b 日本貨物鉄道(株)【E08587】四半期 |財務リスト - ZaimuList

日本貨物鉄道株式会社

陸運業

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E08587 


2【経営者による財政状態、経営成績の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が解除され、経済活動の正常化が進みました。一方で、ウクライナ情勢の長期化、円安水準の継続などに起因する物価の上昇により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 こうした状況の中、当社グループは「JR貨物グループ長期ビジョン2030」や「JR貨物グループ中期経営計画2023」のもと、鉄道ロジスティクス事業では貨物鉄道事業の役割発揮とさらなる収益性の向上、総合物流企業グループへの進化、不動産事業では自社用地の新規開発、外部物件の取得等による利益拡大の取組みを進めました。トラックドライバー不足による物流の停滞という深刻な社会問題となることが懸念される物流の2024年問題が迫る中、その緊急性を訴える活動を強化し、モーダルコンビネーションによる輸送方法の見直しやトラック輸送のみに偏らない輸送体系の提案営業を継続して実施しました。年末に向けて消費の盛り上がりが見られたものの、物価上昇に伴う消費者の買い控えが見られたことや、夏季の大雨、台風が経営成績に影響を及ぼしました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比0.2%増の1,404億円、営業損失は14億円(前年同期は営業損失9億円)、経常損失は7億円(前年同期は経常損失15億円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は7億円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失21億円)となりました。

 また、当第3四半期連結会計期間末の総資産額は4,377億円となり、前連結会計年度末と比較し8億円増加しました。これは主に、車両の修繕周期や調達価格の高騰に伴う棚卸資産の増加等によるものです。

 負債総額は3,422億円となり、前連結会計年度末と比較し14億円増加しました。これは主に、社債発行による増加と未払金の減少によるものです。また、長期借入金残高は、前連結会計年度末に比べ2億円増の1,885億円となりました。

 純資産総額は954億円となり、前連結会計年度末と比較し6億円減少しました。これは主に、利益剰余金の減少によるものです。

 設備投資のための資金については、「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律」に基づく「設備投資等に係る無利子貸付」などの国からの支援を積極的に活用しつつ将来の経営基盤強化に資する設備投資を進めております。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

ⅰ)鉄道ロジスティクス事業

 鉄道事業を中心とする当社グループは、「安全は鉄道事業の存立基盤である」との認識のもと、鉄道輸送の商品力強化や信頼性向上に取組むとともに、収支改善に向けた取組みの継続・強化を実施しております。

 輸送サービスにおいては、堅調に推移している積合せ貨物の需要にお応えするため、ブロックトレインの輸送力を増強したほか、2022年3月より運行開始した「フォワーダーズブロックトレイン」の所要時間を短縮するなど利便性を向上しました。これらの輸送サービスの提供により当社グループは、貨物鉄道の優れた環境特性や労働生産性を活かし、「JR貨物グループ長期ビジョン2030」で掲げた「物流生産性の向上」「グリーン社会の実現」という価値の提供に取組んでまいります。

 当第3四半期連結累計期間における輸送量は、コンテナ全体では前年実績を下回り、前年同期比98.5%となりましたが、年末に向けて消費の盛り上がりが見られるなど、前年を上回る品目が増加しました。自動車部品が半導体不足の解消が進み自動車生産が回復傾向にあることから増送となりました。積合せ貨物は、2024年問題を背景とするドライバー不足に伴う鉄道シフトに加え、ECサイトのセール実施等により増送となりました。食料工業品は、需要回復の兆しが見られるビール類や清涼飲料水を中心に増送となりました。一方、化学薬品は一部顧客の輸送終了や需要低迷に伴う生産減により荷動きが低調となったほか、紙・パルプは、ペーパーレス化の進展に伴う紙の需要減が続き減送となりました。車扱全体では前年を上回り、前年同期比102.0%となりました。石油がガソリン及び軽油を中心に荷動きが堅調に推移したほか、セメント・石灰石も増送となりました。この結果、コンテナ・車扱の輸送量合計では前年同期比99.5%となりました。

 運輸収入では前年を下回り減収となりましたが、「東京レールゲートEAST」が2022年7月に竣工し、順調に稼働していることから営業収益は増収となりました。

 経費面では、安全の確立、安定輸送の確保、輸送品質の維持等の事業継続に必要な経費は着実に執行しましたが、資源価格や原材料価格の高騰を受け、不要不急の工事や施策についてより一層の見直しを行い、さらなるコストの削減に取組みました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比1.2%増の1,261億円、営業損失は94億円(前年同期は営業損失95億円)となりました。

 

ⅱ)不動産事業

 不動産事業では、「フレシア祐天寺」が2023年4月に賃貸開始したほか、「シティテラス新小岩」の販売が堅調に推移しましたが、2022年9月に温浴施設が営業終了したこと及び分譲マンション販売戸数が前年よりは少なかったことにより減収減益となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比8.2%減の152億円、営業利益は前年同期比8.0%減の76億円となりました。

 

ⅲ)その他

 その他では、リース事業においてフォークリフトのリース及び中古品売上が増加したことから増収増益となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比14.6%増の34億円、営業利益は前年同期比45.8%増の2億円となりました。

 

(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

 記載すべき重要な研究開発活動はありません。

 

(4)主要な設備

 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間に新設による著しい変動があったものは、次のとおりであります。

 

① 新設

 当第3四半期連結累計期間に完了した主要な設備の新設は次のとおりであります。

件名

総工事費(百万円)

完了年月

不動産事業

 賃貸事業用資産の取得

 (東京都目黒区)

1,602

2023年4月