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E00738 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する分析・検討内容は次のとおりです。

(1) 経営成績の状況の概要

 当中間連結会計期間における日本経済は、企業収益や雇用情勢の改善を背景に緩やかな回復が続きました。一方で、アメリカの通商政策による今後の企業収益への影響や、物価上昇の継続がもたらす個人消費の下振れ懸念は、景気の先行きに不透明感を与えています。

 メディアの経営環境は、SNSの影響力の急速な拡大や生成AIの進化により大きく変化しています。SNS情報は幅広い世代に浸透し、既存メディアへの不信感と相まって様々な社会活動に強く影響を与えるようになりました。生成AIの進化によりメディアも変革を迫られています。また、新聞の総発行部数の減少に歯止めがかからない中、製作費や物流関連費などのコストの高止まりに加え、用紙の安定的な調達など新聞発行体制の維持も経営上の課題となっています。

 このような状況の下、当社グループは2030年のグループ長期経営計画の目標達成に向けて、社会の価値観の変化やテクノロジーの進化に柔軟に対応すべく、成長戦略と組織風土のアップデートに取り組みました。生成AIを顧客に向けたコンテンツ、サービスに取り入れるとともに、社内の業務にも積極的に導入し、効率的な働き方を推進しました。また、SNSを活用し、若年層の読者と日経をつなぐ接点を広げています。さらに、ジョブ型人事制度の浸透やマネジメント改革を一層進めるとともに、多様性を尊重し柔軟性を備えたイノベーティブな組織への変革を推進しました。

 当中間連結会計期間の業績は、売上高が1,874億75百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益が59億17百万円(前年同期比12.2%減)、経常利益が65億6百万円(前年同期比20.0%減)、税金等調整前中間純利益が93億23百万円(前年同期比10.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益が51億円(前年同期比6.7%減)となりました。

 

 セグメントごとの業績は次のとおりです。
 
①メディア・情報事業
 当社グループの中核となる新聞関連では、デジタル技術を活用した報道や、分析・解説型のビジュアルコンテンツの拡充、映像ドキュメンタリーの制作など、活字だけに頼らない多面的なコンテンツ展開で読者への多様な視点や新しいニュース体験の提供に努めました。データ・調査報道シリーズ「ニッポン華僑100万人時代」は、ビジュアルにも強く訴える内容に有料会員のアクセス数はシリーズ累計で約110万に達したほか、NIKKEI Asiaのアクセス数も140万超を記録し、海外でも高い関心を集めました。また、日経電子版では3月から生成AIが自動的にQ&Aを作成して読者のより深い記事への理解を助ける新機能「Ask! NIKKEI」を始めました。同世代の読者へのリーチを目指した若手記者によるSNS発信プロジェクト「Spray NIKKEI」も3月から開始しました。また3月に「日経ヴェリタス」のデジタル版を創刊しました。これに伴い紙媒体は休刊しました。

英文媒体のNIKKEI Asiaは、アジア出版者協会(SOPA)のグローバル枠で3年連続の最優秀賞を受賞するなど、グローバルメディアとして質の高いジャーナリズムを発信し続けています。

 イベント関連では、大型産業展示会の「日経メッセ」を東京で開催、昨年に引き続き来場者数は20万人を超え、活況を呈しました。5月に開催した「日経フォーラム アジアの未来」は初回から30年目の節目を迎えました。また、東京国立近代美術館で開催した「ヒルマ・アフ・クリント展」や国立科学博物館などで開催した「鳥展」も好評を得ました。

 販売収入は、電子版が堅調に推移しましたが、紙媒体の部数減少により全体としては減収となりました。

 広告収入は、素材・機械・エネルギー、HRサービスなどの業種で前年同期を上回りましたが、食品・医療日用品、情報・コンサルティングなどが下回り、全体では減収となりました。

 フィナンシャル・タイムズ・グループは、デジタル有料会員数が堅調に推移し、デジタル広告収入やイベント収入も好調だったことで増収となりました。

 出版関連では、書籍販売や技術、経営メディア広告が苦戦し、減収となりました。

 デジタル関連では、「日経NEEDS」「日経リスク&コンプライアンス」「日経テレコン」が増収を牽引しました。さらに、3月に提供を開始した生成AIを活用した法人向け情報サービス「NIKKEI KAI」も着実に顧客を獲得しています。オンライントレードサービスの好調もあり、全体で増収となりました。

 以上の結果、「メディア・情報事業」の売上高は1,857億35百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は45億3百万円(前年同期比14.7%減)となりました。


②その他の事業
 賃貸料収入は堅調でしたが、全体ではわずかに減収となりました。

 「その他の事業」の売上高は38億76百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益は14億10百万円(前年同期比3.3%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況の概要

 総資産は、前連結会計年度末と比較して0.4%減の6,578億73百万円となりました。これは、受取手形、売掛金及び契約資産の減少が主な要因です。負債合計は、その他の固定負債の減少などで前連結会計年度末比1.4%減の2,572億53百万円となりました。純資産額は、利益剰余金の増加などの影響により前連結会計年度末比0.2%増の4,006億20百万円となりました。この結果、当中間連結会計期間末の1株当たり純資産額は前連結会計年度末の14,672円79銭に対し、14,705円3銭となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の概要

 当中間連結会計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7億86百万円(0.8%)減少し、1,035億1百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当中間連結会計期間における営業活動により得られた資金は139億47百万円であり、前中間連結会計期間に比べ26億29百万円(15.9%)減少しています。これは、法人税等の支払額が増加したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当中間連結会計期間における投資活動の結果使用した資金は204億42百万円であり、前中間連結会計期間に比べ137億円(203.2%)増加しています。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が増加したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当中間連結会計期間における財務活動により得られた資金は57億86百万円(前年同期は58億24百万円の使用)となりました。これは、長期借入れによる収入が増加したことなどによるものです。

(4) 生産、受注及び販売の実績

販売実績

 当社グループの生産、販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また受注生産形態をとらないものが多いため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。

 このため販売の状況についてのみ「(1)経営成績の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて示しています。

 

 

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2025年 1月 1日

至 2025年 6月30日)

前年同期比(%)

メディア・情報事業(百万円)

185,527

101.8

その他の事業(百万円)

1,947

103.2

合計(百万円)

187,475

101.9

 (注)1.主要な販売先に総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しています。

(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況の概要及び(2) 財政状態の状況の概要」に記載されています。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの状況の概要」に記載されています。

 当社グループの事業活動における運転資金需要のうち主なものは、人件費、材料費、販売費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資や事業会社への出資等によるものです。

 資金の源泉については、主として営業キャッシュ・フローを源泉とした自己資本に加え、金融機関からの借入れによって安定的に確保することを基本としています。

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は1,035億1百万円となっており、現在必要とされる資金水準を十分に満たす流動性を保持していると考えています。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。