E04122 Japan GAAP
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものである。
当中間連結会計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行より、経済社会活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復する中、ロシアのウクライナ侵攻など不安定な世界情勢の影響による資源価格の高騰や物価上昇が続き、依然として先行き不透明な状況で推移した。
このような情勢のなか、伊予鉄グループでは、安全・安心を最大の使命とした経営理念のもと、交通・観光・まちづくりを柱とした総合企業グループを目指し、各種施策を実施した。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績については、営業収益は153億2,491万9千円(前年同期比7.7%増)となり、運輸業等営業費及び売上原価と販売費及び一般管理費を控除した営業利益は、7億8,378万1千円(前年同期比37.9%増)となった。
営業外損益については、助成金収入の減少などにより、営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、1,964万3千円の損失計上となった。
以上の結果、経常利益は7億6,413万8千円(前年同期比34.6%増)となった。
特別損益については、固定資産除却損などにより、特別利益から特別損失を差し引いた純額は、2,194万7千円の損失計上となった。
以上の結果、税金等調整前中間純利益は、7億4,219万円(前年同期比27.5%増)となり、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額、非支配株主に帰属する中間純利益を加減した親会社株主に帰属する中間純利益は、4億5,897万8千円(前年同期比18.7%増)となった。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。
鉄軌道事業において、伊予鉄道㈱では、「みきゃんアプリ」ユーザー限定イベントとして、市内電車運転体験の実施や、特色のあるご当地電車として「砥部焼電車」「今治タオル電車」を運行し、鉄道ファンの獲得及び観光振興に寄与した。また、市内線古町構内分岐器合成枕木敷設工事等を実施し、安全性向上に努めた。
自動車事業において、伊予鉄バス㈱では、運転手不足による受注制限など厳しい状況の中、バスの日に合わせたイベントを開催し、高速バス6路線がお得に購入できる「ガチャ旅きっぷ」の限定発売等を行い、各旅行会社と連携してさらなる収入の確保に努めた。
伊予鉄南予バス㈱では、南予地方において県内でも特に著しく人口減少、少子高齢化が進行しており、地域経済の減退などにより大変厳しい経営環境ではあるが、新型コロナウイルスが5類感染症となり、人の移動が回復の基調を見せている。前年を上回る収入を獲得しているものの、運転手不足により、非常に厳しい状況である。
以上の結果、鉄軌道事業の営業収益は前中間連結会計期間に比べ10.2%増の17億7,333万8千円となり、自動車事業の営業収益は前中間連結会計期間に比べ22.0%増の18億34万円となった。
乗用自動車事業において、伊予鉄タクシー㈱では、道後温泉旅館協同組合と観光庁の補助「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化」に採択され7月より運行、愛媛県の補助「えひめ周遊誘客促進支援事業」に参画し8月中旬より運行を開始した。また、みきゃんアプリ決済サービスの加盟店となり、サービス向上に努めた。
以上の結果、乗用自動車事業の営業収益は前中間連結会計期間に比べ9.6%増の1億3,885万4千円となった。
この結果、交通部門の営業収益は前中間連結会計期間に比べ17.3%増の34億5,588万9千円(消去後)となった。
(営業成績)
(鉄軌道事業の運輸成績)
(自動車事業の運輸成績)
(乗用自動車事業の運輸成績)
百貨店業において、㈱伊予鉄髙島屋では、外出機会の増加を背景としたアフターコロナの消費需要を着実に捉え、顧客ニーズに即応した品揃えの充実やファッションの先行販売を基軸に販売強化を行った。また、「春の北海道物産展」などの特徴催事に加え、「神戸セレクトマーケット」など従来とは異なる切り口の催事を行い、顧客の拡大と賑わい創出に繋げた。
以上の結果、百貨店業営業収益は前中間連結会計期間に比べ1.2%減の54億3,832万1千円となった。
自動車販売修理業において、愛媛日野自動車㈱では、国内の商用車需要は更新需要の縮小傾向が見られる中、各メーカーの車種毎に多少の差異はあるが、半導体不足による供給問題も改善の方向に進み、昨年を上回り、回復方向に推移した。また、伊予鉄オート㈱では、新型コロナウイルス感染症の影響から徐々に立ち直りつつあるものの、組合工場の操業停止等に伴う生産遅延も一部続いている。新車販売は減収となったが、中古車販売、整備部門に関しては増収となった。
以上の結果、自動車販売修理業営業収益は前中間連結会計期間に比べ26.8%増の28億3,176万9千円となった。
この結果、流通部門の営業収益は前中間連結会計期間に比べ6.5%増の79億2,062万6千円(消去後)となった。
(営業成績)
③ 不動産部門
不動産事業において、当社では、社有地の有効活用や賃貸マンション・月極駐車場等の営業を強化し、安定した賃貸収入確保に努めました。また、伊予鉄道㈱では、期間満了に伴い、松山城関連施設等の指定管理業務を前連結会計年度をもって終了した。
この結果、不動産部門の営業収益は前中間連結会計期間に比べ25.5%減の6億1,453万3千円(消去後)となった。
(営業成績)
④ その他部門
物品販売業において、㈱伊予鉄会館では、全国旅行支援等による観光客の増加があり、松山空港やサービスエリアの交通拠点施設店舗は好調に推移した。
以上の結果、物品販売業営業収益は前中間連結会計期間に比べ30.3%増の15億5,209万5千円となった。
旅行業において、㈱伊予鉄トラベルでは、昨年に引き続き経費削減、顧客リピーターへの積極的営業により、営業利益は好調に推移した。国内旅行においては、「全国旅行支援」を利用した、法人旅行等の受注が増え、海外旅行は松山・ソウル便を利用したグループ旅行受注により、微増となった。
以上の結果、旅行業営業収益は前中間連結会計期間に比べ71.0%増の2億41万7千円となった。
デジタル事業・広告事業において、伊予鉄総合企画㈱では、広告事業において企業収益の復調に伴い持ち直しの動きが見られるが、一方で松山城管理運営業務の受託終了やDX事業を子会社であるデジタルテクノロジー四国へ移管したことにより売上は大きく減少した。㈱デジタルテクノロジー四国では、「地方の個性が輝く楽しい時代へ」を企業ビジョンとし、地域に根を張る企業ならではのサービスにより、デジタル化を推進し企業の生産性向上と収益拡大の寄与及び社会に貢献することを目指す中で、「みきゃんアプリ」の運用を開始した。また、BPO事業において、伊予鉄総合企画から移管したDX推進事業と既存のBPO事業を統合し、顧客ニーズに沿った提案ができる体制を強化した。
以上の結果、デジタル事業・広告事業営業収益は前中間連結会計期間に比べ6.2%減の14億4,449万5千円となった。
前払式特定取引業において、㈱いよてつ友の会では、物価高による生活防衛意識の高まりなどマイナス影響が懸念される中、収入の確保に努めた。
以上の結果、前払式特定取引業営業収益は前中間連結会計期間に比べ2.7%増の1億1,201万円となった。
スポーツ業において、伊予鉄不動産㈱では、イヨテツスポーツセンター及びボウリングセンターにおいて、新型コロナウイルスによる行動制限の緩和の影響もあり、利用者が増加し増収となった。
以上の結果、スポーツ業営業収益は前中間連結会計期間に比べ11.0%増の3億414万2千円となった。
クレジットカード事業において、㈱いよてつカードサービスでは、大口加盟店である伊予鉄髙島屋の売上増加の影響等により加盟店手数料収入が微増となったが、来年度の年会費値上げの告知に伴う会員数の大幅減少により、年会費減となった。
以上の結果、クレジットカード事業営業収益は前中間連結会計期間に比べ2.6%減の2億1,721万5千円となった。
この結果、その他部門の営業収益は前中間連結会計期間に比べ10.2%増の33億3,386万8千円(消去後)となった。
(営業成績)
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
当社グループの流通部門を除く運輸部門他は、サービス業が多い。そのため生産、受注については、金額あるいは数量で示すことにしていないが、販売の状況については、各セグメントごとの業績に関連付けて示している。
当中間連結会計期間末の財政状態は、総資産について前連結会計年度末に比べ3.7%増の653億5,714万円9千円となった。
流動資産は、現金及び預金の増加により、前連結会計年度末に比べ3.1%増の211億272万9千円となった。
固定資産は、投資有価証券の増加により、前連結会計年度末に比べ4.0%増の442億5,442万円となった。
当中間連結会計期間末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ1.5%増の223億7,510万8千円となった。
流動負債は、短期借入金の増加により、前連結会計年度末に比べ2.8%増の160億4,390万7千円となった。
固定負債は、長期借入金の減少により、前連結会計年度末に比べ1.9%減の63億3,120万円となった。
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4.9%増の429億8,204万1千円となった。
今後も、当社グループは、少子高齢化や人口減少など経営環境の変化や、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴う世界的な資源・エネルギー価格の高騰や物価の上昇に直面し業績への影響を受けるなか、一層の経費削減を図り、既存の枠を超えた柔軟な発想とチャレンジ精神をもち成長していくことで、時代やニーズにあったより良いサービスを提供していく考えである。
当中間連結会計期間末における連結ベースの現金及び現金同等物は、130億9,471万5千円(対前中間連結会計期間末20億2,049万円増加)となった。なお、当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は20億1,296万円(対前中間連結会計期間10億5,018万7千円増加)となった。これは主に税金等調整前中間純利益によるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12億466万9千円(対前中間連結会計期間7,696万1千円増加)となった。これは主に投資有価証券の取得によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7,405万7千円(対前中間連結会計期間5億7,445万8千円減少)となった。これは主に短期借入金の返済によるものである。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、引き続き安全輸送の完遂を最優先課題とし、バス車両等の設備投資を自己資金及び借入金にて継続的に実施していく予定である。