な状況となっております。

当鉄鋼流通加工業界におきましては、引き続きデータセンターや物流倉庫等の建築物件は堅調に推移しており、首都圏の再開発案件につきましても、本格化しつつあります。一方、地方におきましては、鋼材をはじめとする建築資材の高騰から設備投資の中止や延期等により仕事量は減少しておりましたが、徐々に持ち直しの兆しが見えて参りました。この様な状況から鋼材の出荷量も回復傾向となっております。また、スクラップ価格は一時的に海外市況の影響を受け、下落したものの徐々に回復しております。

国内大手鉄鋼メーカーは、鉄鉱石や石炭等の原材料価格については落ち着きを取り戻しつつあるものの、電力料等上昇する各種コストを受け製品価格への転嫁姿勢を崩しておらず、鋼材市況は今後も現在の様な高値圏で推移するものと予想されます。

このような環境下にありまして当社グループは、各地域において、地道な営業活動により販売エリアの拡大・シェアアップを図っており、それらが徐々に実を結び出荷量は回復して参りました。

これらから鋼材の販売・加工事業につきましては、販売量は前年同期を上回る結果となり、販売単価につきましても大幅に上昇している事から、売上高は前年同期を大幅に上回る結果となりました。

なお、鉄骨工事請負事業は、首都圏及び地方の中核都市を中心に投資計画はあるものの、鋼材費の値上がり等もあり受注活動は厳しさを増しております。工事売上高につきましては、全社的に工事受注に注力しており、中小物件は完成物件数及び売上金額共に増加した事に加え、大型物件の売上高も物件の大型化に加えて進捗も順調だった事から大幅な増加となりました。これらの結果から当第2四半期連結累計期間の売上高は53,373百万円(前年同期比40.7%増)となりました。

収益面におきましては、鋼材の販売・加工事業は、販売量の増加に加え、国内鋼材市況は急速に上昇した事から、収益率は大幅に改善しておりましたが、鋼材市況が高値安定に向かう中で、在庫簿価も急速に上昇しており、収益率は徐々に平時の状況に近づいております。鉄骨工事請負事業は、売上高は増加したものの、工事原価につきましては、鋼材価格の上昇をはじめとして、副資材、人件費、輸送費等の上昇から、大変に厳しい結果となりました。これらの結果から当第2四半期連結累計期間の営業利益は2,935百万円(前年同期比6.6%減)となりました。また、営業外損益につきましては、生命保険解約による保険解約返戻金47百万円及び一部工場において地震や大雪の被災があり災害による損失77百万円等の計上により、経常利益は2,974百万円(前年同期比6.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,887百万円(前年同期比5.9%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(鋼材の販売・加工事業)

鋼材の販売・加工事業は、建築関連の民間設備投資は持ち直しの動きが見られるものの、力強い回復には至っておりませんが、従来から堅調に推移していた都市部に加えて、地方におきましても、ようやく明るさを取り戻しつつあり、荷動きも徐々に回復して参りました。このような状況の中、販売量は前年同期を上回る結果となり、販売単価は前連結会計年度から当第2四半期連結累計期間を通じて継続的に値上りをした事から、売上高は前年同期を大幅に上回る結果となりました。

品種別に見ますと、当社主力のH形鋼は建築向けの大型サイズや外法H型鋼の伸びが大きかった事に加えて、土木向けについても堅調に推移し販売量は前年同期を上回る結果となりました。その他条鋼につきましても、自社製品でありますC形鋼、カクパイプは前年同期が非常に好調だった事から反動減とはなりましたが、アングルや鋼矢板も堅調に推移しました。これらから条鋼類の販売量は前年同期を上回る結果となり、販売金額は単価上昇により大幅な増加となりました。また、鋼板類は、土木向けの敷板等が大幅に減少した事に加えて、建築向けの切板及び切断用母材等も前年同期を下回る結果となりました。当社にて製造販売をしている合成スラブ用デッキとフラットデッキは、前年同期は工事現場での作業工程の遅れや中小物件の減少等により出荷量が伸び悩んでおりましたが、大幅な回復となりました。これらの結果、販売量は前年同期並となり、販売金額は前年同期を大幅に上回る結果となりました。鋼管類は、在庫出荷のロール成形コラムが堅調に推移した事に加えて、物件対応のプレス成形コラムの出荷量が大幅に増加いたしました。しかしながらパイプ類は厳しい結果となった事から、販売量は前年同期並となり、販売金額は他品種と同様に単価上昇のインパクトから大幅な増加となりました。以上の結果から、売上高は45,720百万円(前年同期比48.1%増)、セグメント利益は前連結会計年度からの急速な鋼材市況の上昇を受け、一時的な収益率の改善後、徐々に収斂に向かっているもののおおむね堅調に推移した事から3,631百万円(前年同期比25.6%増)となりました。

(鉄骨工事請負事業)

鉄骨工事請負事業は、民間設備投資は持ち直しているものの力強さがなく、首都圏を中心とした再開発や大型物件につきましては、従来からの計画通りに進むものと考えられます。また、地方の中小物件等については景気低迷から中止や延期等もありましたが、徐々に動きが出て参りました。売上高につきましては、中小物件は順調に完成時期を迎えた事や比較的大きな物件もあり大幅な増加になった事に加え、大型物件はオリンピック後の再開発物件等が活発化しており、進捗物件数も回復して参りました。これらの結果、売上高は7,210百万円(前年同期比12.4%増)と増加となりました。また、収益につきましては、引き続き工事管理部門の強化や鉄骨加工子会社の原価低減は進めているものの、鋼材価格の急激な上昇やその他副資材、光熱費、輸送費等の上昇を受けて、原価総額が当初の予定原価上回る工事が散見され、セグメント利益は264百万円(前年同期比54.2%減)となりました。

(その他)

その他は、運送業及び機械販売業であり、運送業についてはグループ内の輸送が減少する中、グループ外の鉄骨製品輸送を積極的に行っており、売上高は前年同期を上回ったものの、燃料費や傭車費の上昇から収益としては厳しいものとなりました。また、機械販売業につきましては当第2四半期連結累計期間において、検収された機械等も少なく売上高は大幅に減少しました。これらにより売上高は442百万円(前年同期比32.6%減)、セグメント利益は80百万円(前年同期比51.1%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産の部)

当第2四半期連結会計期間末における資産合計は86,213百万円(前連結会計年度末は76,530百万円)となり、9,683百万円増加しました。主な要因は、売上高の増加等による受取手形、売掛金及び契約資産の増加3,510百万円、在庫数量の増加及び簿価上昇による原材料及び貯蔵品の増加1,053百万円並びに工事進捗に伴う未成工事支出金の増加2,337百万円、流動資産その他の増加1,737百万円等がありましたが、減価償却による有形固定資産の減少389百万円、保険積立金の減少264百万円等により一部相殺されたものであります。

(負債の部)

当第2四半期連結会計期間末における負債合計は50,526百万円(前連結会計年度末は42,211百万円)となり、8,315百万円増加しました。主な要因は、短期借入金の増加7,300百万円、契約負債の増加1,148百万円及び流動負債のその他の増加927百万円等がありましたが、未払法人税等の減少1,238百万円等により一部相殺されたものであります。

(純資産の部)

当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は35,686百万円(前連結会計年度末は34,319百万円)となり、1,367百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金の増加1,330百万円であります。この結果、当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は41.1%となりました。

③ キャッシュ・フローの状況

当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ927百万円増加した事により、当第2四半期連結会計期間末には4,036百万円(前年同期比39.8%減)となりました。

当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は5,165百万円(前年同期は976百万円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加額3,510百万円、棚卸資産の増加額3,487百万円、その他の流動資産の増加額1,733百万円及び法人税等の支払額2,289百万円等がありましたが、税金等調整前四半期純利益2,975百万円に加え、減価償却費613百万円、契約負債の増加額1,148百万円及びその他の流動負債の増加額833百万円等により一部相殺されたものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は510百万円(前年同期比17.4%増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出242百万円、有形固定資産の取得による支出179百万円及びその他支出537百万円等がありましたが、定期預金の払戻による収入145百万円及び保険積立金の払戻による収入344百万円等により一部相殺されたものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は6,602百万円(前年同期602百万円の使用)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額7,300百万円と配当金の支払額546百万円等によるものであります。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間における研究開発活動について、特記すべき事項はありません。