E32969 Japan GAAP
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当中間会計期間におけるわが国の経済は、一部に弱めの動きもみられるものの緩やかに回復しました。海外経済は総じてみれば緩やかに成長しており、輸出や鉱工業産業は一部に米国の関税引き上げに伴う駆け込みとその反動の動きがみられますが、基調としては横ばい圏内の動きを続けています。企業収益は改善傾向にあり業況感が良好な水準を維持しているもとで、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。個人消費は、物価上昇の影響などから消費者マインドに弱さがみられるものの、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移しています。住宅投資は弱めの動きとなり、公共投資においても横ばい圏内の動きとなりました。金融環境については、緩和した状態が続いています。
新築住宅市場では、当中間会計期間の新設住宅着工戸数は全体で34.0万戸(前年同期比17.4%減、国土交通省、2025年9月分建築着工統計調査報告 2025年10月31日公表)と前年比で減少し、2025年9月時点の季節調整済年率値は72.8万戸(同報告)と前年同期比で8.17%減となりました。
住宅市況が厳しさを増す中で、当社においては提携ハウスメーカーの住宅販売に役立つ金融商品やサービスの提供に努めてまいりました。当社はかねてより、提携ハウスメーカーとシステムで連携したビジネスモデルをベースにIT技術を積極活用して事業を展開してまいりましたが、2024年3月のマイナス金利政策解除によって、住宅ローン市場は大きな転換点を迎えました。「金利のある世界」となり、各金融機関において変動金利型住宅ローンの基準金利が引き上げられました。しかしながら、住宅価格の上昇が続く中で、固定金利型住宅ローンより低金利である変動金利型住宅ローンのニーズは根強く、最優遇金利における金利競争がさらに激化しました。引き続き金利と物価の先行きは不透明であり、顧客の住宅取得が困難になりつつある状況は今後も続くものと見込まれます。これらの状況を踏まえ、2024年度の事業戦略として「金利上昇局面において、金利変動リスクの無い全期間固定金利のフラット35の推進や、国の施策や顧客のニーズに沿った商品・サービスの機動的リリースによって、住宅取得が困難になりつつある環境における顧客・提携ハウスメーカーのニーズに応えることが最重要課題である」と位置付け、事業を展開しました。2024年10月には、先行き不透明な現在の金利環境における顧客の不安を払拭するため、当初は保証型フラットで借入し5年後以降に「MCJ変動ローン」へ切り替えるかを選択できる「変動切替オプション」をリリースいたしました。また、2025年2月には、金利上昇局面に入ったものの依然として変動ローン需要が根強いことから「MCJ変動ローン」において、つなぎローンより金利負担を抑えられる分割融資を、一度の契約で利用できる仕組みの「先行融資プラン」を導入し、金利負担と事務手間を軽減いたしました。
2024年度におけるフラット35申請戸数は全金融機関で前年度比99.2%の40,442戸(住宅金融支援機構発表、2025年5月2日)と減少いたしました。しかし、2023年度におけるフラット35申請戸数が全金融機関で前年度比60.7%の40,783戸(住宅金融支援機構発表、2024年4月30日)であったことと比較すると、フラット35申請戸数の減少幅は縮小しております。
2025年1月には、2024年3月のマイナス金利政策解除以降2度目の追加利上げが行われました。当社においては、今後さらに変動金利型住宅ローンの金利が上昇していき金利変動リスクの無い全期間固定金利のフラット35に注目が集まっていく局面を見据え、フラットの商品性向上に注力していく方針で事業を展開いたしました。
2025年4月には当社の保証型フラット「MCJフラット“極”」の商品性を改定し、最長借入期間を35年から40年に延ばしました。住宅金融支援機構が2025年4月に制度を変更し、保証型フラットの35年超の借入が可能となったことから、当社においても商品性を改定し、買取型フラットより低い金利を維持しながら借入期間を40年に延ばしました。金利水準を変えずに最長借入期間を延ばすことで、従来の「MCJフラット“極”」よりも月々の返済金額を抑え、より多くの借入を行うことが可能となりました。さらに、住宅金融支援機構のフラット35金利引下げ制度を利用することで、最大で▲1.0%借入当初の金利負担を抑えることができ、借入当初は金利変動リスクの無い固定金利型住宅ローンでありながら、低金利な変動金利型住宅ローンと比べて遜色ない金利水準で借り入れを行うことが可能です。借入期間40年の保証型フラットをリリースしているのは全金融機関で当社だけであり(2025年9月30日現在、当社調べ)、提携ハウスメーカーの受注に貢献可能な差別化商品であることから、さらなる推進に取り組んでまいります。2025年7月には「MCJフラット“極”」と併せて借り入れる「MCJフラットパッケージローン」の当初借入金利を「MCJフラット“極”」と同一水準とする商品性改定を実施しました。この商品性改定により「MCJフラットパッケージローン」の金利の高さを避ける顧客層へ対しても「MCJフラットパッケージローン」付フラットの利用を訴求できるようになりました。加えて2025年7月には「変動切替オプション」の商品性を改定し、「MCJフラット“極”」から「MCJ変動ローン」への切替時に徴求することとしていた手数料を無料化しました。「MCJフラット“極”」は融資を受けてから5年間はフラット35金利引下げ制度の恩恵を受けて返済負担を抑え、5年後以降は金利動向にあわせて固定金利型の「MCJフラット“極”」で返済を続けるか、変動金利型の「MCJ変動ローン」に切り替えるかを無料で自由に選択できる商品であることから、当該商品を「5年待てるローン」と称し、今後も推進してまいります。
また、住宅ローン商品以外のラインナップ拡充として、かねてから検討しておりました「MCJフリーローン」の取り扱いを2025年4月に開始しました。当社は「顧客の人生に寄り添ったローン商品を提供する総合的な金融インフラ「えむふぁみ倶楽部」の構築」に向けた取り組みを継続しており、その商品ラインナップの一つとして資金使途自由な「MCJフリーローン」を導入しております。今後も顧客本位で商品・サービスを提供すべく、継続的な周知と商品性改善に取り組んでまいります。
サービスの提供につきましては、ローンプラザの強化に注力いたしました。今後の見通しが難しい金利環境において住宅ローン商品は高度化・複雑化するとともに顧客のニーズも細分化しています。そういった状況でも顧客が安心・納得して住宅ローンを借り入れするために必要となる、エリートクラスの住宅ローンコンサルタント人材を採用するための採用キャンペーンを展開いたしました。訴求力の高い広告を複合的に展開したことで、高いスキルを有した人材からの応募を確保、選考することができました。今後も当社の強みであるローンプラザの維持・強化に継続的に取り組んでまいります。
各種取り組みの効果もあり、当社の当中間会計期間におけるフラット35申請戸数は前年同期比305.2%の2,946戸と大幅に増加いたしました。また、当中間会計期間におけるフラット35申請戸数は全金融機関においても前年度比136.9%の27,220戸(住宅金融支援機構発表、2025年7月29日、2025年10月28日)と増加基調にあります。
当社はフラット35のリーディングカンパニーとしてモーゲージバンク各社と協調し、積極的に住宅金融支援機構に対して商品性や手続きの改善要望を提言する等、フラット35の利便性向上や更なる普及・推進に取り組んでまいりました。今後の金利上昇局面においてもフラット35がより使いやすいものになるよう引き続き注力してまいります。
この結果、当中間会計期間のフラット35を中心とした住宅ローンの申込件数は、8,069件(前中間会計期間比7.8%減)、融資実行件数は、1,200件(同42.1%減)、融資実行金額は610億円(同42.1%減)となり、営業収益4,828,908千円(前中間会計期間比176,499千円増)、営業費用4,413,144千円(同58,969千円減)、営業利益415,763千円(同235,467千円増)、中間純利益270,629千円(同151,143千円増)となりました。
なお、当社は住宅ローン事業の単一セグメントであります。
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末比713,887千円増の8,053,054千円となりました。中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により減少した資金は、32,681,686千円(前中間会計期間比1,343,723千円増)となりました。これは、主に営業貸付金29,314,539千円の増加、および営業立替金3,654,113千円の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により増加した資金は、13,357,596千円(前中間会計期間比5,236,302千円増)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還による収入14,544,365千円、および無形固定資産の取得による支出1,075,069千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は、20,037,977千円(前中間会計期間比6,554,629千円減)となりました。これは、主に短期借入金の増加19,170,513千円によるものであります。
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、提出会社における貸付金の状況は次のとおりであります。
(注) 上記は、債権流動化により残存として評価した劣後信託受益権を含んでおりません。
(注) 上記は、債権流動化により残存として評価した劣後信託受益権を含んでおりません。
(注) 上記は、債権流動化により残存として評価した劣後信託受益権を含んでおりません。
(注) 期間は、約定期間によっております。
(注) 上記は、債権流動化により残存として評価した劣後信託受益権を含んでおりません。
当社は住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当中間会計期間における営業収益の内訳は次のとおりです。
(注) 1.「金額」は表示単位以下を切り捨てしているため、「金額」の内訳と合計は一致しません。
また「構成比」は小数点第2位以下を切り捨てしているため、「構成比」の内訳と合計は一致しません。
(注) 2.主な相手先別の営業収益に対する割合は次の通りであります。
(注) 当社は、「独立行政法人住宅金融支援機構」より委託を受けて、住宅ローンの債権回収(サービシング業務)を行っており、この対価として、住宅ローン残高に応じたサービシングフィーを受け取っております。
当中間会計期間における主要な住宅ローンの融資実行件数及び金額の内訳は次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
以下の記載のうち将来に関する事項は、本半期報告書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、中間会計期間末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社の経営陣は財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
② 当事業年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当中間会計期間末における当社の住宅ローン等残高(買取型、保証型、変動ローン及びその他プロパーローン残高の合計額)は、2兆3,301億円となりました。また、当中間会計期間の当社の主要商品であるフラット35(買取型及び保証型)及び変動ローンの融資実行金額は、610億円となりました。
a.営業収益
営業収益は、その他の金融収益の増加に伴い、前中間会計期間比176,499千円増の4,828,908千円となりました。
b.営業利益・経常利益
営業利益は、営業費用の減少に伴い、前中間会計期間比235,467千円増の415,763千円となりました。また、経常利益は前中間会計期間比214,544千円増の394,988千円となりました。
c.中間純利益
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計124,358千円を計上したことにより、中間純利益は、前中間会計期間比151,143千円増の270,629千円となりました。
経営成績の分析の詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
a.資産の部
当中間会計期間末の総資産は、前事業年度末と比較して、主に、営業貸付金が14,591,517千円、営業立替金が3,654,113千円増加したことにより、前事業年度末比20,198,899千円増加の183,447,534千円となりました。
b.負債の部
当中間会計期間末の負債は、主に、短期借入金が19,170,513千円増加したことにより、前事業年度末比20,111,807千円増加の167,630,799千円となりました。
c.純資産の部
当中間会計期間末の純資産は、中間純利益の積上げによる利益剰余金270,629千円増加したのに対し、配当金141,500千円を支払ったことにより、15,816,735千円となりました。
この結果、自己資本比率は8.6%となりました。
財政状態の分析の詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当中間会計期間のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社は資金を安定的に調達することを基本方針としております。複数かつ有力な金融機関と良好な取引関係を維持し継続的に借入を行っていくとともに、資本市場におけるコマーシャル・ペーパー及び無担保普通社債の発行により、資金調達の多様化を行っております。