E00105 Japan GAAP
前期
964.7億 円
前期比
118.6%
株価
616 (04/23)
発行済株式数
34,498,097
EPS(実績)
55.48 円
PER(実績)
11.10 倍
前期
690.4万 円
前期比
100.8%
平均年齢(勤続年数)
46.2歳(17.5年)
従業員数
735人(連結:1,315人)
当社グループは、提出会社、国内子会社10社、在外子会社5社及びその他の関係会社5社により構成されており、建設事業及び不動産事業を主な内容として事業活動を展開している。日本及び東南アジアにおいて総合建設業を主として営んでいる。
当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりである。
なお、報告セグメントと同一の区分である。
事業の系統図は次のとおりである。
(注) 1 当連結会計年度において、株式会社トライネットホールディングスの株式を取得したことに伴い、同社及び同社のグループ子会社5社等を主に建設事業及び不動産事業に記載している。
2 提出会社は、令和4年12月より風力発電事業を開始している。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する規制緩和により社会経済活動の正常化が進む一方で、欧米諸国における金融引き締めにより一時急激な円安が進行した。また、ウクライナ紛争の長期化や米中の経済対立の激化等により、資材やエネルギーの価格が上昇するなど、先行き不透明感を払拭できない状況が続いている。
国内建設市場においては、政府建設投資や民間住宅建設投資が横ばいで推移する一方、民間の非住宅建設投資が増加したが、資材価格の高騰や技能労働者不足の影響から建築コストが上昇しており、建設需要が増加基調のなか難しい受注環境となった。
また、海外建設市場においては、資材価格や労務費の高騰による建設投資の低迷と受注競争激化の影響により、依然として厳しい受注環境が続いている。
このような状況のなか、当社グループは、令和4年4月に策定した中期経営計画「中計83」のもと、基本方針となるワークエンゲイジメントの向上を目指した組織改革、労務環境の整備、自律型人財の育成、技術力の向上による総合力の強化、重点領域への投資による収益基盤の拡大等を推進してきた。具体的な取組みとしては、カーボンニュートラルの実現に向け風力発電事業を開始したほか、土木事業の拡大を図るため企業買収の実施、当社で働く社員の環境整備を推進するための人事改革など、今後の安定成長に向けた収益基盤の強化と技術力の向上を図ってきた。
その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなった。なお、文中の数値は内部取引等消去後の数値である。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ179億89百万円増加し、1,144億59百万円(前年同期比18.6%増)となった。当連結会計年度の売上高の内容として、前連結会計年度と比べ、建設事業は179億21百万円増加し、1,131億55百万円(前年同期比18.8%増)となり、不動産事業他は67百万円増加し、13億4百万円(前年同期比5.5%増)となった。
当連結会計年度の営業利益は、28億59百万円(前年同期 営業損失8億40百万円)となった。当社グループの主力事業である建設事業においては、建設事業(日本)の営業利益は、5億43百万円減少し20億39百万円(前年同期比21.0%減)となり、建設事業(東南アジア)の営業利益は、4億2百万円(前年同期 営業損失40億4百万円)となり、建設事業合計の営業利益は、24億42百万円(前年同期 営業損失14億21百万円)となった。不動産事業においては、不動産事業(日本)の営業利益は、1億41百万円減少し4億4百万円(前年同期比26.0%減)となり、不動産事業(東南アジア)の営業損失は、0百万円(前年同期 営業利益0百万円)となり、不動産事業合計の営業利益は、1億42百万円減少し4億4百万円(前年同期比26.1%減)となった。その他の事業の営業利益は、前連結会計年度に比べ21百万円減少し、12百万円(前年同期比63.4%減)となった。経常利益は、31億34百万円(前年同期 経常損失6億27百万円)となった。また、法人税等合計9億51百万円の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、19億14百万円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純損失15億94百万円)となった。
当連結会計年度は、中期経営計画「中計83」の初年度であったが、建設事業売上高については、国内建設事業、海外建設事業ともに前連結会計年度より増加した。また、利益面については、国内建設事業は資材価格高騰の影響等により、前連結会計年度より減益となったが、海外建設事業は感染症対策として発動された諸規制が段階的に解除され、社会経済活動の正常化が進み、資材価格や労務費も安定してきたことから、3期ぶりに黒字化し、連結営業利益についても黒字回復した。今後も引き続き、中期経営計画「中計83」の主要施策を確実に遂行し、経営基盤の強化を図り、目標の達成を目指す。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりである。(セグメント間の内部売上高等を含めて記載している。)
当社グループの建設事業の日本における受注高は、974億52百万円(前年同期比31.3%増)となった。
売上高は、前連結会計年度に比べ42億7百万円増加し、746億98百万円(前年同期比6.0%増)となり、売上高は増加したが、一部工事の利益率低下などにより、営業利益は、前連結会計年度に比べ5億46百万円減少し、20億35百万円(前年同期比21.2%減)となった。
当社グループの建設事業の東南アジアにおける受注高は、240億87百万円(前年同期比5.8%減)となった。
売上高は、前連結会計年度に比べ137億円増加し、384億57百万円(前年同期比55.3%増)となり、営業利益は4億2百万円(前年同期 営業損失40億4百万円)となった。
賃貸事業を中心とする不動産事業の日本における売上高は、前連結会計年度に比べ59百万円増加し、12億6百万円(前年同期比5.2%増)となり、営業費用の増加などにより、営業利益は、前連結会計年度に比べ1億39百万円減少し、4億11百万円(前年同期比25.3%減)となった。
不動産事業の東南アジアにおける売上高は、前連結会計年度に比べ0百万円減少し、2百万円(前年同期比3.1%減)となり、テナント入れ替えに伴う営業費用の増加などにより、営業損失は、0百万円(前年同期 営業利益0百万円)となった。
その他の事業の売上高は、前連結会計年度に比べ9百万円増加し、1億3百万円(前年同期比9.6%増)となり、営業利益は、前連結会計年度に比べ20百万円減少し、10百万円(前年同期比66.1%減)となった。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりである。
(注) 1 当社グループでは建設事業以外は受注生産を行っていない。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していない。
3 上記①及び②は、セグメント間取引の相殺消去後の金額である。
4 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は、次のとおりである。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでいる。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
(注) 1 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
第80期請負金額10億円以上の主なもの
第81期請負金額10億円以上の主なもの
④ 次期繰越工事高(令和5年3月31日)
次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ25億16百万円減少し、796億73百万円となった。資産の内容として、流動資産は、前連結会計年度末に比べ37億27百万円減少し、543億20百万円となった。これは、「現金預金」が8億55百万円及び「未収入金」が13億68百万円それぞれ増加したが、「受取手形・完成工事未収入金等」が48億8百万円減少したことなどによるものである。また、固定資産は、有形固定資産等の新規取得、及び子会社を取得したことによる「のれん」の計上などにより、前連結会計年度末に比べ12億11百万円増加し、253億52百万円となった。
セグメントごとの資産は、次のとおりである。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ53億33百万円減少し、260億51百万円となった。これは、「未収入金」が10億63百万円増加したが、「現金預金」が64億7百万円及び「受取手形・完成工事未収入金等」が12億39百万円それぞれ減少したことなどによるものである。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億70百万円減少し、207億83百万円となった。これは、「現金預金」が36億10百万円増加したが、「受取手形・完成工事未収入金等」が35億67百万円及び「未成工事支出金」が1億73百万円それぞれ減少したことなどによるものである。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億74百万円減少し、143億21百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ1百万円増加し、78百万円となった。
当連結会計年度末のセグメント資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億92百万円増加し、4億89百万円となった。これは、提出会社における風力発電事業の開始に伴う固定資産の新規取得などによるものである。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ47億78百万円減少し、418億34百万円となった。負債の内容として、流動負債は、前連結会計年度末に比べ51億8百万円減少し、396億94百万円となった。これは、「未成工事受入金」が46億43百万円増加したが、「支払手形・工事未払金等」が70億11百万円、「工事損失引当金」が10億5百万円及び流動負債の「その他」に含まれる「未払消費税等」が14億95百万円それぞれ減少したことなどによるものである。また、固定負債は、前連結会計年度末に比べ3億29百万円増加し、21億39百万円となった。これは、「長期借入金」が1億53百万円増加したことなどによるものである。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億62百万円増加し、378億39百万円となった。これは、「親会社株主に帰属する当期純利益」19億14百万円の計上、及び為替の変動による「為替換算調整勘定」の影響などによるものである。
また、自己資本比率については、前連結会計年度末の41.9%から45.9%となった。
当社グループの連結自己資本については、中期経営計画「中計83」に掲げる基本方針のもと、着実に主要施策を遂行し、財務体質の更なる強化を目指す。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益29億23百万円を計上し、仕入債務の減少、工事損失引当金の減少及び未払又は未収消費税等の増減によるマイナスなどがあったが、売上債権の減少及び未成工事受入金の増加によるプラスなどにより、21億70百万円のプラス(前年同期は115億15百万円のプラス)となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入などがあったが、定期預金の預入による支出、有形固定資産の取得による支出及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出などにより、2億56百万円のマイナス(前年同期は26億84百万円のマイナス)となった。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加及び長期借入れによる収入があったが、長期借入金の返済による支出及び社債の償還による支出などにより、7億76百万円のマイナス(前年同期は57億39百万円のマイナス)となった。
この結果、当連結会計年度末の「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ17億94百万円増加し、274億26百万円となった。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金、借入金及び社債によっている。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されている。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。
加速する経営環境の変化に適応するため、持続的成長を目指し、技術力の強化を中心とした経営基盤の改革に重点を置く。
・ ワークエンゲイジメントの向上を目指した組織の改革、環境整備の推進、及び自律型人財の育成強化
・ 技術力の向上による総合力の強化
・ 成長分野に対応した重点領域の設定と集中的な投資による収益基盤の強化
① 建設事業売上高合計 1,200億円
② 連結営業利益 38億円
③ 連結自己資本 390億円
④ 株主配当 14円以上
競争力の強化と収益力の確保を実現する為、リノベーション工事と官庁工事を拡大し、DXの推進によって技術力と生産性向上を図り、収益を維持・増加させると共に、働き方改革を推進する。
① 人財の確保と育成
② DX推進による生産性向上と技術力の強化及び働き方改革の実現
③ ソリューション営業と技術提案力の強化
④ 特定技術の強化や新工法の開発
⑤ 安全・品質管理水準の更なる向上
⑥ リノベーション工事の受注拡大
⑦ 官庁営業の推進と受注拡大
⑧ 設計施工の拡充と強化
⑨ 調達力の強化
⑩ 土木工事の受注拡大
(海外建設事業)
堅固な400億円体制を実現できる自律した組織を目指し、ローカル社員と一体となって、営業活動の強化と技術に裏付けられた競争力のある原価により受注を増強し、プロアクティブな調達と原価管理により工事利益を改善して、確実に収益を上げられる基盤を再構築する。
① ローカル社員のワークエンゲイジメント向上と、経営人財を含めた自律型人財の育成
② 受注の増強、工事利益の改善
③ 直傭工の活用
④ M&Aや不動産事業等、今後成長が見込まれる分野や地域への事業規模拡大
手許資金を有効活用し、本業に軸足を置きつつ非建設事業の収益増強を図り、セグメント利益を9億円に引き上げ、長期的には10億円を目標とし、海外での不動産取得や環境問題に呼応した再生エネルギー事業等の新規事業を推進する。
① 不動産収益の拡大
② 再生エネルギー事業(風力・太陽光発電事業等)等、新規事業の取組み
③ 成長性のある東南アジアでの不動産事業の強化
① 新卒採用と中途採用の拡大による総社員数の増強
② ワークエンゲイジメントの向上を目指し、人財の育成と働き方改革を推進
・残業上限規制への対応
・作業所における週休二日(閉所)への取組み
・女性活躍推進の更なる取組み