日鉄興和不動産株式会社

不動産業総合不動産

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E11467 Japan GAAP


3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当中間連結会計期間における、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う入国行動制限の緩和等もあり、経済社会活動が正常化に向かう中、設備投資や雇用情勢が改善し、緩やかな回復基調が続いております。一方で、原材料の価格高騰や供給制約、円安の進行、様々な国際情勢の変化等、経済全体の先行きは不透明な状況が続いております。

 このような事業環境のもと、当中間連結会計期間の経営成績は、「BIZCORE築地(東京都中央区)」、「LOGIFRONT浦安(千葉県浦安市)」の売却等の不動産販売の好調を主因として、営業収益1,220億円(対前年同期+58億円)、営業利益282億円(同+41億円)、経常利益261億円(同+29億円)、親会社株主に帰属する中間純利益171億円(同+13億円)となりました。

 セグメント別の経営成績については、以下のとおりであります。

 

当社グループの経営成績

(単位:百万円)

区分

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減

営業収益

116,124

122,001

5,877

営業利益

24,094

28,288

4,193

経常利益

23,206

26,150

2,944

親会社株主に帰属する中間純利益

15,847

17,165

1,318

 

セグメント別営業収益

(単位:百万円)

区分

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減

不動産賃貸

27,959

26,993

△966

不動産販売

73,085

78,846

5,761

フィー

18,426

19,463

1,036

調整額

△3,346

△3,301

45

合計

116,124

122,001

5,877

 

 

セグメント別営業利益

(単位:百万円)

区分

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減

不動産賃貸

10,065

8,006

△2,059

不動産販売

15,692

22,457

6,765

フィー

1,412

1,490

78

調整額

△3,076

△3,666

△590

合計

24,094

28,288

4,193

 

 セグメント別の経営成績については、以下のとおりであります。

イ.不動産賃貸

 不動産賃貸につきましては、オフィスビル賃貸において「品川インターシティ(東京都港区)」や「赤坂インターシティAIR(東京都港区)」等の空室の埋め戻しにより空室率は低下しました。(都心5区でのオフィス・商業ビル稼働率93.1%)、一方で埋め戻しテナントのフリーレント期間等の影響により、当中間連結会計期間の営業収益は269億円(対前年同期△9億円)、営業利益については80億円(同△20億円)となりました。

 

(※)都心5区の賃貸床面積・空室率(オフィス・商業ビル)

区分

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

所有面積(中間期末)

転貸面積(中間期末)

299,021㎡

197,968㎡

240,865㎡

186,949㎡

合計

496,989㎡

427,814㎡

空室率

7.9%

6.9%

(注)1.都心5区とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区を指しております。

   2.空室率は、所有物件に係る期中平均の数値であります。

 

ロ.不動産販売

 不動産販売につきましては、分譲マンション事業において「リビオシティ南砂町(東京都江東区)」、「リビオシティ三国ケ丘(大阪府堺市)」等について計画通り供給が進みました。前年度上期との対比はマンション売上計上戸数が839戸(前中間連結会計期間1,039戸)と減少した一方、物流施設「LOGIFRONT浦安(千葉県浦安市)」や中規模ハイグレードオフィス「BIZCORE築地(東京都中央区)」を売却したこと等により、営業収益は788億円(対前年同期+57億円)、営業利益は224億円(同+67億円)となりました。

 

不動産販売の営業収益内訳

(単位:百万円)

区分

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減

マンション

53,751

40,804

△12,947

戸建・宅地

118

1,824

1,706

その他

19,214

36,219

17,005

合計

73,085

78,846

5,761

 

 

売上計上戸数

区分

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減

マンション

1,039戸

839戸

△200戸

戸建・宅地

9区画

97区画

88区画

(注) 共同事業物件については、当社事業割合に応じた戸数を記載しております。

 

ハ.フィー

フィーにつきましては、仲介手数料や管理受託報酬が増加する一方、経費も増加したことにより、当中間連結会計期間の営業収益は194億円(対前年同期+10億円)、営業利益は14億円(同+0億円)となりました。

 

② 財政状態の状況

 当中間連結会計期間末における財政状態は、総資産残高が1兆2,360億円となり、現金及び預金の残高の増加や投資有価証券の増加等により前期末から411億円増加しました。

 

(負債)

 負債残高については9,362億円となり、有利子負債255億円の増加等により前期末から217億円増加しております。

 

(純資産)

 純資産残高については、前期末比194億円増加の2,998億円となりました。

 

資産、負債及び純資産の状況

 

(百万円)

区分

前連結会計年度

当中間連結会計期間

増減

総資産

1,194,857

1,236,040

41,183

総負債

914,490

936,223

21,733

(うち有利子負債)

765,866

791,376

25,510

純資産

280,367

299,817

19,449

(うち自己資本)

275,719

295,189

19,469

自己資本比率

23.1%

23.9%

ネットD/Eレシオ

2.5倍

2.3倍

(注)ネットD/Eレシオ=(有利子負債-現金及び預金)/自己資本

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び預金の残高は1,183億円となり、前中間連結会計期間と比較して497億円の増加となりました。

 

 

(百万円)

区分

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

45,236

35,629

△9,606

投資活動によるキャッシュ・フロー

△46,239

△26,877

19,362

財務活動によるキャッシュ・フロー

△18,564

22,359

40,923

現金及び現金同等物の期末残高

68,547

118,341

49,794

 

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、356億円の資金増加(対前年同期△96億円)となりました。これは、仕入債務の減少73億円等の資金減少があった一方、税金等調整前中間純利益247億円、棚卸資産の減少97億円、売上債権の減少111億円等の資金増加があったものであります。

 

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、268億円の資金減少(対前年同期+193億円)となりました。

これは、有形固定資産の取得309億円等の資金減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、223億円の資金増加(対前年同期+409億円)となりました。これは、長期借入金の調達568億円や社債発行による資金調達199億円等があった一方、長期借入金の返済381億円等を実施したことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の経営成績に関連付けて示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間末現在において判断したものであります。

 

① 当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当中間連結会計期間の経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。なお、通期では、連結経常利益については391億円を、また、親会社株主に帰属する当期純利益については、235億円を見込んでおります。

 

 また、当中間連結会計期間における財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載 のとおりであります。

 

 当社グループは、財務規律の観点から自己資本比率20%以上、ネットD/Eレシオ3倍以内を目途としておりますが、当中間連結会計期間においては、自己資本比率23.9%、ネットD/Eレシオ2.3倍となっております。引き続き、財務構成にも留意しつつ、持続的成長のための投資を行ってまいります。

 

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 セグメント別の経営成績については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりで ありますが、取組状況の補足については次のとおりであります。

 

 不動産賃貸セグメントについては、コロナ禍を契機とした企業のオフィス戦略やワークスタイルの変化等の影響により、オフィスビルの需要縮小等が懸念されている中、当社保有の「品川インターシティ」や「赤坂インターシティAIR」等を中心に稼働が改善しており、空室率が前連結会計年度7.9%より当中間連結会計期間において6.9%に低下しております。引き続き、新規リーシング力及び既存テナントとのリレーションシップマネジメント力の更なる強化等、オフィスビル賃貸事業における稼働状況の改善に注力しております。また、2024年3月に第1号ホテル「&Here TOKYO UENO(東京都台東区)」の開業を予定しております。

 

 不動産販売セグメントについては、用地価格・建築費が引き続き高騰している環境下でありますが、大型マンションプロジェクトでは、「大宮スカイ&スクエア ザ・タワー/大宮駅西口第3-B地区第一種市街地再開発事業」(2024年5月竣工予定)、「ザ・タワー十条/十条駅西口地区第一種市街地再開発事業」(2024年9月竣工予定)等、将来に結実するプロジェクトの推進にも注力しており、2024年度以降の一層の供給拡大・収益寄与が期待されます。また、2023年4月に未来の暮らし体験型ショールーム「Life Design!HOME LAB 新宿三丁目」をオープンしました。本施設では、これまでのリビオ総研の活動や他企業との共創活動を知ることができる「未来の暮らし発見ゾーン」に加え、一般社団法人LIVING TECH協会とのタイアップによる「未来のテクノロジー体験エリア」を併設し、最新のスマートホーム機器を体験できる機会を提供しております。

 

 フィーセグメントについては、オフィスビルやマンション等における管理運営業務の拡充に努めるとともに、 みずほフィナンシャルグループ及び日本製鉄グループのネットワーク並びに当社が築いてきた顧客ネットワーク を最大限に活用し、事業法人・金融法人等の保有資産の有効活用や処分等、不動産ニーズを発掘してまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループでは、不動産賃貸セグメントにおけるオフィスビル等の取得・開発資金や不動産販売セグメント における分譲マンション用地の取得・開発資金等の資金需要に対して、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入よる資金調達等により対応しております。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、先行き不透明感が強い経済情勢等に鑑み、当中間連結会計期間末の現金及び預金の残高1,183億円に加えて、金融機関より220億円の長期借入のコミットメント未使用枠を取得しております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社が中間連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等(1)中間連結財務諸表 注記事項 (中間連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。この中間連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なることがあります。

 なお、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。