E02538 Japan GAAP
(1)経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
資源価格の高騰に伴う物価上昇は継続しており、加えてトラックドライバーの待遇改善に伴い政府方針として運賃の大幅な増額が求められていることから、出版流通ネットワークおよび出版流通事業は危機的状況に直面しております。また、無書店自治体は全国の28.6%に及んでおり、持続可能な書店経営モデルの確立が求められております。
上記を背景に、安定的な出版流通ネットワークの構築および書店振興に向けて企業間連携の動きが進んでおります。流通を担う当社グループとしましては、全体最適の視点による流通システムの再設計や、新しいビジネスモデルの構築が急務となっております。
上記の経営環境の中、当中間連結会計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当中間連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ27,229百万円減少し、326,752百万円となりました。
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ25,842百万円減少し、224,108百万円となりました。
当中間連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,386百万円減少し、102,643百万円となりました。
b.経営成績
当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は197,709百万円(前年同期比4.5%増)、営業損失は1,374百万円(前年同期は営業利益352百万円)、経常損失は1,122百万円(前年同期は経常利益560百万円)となりました。
特別損益を加味した税金等調整前中間純損失は789百万円(前年同期は税金等調整前中間純利益373百万円)となり、最終的に法人税等を控除いたしました親会社株主に帰属する中間純損失は1,533百万円(前年同期は親会社株主に帰属する純利益276百万円)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
出版流通事業の売上高は、195,194百万円(前年同期比4.3%増)。
不動産事業の売上高は、2,120百万円(前年同期比15.3%増)。
その他事業の売上高は、394百万円(前年同期比62.9%増)。
②キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前中間純損失789百万円に、売上債権及び仕入債務の増減、有価証券の取得及び売却、借入金による収支等を加減した結果、当中間連結会計期間末には27,253百万円となり、前年同期と比べ11,395百万円減少しております。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純損失に仕入債務の減少による資金の減少分や、売上債権の減少による資金の増加分等を加減した結果、5,608百万円の増加(前年同期は6,152百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券等の取得及び売却による収支に、貸付金の回収と支出の加減や有形固定資産の取得及び売却により、11,403百万円の減少(前年同期比2,763百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の借入れ及び返済による収支に、自己株式の取得による支出等により、2,713百万円の減少(前年同期比697百万円の増加)となりました。
③販売及び仕入実績
a.販売実績
当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2025年4月1日 至 2025年9月30日) |
前年同期比(%) |
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出版流通事業(百万円) |
195,194 |
104.3 |
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不動産事業(百万円) |
2,120 |
115.3 |
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報告セグメント計(百万円) |
197,315 |
104.4 |
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その他事業(百万円) |
394 |
162.9 |
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合計(百万円) |
197,709 |
104.5 |
(注)前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間における主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合
は、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
b.仕入実績
当中間連結会計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当中間連結会計期間 (自 2025年4月1日 至 2025年9月30日) |
前年同期比(%) |
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出版流通事業(百万円) |
165,139 |
102.5 |
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合計(百万円) |
165,139 |
102.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループ経営陣は中間連結財務諸表の作成にあたり、中間連結会計期間末日における資産・負債の数値及び中間連結会計期間における損益の数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければならず、売掛債権、固定資産及び偶発債務等に関し、経営陣は過去の実績や現在の状況をふまえ引当金の計上等の見積りに対して合理的かつ継続的判断を行っておりますが、実際の結果は当初の見積りと異なる場合があります。
当社グループは、以下の重要な会計方針が当社グループの中間連結財務諸表作成において特に重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.棚卸資産
「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(1)重要な資産の評価基準及び評価方法」に記載しております。
b.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産の価値が著しく下落し、投資額の回収が見込めない場合には減損を計上しており、株式については、時価があるものは取得価額を時価が著しく下回った場合に、市場価格のない株式等については、投資額の回収が見込めない場合に評価損を計上しております。
c.引当金等
貸倒引当金等の引当金については「第5経理の状況 1.中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表 注記事項 中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4.会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。
②当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)経営成績
売上高は197,709百万円(前年同期比4.5%増)となり、前中間連結会計期間より8,528百万円増加しました。
売上原価は、164,552百万円(前年同期比2.8%増)となり、売上総利益は33,156百万円(前年同期比13.8%増)となりました。
また、販売費及び一般管理費は、34,531百万円(前年同期比20.0%増)となり、営業損失は1,374百万円(前年同期は営業利益352百万円)、経常損失は1,122百万円(前年同期は経常利益560百万円)となりました。
特別利益に固定資産売却益などを計上し、また特別損失に減損損失などを計上した結果、税金等調整前中間純損失は789百万円(前年同期は税金等調整前中間純利益281百万円)となり、親会社株主に帰属する中間純損失は1,533百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益276百万円)となりました。
2)財政状態
ア.キャッシュ・フロー
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
イ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金において出版物等の仕入にかかるもののほか、運賃、荷造費及び人件費等の営業費用であります。
設備投資資金においては、有形固定資産の取得等にかかるもののほかソフトウエアの取得等であります。
ウ.財務政策
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入等により資金調達をすることとしております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、事業環境の変化に中長期的に対応し、継続的な企業成長を実現すべく、2024年度から策定した3ヶ年の中期経営計画「BEYOND」を進めております。持続可能な「シン・出版流通モデル」を構築するため、輸配送や情報インフラ、取引構造までを含めた抜本的構造改革に取り組むとともに、新たな事業機会の開拓と収益化に向けて取り組みを加速させました。
1.「本業改革」のために
①持続可能な出版流通の実現を目指して
持続可能な出版流通の構築に向けて「サステナブル・ロジスティクス開発室」を新設し、高騰する運賃の対策のために、地域の書店営業部門とともに輸送会社と協議しながら、配送コースの集約や輸送手段の見直しによるコスト削減に取り組んでおります。コスト抑制施策と併せて、当社グループの自助努力のみではコストが賄えない取引の見直し及び当該取引先各社との交渉を進めて参りました。
また、当社グループでは大手コンビニエンスストア(以下、CVS)約2万軒の取引を日本出版販売株式会社から引き継ぐ対応を進め、2025年7月に移管を完了しました。CVSにおける販売及びCVSへの輸配送は、雑誌市場及び出版輸配送のルート構築において欠かすことのできない、極めて重要な基盤であります。出版流通の基盤である雑誌流通を維持するためにも、CVSにおける売上の維持・拡大につながる商品の開発やキャンペーン展開に注力し、出版物の売場を確保することで、販売拠点としての価値向上と収益確保を図りました。
書店営業部門においては組織の再編を行い、顧客サービスの向上を進めました。コンタクトセンターの新設によって、受発注や配本に関わる業務を集約し、営業サポート体制を整備しました。これによって、書店営業部門は書店の収益改善や店頭活性化につながる施策に注力するとともに、担当地域の輸配送課題の解決、自治体連携の取り組みなどにも枠を広げ、書店マーケット拡大に向けた取り組みを進めております。
また、小型書店の開業をサポートするパッケージ「HONYAL」を拡大し、上半期に31店舗が開店しました。無書店自治体をはじめとする地方自治体や地元企業と連携した出店を広げていくことで、地方創生と書店マーケットの維持・拡大を図って参ります。
②本業をプラットフォームとした新規事業への挑戦
当社グループは新たな収益事業の早期確立を目指し、出版流通ネットワークという本業のプラットフォームを活用した新規ビジネスの創出に注力しております。
その一つであるコンテンツビジネスでは、有力IPホルダーとのコラボレーションによるオリジナルグッズの製作販売や期間限定ショップの企画運営、映像作品への出資を推進すると共に、当社グループ自身がIPホルダーとなり、新たなコンテンツの創作と展開にも取り組んでおります。当期はコミックレーベル「フリーディアコミックス」「テラーコミックス」から電子コミックを中心に作品を刊行し、売上拡大を図っております。
海外事業においては、契約管理の利便性向上を実現する独自の版権仲介管理システム「TORAS」の利用拡大を図り、版権仲介事業における更なるシェア拡大に取り組みました。併せて、キャラクターグッズを中心とした海外輸出販路の拡大に向けて、日本コンテンツの祭典であるフランス・ジャパンエキスポやアメリカ・ロサンゼルスのアニメエキスポなどに出店を行い、マーケティングを進めるとともに現地販売先を拡大しております。
2.「事業領域の拡大」のために
当社グループは本業に大きく偏った事業構成から脱却すべく、新たな事業領域への新規参入と事業規模拡大に取り組んでおります。
①不動産事業
不動産事業では、引き続き保有資産の運用効率最大化を推し進めております。旧本社跡地に竣工したオフィス棟・住宅棟は既に収益化が進んでおります。収益物件の新規取得や組み換え、不動産を軸とした新規事業の推進等、当社グループの経営基盤を支える重要な収益事業として更なる拡大に注力いたします。
②その他新規事業の推進
グループ会社については、引き続き経営資源の再配置や会社間連携の強化を通じ、新たな商品開発、販路拡大、本業とのシナジー創出を推し進めております。グループ会社の中でも、特に株式会社マリモクラフトを中心に展開しているキャラクタービジネスは高い収益性に加えて、海外市場での展開も含めて成長余力が大きいことから、更なる事業拡大を推進して参ります。
海外市場における販路は、日本出版貿易株式会社との連携を活かして、拡大を加速して参ります。また、世界各国で開催されるイベントへの出展を積極的に行い、現地での販売とマーケティングを進めます。加えて、サウジアラビアへの進出も計画しており、現地代理店との連携のもとで新規販路開拓に挑戦して参ります。
中期経営計画『BEYOND』の3ヶ年は、我が国の出版流通と書店文化を未来へ繋げていくための重要な改革期と位置付けております。書店経営が持続可能な環境の実現と、多様性に富んだ我が国の豊かな読書環境の更なる発展に向けて、これまで以上に努めて参ります。
c.資本の財源及び資金の流動性
資金需要
当社グループの事業における運転資金需要の主なものは、当社グループの出版流通事業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払、貸金業を営む上での転貸資金の確保、各事業における一般管理費の支払等があります。また、設備資金需要としては、物流拠点及び店舗開発のための有形固定資産投資や、情報処理のための無形固定資産投資等があります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。
当社グループの主要業務である出版流通事業に係る商品仕入代金や配送運賃等の支払資金に関しては、企業間信用に基づく掛仕入とこれまでに蓄積してきた内部留保や、金融機関からの借入を資金の源泉としており、安定した支払いを実現しております。
また、貸金業を営む上での転貸資金は主に金融機関からの借入で賄っておりますが、金融機関には十分な借入枠を有しており、当社グループの維持拡大、運営に必要な運転、設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。