E31306 Japan GAAP
前期
301.8億 円
前期比
84.6%
株価
874 (04/24)
発行済株式数
13,363,540
EPS(実績)
102.12 円
PER(実績)
8.56 倍
前期
702.1万 円
前期比
104.0%
平均年齢(勤続年数)
41.9歳(5.4年)
従業員数
170人(連結:187人)
当社グループは、主に分譲マンション建設工事の施工を中心とした「建設事業」及びマンション・デベロッパーへの事業化提案を行う「不動産事業」を行っております。当該事業を行うにあたっては、「建設業法」に基づく建設業許可、さらに「建築士法」「建築基準法」に基づく一級建築士事務所としての登録ほか、マンション・デベロッパーへの事業化提案の過程で生じる不動産の仲介、売買等に必要な「宅地建物取引業法」に基づく宅地建物取引業の登録を行い事業を行っております。事業の内容は次のとおりであります。
なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
〔事業系統図〕
当社グループは、施工するマンションの品質確保を最優先に、業務に取組んでおります。
その方策として、建物の強度を保つ根幹となる躯体部分については、特に厳格な品質管理を実施しております。構造検査については、法令に則った所定の検査に加え、当社安全品質管理室によるダブルチェックを追加実施する等の検査・運用基準を実践しております。また、重要な躯体部分の三項目である杭、配筋、生コンクリートの品質について、施主が第三者機関の検査を実施しない場合、当社グループで検査を導入する取り組みを実施しており、安全・安心・堅実なマンションの供給に万全を尽くしております。
当社グループ事業の特徴を紹介いたしますと、一つには、主たる事業エリアを東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)と九州及び周辺エリアとしていることであります。事業エリアを人口増加が見込まれる当該エリアに集中することにより、土地情報の迅速な入手、コストパフォーマンスに優れた案件情報及び協力業者を確保することが可能であると考えているからであります。
2つ目の特徴としましては、施工するマンションの工法を鉄筋コンクリート(RC)工法に特化しているという点があります。これにより、施工品質の均一化や施工工程の効率化が図られることになります。また、建設工事において重要な役割である施工管理について、当社は経験豊富な技術者により、安定した施工を実践しております。
そして、3つ目の特徴としましては、「造注方式」というビジネスモデルを導入している点であります。当社グループの建設事業における受注の方式は、2つのモデルに分類しております。
その1つであります「造注方式」は、当社グループのセグメントであります建設事業と不動産事業の相乗効果により最大限の利益確保ができる手法としており、双方の連携によりワンストップにサービス展開することとしております。
以下に、その2つのモデルの内容を説明いたします。
「建設事業」
①施主からのマンション建設工事の引合いによる「入札方式」
「入札方式」におきましては、マンション・デベロッパーが選択した複数の建設会社に対し、決められた仕様に基づき、相見積りを実施し、マンション・デベロッパーが発注先を選定します。そのため、マンション・デベロッパーに最も有利な条件を提示した建設会社が選定されることになります。
[「入札方式」による事業系統図]
「建設事業」及び「不動産事業」
②マンション用地確保による「造注方式」
「造注方式」とは、当社グループが土地情報の収集を行い、マンション用地を確保し、その土地に建設するマンションを一体とした事業企画を造り、その企画を複数のマンション・デベロッパーに提案します。その結果、建設工事を特命で受注するというビジネスモデルです。
「造注方式」によるマンション・デベロッパーとの取引形態については、マンション用地を当社グループが紹介、仲介、地位譲渡及び売買し、当該土地にかかる建設工事を受注するケースのほか、当社が、土地を取得し、その土地に建物を建設後に土地と建物を一体でマンション・デベロッパーに売却する方法等があります。
「造注方式」を当社が重点戦略として導入しましたのは、マンション・デベロッパーと対等の立場での条件交渉が可能となり、「入札方式」と比べて高い利益の確保が見込まれるためであります。
[「造注方式」による事業系統図の例]
当社グループが土地を売買し、建設工事を受注するケースを下記に例示します。
当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限が緩和されたこともあり、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかながら持ち直しの動きとなりました。建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移する一方、建設資材価格やエネルギー価格の高騰に加え、労働者不足等が顕在化しており、引き続き経営環境への影響を注視する状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループの主要事業エリアである東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)における2022年(暦年)のマンション着工件数は、52,379戸(前年同期比4.8%増)と当初予想48,000戸を大幅に上回りました。
一方、2022年(暦年)のマンション供給件数は、当初予想には及ばず29,569戸(同12.1%減)となり、2年ぶりの減少となっております。
2023年(暦年)の動向につきましては、マンション着工件数は前年と同程度と予想されるものの、マンション供給件数は32,000戸と増加傾向、販売在庫は5,000戸前後と前年と同程度と予想されていること、引き合い案件は依然活況であること、東京圏における当社のシェアは3%程度と伸張の余地は充分にあることから、当社における当面の受注及び施工物件の確保は可能と考えております。
(データはいずれも国土交通省-公表資料、「都道府県別着工戸数」及び(株)不動産経済研究所-公表資料、「首都圏マンション市場動向」、「首都圏マンション市場予測-2023年の供給予測-」より)
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度の売上高は25,543,522千円、営業利益1,983,751千円、経常利益1,979,336千円、当期純利益1,364,690千円、親会社株主に帰属する当期純利益1,364,690千円となりました。
また、1株当たり当期純利益金額は114.80円、自己資本利益率は18.4%となりました。
詳細については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等 1)経営成績の分析」も併せてご参照ください。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(建設事業)
建設事業におきましては、売上高19,796,245千円、セグメント利益2,242,291千円となりました。
当連結会計年度におきましては、受注が順調に推移し、受注件数8件、受注高35,508,401千円及び受注残高36,678,701千円と、過去最高額の結果となりました。
(不動産事業)
不動産事業におきましては、売上高4,994,660千円、セグメント利益683,560千円となりました。
当連結会計年度におきましては、共同事業による分譲マンションの販売収入が好調だった一方、事業用地の販売が当初予定を大きく下回る結果となりました。
(注)金額は、製造原価によっております。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2.販売実績における「不動産販売」は分譲マンション建設用地等の販売であります。
3.販売実績における「その他」は業務受託収益等であります。
b.財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、21,466,967千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、13,544,046千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、7,922,920千円となりました。
当連結会計年度末の自己資本比率は、36.9%となりました。
詳細については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等 2)財政状態の分析」も併せてご参照ください。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、5,062,508千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、302,149千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,979,336千円、棚卸資産の増加2,326,625千円、完成工事未収入金の増加1,579,210千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、128,829千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出80,804千円、関係会社株式の取得による支出30,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、498,741千円となりました。これは主に、長期借入れによる収入784,100千円、短期借入金の純増加額210,000千円があった一方、配当金の支払額387,338千円によるものであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは当連結会計年度が連結初年度であり、前期は連結財務諸表を作成していないため、前期との比較は行っておりません。
売上高は、25,543,522千円となりました。この主な内訳は、建設事業の売上高が19,796,245千円及び不動産事業の売上高が4,994,660千円になります。
建設事業については、進行中の工事が順調に推移したことにより大きく増収となりました。また、受注が好調だったこともあり、受注高は過去最高額となりました。詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 a.経営成績の状況 ②受注実績」も併せてご参照ください。不動産事業については、事業用地の販売が当初予定を大きく下回る結果となりました。
売上原価は、22,155,609千円となりました。
売上原価の主な増加要因は、建設事業及び不動産事業価は売上高に連動して増加いたしました。
売上総利益は、3,387,913千円、売上総高利益率は13.3%となりました。
売上総利益は、不動産事業に含まれます共同事業収入の利益率が高かったことにより、増加となりました。
販売費及び一般管理費は、1,404,161千円となりました。連結決算に移行したことにより、人件費等が増加しております。
営業利益は、1,983,751千円となりました。売上高営業利益率は7.8%となりました。
上記の結果、経常利益は、1,979,336千円となりました。売上高経常利益率は7.8%となりました。
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、614,645千円となりました。
以上の結果、当期純利益は、1,364,690千円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,364,690千円となりました。売上高当期純利益率については5.3%となっております。1株当たり当期純利益金額については114.80円となっております。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、21,466,967千円となりました。主な内訳は、仕掛販売用不動産7,173,262千円、受取手形・完成工事未収入金等6,278,538千円、現金及び預金5,062,508千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、13,544,046千円となりました。主な内訳は、支払手形・工事未払金等4,328,915千円、電子記録債務3,378,585千円、長期借入金2,995,443千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、7,922,920千円となりました。主な内訳は、利益剰余金7,518,736千円、資本金730,429千円、資本剰余金690,781千円であります。
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」をご参照ください。
当社グループの資本の源泉としては、自己資本、事業活動において獲得した資金及び金融機関からの借入金が挙げられます。当社は、最適な資金調達方法と調達期間の組み合わせにより適切なコストで安定的に資金を確保することを、資金調達の基本方針としております。
なお、キャッシュ・フローに関する認識及び分析・検討については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 c.キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値にその結果が反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております