株式会社ヤナセ

小売業自動車販売

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02586 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当中間連結会計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウィルス感染症の感染症法上の位置づけが5類へ移行されたことに伴い、日常生活における脱コロナの動きが加速したことで、緩やかながら回復の傾向が見られました。一方、ロシア・ウクライナ情勢は未だ解決の見通しが立たず、イスラエル・パレスチナによる紛争の勃発、エネルギー価格、原材料価格の高騰、ドル・円相場は数十年ぶりの円安が続く等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 この間、国内の乗用車市場は、過年度に見られた半導体の供給不足や、新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴う工場の一時操業停止といった不安要素は概ね解消し、車種ブランド毎に偏重は見られるものの車両供給は徐々に正常化しております。

 このような中、当社グループは、引き続き万全な感染防止策を徹底しつつ、お客様にご満足いただける店舗づくりを推進し、新規需要を喚起してまいりました。昨年度より開設した当社取り扱い車種のオーナー限定WEBサイト「YANASE X FIELD」では、当社が厳選した商品のご案内や、異業種企業との協同によるプレミアムイベントを開催し、お客様に特別な体験をご提供できるよう、日々、新たな企画を磨いております。また、新たに今年度からスタートした中期経営計画2024「Gear up for the Future」に基づき、構造改革の推進による「既存」ビジネスの更なる強化と「新たな収益源」の積み増しを実現すべく、収益基盤の多様化を推進しております。その結果、自動車関連の販売状況は、新車販売台数は13,359台(前年同期比1.6%増)、中古車販売台数は16,020台(同14.1%増)、整備台数は321,723台(同1.3%減)となりました。

 新車販売事業の主なブランド別の内訳は、主力のメルセデス・ベンツ車については、昨年度に引き続き、メルセデスの真骨頂を謳う「新型Cクラス」が新車の販売台数を力強く牽引した他、高価格帯車両である「Gクラス」をはじめ、「GLA」、「GLC」といった人気のSUV車も好調な売れ行きを示しました。一方、フルモデルチェンジの発売を控えた一部車種の販売台数の伸び悩みもあり、結果としてメルセデス・ベンツ車の販売台数は11,207台(同1.8%増)となりました。

 BMW車については、BMWの中核を担うモデルであり、多くのBMWオーナーにとってもブランドの象徴として知られる「3シリーズ」の販売が好調に推移し、昨年度2月に新型が発売された人気のコンパクトSUVモデル「X1」も好調な売れ行きを示した結果、販売台数は809台(同11.6%増)となりました。

 アウディ車については、スポーティネスを際立たせながらも気品のある佇まいを誇る主力セダン「A3」の販売が好調に推移し、人気のSUV「Q3」も好調な売れ行きを示した結果、販売台数は816台(同3.7%増)となりました。

 中古車販売事業は、メルセデス・ベンツサーティファイドカーセンター、ブランドスクエアにおいて上質な中古車の販売拡大に努めてまいりました。また、査定システムの改良を進めており、今後はより競争力のある査定額をお客様に掲示することができるようになります。ハード・ソフトの両面で収益拡大に取り組んだ結果、中古車全体の販売台数は16,020台(同14.1%増)となりました。

 アフターセールス事業は、販売・サービス部門間で密な連携を取って、車検・定期点検の早期予約獲得に努めております。また、整備台数を過度に追い求めることなく、作業予約制によるお客様来店入庫の更なる促進を図ってまいりました。1台の車両により長く向き合い、高品質なサービスの提供に努めた結果、サービスの整備台数は321,723台(同1.3%減)となりました。

 以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は236,603百万円(同12.8%増)、営業利益は10,023百万円(同12.0%減)、経常利益は10,053百万円(同20.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は6,811百万円(同21.2%減)となりました。

 なお、財政状態の状況については、(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容に記載しております。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前中間連結会計期間に比べて3,343百万円減少し、874百万円(前年同期4,218百万円)となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は5,957百万円(同6,799百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益10,013百万円、減価償却費5,510百万円、賞与引当金の増加6,024百万円、仕入債務の増加16,141百万円による資金の増加があった一方、売上債権の増加2,721百万円、棚卸資産の増加14,324百万円、その他の流動負債の減少8,647百万円、法人税等の支払5,536百万円による資金の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,024百万円(同1,612百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,488百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は4,864百万円(同12,601百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の増加9,587百万円による資金の増加があった一方、長期借入金の返済6,060百万円、配当金の支払8,368百万円による資金の減少によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

 該当事項はありません。

b.販売実績

 当中間連結会計期間における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門の名称

当中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

自動車関連部門

235,205

112.9

その他部門

1,398

100.5

合計(百万円)

236,603

112.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

①当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(流動資産)

 当中間連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて9,416百万円増加し、82,393百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が2,725百万円、棚卸資産が6,746百万円増加したことであります。

 

(固定資産)

 当中間連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べて2,342百万円増加し、147,964百万円となりました。この主な要因は、機械装置及び運搬具が3,633百万円増加した一方、繰延税金資産が820百万円減少したことであります。

 

(流動負債)

 当中間連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて18,155百万円増加し、114,017百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が16,328百万円、短期借入金が9,587百万円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金が1,480百万円、未払法人税等が3,170百万円減少したことであります。

 

(固定負債)

 当中間連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて4,975百万円減少し、44,618百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が4,580百万円減少したことであります。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて1,420百万円減少し、71,721百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益の計上により6,811百万円増加した一方、剰余金の配当により8,368百万円減少したことであります。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 当中間連結会計期間における売上高は、前中間連結会計期間に比べて26,873百万円増加し、236,603百万円となりました。この主な要因は、新車の売上高が17,785百万円、中古車の売上高が7,024百万円、アフターセールスの売上高が2,096百万円増加したことであります。

 

(営業損益)

 当中間連結会計期間における営業損益は、前中間連結会計期間に比べて1,371百万円減益し、10,023百万円の営業利益となりました。この主な要因は、上記売上高の増加に伴い売上総利益が509百万円増益した一方、販売費及び一般管理費が社有車に係るコスト増加等により1,881百万円増加したことであります。

 

なお、中期経営計画2024「Gear up for the Future」において、80.0%以下の目標としていた総経費率は、77.5%、5.0%以上の目標としていた営業利益率は、4.2%となりました。

 

(経常損益)

 営業外収益は受取配当金が1,079百万円減少、また上記営業利益の計上により、当中間連結会計期間における経常損益は、前中間連結会計期間に比べて2,601百万円減益し、10,053百万円の経常利益となりました。

 

(親会社株主に帰属する中間純損益)

 法人税、住民税及び事業税が536百万円減少、法人税等調整額が294百万円減少、また、上記の経常利益の計上により当中間連結会計期間における親会社株主に帰属する中間純損益は、前中間連結会計期間に比べて1,835百万円減益し、6,811百万円の親会社株主に帰属する中間純利益となり、1株当たり中間純利益金額は180.70円となりました。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討

 キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 当社グループの資金需要の主なものは、自動車、自動車部品等の商品の仕入代金及び営業店舗等に対する設備投資によるものであります。

 

(財務政策)

 当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金について自己資金の他、親会社である伊藤忠商事㈱が提供するグループ金融制度を利用し、調達しております。

 なお、新車の仕入代金については、メーカー系ファイナンス会社等が提供する在庫金融制度を利用した資金調達を行っております。

 

③経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループでは、将来のビジネス環境が不透明な状況下、収益基盤の多様化を推進するため、中期経営計画2024「Gear up for the Future」に基づき、構造改革の推進による「既存」ビジネスの更なる強化と「新たな収益源」の確保に取り組みます。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。