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E34406 Japan GAAP
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当中間連結会計期間における国内経済は、アフターコロナ期に移行し、経済社会活動の正常化が進む中、内需は設備投資の回復に遅れが見られましたが、自動車の輸出が増加したこと等から、外需が成長率を押し上げました。企業の生産活動は業種別にみると、供給制約の緩和を受けて自動車が増産となった一方、世界的な財需要の低迷を受けて生産用機械を中心に幅広い業種が減産となりました。個人消費は外食や旅行等のサービス消費が緩やかに増加しました。
第1四半期(2023年4~6月)の実質GDP成長率は、前期比年率4.8%増と3四半期連続のプラス成長となりました。足元では日本銀行による2023年9月の全国企業短期経済観測調査において、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数の水準は、円安に加え半導体不足の緩和を受けて、自動車の景況感が大きく改善したほか、原油価格の上昇が石油・石炭製品の景況感、食料品の値上げが食料品の景況感をそれぞれ改善させ、2四半期連続の改善となりました。しかし、先行きは利上げに伴う欧米経済の悪化や中国経済の回復の遅れ、足元の原油高・円安進行による原材料価格の再上昇等への警戒感から慎重姿勢の見通しとなりました。
企業収益については、製造業は供給制約の緩和による生産・輸出の回復を受けて、自動車を中心に2四半期連続の増益となりました。また、非製造業も宿泊等対面型サービス等が増収となり、好調を維持しました。
設備投資については、収益が好調な自動車等がけん引役となり製造業が堅調さを維持した一方、非製造業は前期に高い伸びとなった宿泊、飲食等、対面型サービスの反動減等により減少となりました。
このような環境の下、当中間連結会計期間における当社グループの業容は、契約実行高が1,168億45百万円(前年同期比30.2%増)、営業資産残高は6,747億28百万円(前連結会計年度末比86億2百万円増)となりました。
損益面においては、前年の中古車市場高騰の反動により、リース満了時におけるリース車両の売却額が前年同期に比べ減少しております。一方、自動車メーカーの新車供給能力の回復等に伴い新車契約の獲得が増加傾向にあること、また、再リース契約についても堅調に推移しております。その結果、売上高は1,950億30百万円(前年同期比0.1%減)となり、営業利益は163億59百万円(前年同期比1.0%増)、経常利益は162億47百万円(前年同期比0.0%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は103億85百万円(前年同期比0.8%増)となりました。
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローにつきましては、現金及び現金同等物は前連結会計年度末より6億30百万円増加し、243億32百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、18億47百万円の支出(前中間連結会計期間は303億71百万円の収入)となりました。主な支出の要因は、賃貸資産の増加額426億32百万円、リース債権及びリース投資資産の増加額66億35百万円、法人税等の支払額51億40百万円であり、主な収入の要因は、賃貸資産減価償却費443億26百万円、税金等調整前中間純利益162億18百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、9億69百万円の支出(前中間連結会計期間は8億89百万円の支出)となりました。主な支出の要因は、社用資産の取得による支出8億22百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、33億59百万円の収入(前中間連結会計期間は390億42百万円の支出)となりました。主な収入の要因は、長期借入れによる収入741億44百万円、社債の発行による収入199億15百万円であり、主な支出の要因は、長期借入金の返済による支出780億38百万円、社債の償還による支出100億円であります。
当中間連結会計期間における契約実行実績は次のとおりであります。なお、当社グループは自動車リース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
前連結会計年度及び当中間連結会計期間における営業資産残高は次のとおりであります。なお、当社グループは自動車リース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
前中間連結会計期間及び当中間連結会計期間における営業実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは自動車リース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
前中間連結会計期間
当中間連結会計期間
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループの中間連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この中間連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの中間連結財務諸表で採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 中間連結財務諸表等 (1)中間連結財務諸表」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 注記事項(追加情報)」に記載しております。
自動車業界においては、2022年度下期以降、新車の供給力が回復基調に転じたことにより、2023年度上期の新車販売台数(登録自動車及び軽自動車)は、前年同期比15.7%増の222万6千台と、前年同期実績を上回る結果となりました(一般社団法人日本自動車販売協会連合会、一般社団法人全国軽自動車協会連合会発表)。
国内自動車リース業界においては、2023年度上期のリース契約台数は前年同期比6.1%増の90万台となりました。内新車リースは供給制約の緩和による自動車メーカーの生産回復等を背景に前年同期比13.3%増の36万1千台となりました(一般社団法人日本自動車リース協会連合会発表)。また、新車販売台数に占めるリース化率は、前年同期比0.4ポイント減の16.2%となりました。
このような環境の下、当社グループは目指す姿として「サステナブルな社会に向けたモビリティプラットフォーマー」を掲げ、2023年度には3つの大方針と12の重点戦略を設定した事業計画「SMAS Evolution 2023∞」を策定し、安定した事業収益基盤の拡充及び持続的な成長に向けた経営基盤の強化に取組んでおります。
自動車産業は、モビリティシフトが更に加速傾向にあり、従来型の自動車リースの枠を越えて、レンタル・シェアリング・公共交通機関等を組み合わせたモビリティマネジメントの提供が求められております。また、カーボンニュートラルへの対応ニーズも高まりを見せており、企業として取組んでいくことが求められております。
当社グループはこのようなニーズに対応するため、「SMAS Evolution 2023∞」において、より利便性や質の高いモビリティ関連商品・サービスの提供や、顧客が抱えるカーボンニュートラルの実現への課題解決に向けた活動を強力に推進しており、新たな事業収益基盤の一つとして確立していきたいと考えております。
当中間連結会計期間における主な活動としては、電気自動車(以下「EV」)の今後の増加を見据えて、2023年4月にモビリティソリューション推進本部を「モビリティ&EV戦略推進本部」に改称し、同本部の直下に「モビリティ&EV企画部」を新設、またEV&カーボンニュートラル戦略推進部(前EV&カーボンフリー戦略推進部から改称)を部門長直下から移設しました。また、EVシフトに向けたEV関連企業への出資も当中間連結会計期間に行っております。2023年7月には、改正道路交通法により2023年12月に施行となるアルコール検知器によるアルコールチェックの記録・管理の義務化に向け、2023年3月に引続きモビリティサービスの「Mobility Passport」とアルコールチェックを記録する専用アプリ「ALnote」の認知拡大・理解促進のため、様々なメディアへの広告を展開しております。アルコールチェック義務化をきっかけに、無料アプリ「ALnote」導入により新規顧客企業と接点を持ち、「Mobility Passport」、「SMAS-Smart Connect」及び「メンテナンス・リース」などへのアップセルやクロスセルによる収益機会の拡大に注力しております。
当中間連結会計期間末の営業資産残高は前連結会計年度末比86億2百万円増の6,747億28百万円となり、総資産は前連結会計年度末比166億6百万円増の8,264億68百万円となりました。
ア 資金調達の方針
当社グループは資金調達基盤を強化していくことにより、事業の持続的成長に必要な資金量を安定的に確保するとともに、資金調達コストの圧縮を通じて収益力の向上を図ることを基本方針としております。多数の有力な金融機関と良好な取引関係を維持し継続的に借入を行っていくとともに、優良な格付を背景とした社債、コマーシャル・ペーパーの発行等により、調達手段の多様化を行っております。また、固定金利での長期資金調達を中心とする保守的な資金調達を行っており、更にALM(Asset Liability Management:資産と負債の総合管理)の実施により、金利リスクや流動性リスク等の各種リスクを適切にコントロールしております。
イ 資金調達の状況
当中間連結会計期間末の有利子負債残高(リース債務を除く)は、前連結会計年度末比157億49百万円増の6,143億73百万円となりました。この内、1年内返済予定を含めた長期借入金残高は、前連結会計年度末比20億11百万円減の4,448億25百万円、短期借入金残高は同47億60百万円増の665億48百万円、コマーシャル・ペーパーによる調達残高は同30億円増の330億円、1年内償還予定を含めた社債残高は同100億円増の700億円となりました。
ウ 格付の状況
当中間連結会計期間末において、当社は次のとおり格付機関から格付を取得しております。
当中間連結会計期間末の純資産は、親会社株主に帰属する中間純利益の積み上げによる利益剰余金の増加の一方で、剰余金の配当の実施による利益剰余金の減少等により、前連結会計年度末比38億52百万円増の1,409億64百万円となりました。この結果、自己資本比率は15.9%となりました。
当社グループの当中間連結会計期間の経営成績は、2022年度下期以降、新車供給能力が回復基調に転じたことに伴い、新規の新車契約獲得は前年同期比で増加しております。一方で中古車市場は前年同期より下落していることもあり、リース満了時におけるリース車両の売却額が前中間連結会計期間からは減少し、売上高は1,950億30百万円(前年同期比0.1%減)となりました。中古車市場の動向に伴い、リース車両の売却益は減少したものの、新規の新車契約獲得の増加に加え、モビリティサービス商品の拡販等が増益要因となり、売上総利益は380億38百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は163億59百万円(前年同期比1.0%増)、経常利益は162億47百万円(前年同期比0.0%減)となりました。結果、親会社株主に帰属する中間純利益は103億85百万円(前年同期比0.8%増)となりました。
b キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、賃貸資産をはじめとする営業資産の購入資金であります。
当中間連結会計期間は、自動車メーカーの新車供給能力の回復等により、営業資産の新規購入が増加したことを主な要因として、営業活動によるキャッシュ・フローは18億47百万円の支出となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、モビリティサービス等へのシステム投資による社用資産取得、EVシフトに向けたEV関連企業への出資を行ったこと等により9億69百万円の支出となりました。
営業資産の新規購入が増加していること、及び社債の償還等の資金需要に対応するために借入や社債の発行などの資金調達を実施したことにより財務活動によるキャッシュ・フローは33億59百万円の収入となりました。
今後の営業資産の購入等の資金需要に対応するため、長期借入金及び社債、並びに短期借入金及びコマーシャル・ペーパーにより、持続的成長に必要な資金量の安定的な確保に努めております。また、当社グループは、社債の発行登録を1,500億円、コマーシャル・ペーパーの発行枠を2,400億円設定しており、機動的に資金調達が出来る体制を構築しております。
加えて、当社グループでは流動性の確保のため取引金融機関等と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当中間連結会計期間末の契約総額は前連結会計年度末比増減なしの2,786億円となりました。当中間連結会計期間末の当座貸越契約及びコミットメントライン契約による借入未実行残高は2,272億円であり、資金の流動性は十分に確保されております。
更に、資金調達の手段・タイミングを分散することによって流動性リスクの軽減を図っております。
なお、日常的な手元流動性については、営業関連収支やコマーシャル・ペーパーの借換えを含む財務関連収支の安全性確保に必要且つ十分な残高を維持する方針としております。当中間連結会計期間末における現金及び預金残高は、前連結会計年度末比6億30百万円増の243億32百万円となりました。