b 興和(株)【E02819】四半期 |財務リスト - ZaimuList

興和株式会社

卸売業

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02819 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当中間連結会計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの5類感染症への移行など規制緩和が進む中、サービス消費を中心とする個人消費が経済を牽引したものの、各国の金融政策や為替の変動、資源・エネルギー価格の動向など、依然として懸念材料を多く抱えたまま推移しました。

このような状況下、当社グループは、多様な事業展開の特色を活かし、「健康と環境」をテーマに、皆様の健康管理、日常生活の回復に貢献する製品やサービスの提供、環境問題などの社会課題に対処したビジネスモデルの構築、実践に努めてまいりました。生活関連事業においては、環境に配慮した素材や商品の開発を進めており、産業関連事業では、カーボンニュートラルの実現に向けたビジネスへ積極的に参画しております。医薬事業においては徹底した品質管理のもと、安定した製品供給に注力いたしました。

以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高2,937億9千2百万円(前年同期比29.7%減)、営業利益108億6千8百万円(前年同期比702.9%増)、経常利益131億5千万円(前年同期比76.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益97億7百万円(前年同期比104.0%増)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

a. 生活関連事業

 

釣具部門は、原料高や物価上昇、ロシア・ウクライナ問題等の影響により、市場全体が厳しい状況にありましたが、消費者の購買動向に合ったビジネス形態の構築に努めてまいりました。

アパレル部門は、アウトドアやラグジュアリーブランドを中心に好調に推移しましたが、引き続き生産を取り巻く状況に注視しつつ、海外販売や環境配慮型素材の取り扱いの拡大に努めてまいります。

ユニフォーム部門は、作業服に加え、クリーンルームで使用する防塵服、入院患者衣等の取り扱い、販路拡大を進めております。

キャラクター部門は、均一ショップへの販売拡大に努めました。過去の人気キャラクターのリバイバルなど、最新トレンドの把握とそれを活かした商品展開にも注力してまいります。

テキスタイル部門は、国内向けのユニフォームやプリント用素材の需要が安定しており、海外向けでは、中東への女性民族衣装用の素材販売、日本ブランドのダウン製品の販売が好調でした。今後は、中東向けに男性民族衣装用の素材から最終製品の販売までのビジネス構築を目指すとともに、日本製のデニム素材が海外ラグジュアリーブランドより高く評価されていることから、オリジナル素材の開発を強化し、販売拡大に繋げてまいります。

㈱インコントロでは、主力ブランドの“Vivienne Westwood”ブランドが、外国人向け販売の伸びにより好調に推移しました。“STUDIO NICHOLSON”ブランドは、国内第1号店がオープン、全国のセレクトショップへの販売から、Eコマースを加えた消費者への直販を進めております。また、“TENERITA”ブランドも順調に推移しており、引き続き販売拡大を推し進めてまいります。

以上の結果、生活関連事業の業績は、売上高223億6千5百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益7億6千6百万円(前年同期比13.0%減)となりました。

 

b. 産業関連事業

 

環境インフラ部門は、継続中であるインド国内における石炭火力発電所のアンモニア混焼技術の共同検証に加え、太陽光モジュールのサプライチェーンへの参画など、カーボンニュートラル関連ビジネスを推進しております。

環境資材部門は、ベトナム製ガラスや解体用桁資材のレンタルの受注、納品が順調に進みました。為替や価格変動のリスクに備え、ビジネスの強化に努めてまいります。

化学素材部門は、国内の医薬品原料販売が堅調に推移しました。引き続き関連業界の動向に注視するとともに、海外子会社を含め販売体制を強化してまいります。

資源素材部門では、下落傾向にある資源価格の動向、地政学的リスクを注視しながら、既存サプライヤーとの連携を強めるとともに、新規サプライヤーや商材の開拓を進めてまいります。

食品部門は、原料高や気候変動による農作物の価格上昇などの影響を受けましたが、輸出入とも新規取り扱いを増やしております。また、ベトナム国内に所在する子会社では、食品製造加工などに加え、自社にて倉庫、配送などの物流機能を備え、サプライチェーンの確保と輸出入の拡大を図っております。

また、当事業では、環境負荷軽減に向けた商品の企画、開発を推進しており、農薬用ボトル、ランドリー袋、歯ブラシ、ヘアブラシなどの試作、評価を行っております。プラスチックに替わる素材として注目されているストーンシートは、今後の経済活動において重要な素材の一つとして認知されつつあります。

ケミカル事業、テキスタイル事業、エレクトロニクス事業の3つの専門領域で事業を展開する興和江守グループは、ケミカル事業では、ナフサ価格の動向やコストの上昇、為替の変動により既存商材の動きが大きな影響を受けましたが、新規品の販売にも注力いたしました。テキスタイル事業は、自動車内装材染色加工用途の染料の出荷が順調に推移いたしました。エレクトロニクス事業は、中国経済の動向に大きく左右されたものの、一方で、半導体の流通が改善されてきており、車載関連の需要が伸長しております。

以上の結果、産業関連事業の業績は、売上高1,533億9千3百万円(前年同期比45.8%減)、営業利益60億1千6百万円(前年同期比0.8%減)となりました。

 

c. 医薬事業

 

医療用医薬品部門は、新型コロナウイルスの影響で訪問規制が続いており、オンラインでの情報提供活動に努めております。当社主力品である高脂血症治療剤「パルモディア錠」、2型糖尿病治療剤「デベルザ錠」は、堅調に推移いたしました。眼科領域「グラアルファ配合点眼液」については、病院及び開業医での採用活動を進めております。4月に発売となったドネペジル経皮吸収型製剤「アリドネパッチ」は、関係施設に積極的な情報提供活動を行っております。

OTC医薬品部門は、新製品の「キューピーコーワヒーリング錠」「キューピーコーワヒーリングドリンク」が売上増に大きく貢献しました。また、「リザレックコーワα5」も好調を維持したほか、キャベジン類、バンテリン類、コルゲンコーワIB類なども売上が伸長しました。

その他雑貨品では、バンテリンコーワサポーター、ホッカイロ類が堅調に推移しました。

今後は、新製品である日本初のロキソプロフェン配合かぜ薬となる「コルゲンコーワLX錠」とアレルギー疾患を改善する「レスタミンコーワα錠」の育成とともに、基幹商品であるバンテリンコーワ類、キャベジン類、キューピーコーワ類等の更なる強化を図ってまいります。

医療機器部門では、動物病院向けに発売されたポータブルスリットランプSL-19シリーズのカメラ内蔵モデルが順調であり、大学病院や小児眼科専門施設でも積極的に取り組んでおります。眼内レンズでは、コロナ禍の影響もあり白内障手術が先送りされたものの、トーリックレンズの新発売などで売上は前年を上回っています。感染症対策として始められた検査事業では、唾液タイプの抗原検査キット「アンスペクトコーワ」が新型コロナウイルスの第9波の需要に応えることができました。

海外展開におきましては、「リバロ錠」は米国の独占販売期間が終了しますが、処方箋枚数は前年並みであり、中南米ではブラジルでのオーソライズド・ジェネリック発売により輸出量が増加しました。欧州では後発品に影響を受けながらも増加し、アジアでは中国において苦戦しつつも韓国での売上が増加しています。OTC医薬品・ヘルスケア品はアジアで拡販を図り、欧州での新規参入に向けて準備を進めております。眼科機器と眼内レンズは、先進国での高齢化の進行に伴い市場が拡大しています。

以上の結果、医薬事業の業績は、売上高833億2千2百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益74億2千万円(前年同期は4億4千3百万円の営業損失)となりました。

 

d. 環境・省エネ事業

 

省人化、省力化、さらに環境問題に関する市場は引き続き拡大しており、当事業の販売も順調に推移しました。産業用光学機器分野では、光学技術をコアとした、レンズ・機械・電気・ソフトウェアにAI技術を加えたビジョン製品や耐環境性を特徴とするビジョンユニットなどの製品ラインアップを拡充いたしました。また、産業用ロボットとビジョンシステムを駆使したシステム開発を積極的に行い、製造・物流現場でのDXソリューションの提供を行ってきました。

コンシューマー光学機器分野では、バードウォッチングやアーチェリーなど、趣味を楽しむための超高級双眼鏡・単眼鏡の提供、観光地への双眼鏡やテレビ付望遠鏡の設置を進めてきました。

創エネ・省エネソリューションビジネス分野では、電気・エネルギー価格の上昇や環境問題に対する解決策として太陽光発電設備の設置販売、PPA(電力販売)、ネット・ゼロ・エネルギー・ビルなどの提案事業を拡大いたしました。

以上の結果、環境・省エネ事業の業績は、売上高67億7千2百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益3億2千7百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

 

e. 不動産事業

 

不動産事業では、建設コストの高騰が続くものの、市況は活況を呈しており、販売は順調に推移しました。賃貸市場では、新型コロナウイルス感染症の5類への移行により改善に向かうと予想された空室率は依然として上昇傾向にあります。引き続き状況の変化を注視し、グループ資産の有効活用に努めてまいります。

以上の結果、不動産事業の業績は、売上高45億3千4百万円(前年同期比48.7%減)、営業利益8億3千3百万円(前年同期比34.1%減)となりました。

 

f. ホスピタリティ事業

 

国内ホテル事業は、宿泊、宴会などで業績の改善が見られたものの、婚礼宴会は伸び悩みました。

子会社のワタベウェディング㈱が展開するリゾート挙式事業は、海外渡航制限の緩和により海外ウェディング市場の回復が期待されたものの、緩やかな増加傾向にとどまりました。国内リゾート挙式事業も、受注増加傾向は落ち着き、売上も伸び悩みました。

新たに展開している最高級ブランド「エスパシオ」の国内第1号施設「エスパシオ箱根迎賓館 麟鳳亀龍」は、引き続き開業準備を進めております。

以上の結果、ホスピタリティ事業の業績は、売上高168億4千3百万円(前年同期比15.4%増)、営業損失27億2千万円(前年同期は49億9千3百万円の営業損失)となりました。

 

g. その他の事業

 

アグリ部門が展開するアワビ養殖事業は、観光養殖をメインにしたビジネススキームに切り替え、養殖場見学ツアーの強化、養殖場隣接のバーベキュー場を開設し、集客に力を入れております。

保険代理店業及びリース事業では、グループ内取引を中心に販促に努め、安定した収益を確保しております。

その他の事業の業績は、売上高は65億6千1百万円(前年同期比8.1%増)、営業損失4億8千5百万円(前年同期は10億1千7百万円の営業損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前中間連結会計期間に比べ205億6千7百万円増加し、当中間連結会計期間末には845億3千8百万円(前年同期比32.2%増)となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、58億3千7百万円(前年同期比1168.5%増)となりました。これは主に、棚卸資産が減少したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、176億6千2百万円(前年同期比81.4%増)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、345億5千3百万円(前年同期比174.8%増)となりました。これは主に、長期借入金返済による支出が減少したこと等によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当中間連結会計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

  至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

医薬事業          (百万円)

78,645

118.7

環境・省エネ事業      (百万円)

3,827

88.0

報告セグメント計   (百万円)

82,472

116.8

その他の事業        (百万円)

144

86.2

合計         (百万円)

82,617

116.7

(注)金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

当社グループは、主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。

 

c.販売実績

当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 2023年4月1日

  至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

生活関連事業        (百万円)

22,365

97.7

産業関連事業        (百万円)

153,393

54.2

医薬事業          (百万円)

83,322

109.7

環境・省エネ事業      (百万円)

6,772

102.4

不動産事業         (百万円)

4,534

51.3

ホスピタリティ事業     (百万円)

16,843

115.4

報告セグメント計   (百万円)

287,231

69.7

その他の事業        (百万円)

6,561

108.1

合計         (百万円)

293,792

70.3

なお、主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等 (セグメント情報等) 関連情報 3 主要な顧客ごとの情報」に記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態の分析

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ725億2千9百万円増加し、7,072億7千1百万円となりました。その内訳は次のとおりです。

流動資産は、売掛金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ569億1千2百万円増加し、3,608億8千6百万円となりました。

固定資産は、建設仮勘定が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ156億1千6百万円増加し、3,463億8千5百万円となりました。

また、当中間連結会計期間末の総負債は、前連結会計年度末に比べ556億3千2百万円増加し、5,134億3千7百万円となりました。その内訳は次のとおりです。

流動負債は、短期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ509億8千2百万円増加し、3,309億2千万円となりました。

固定負債は、長期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ46億5千万円増加し、1,825億1千6百万円となりました。

正味運転資本(流動資産から流動負債を控除した金額)は、299億6千5百万円(前連結会計年度末は240億3千5百万円)であり、流動比率は109.1%(前連結会計年度末は108.6%)となっております。

純資産は、前連結会計年度末に比べ168億9千6百万円増加し、1,938億3千4百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が増加したこと等によるもので、自己資本比率は26.3%(前連結会計年度末は26.7%)となり、1株当たり純資産額は6,693円63銭(前連結会計年度末は6,094円64銭)となりました。

 

 経営成績の分析

当中間連結会計期間の業績は、売上高は2,937億9千2百万円(前年同期比29.7%減)となりました。

また、販売費及び一般管理費を755億1千3百万円(前年同期比3.8%減)計上しましたが、この内容は人件費が286億4千7百万円(前年同期比1.3%増)、販売費160億2千8百万円(前年同期比3.0%減)、諸経費308億3千6百万円(前年同期比8.4%減)であり、この結果、営業利益は108億6千8百万円(前年同期比702.9%増)となりました。

営業外収益は、受取配当金32億4千1百万円等により53億9千7百万円(前年同期比25.8%減)となりました。また営業外費用は、支払利息25億5千7百万円等により31億1千5百万円(前年同期比164.3%増)となりました。この結果、経常利益は131億5千万円(前年同期比76.6%増)となりました。

ここから、特別利益と特別損失を加減し、税金等調整前中間純利益は126億7千7百万円(前年同期比79.6%増)となりました。

法人税等の税金費用27億4千万円と非支配株主に帰属する中間純利益2億2千8百万円を控除した親会社株主に帰属する中間純利益は97億7百万円(前年同期比104.0%増)となりました。

なお、各セグメント別の内容については、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金需要としての商品の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用と設備資金需要としての工場等における建物、機械装置等設備投資によるものであります。

 また、当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた方針

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。