E34486 Japan GAAP
前期
98.2億 円
前期比
114.5%
株価
2,030 (04/24)
発行済株式数
4,349,800
EPS(実績)
249.84 円
PER(実績)
8.13 倍
前期
658.2万 円
前期比
106.6%
平均年齢(勤続年数)
44.2歳(6.8年)
従業員数
101人
当社は、建築構造物の解体工事及びそれに付随する各種工事の施工管理を行っております。長年にわたる建築構造物の解体工事を通じて得られた経験と、その間に蓄積したノウハウやアイデアを基に、現況調査、工法の提案、設計、施工計画、外注・資機材手配、施工管理、安全管理、原価管理、資金管理、行政対応、近隣対応等の業務全般を提供しております。また、建物構造物解体工事に関連する土木工事、山留工事、基礎解体工事、杭抜き工事等の施工管理も行っております。その他、工事に伴い発生する、アスベスト、PCB((注)1)、ダイオキシン等の有害汚染物質の除去、地下水の浄化、土壌改良等に関しましても、豊富な経験を有しており、関連法令・法規を遵守した、コスト・工期・安全性に優れた、様々な解体工事をワンストップで提案・提供しております。当社は工事の施工管理、安全管理、近隣対応等を行い、協力会社を指導、監督して解体工事等の施工を行っております。
なお、当社の事業セグメントは、「解体事業」の単一セグメントであります。
(注)1.PCB(Poly Chlorinated Biphenyl):ポリ塩化ビフェニルの略称で、旧式の電気機器に絶縁油等として使用された毒性の高い化学物質
なお、当社の主要な事業系統図は次のとおりであります。
(事業系統図)
(1) 経営成績等の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大への警戒が続く中、感染防止と社会活動の両立が進みましたが、ウクライナ情勢を主因としたエネルギー・資材等の価格上昇の影響により、先行き不透明な状況が続きました。
当社が属する建設業界におきましては、建築受注が回復傾向にあるものの、建築資材価格の高騰や建設技能労働者の需給の逼迫によりコスト面で不安の残る状況にありました。一方、解体工事におきましては、高度経済成長時代に建築され、老朽化した建物の増加、市街地再開発、マンション建替えの活発化を背景に、引き続き堅調な受注環境が続いております。
このような中、当社は、安心・安全な施工管理を積み重ねるとともに、営業施策を着実に実行することで、2020年5月に策定した中期計画「TANAKEN“ビジョン100”」で掲げた売上高目標100億円を2期前倒しで達成いたしました。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高は11,246,057千円(前事業年度比14.5%増)、営業利益は1,560,916千円(同10.1%増)、経常利益は1,600,394千円(同11.6%増)、当期純利益は1,086,769千円(同12.3%増)となりました。売上面は、堅調な受注環境を背景に、再開発、大規模工事等が順調に進捗したことから、前期比で大きく増加しております。利益面では、工事の順調な進捗に加え、元請工事の増加もあり、前期比で大きく増加しております。
なお、当事業年度におきましては、新型コロナウイルス感染症による業績への大きな影響は見られておりません。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べて825,311千円増加し、6,689,313千円になりました。主な要因は、完成工事未収入金の増加1,430,679千円、受取手形の増加29,913千円、前払費用の増加11,202千円及びその他の増加64,847千円が生じた一方で、現金及び預金の減少693,768千円、電子記録債権の減少10,396千円及び未成工事支出金の減少7,168千円が生じたこと等によるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末に比べて142,174千円増加し、1,328,569千円になりました。主な要因は、建設仮勘定の増加29,000千円、投資有価証券の増加26,756千円、ソフトウエアの増加26,632千円及び投資その他の資産のその他の増加90,874千円が生じた一方で、ソフトウエア仮勘定の減少16,025千円、建物の減少14,753千円及び長期繰延税金資産の減少3,851千円が生じたこと等によるものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べて211,968千円増加し、1,722,733千円になりました。主な要因は、未払法人税等の増加64,635千円、工事未払金の増加50,547千円、未成工事受入金の増加39,339千円、未払消費税の増加8,277千円及びその他の増加37,557千円が生じたこと等によるものです。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末に比べて22,378千円減少し、78,019千円になりました。主な要因は、役員退職慰労引当金の減少25,805千円が生じた一方で、退職給付引当金の増加3,427千円が生じたことによるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて777,895千円増加し、6,217,130千円になりました。主な要因は、利益剰余金の増加769,257千円並びにその他有価証券評価差額金の増加8,710千円が生じたことによるものです。なお、利益剰余金の増加769,257千円は、当期純利益の計上による増加1,086,769千円並びに配当金の支払による減少317,512千円によるものです。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前事業年度末に比べ693,770千円減少し、2,101,764千円(前事業年度は2,795,535千円)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増減は、222,200千円減少(前年同期は1,902,552千円増加)となりました。主な要因は、 売上債権の増加1,450,197千円、法人税等の支払による減少451,284千円、役員退職慰労引当金の減少25,805千円及びその他の増加38,466千円が生じた一方で、税引前当期純利益の計上による増加1,600,394千円、仕入債務の増加50,547千円、未成工事受入金の増加39,339千円、非資金項目の減価償却費31,762千円を計上したことによるもの及び未払消費税等の増加8,277千円が生じたこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増減は、154,207千円減少(前年同期は41,939千円減少)となりました。主な要因は、定期預金の預入による支出231,124千円、有形固定資産の取得による支出41,312千円、投資有価証券の取得による支出14,202千円、無形固定資産の取得による支出7,729千円及びその他の投資による支出90,961千円が生じた一方で、定期預金の払戻による収入231,122千円が生じたことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増減は、317,363千円減少(前年同期は595,555千円減少)となりました。主な要因は、短期借入金の返済による支出1,500,000千円及び配当金の支払い317,291千円が生じた一方で、短期借入れによる収入1,500,000千円が生じたことによるものです。
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
顧客区分別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注) 当社が受注した案件について、顧客区分別に集計しております。
(1) デベロッパー : マンション・オフィスビル等を開発する不動産会社
(2) ゼネコン : 総合建設業会社
(3) エンドユーザー : 上記(1)及び(2)を除く一般法人等
(4) 再開発 : 再開発組合・団地再生組合等(デベロッパー、ゼネコン経由の販売を含む)
(5) その他 : 上記(1)から(4)までに当てはまらないもの
当社の将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に関しては「第2 事業の状況」「3 事業等のリスク」に記載しております。
(6) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
a 経営成績
(受注高及び売上高)
受注高は、毎期実施している営業力強化策や上場効果もあり、地方案件を含めた好調な新規受注の増加並びに大型工事の受注を主因に、前期比2,140,589千円増(21.5%増)の12,082,509千円と大幅に増加し、過去最高の受注高となりました。
売上高は、豊富な手持ち工事の消化に加え、好調な受注の出来高増を背景に、前期比1,421,669千円増(14.5%増)の11,246,057千円と増加し、前期に引き続き過去最高の売上高となりました。
当期は、主要な施策として営業力の強化を掲げ、特に再開発等への営業強化、地方案件への対応強化並びに新たな営業先の開拓を目的に、第40期に新設した営業開発部にて関西地区での営業強化を図ってまいりました。また既存3部に於いても、引き続き成長戦略の一つである“新規顧客の開拓”の具体策としている“既存先で営業ができていない先への営業強化(再新規先開拓)並びに営業で連携している取引金融機関との関係強化による新規顧客の開拓強化”を図ってまいりました。これらの施策の実施が成果となって現れてきたものと考えております。
(売上総利益)
売上総利益は、売上高の増加により前期比194,233千円増(9.1%増)の2,332,570千円となりましたが、一部大型工事の原価増等を要因として売上総利益率は前期比1.1%減の20.7%となっております。
(営業利益・経常利益)
営業利益は、当期純利益の増加に伴う外形標準課税による法人事業税の増加のほか、中期計画の実施に伴う販売費及び一般管理費の増加により、前期比51,486千円増(7.1%増)となり、前期比142,746千円増(10.1%増)の1,560,916千円となりました。
経常利益は、営業利益の増加に伴い、前期比165,718千円増(11.6%増)の1,600,394千円となりました。
(当期純利益)
当期純利益は、経常利益の増加に伴い、前期比119,376千円増(12.3%増)の1,086,769千円となりました。
b 財政状態及びキャッシュ・フロー
財政状態及びキャッシュ・フローの分析に関しては、「第2 事業の状況」「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 財政状態の状況及び(3) キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
c 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要の主なものは、工事原価、販売費及び一般管理費等の営業経費、法人税等の支払いであります。当社の事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当社の営業戦略であり、また、ビジネスモデルでもある元請工事の維持・拡大には、大きな資金需要が伴います。これは回収条件と支払い条件の差から生じる運転資金(立替資金)需要であり、大型工事ほど資金需要が多く発生するため、積極的に受注営業を展開する上で流動性の確保が必須となっております。
当社では、豊富な手元流動資金により対応しておりますが、大型案件の増加に対応すべく金融機関に信用枠を設けており、必要に応じて信用枠を利用しております。2023年3月31日現在の信用枠の合計は2,700,000千円となっております。
上記運転資金以外の資金需要としては、現状システム投資と株主への利益還元が主なものとなります。当社ではリスクのある運用は原則行わないこととしており、運用は短期的な預金に限定しております。
株主還元については経営における重要課題の一つと考えており、配当性向30%以上を目標としております。当社の配当政策に関しては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認下さい。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況」「1 財務諸表等」「(1) 財務諸表」「注記事項 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り」に記載しております。
なお、現時点では新型コロナウイルス感染症の拡大による影響について、当社業績への大きな影響はございません。