東京臨海高速鉄道株式会社

陸運業鉄道

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04145 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当中間会計期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当中間期の運輸収入は、当社線ご利用のお客様が回復したことにより、前年同期比1,394百万円増(20.7%増)の8,116百万円となりました。運輸雑収は、自動販売機の設置等に係る構内営業料が増加したことなどにより、全体で前年同期比35百万円増(4.9%増)の771百万円となりました。その結果、営業収益は前年同期比1,430百万円増(19.2%増)の8,888百万円となりました。

営業費は、減価償却費等が減少した一方で、電動力料が増加したことなどにより、前年同期比77百万円増(1.1%増)の6,924百万円となりました。その結果、営業利益は前年同期比1,353百万円増(221.8%増)の1,963百万円となりました。

営業外費用は、社債を発行したことなどにより前年同期比10百万円増(4.5%増)の247百万円となりました。その結果、経常利益は前年同期比1,341百万円増(355.2%増)の1,718百万円となりました。

法人税等263百万円を差し引いた最終的な中間純利益は前年同期比1,132百万円増(349.9%増)の1,455百万円となりました。

当中間会計期間における運輸成績は以下のとおりであります。

 

 

 

前中間会計期間

当中間会計期間

 

 

 

単位

(自 令和4年4月1日

(自 令和5年4月1日

前年同期比(%)

 

 

 

至 令和4年9月30日)

至 令和5年9月30日)

 

営業日数

 

183

183

100.0

営業キロ

 

km

12.2

12.2

100.0

客車走行キロ

 

千km

6,218

6,220

100.0

乗車人員

定期

千人

15,797

17,542

111.0

 

定期外

千人

16,686

20,768

124.5

 

合計

千人

32,483

38,310

117.9

運輸収入

定期

百万円

2,266

2,516

111.0

 

定期外

百万円

4,455

5,599

125.7

 

合計

百万円

6,721

8,116

120.7

運輸雑収

 

百万円

736

771

104.9

収入合計

 

百万円

7,457

8,888

119.2

乗車効率

 

19.4

23.0

118.8

(注)乗車効率の算出方法

乗車効率=

乗車人員×平均乗車キロ

×100

客車走行キロ×平均定員

 

②財政状態の状況

当中間会計期間末における財政状態につきましては、資産198,144百万円(前事業年度末比3,848百万円増)、負債110,694百万円(同2,392百万円増)、純資産87,450百万円(同1,455百万円増)となりました。

資産増加の主な要因は、現金及び預金並びに有価証券の増加に伴う流動資産の増加によるものです。負債増加の主な要因は社債の発行に伴う固定負債の増加によるものです。純資産増加の要因は、中間純利益の計上によるものです。自己資本比率は44.1%と前事業年度末比0.1ポイント減少しました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間末における現金及び現金同等物の残高は3,755百万円となり、前事業年度末に比べ52百万円増加しました。これは、営業活動によるキャッシュ・フローが4,866百万円の収入超過、投資活動によるキャッシュ・フローが8,092百万円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローが3,279百万円の収入超過になったことによるものです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,866百万円の収入超過となり、前年同期の実績3,563百万円の収入超過に比べ1,303百万円の収入増となりました。これは、税引前中間純利益が1,336百万円増加したこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、8,092百万円の支出超過となり、前年同期の実績382百万円の支出超過に比べ7,710百万円の支出増となりました。これは定期預金や有価証券等の取得に伴う純支出が7,300百万円と前年同期の有価証券等の償還に伴う純収入100百万円に比べ7,400百万円の支出増となったことに加え、固定資産の取得に伴う支出が1,222百万円と前年同期の999百万円の支出に比べ223百万円の支出増になったことや、補助金等の受取額が430百万円と前年同期の517百万円に比べ87百万円減少したこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、3,279百万円の収入超過となり、前年同期の実績4,650百万円の支出超過に比べ7,929百万円の収入増となりました。これは、社債の発行による収入が7,959百万円増加したこと等によるものです。

 

④会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。

なお、会計上の見積りを行ううえでの新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 中間財務諸表等 (1)中間財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載しております。

 

⑤生産、受注及び販売の実績

当社の事業内容は、生産、受注及び販売の形態をとっていないため、「生産、受注及び販売の実績」については、「①経営成績の状況」において、運輸成績として記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

①当中間会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当中間期における我が国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかに回復しております。

当社線の沿線においては、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したこともあり、通勤・通学者等の回復や、沿線施設におけるイベント等への来訪者の増加が見られました。

このような状況の中で、当社は、令和4年度から3年間を計画期間とする「中期経営計画2022」に基づき、「安全・安定・安心輸送の確保」「お客様サービスの向上」「沿線地域の発展と持続可能なまちづくりへの貢献」「着実な事業運営に向けた経営基盤の強化」の4つの目標のもと、必要な施策を進めてまいりました。

安全・安定・安心輸送の確保に関しては、車内・駅構内のセキュリティ向上を図るため、引き続き巡回警備員の増強を行っているほか、施設・設備の安全性の維持向上のため、東雲駅のエスカレーター更新工事に着手いたしました。また、ホーム上の安全性向上のため、新木場駅へのホームドア設置に向けたホームの補強工事を開始しました。さらに、災害対策の取組強化として、前期に引き続き高架橋等の橋脚への耐震補強工事を進めております。

お客様サービスの向上に関しては、新型車両導入に向けて、車両デザインの詳細仕様を確定させたほか、導入スケジュールの更なる精査を行い、第1編成の営業開始を令和7年度下期に、全8編成の導入完了を令和9年度上期にそれぞれ設定いたしました。また、駅員向けのCS研修や車掌向けのサービス研修などの実践的な接遇研修の実施を通じて、接遇サービスの更なる向上に努めました。

沿線地域の発展と持続可能なまちづくりへの貢献に関しては、沿線地域・企業との連携として、体験型英語学習施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY」と連携したお客様感謝キャンペーンの実施や、寺田倉庫で開催された「金曜ロードショーとジブリ展」とのタイアップなどの取組を進めました。また、アニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」とのタイアップとして、りんかい線の制服を着たキャラクターの等身大パネルを各駅に設置したほか、沿線地域であるお台場・青海・有明の魅力を紹介したPR誌「JR東日本 小さな旅 りんかい線」を発行するなど、りんかい線の更なる知名度の向上や沿線への集客促進を図りました。

さらに、環境負荷低減に向けた取組強化として、前期に引き続き、お客様のご利用状況等を踏まえた、エスカレーターの一時停止等の節電に取り組むとともに、東雲駅から東京テレポート駅までのトンネル照明のLED化工事に着手いたしました。

着実な事業運営に向けた経営基盤の強化に関しては、経費の節減や効率的・効果的な設備投資の実施に取り組むとともに、当社初のサステナビリティボンドを発行して資金調達を行い、既存債務の着実な返済を進めました。また、「コミックマーケット102」記念一日乗車券の販売やジャック広告の獲得など、営業収益の確保に向けた取組を実施しました。さらに、社員が主役となりいきいきと働ける職場づくりとして、社員と経営層が直接意見交換を行う「りんかい線車座ミーティング」を拡充し、社内コミュニケーションの更なる活性化と風通しの良い職場づくりに向けた取組を引き続き推進いたしました。

当中間期の乗車人員は、定期のお客様が前年同期比11.0%増加、定期外のお客様が前年同期比24.5%増加しました。合計では、前年同期比17.9%増の3,831万人、一日平均では31,838人増の209,345人となりました。

新型コロナウイルス感染症が5類に移行したこともあり、通勤・通学者等の回復や、沿線施設におけるイベント等への来訪者の増加が見られ、定期・定期外ともに回復傾向が続いております。

当中間期の運輸収入は、当社線ご利用のお客様が回復したことにより、前年同期比1,394百万円増(20.7%増)の8,116百万円となりました。運輸雑収は、自動販売機の設置等に係る構内営業料が増加したことなどにより、全体で前年同期比35百万円増(4.9%増)の771百万円となりました。

その結果、営業収益は1,430百万円増(19.2%増)の8,888百万円となりました。

営業費は、減価償却費等が減少した一方で、電動力料が増加したことなどにより、前年同期比77百万円増(1.1%増)の6,924百万円となりました。

その結果、営業利益は前年同期比1,353百万円増(221.8%増)の1,963百万円となりました。

営業外収益は前年同期比1百万円減(24.5%減)の3百万円となりました。営業外費用は、社債を発行したことなどにより前年同期比10百万円増(4.5%増)の247百万円となりました。

結果として、経常利益は前年同期比1,341百万円増(355.2%増)の1,718百万円となりました。

法人税等263百万円を差し引いた最終的な中間純利益は前年同期比1,132百万円増(349.9%増)の1,455百万円となりました。

 

②資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社は収入の大部分を鉄道事業が占めており、その事業の性格上、営業活動によるキャッシュ・フローは比較的安定して推移しています。一方で、当社線の建設に当たっては莫大な資金を要し、東京都を始めとする地方公共団体や民間企業から出資・負担金の受入れ並びに金融機関等から長期借入を行うとともに、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設した鉄道施設の譲渡を受けました。その結果、当社は、長期借入金と鉄道施設の譲渡代金である長期未払金という多額の有利子負債を抱えており、その返済を安定的・計画的に行う必要があります。加えて、運送費、一般管理費等の営業費用の支払や安全対策、バリアフリー整備などの設備投資を着実に実施していくための資金需要があります。

これら必要な資金の調達の方法は、償却前営業利益を基本に、必要な範囲で銀行借入や社債発行などの方法により外部から長期の資金を調達して確保する予定です。また、運転資金は基本的に営業収入により賄えていますが、金融機関と極度額30億円の当座貸越契約を令和2年6月に締結し、緊急時の流動性を確保しています。

以上により事業遂行に必要な資金調達は問題なく対応可能と認識しています。