E00086 Japan GAAP
前期
4,582.3億 円
前期比
109.6%
株価
772.4 (04/19)
発行済株式数
286,013,910
EPS(実績)
2.39 円
PER(実績)
322.98 倍
前期
860.5万 円
前期比
102.8%
平均年齢(勤続年数)
41.6歳(17.1年)
従業員数
3,222人(連結:3,767人)
当社グループは、当社、子会社31社及び関連会社8社で構成され、国内土木事業、国内建築事業、海外建設事業及びこれらに関連する建設資材の販売、機器リース並びに国内開発事業、造船事業等の事業活動を展開している。
当社グループの事業に関わる位置付け及びセグメント情報との関連は、次のとおりである。
なお、これらはセグメント情報に記載された区分と同一である。
(1) 国内土木事業
当社及び連結子会社である五栄土木㈱、洋伸建設㈱が営んでおり、当社は工事の一部をこれらの連結子会社に発注している。また、連結子会社であるPKYマリン㈱はSEP型多目的起重機船の建造中である。
(2) 国内建築事業
当社及び連結子会社であるペンタビルダーズ㈱が営んでおり、当社は工事の一部を連結子会社に発注している。
(3) 海外建設事業
当社及び連結子会社であるUG M&E社等が営んでおり、当社は工事の一部をこれらの連結子会社から受注している。また、連結子会社であるアンドロメダ・ファイブ社及びカシオペア・ファイブ社が大型自航式浚渫船の賃貸・運航管理を営んでいる。
(4) その他
当社が不動産の自主開発、販売及び賃貸等の開発事業を営んでおり、連結子会社に対して、土地・建物の賃貸を行うことがある。また、連結子会社である警固屋船渠㈱が造船事業を営んでいる。連結子会社であるペンタテクノサービス㈱が事務機器等のリース事業を営んでおり、当社に事務機器等の一部をリースしている。このほか、連結子会社であるジャイワット㈱等が環境関連事業を営んでいる。
事業の系統図は次のとおりである。
当連結会計年度末の資産合計は、未収入金やその他流動資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ408億円増加し、5,082億円となった。負債合計は、収益認識会計基準における対価を受け取る期限が到来したものに係る契約負債(未成工事受入金)や預り金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ436億円増加し、3,512億円となった。純資産合計は、配当金の支払による利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末と比べ28億円減少し、1,570億円となった。
①事業全体の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、主要国で新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和されたことから景気に持ち直しの動きがみられた。一方で、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、世界的な資源・エネルギー価格や物価の高騰が続き、欧米においては金融引き締めにより景気が後退する等、先行き不透明な状況が続いた。
建設業を取り巻く環境は、国内の公共投資は前年度の経済対策と合わせて切れ目のない予算執行により堅調に推移した。民間投資も、旺盛な物流や都市再開発の需要に加え、企業業績の回復を背景に堅調に推移した。海外においても、当社の拠点であるシンガポールや東南アジアでは建設投資は堅調であった。しかしながら、燃料やエネルギー、建設資材価格の高騰、高止まりによって国内外ともに工事原価の上昇に直面した。
このような事業環境の下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高5,022億円(前連結会計年度比9.6%増)、営業利益41億円(同74.2%減)、経常利益14億円(同91.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益7億円(同93.6%減)となった。売上高は、国内土木、国内建築、海外事業すべてにおいて手持工事が進捗したことにより増収となった。その一方で、海外において複数の工事で工事損失約160億円を計上したことにより売上総利益が大幅に減少し、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも大幅な減益となった。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況(セグメント利益は連結損益計算書の営業利益ベース)
(国内土木事業)
国内土木事業においては、国内最大規模の港湾工事や洋上風力建設工事などの受注により、受注高は前期に比べ1,457億円増加し、3,252億円(前連結会計年度比81.2%増)となった。売上高は1,983億円(同12.1%増)となったが、完成工事総利益率の低下によりセグメント利益は174億円(同0.2%減)となった。
(国内建築事業)
国内建築事業においては、国内最大規模となる再開発事業などの受注により、受注高は前期に比べ623億円増加し、2,245億円(前連結会計年度比38.4%増)となった。売上高は1,624億円(同5.9%増)となったが、建設資材価格高騰の影響などによりセグメント利益は21億円(同43.0%減)となった。
(海外建設事業)
海外建設事業においては、シンガポールで大型病院建築工事、インドネシアで大型港湾工事などの受注により、受注高は前期に比べ833億円増加し、1,393億円(前連結会計年度比148.6%増)となった。売上高は1,331億円(同10.7%増)となり、前述のとおり複数の大型工事において工事損失を計上した影響で、セグメント損失は161億円(前連結会計年度は60億円のセグメント損失)となった。
(その他)
国内開発事業、造船事業、環境関連事業等を主な内容とするその他の売上高は83億円(前連結会計年度比9.5%増)となり、セグメント利益は7億円(同10.9%減)となった。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりである。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 1 その他の受注実績については、当社グループ各社における受注の定義が異なり、また、金額も
僅少であるため、建設事業のみ記載している。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。
3 受注実績、売上実績については、セグメント間の取引を相殺消去して記載している。
4 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりである。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりである。
提出会社における受注高、売上高の状況
イ.受注高、売上高及び繰越高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含む。
したがって当期売上高にもかかる増減額が含まれる。
2 前期繰越高の上段( )内表示額は前期における次期繰越高を表わし、下段表示額は、当該事業年度の外国為替相場が変動したため海外繰越高を修正したものである。
3 当期受注高のうち海外工事の割合は、第72期12.8%、第73期20.4%でそのうち請負金額100億円以上の主なものは次のとおりである。
ロ.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別される。
(注) 百分比は請負金額比である。
ハ.完成工事高
(注)1 海外完成工事高の地域別割合は、次のとおりである。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。
第72期 請負金額20億円以上の主なもの
第73期 請負金額20億円以上の主なもの
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。
ニ.次期繰越工事高(2023年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事高のうち請負金額50億円以上の主なものは、次のとおりである。
(3)キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ38億円(8.8%)増加し、474億円となった。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
未成工事受入金の増加などにより、197億円の収入超過(前連結会計年度は77億円の支出超過)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
洋上風力関連作業船の設備投資や室蘭製作所新工場の建設による支出などにより、117億円の支出超過(前連結会計年度は118億円の支出超過)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払などにより、70億円の支出超過(前連結会計年度は14億円の収入超過)となった。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの資金の源泉は、主として国内及び海外建設事業に係る営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入及び社債の発行等による収入からなる。
資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、または自己資本比率、D/Eレシオ(ネット)や自己資本利益率(ROE)といった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施することとしている。
なお、コミットメントライン契約については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載のとおりである。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成に当たっては、資産・負債並びに収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が一定の会計基準の範囲内で行われており、これらの見積り等については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合がある。
連結財務諸表を作成するに当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりである。
①重要な収益及び費用の計上基準
主要な事業である建設事業においては、顧客との工事請負契約に基づき、目的物の完成及び顧客に引渡す義務を負っている。
当該履行義務は、主として工事の進捗に伴い支配を顧客に移転することになるため、一定の期間にわたり充足されると判断しており、履行義務の充足に係る進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識している。一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による完成工事高、工事収益総額、工事原価総額等を、信頼性をもって見積る必要があるが、これらの見積りは、気象条件、海象条件、施工条件、資機材価格等様々な仮定に基づいている。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する完成工事高、完成工事原価等に重要な影響を与える可能性がある。
②退職給付に係る会計処理
当社グループの退職給付債務、退職給付費用及び年金資産は、数理計算上の仮定と見積りに基づいて計算されている。これらの数理計算上の仮定には、退職給付債務の割引率、予想昇給率、死亡率、退職率、期待運用収益率等の様々な計算基礎がある。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産及び退職給付に係る負債、退職給付費用等の金額に重要な影響を与える可能性がある。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務、退職給付費用及び年金資産の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)」に記載している。