E04381 Japan GAAP
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績の状況
この期間のわが国経済は、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した燃料や原材料の高騰を受けて物価高が進行。大企業を中心とした業績の回復と雇用人員不足を背景に賃金水準も上昇基調となり、加えて円安による海外マネーの流入が後押しして日経平均は33年ぶりの高水準となりました。そうしたことから海外からの訪日客は増加し、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したこともあって人流は活発化しました。県内景気も物価上昇や7月の記録的な豪雨被害の影響を受けつつも、個人消費を含め景気は緩やかに回復基調となりました。
一方で、ウクライナやパレスチナの戦禍が止まず、経済の先行き見通しが不透明なこともあり、大手広告主のCM出稿マインドは改善しませんでした。
そのため、テレビ放送収入は当中間会計期間を通じて低調でした。8月以降、W杯バスケットボールおよびラグビーの放送があり日本代表の活躍で湧きましたが、効果は限定的でタイム収入は大きく落ち込みました。スポット収入も前年実績にすら届きませんでした。ラジオ放送収入は、イベントやお祭りの完全復活でタイム収入は前年実績を確保したものの、スポット収入は大幅に減少しました。事業その他収入は、売上を伸長しましたが利益を確保するには至りませんでした。
こうした結果、当中間会計期間の売上高は、1,878,445千円で前中間会計期間に比べ26,301千円(△1.4%)の減収と厳しい状況になりました。事業部門別の内訳は、テレビ放送収入が前中間会計期間に比べ46,292千円(△2.7%)減収の1,665,536千円、ラジオ放送収入が前中間会計期間に比べ6,895千円(△4.4%)減収の148,348千円、その他事業収入が前中間会計期間に比べ26,886千円(+71.4%)増収の64,561千円となりました。
売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、前中間会計期間に比べ27,319千円(+1.3%)増加の2,096,616千円となりました。内訳は、売上原価は減価償却費が減少したものの、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことなどにより、自主事業の開催本数が回復し、販促事業費が増加したことなどにより、前中間会計期間に比べ15,406千円(+1.3%)増加の1,177,159千円となり、販売費及び一般管理費は、売上の減少に伴って代理店手数料ならびに減価償却費が減少したものの、販促費が増加したことなどにより、前中間会計期間に比べ11,913千円(+1.3%)増加の919,457千円となりました。これにより、営業損失は前中間会計期間に比べ53,619千円増えて218,171千円となりました。営業外収益に19,815千円、営業外費用に19,734千円を計上したことから、経常損失は前中間会計期間に比べ51,585千円多い218,090千円、税引前中間純損失が211,810千円となり、法人税、住民税及び事業税に1,009千円を計上したことにより、中間純損失は前中間会計期間に比べ44,388千円増加し、212,818千円となり、減収減益となりました。
当社は、放送事業の単一セグメントであるため、事業部門別の経営成績は次のとおりです。
①テレビ放送部門
テレビ放送部門は、タイム・スポット収入ともに減少したことにより、売上高は前中間会計期間に比べ46,292千円(△2.7%)減収の1,665,536千円となりました。また、固定資産減価償却費が減少したもののニュース費が増加したことなどにより、売上原価は、前中間会計期間に比べ151千円(+0.0%)増加の946,584千円となり、販売費及び一般管理費は、売上の減少に伴って代理店手数料が減少し、新社屋関連設備の減価償却が進んだものの、販促費が増加したことなどにより、前中間会計期間に比べ12,915千円(+1.5%)増加の857,113千円となった結果、テレビ放送の営業損失は、前中間会計期間に比べ59,358千円増加の138,160千円となりました。
②ラジオ放送部門
ラジオ放送部門は、タイム収入が減少したことなどから、売上高は前中間会計期間に比べ6,895千円(△4.4%)減収の148,348千円となりました。
売上原価は、番組制作費が増加したものの、減価償却費が減少したことなどにより、前中間会計期間に比べ5,687千円(△3.9%)減少の141,197千円となり、販売費及び一般管理費は、前中間会計期間に比べ1,003千円(△1.6%)減少の62,344千円となったことから、ラジオ放送の営業損失は前中間会計期間に比べ205千円損失が増え55,192千円となりました。
③その他部門
その他部門は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことなどにより開催できた自主事業が増えたことから、売上高は前中間会計期間に比べ26,886千円(+71.4%)増収の64,561千円となりましたが、事業費用および人件費に89,378千円を計上したものの、前中間会計期間に比べ5,943千円損失が減り24,818千円の営業損失となりました。
(2)財政状態の状況
当中間会計期間末においては、前中間会計期間末に比べ資産合計は315,159千円減少の7,925,556千円、負債合計は46,396千円減少の6,533,722千円、純資産合計は268,763千円減少の1,391,834千円となりました。資産の減少は、新社屋関連設備の減価償却が進んだことに伴ない、有形固定資産が減少したことによるもので、負債の減少は、新社屋関連設備取得資金として調達した外部借入金の返済が進んだことによるものです。純資産の減少は、前事業年度に続き当中間会計期間も純損失を計上したことが主な要因です。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税引前中間純損失が211,810千円(前年同期は168,414千円)となり、減価償却費277,859千円(前年同期比23,618千円減)であったことに加えて、売上債権の減少額が57,619千円(前年同期比124,192千円減)となった一方、前中間会計期間に計上した投資有価証券評価損1,910千円が当中間会計期間はなく、その他の負債の増加額が65,578千円(前年同期は78,564千円の減少)だったことなどにより、当中間会計期間末は2,006,564千円(前年同期比135,049千円増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において営業活動によって得られた資金の増加は、196,233千円(前年同期比147,994千円減)となりました。これは、税引前中間純損失211,810千円(前年同期は168,414千円)を計上したことに加え、売上債権の減少額が57,619千円(前年同期は181,811千円)となった一方、その他の負債の増減額が65,578千円(前年同期は78,564千円の減少)だったことなどが主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において投資活動によって支出した資金の使用は、39,974千円(前年同期は66,280千円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が33,817千円(前年同期比33,520千円減)だったこと、無形固定資産の取得による支出5,980千円および貸付けによる支出1,000千円が前中間会計期間はなかったことが主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において財務活動によって使用した資金の使用は、74,226千円(前年同期は120,659千円)となりました。これは、当中間会計期間は短期借入金の純増減額30,000千円を計上しましたが、前中間会計期間はなかったこと、長期借入金の返済による支出が82,670千円(前年同期比16,334千円減)だったことなどが主な要因です。
生産、受注及び販売の実績
(1)販売実績
当中間会計期間の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりです。
事業部門別 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
テレビ放送 |
1,665,536 |
△2.7 |
ラジオ放送 |
148,348 |
△4.4 |
その他 |
64,561 |
71.4 |
合計 |
1,878,445 |
△1.4 |
(注)1.主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先 |
前中間会計期間 |
当中間会計期間 |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
日本テレビ放送網(株) |
546,725 |
28.7 |
515,707 |
27.5 |
(株)電通(*1) |
233,702 |
12.3 |
222,241 |
11.8 |
(*1)令和5年1月1日における㈱電通の組織改編に伴い旧関西支社と旧中部支社に対する売上の請求先が㈱電通に集約されたことから、㈱電通に対する前中間会計期間および当中間会計期間の販売実績にこれらの支社に対する販売実績も合算しています。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討結果は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間末において判断したものです。
1.当中間会計期間の経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当中間会計期間は日経平均が33年ぶりの高水準となり、県内景気も緩やかに回復基調となりましたが、国際経済の先行きが不透明なこともあり、大手広告主のCM出稿マインドは改善しませんでした。
そのため、テレビ放送収入は当中間会計期間を通じて低調で、タイム収入は大きく落ち込み、スポット収入も前年実績にすら届きませんでした。ラジオ放送収入は、イベントやお祭りの完全復活でタイム収入は前年実績を確保したものの、スポット収入は大幅に減少しました。事業その他収入は、売上を伸長しましたが利益を確保するには至りませんでした。
テレビ部門については、前年同期比でタイム収入は49,963千円(△5.7%)の減収、スポット収入は7,583千円(△0.9%)の減収となりました。
ラジオ部門については、前年同期比でタイム収入は610千円(+0.7%)の増収、スポット収入は7,433千円(△15.5%)の減収となりました。
その他の収入は前年同期比で26,886千円(+71.4%)の増収となりました。
2.財政状態に関する認識および分析・検討内容
(1)資産・負債・純資産の状況
|
前事業年度末 (令和5年3月31日) |
当中間会計期間末 (令和5年9月30日) |
増減 |
流動資産(千円) |
3,217,980 |
3,379,401 |
161,421 |
固定資産(千円) |
4,728,794 |
4,546,155 |
△182,639 |
資産合計(千円) |
7,946,774 |
7,925,556 |
△21,218 |
流動負債(千円) |
819,395 |
1,057,741 |
238,345 |
固定負債(千円) |
5,549,311 |
5,475,981 |
△73,330 |
負債合計(千円) |
6,368,707 |
6,533,722 |
165,015 |
純資産(千円) |
1,578,067 |
1,391,834 |
△186,233 |
負債純資産合計(千円) |
7,946,774 |
7,925,556 |
△21,218 |
①資産
当中間会計期間末の総資産残高は、前事業年度末に比べ21,218千円(△0.3%)減少し、7,925,556千円となりました。内訳は流動資産が前事業年度末に比べ161,421千円(+5.0%)増加したものの、有形固定資産が前事業年度末に比べ231,871千円(△5.3%)減少しています。流動資産の増加は現金及び預金が増加したことに加えて、中間会計期間末においては仮受消費税等と仮払消費税等を相殺せずに仮払消費税等を計上していることによるものです。固定資産の減少は減価償却費の計上により有形固定資産が減少したことによるものです。
②負債
当中間会計期間末の負債残高は、前事業年度末に比べ165,015千円(+2.6%)増加し、6,533,722千円となりました。流動負債の増加は前事業年度末においては未払消費税等を計上していましたが中間会計期間末においては仮受消費税等と仮払消費税等を相殺せずに仮受消費税等を計上したことによるものです。固定負債の減少は退職給付引当金と繰延税金負債が増加したものの、長期借入金およびリース債務が減少したことによるものです。
③純資産
当中間会計期間末の純資産残高は、前事業年度末に比べ186,233千円(△11.8%)減少し、1,391,834千円となりました。当中間会計期間において中間純損失212,818千円を計上したことが主たる要因です。
(2)キャッシュ・フローの状況・検討内容ならびに資本の財源および資金の流動性に係る情報
詳細については経営成績等の状況の概要(3)キャッシュ・フローの状況の項を参照してください。
当社の事業資金需要の主なものは、放送費、技術費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入により、設備投資や長期運転資金の調達については、主に金融機関からの長期借入ないしリース契約によることとしています。
なお、当中間会計期間末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は4,656,386千円、現金及び現金同等物の残高は2,006,564千円となっています。
(3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 2.財政状態に関する認識および分析・検討内容(3)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。