株式会社ニュー・オータニ

サービス業ホテル

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04564 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類が第5類へ移行し、行動制限が解除されたことに伴い社会経済活動は正常化に向かっているが、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や円安の影響でエネルギー価格や原材料価格が高騰し、消費活動に一定の影響を与えるなど、依然として先行きは不透明な状況が続いている。

 当社グループを取り巻くホテル業界においては、新型コロナウイルス感染症の第5類への移行後、行動制限の解除による、インバウンド需要、国内需要の回復に伴い業績は回復傾向を辿った。

 このような状況の中、当社グループ(当社及び連結子会社)の当中間連結会計期間の業績は売上高が30,567百万円と前年同期に比べ9,071百万円の増収、営業利益は2,301百万円と前年同期に比べ5,049百万円の改善、経常利益は4,204百万円と前年同期に比べ4,768百万円の改善となった。また、親会社株主に帰属する中間純利益は3,483百万円と前年同期に比べ4,109百万円の改善となった。

 

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりである。

a.ホテル事業

 ホテル事業の売上高は29,134百万円と前年同期に比べ9,018百万円の増収となり、営業利益は3,120百万円と前年同期に比べ5,370百万円の改善となった。

 

b.貸店舗事業

 貸店舗事業の外部顧客への売上高は1,432百万円と前年同期に比べ52百万円の増収となり、営業利益は944百万円と前年同期に比べ42百万円の増益となった。

 

 また、財政状態については、当中間連結会計期間末の資産合計は、現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末と比較して2,744百万円減少の200,956百万円となった。当中間連結会計期間末の負債合計は、短期借入金の減少などにより、前連結会計年度末と比較して5,794百万円減少の126,885百万円となった。当中間連結会計期間末の純資産合計は、親会社株主に帰属する中間純利益などにより、前連結会計年度末と比較して3,049百万円増加の74,070百万円となった。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物の中間期末残高は6,401百万円である。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、2,886百万円と前年同期に比べ3,104百万円の増加となった。これは主に税金等調整前中間純利益の増加によるものである。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、△891百万円と前年同期に比べ287百万円の増加となった。これは主に保険積立金の払戻による収入によるものである。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、△5,610百万円と前年同期に比べ2,181百万円の減少となった。これは主に短期借入金の返済による支出の増加によるものである。

 

③会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はない。

 

④生産、受注及び販売の実績

販売実績

 当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

当中間連結会計期間

(自 令和5年4月1日

至 令和5年9月30日)

前年同期比(%)

ホテル事業(百万円)

29,134

144.8

貸店舗事業(百万円)

1,432

103.8

合計(百万円)

30,567

142.2

 (注)セグメント間取引については相殺消去している。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものである。

 ①当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
 当社グループの当中間連結会計期間の経営成績等は、インバウンドや国内個人需要の回復、企業活動の正常化とともに、競合他社の動きも活発化し、当社グループは従来にも増して厳しい経営環境に直面しているが、これまで工夫と研究を重ねてきた新しい商品や新しいサービスに更に磨きをかけて品質を高め、また、細部にわたってコストの最適化を図ることで、新たな競争の時代に備えている。

  売上施策面では、需要の増大が見込まれる国内外の富裕層や親子三世代利用のターゲットに対し、様々な施策の実行・提案を行い、需要を開拓している。

  コスト面では、人件費について、部門を超えた相互サポート体制による人材配置の最適化や、委託業務の一部内製化などを行い、コスト構造の見直しを続けた。世界的な食材価格、エネルギー価格の高騰に対しては、食材の集中購買や、各ホテル内横断の食材有効活用で廃棄ロスを削減するなど工夫を凝らし原価を低減した。エネルギーについては政府支援策の活用、LED化などエネルギー効率を高める設備を運用することでコストを削減した。

  併せて継続的なブランディング施策として、エグゼクティブハウス禅が格付け機関から最高評価である五つ星を、ザ・メインは四つ星を獲得して九つ星を維持すると共に、従業員の健康管理に経営的な視点で戦略的に取り組む企業として健康経営優良法人に認定され、着実に成果を上げてきた。当社は創業以来、環境への配慮もおもてなしの一部と位置づけ、資源リサイクルや省エネルギーに取り組み、「グリーンニューオータニ」の実現に向けた取り組みを継続している。

  その結果、売上高は30,567百万円となり、前中間連結会計期間に比べ9,071百万円の増収となった。費用面においては、売上原価、販売費及び一般管理費において、国際情勢の不安定化や円安に伴う原材料費の高騰、資源価格の影響を受け増加したものの、新型コロナウイルス感染症の第5類への移行による制限緩和により、国内・海外の需要の回復、販売価格の改定等により営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する中間純利益は大幅に改善した。

 ②資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。

  当社グループの資金需要のうち主なものは、借入金等の有利子負債の返済のほか、運転資金として、ホテル事業における原材料等の購入費用、人件費を中心とした販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、ホテル設備の商品価値を高める改修等の設備投資によるものである。

  短期及び長期の資金需要については、「営業活動によるキャッシュ・フロー」により獲得した自己資金や金融機関とのシンジケートローン契約による借入、金融機関との相対取引による借入等により安定的に資金調達を行い対応している。引き続き、業績向上により「営業活動によるキャッシュ・フロー」の増大を図るとともに、財務体質の強化及び有利子負債の圧縮を進めていく。

  なお、当中間連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は69,516百万円となっており、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は6,401百万円となっている。