島原鉄道株式会社

陸運業鉄道

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04137 Japan GAAP


3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績等の状況

当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症には一定の収束が見られ、今後着実に回復していくと想定されますが、ライフスタイルの変容により、その水準は感染拡大以前には戻らないと考えられます。また、ウクライナ情勢等により未だ世界的な情勢不透明感が見られる中で、エネルギーや食料価格の高騰等のリスクが懸念されます。

このような中、当社グループにおいては、路線バス運行ダイヤの見直しや燃料節約運転の推進などできる限りの経費削減に努める一方、国・県・関係自治体による新型コロナウイルス関連助成金などの支援を受けながら、公共交通機関の使命を果たすべく事業の維持に努めてまいりました。

また、安心と安全を第一に、各セグメント事業の連携をより一層強化し、大幅な経済環境の変動を見据えた経営基盤の強化を図ってまいりました。

この結果、全事業営業収入は、833,400千円(前中間連結会計期間比 13.0%増)、営業損失は167,379千円(前中間連結会計期間は営業損失 217,175千円)、経常損失は163,197千円(前中間連結会計期間は経常損失214,601千円)となり、親会社株主に帰属する中間純損失は55,437千円(前中間連結会計期間は親会社株主に帰属する中間純損失 77,530千円)となりました。
 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

鉄道事業

鉄道事業は、新型コロナウイルス感染症の一定の収束の下、恒常的な人口減少や、少子高齢化による輸送人員の減少に加え、原油価格をはじめとする原材料費の高騰、車両の老朽化による修繕費の増加や人員不足等などより、厳しい状況となりました。

このような中、国・県・関係自治体による新型コロナウイルス関連助成金などの支援を受けながら、県内の鉄道事業者並びに有明海沿岸の船舶事業者との連携、またイベント列車の運行や観光列車「カフェトレイン」の営業強化など西九州新幹線の開業効果を最大限に引き出す取組みを行いました。

輸送人員は定期外254千人(前中間連結会計期間比 113.4%)、定期325千人(同 97.3%)、合計580千人(同  103.8%)となりました。

その結果、営業収入は232,443千円(前中間連結会計期間比 13.6%増)、営業費用は319,140千円(同 7.6%増)となり、営業損失は86,696千円(前中間連結会計期間は営業損失 91,947千円)となりました。
 

自動車運送事業

自動車運送事業は、当社が乗合バス事業及び貸切バス事業を行い、連結子会社島鉄観光㈱がタクシー事業を行っております。

乗合バス事業は、新型コロナウイルス感染症の一定の収束の下、恒常的な人口減少や、少子高齢化による輸送人員の減少に加え、原油価格をはじめとする原材料費の高騰、車両の老朽化による修繕費の増加や人員不足等などにより、厳しい状況となりました。

このような中、国・県・関係自治体による新型コロナウイルス関連助成金などの支援を受けながら、路線バス運行ダイヤの見直しや燃料節約運転の推進などにより経費削減に努めました。

貸切バス事業は、地域団体のバス輸送や私立高校のスクールバス中心の運行となりました。

主力事業である乗合バス事業の輸送人員は693千人(前中間連結会計期間比  102.0%)となりました。

その結果、営業収入は248,513千円(前中間連結会計期間比 11.7%増)、営業費用は331,536千円(同  3.9%減)となり、営業損失は83,022千円(前中間連結会計期間は営業損失  122,393千円)となりました。
 

船舶運航事業

船舶運航事業は、新型コロナウイルス感染症の一定の収束の下、社会経済活動の正常化や全国旅行支援制度の効果などにより回復傾向となりましたが、原油価格をはじめとする原材料費の高騰、施設の老朽化による修繕費の増加や人員不足等などにより、厳しい状況となりました。

このような中、国・県・関係自治体による新型コロナウイルス関連助成金などの支援を受けながら、減便などによる経費削減に努めました。

輸送人員は75千人(前中間連結会計期間比140.4%)、航送台数は59千台(同 123.2%)となりました。

その結果、営業収入は178,673千円(前中間連結会計期間比 27.0%増)、営業費用は220,311千円(同 20.9%増)となり、営業損失は41,637千円(前中間連結会計期間は営業損失  41,556千円)となりました。
 

ホテル事業

ホテル事業は、ビジネス需要やスポーツイベントなどの増加により堅調に推移しました。

宿泊者数は13千人(前中間連結会計期間比 101.4%)、客室稼働率は74.8%(前中間連結会計期間の客室稼働率  74.8%)となりました。

その結果、営業収入は74,639千円(前中間連結会計期間比 7.6%増)、営業費用は55,990千円(同 8.6%増)となり、営業利益は18,648千円(同 4.8%増)となりました。
 

不動産賃貸管理事業

不動産賃貸管理事業は、イオン島原店店舗用地としてイオン九州株式会社に賃貸しております。

その結果、営業収入は27,225千円(前中間連結会計期間比 2.0%減)、営業費用は3,384千円(同 10.8%減)となり、営業利益は23,840千円(同 0.6%減)となりました。
 

航空貨物運送事業

航空貨物運送事業は、地上(トラック)便を中心に貨物輸送を行いましたが、需要減にて営業収入はやや減少しました。

その結果、営業収入は52,619千円(前中間連結会計期間比 4.7%減)、営業費用は58,165千円(同 5.0%減)となり、営業損失は5,546千円(前中間連結会計期間は営業損失  6,013千円)となりました。
 

その他事業

その他事業は、当社(提出会社)の物販事業と当社連結子会社が営む広告事業が含まれております。物販事業は、沿線地域とのコラボ商品やグッズ等の販売などを中心に行いました。

その結果、営業収入は19,285千円(前中間連結会計期間比 9.8%増)、営業費用は12,250千円(同 16.1%減)となり、営業利益は7,034千円(同 137.7%増)となりました。
 

② キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前中間連結会計期間末に比べ111,628千円増加し、358,512千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は49,491千円(前中間連結会計期間は、60,003千円の使用)となりました。これは主に税金等調整前中間純損失が前中間連結会計期間と比べ改善したことや未収金の減少等によるものです。
 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は66,046千円(前中間連結会計期間は、150,264千円の獲得)となりました。これは主に設備補助金の入金等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は143,467千円(前中間連結会計期間は、110,480千円の使用)となりました。これは主に借入金の返済等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当社グループでは、生産を行っておりませんので省略します。

 

b 受注実績

当社グループでは、受注生産を行っておりませんので省略します。

 

c 販売実績

当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

鉄道事業

232,443

 

+13.6

 

自動車運送事業

248,513

 

+11.7

 

船舶運航事業

178,673

 

+27.0

 

ホテル事業

74,639

 

+7.6

 

不動産賃貸管理事業

27,225

 

△2.0

 

航空貨物運送事業

52,619

 

△4.7

 

その他事業

19,285

 

+9.8

 

合      計

833,400

 

+13.0

 

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.総販売実績に占める割合が10%以上の相手先はなく相手先別の記載を省略します。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。

この中間連結財務諸表を作成するにあたり、資産、負債、収益及び費用の報告数値に影響を及ぼす見積りは、過去の実績等に基づき合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、当社グループの中間連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等 (1) 中間連結財務諸表 注記事項(中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

 

② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当中間連結会計期間の経営成績等は、営業収入は833,400千円(前中間連結会計期間比 13.0%増)となりました。一方、営業費用は1,000,779千円(前中間連結会計期間比  4.8%増)となりました。

その結果、営業損失は167,379千円(前中間連結会計期間は営業損失 217,175千円)となり、当中間連結会計期間の親会社株主に帰属する中間純損失は55,437千円(同 親会社株主に帰属する中間純損失  77,530千円)となりました。

なお、セグメントごとの営業収入および営業損益については、前掲の「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績等の状況」に記載のとおりであります。
 

 

a 経営成績等に重要な影響を与える要因について

当社グループの主体である交通運輸事業の経費の主なものは燃料費であり、原油価格の高騰は、経営成績等に重要な影響を与えます。よって、燃料コストの圧縮、抑制をいかに実行することができるかが経営戦略上重要となります。
 

b 戦略的現状と見直し

公共交通サービスを担う企業として社会的な役割を担うべく、お客様の利便性の向上を図っていくとともに、「運輸安全マネジメント」に基づく運行(運航)管理体制を強化し、公共交通機関としての使命を果たしてまいります。

鉄道事業及び自動車運送事業においては、引き続き国や県・沿線自治体と連携しながら、鉄道並びに路線バスのダイヤ改正や県内の鉄道事業者並びに有明海沿岸の船舶事業者との連携による二次アクセスの充実、観光列車の営業強化などにより、事業の継続を図ってまいります。

船舶運航事業は、現在使用している設備について、安全性の観点からも更新を検討する時期と認識しております。アフターコロナを踏まえ、検討をすすめるものです。

ホテル事業は、西九州新幹線開業によるビジネス需要やスポーツ関連需要を取り込むべく、営業活動の強化を図ってまいります。

不動産賃貸管理事業は、引き続き、イオン九州株式会社や鉄道事業・自動車運送事業等との連携強化を図ってまいります。

航空貨物運送事業及びその他事業は、営業活動の強化とともに効率的な事業運営を行い、収益の確保を行ってまいります。

 

c 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、人口減少や少子高齢化、原油価格をはじめとする原材料費の高騰や円安による物価の高騰に加え、鉄道・バスの運転士不足に直面しており、運行ダイヤ維持への対応など今後も厳しい経営環境が予測されます。

このような経営環境において、当社グループは、経営に関する諸問題に対する意識を経営陣だけにとどめず広く社内全般で共有し、問題解決に全社員で取組み、速やかに解決する所存であります。

また、国・県・沿線自治体とも連携しながら、公共交通機関としての使命を果たし、「島原地域の暮らしを支え、社会の繁栄に貢献する」ことを目標として、持続可能なグループ経営を構築してまいります。
 

 

 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要のうち主なものは、鉄道事業、自動車運送事業及び船舶運航事業等に係る設備資金のほか、売上原価、販売費及び一般管理費等に係る運転資金であります。

設備資金については、自己資金、補助金及び長期借入金による資金調達を基本とし、また、運転資金については、自己資金、親会社によるキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)及び金融機関からの短期借入金を基本としております。
 

 ④ 当中間連結会計期間の財政状態の分析

当中間連結会計期間の総資産は6,692,527千円(前連結会計年度比 409,066千円減)となりました。流動資産は597,523千円(同 410,206千円減)、固定資産は6,095,004千円(同 1,139千円増)となりました。流動資産の減少は主として未収金が減少したことによります。

当中間連結会計期間の負債は3,445,741千円(同 363,582千円減)となりました。流動負債は379,355千円(同 326,907千円減)、固定負債は3,066,385千円(同 36,674千円減)となりました。流動負債の減少は主に短期借入金及び設備関係支払手形の減少等によります。固定負債の減少は主に長期借入金の減少によるものです。
 当中間連結会計期間の純資産は3,246,786千円(同 45,484千円減)となりました。これは中間純損失の計上による利益剰余金の減少等によるものです。

 

 ⑤ 当中間連結会計期間の経営成績の分析

当中間連結会計期間の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。

 

 ⑥ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要  ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 

 

 ⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因及び今後の方針について

 当中間連結会計期間において新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。