E00142 Japan GAAP
前期
660.8億 円
前期比
110.4%
株価
1,127 (04/25)
発行済株式数
41,731,951
EPS(実績)
84.49 円
PER(実績)
13.34 倍
前期
782.3万 円
前期比
99.1%
平均年齢(勤続年数)
44.4歳(17.4年)
従業員数
978人(連結:1,074人)
当社の企業集団は、当社、子会社6社、実質的な親会社1社で構成され、主な事業内容は建設事業であります。当社は建設業を営んでおります。連結子会社緑興産株式会社は土木工事業と材料販売、損害保険等の代理店を営んでおり、当社は材料等の仕入れを行っております。連結子会社山口アースエンジニアリング株式会社、島根アースエンジニアリング株式会社、愛媛アースエンジニアリング株式会社、福井アースエンジニアリング株式会社は、土木工事業を営んでおります。また、PT. NITTOC CONSTRUCTION INDONESIAは、同じく土木工事業を営んでおり、当社は施工する工事の一部をこの子会社から受注しております。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症が下火になり行動制限や入国制限の緩和により、経済社会活動は正常化が進み、景気に持ち直しの動きが見られました。しかし、ロシア・ウクライナ情勢等による資源価格の高騰、円安による物価上昇の継続など、先行きは不透明な状況が続いております。
建設市場におきましては、公共建設投資は高水準で推移しており、民間設備投資については、持ち直しの動きがみられますが、資材及びエネルギー価格の上昇による影響が懸念されております。
このような事業環境の中で当社グループは、2020年5月8日に公表しました中期経営計画2020(2020年度~2022年度)において、「Next Challenge StageⅡ」をテーマにこの3年間の事業戦略を「働き方改革の実現を軸に働き手の確保と生産性の向上を図る」と共に、「顧客信頼を確保し、市場の期待に応え事業拡大を図る」、同時に「長期的な建設市場の変化を見据え、維持補修分野における技術力・営業力を強化し、優位性のある技術開発でシェアの拡大を目指す」とし、事業戦略を実現するための課題として、人的資源の確保と育成、生産性の向上、法面補修技術や環境負荷低減技術の開発、海外事業の強化など新しい分野への挑戦に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
a.受注高、売上高
受注高は、生産性向上を目的に注力している基礎・地盤改良工事が31,263百万円(前連結会計年度比27.8%増)と好調に推移し、なお法面工事は地盤改良工事に注力したため、やや減少するも33,397百万円(同5.9%減)と高水準を維持した結果、75,003百万円(同4.7%増)となりました。売上高は受注高増に加え、運輸・電力事業等の国内民間事業と海外事業の大型工事の増加及び施工促進に努めた結果72,918百万円(同10.4%増)となりました。
b.売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は59,233百万円(前連結会計年度比9.8%増)、原価率は81.2%(同0.4%良化)となり、販売費及び一般管理費は、8,233百万円(同8.2%増)となりました。
c.営業利益
売上高の増加や原価低減により、営業利益は5,451百万円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。
d.営業外損益、特別損益
当連結会計年度の営業外収益は97百万円(前連結会計年度比30.2%減)となり、営業外費用は86百万円(同141.1%増)となりました。
特別損失は固定資産除却損の計上により27百万円(前連結会計年度は11百万円)となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、3,526百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。
なお、資材価格の上昇はありましたが、大きな影響はありませんでした。また、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響は、工事の中断もなく軽微でありました。
過去5年間の売上高と原価率、販売費及び一般管理費と売上高販売費及び一般管理費比率の推移は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
第72期 |
第73期 |
第74期 |
第75期 |
第76期 |
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
売上高 |
63,264 |
65,516 |
67,955 |
66,076 |
72,918 |
原価率 |
82.9% |
81.2% |
81.1% |
81.6% |
81.2% |
販売費及び一般管理費 |
6,848 |
7,392 |
7,495 |
7,611 |
8,233 |
売上高販売費及び一般管理費比率 |
10.8% |
11.3% |
11.0% |
11.5% |
11.3% |
②財政状態の状況
当連結会計年度末における流動資産の残高は42,431百万円で、前連結会計年度末に比べ95百万円減少しております。これは主に、受取手形・完成工事未収入金等が461百万円、電子記録債権が898百万円増加した一方、現金預金が1,266百万円減少したことによるものであります。固定資産の残高は10,377百万円で、前連結会計年度末に比べ1,192百万円増加しております。これは主に、機械、運搬具及び工具器具備品が227百万円、建設仮勘定が380百万円増加し、投資有価証券が622百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における流動負債の残高は16,559百万円で、前連結会計年度末に比べ230百万円減少しております。これは主に、未払法人税等が594百万円増加した一方、支払手形・工事未払金等が382百万円、未成工事受入金が169百万円、工事損失引当金が140百万円減少したことによるものであります。固定負債の残高は4,122百万円で前連結会計年度末に比べ188百万円減少しております。これは主に、退職給付に係る負債が185百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産の残高は32,127百万円で、前連結会計年度末に比べ1,516百万円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を3,526百万円計上したこと、2,168百万円の配当を実施したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動により獲得した資金は2,659百万円(前連結会計年度は4,750百万円の獲得)、投資活動により使用した資金は1,788百万円(同23百万円の使用)、財務活動により使用した資金は2,171百万円(同1,785百万円の使用)となった結果、現金及び現金同等物は1,266百万円減少し、当連結会計年度末残高は19,457百万円となっております。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、2,659百万円となっております。
これは主に、税金等調整前当期純利益5,435百万円を計上し、減価償却費583百万円の計上により資金が増加しましたが、退職給付に係る負債の減少143百万円、売上債権の増加1,314百万円、仕入債務の減少379百万円、未成工事受入金の減少172百万円、法人税等の支払1,432百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,788百万円となっております。
これは主に、有形固定資産の取得による支出1,130百万円、無形固定資産の取得による支出62百万円、投資有価証券の取得による支出585百万円により資金が減少したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,171百万円となっております。
これは主に、配当金の支払い2,165百万円により資金が減少したものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
セグメントの名称 |
前連結会計年度(百万円) (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度(百万円) (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
建設事業 |
71,327 |
74,779 |
その他の事業 |
298 |
224 |
合計 |
71,625 |
75,003 |
b.販売実績
セグメントの名称 |
前連結会計年度(百万円) (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度(百万円) (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
建設事業 |
65,758 |
72,697 |
その他の事業 |
317 |
221 |
合計 |
66,076 |
72,918 |
(注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。なお、参考までに提出会社個別の事業の状況を記載すると次のとおりであります。
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
期別 |
工事別 |
前期繰越工事高 (百万円) |
当期受注工事高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期完成工事高 (百万円) |
次期繰越工事高 (百万円) |
当期施工高 (百万円) |
||
手持工事高 |
うち施工高 |
||||||||
第75期 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日
|
土木 |
37,624 |
68,889 |
106,513 |
63,931 |
42,581 |
2.2% |
935 |
63,783 |
計 |
37,624 |
68,889 |
106,513 |
63,931 |
42,581 |
2.2% |
935 |
63,783 |
|
第76期 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日
|
土木 |
43,475 |
71,090 |
114,565 |
69,206 |
45,359 |
1.8% |
833 |
69,104 |
計 |
43,475 |
71,090 |
114,565 |
69,206 |
45,359 |
1.8% |
833 |
69,104 |
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事高(うち施工高)-前期繰越工事高(うち施工高))に一致しております。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
第75期 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日 |
土木工事 |
89.2 |
10.8 |
100.0 |
第76期 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日 |
土木工事 |
91.1 |
8.9 |
100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
期別 |
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
第75期 自 2021年4月1日 至 2022年3月31日
|
土木工事 |
53,917 |
10,014 |
63,931 |
計 |
53,917 |
10,014 |
63,931 |
|
第76期 自 2022年4月1日 至 2023年3月31日
|
土木工事 |
53,758 |
15,448 |
69,206 |
計 |
53,758 |
15,448 |
69,206 |
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第75期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
奥村組土木興業㈱ 中国横断自動車道 時重トンネル他1トンネル工事
前田建設工業㈱ 奄美(30)新駐屯地(瀬戸内地区)敷地造成工事(その1)
大成建設㈱ 浦安某所地盤改良工事
中日本高速道路㈱ 北陸自動車道 今庄トンネル背面空洞注入工事
中日本高速道路㈱ 中央自動車道 多治見管内橋梁下部工補修工事(2019年度)
㈱フジタ 新名神高速道路 原萩谷トンネル西工事
東日本高速道路㈱ 道央自動車道 米里高架橋下部工補修工事
西日本高速道路㈱ 令和2年度九州自動車道 久留米高速道路事務所管内のり面防災
対策工事
西日本高速道路㈱ 舞鶴若狭自動車道(特定更新等)春日IC~大飯高浜IC間盛土
補強工事
西日本高速道路㈱ 阪和自動車道(特定更新等)阪奈高速道路事務所管内のり面補強
工事
三井住友建設㈱ 新名神高速道路 淀川橋工事
西松建設㈱ 横浜湘南道路トンネル工事
本州四国連絡高速道路㈱ 令和元年度西瀬戸自動車道(特定更新等)尾道管内盛土のり面補
強工事
㈱大林組 東海第二発電所 常設代替高圧電源装置置場設置工事
第76期 請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) (工事名)
大成建設㈱ 玉来ダム本体建設工事
PT. NITTOC CONSTRUCTION INDONESIA 石炭火力発電所の建設に伴う地盤改良工事
㈱大林組 安威川ダム建設工事
本州四国連絡高速道路㈱ 八幡高架橋他4橋耐震補強工事
前田建設工業㈱ 南房総PDC建設工事
中日本高速道路㈱ 東海北陸自動車道 飛騨清見IC~白川郷IC間土石流対策工事
㈱熊谷組 銀座線浅草駅折返し線延伸に伴う土木工事
新進建設㈱ 県道川之江大豊線道路災害復旧工事
3 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
④ 手持工事高(2023年3月31日現在)
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
土木工事 |
35,217 |
10,142 |
45,359 |
(注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。
2 手持工事のうち、請負金額5億円以上の主なもの
(注文者) |
(工事名) |
(完成予定) |
㈱安藤・間 |
高原トンネル上部斜面対策工事 |
2024年2月 |
㈱フジタ |
北海道新幹線、野田追トンネル(北)他 |
2023年6月 |
ケミカルグラウト㈱ |
成瀬ダム堤体打設工事 第一期 |
2025年3月 |
前田建設工業㈱ |
鳥海ダム仮締切(地中壁)工事 |
2023年7月 |
西松建設㈱ |
R2国道357号多摩川トンネル羽田立坑工事 |
2024年9月 |
東日本高速道路㈱ |
北陸自動車道 R3新潟管内橋梁補修工事 |
2024年1月 |
㈱河野建設 |
福知山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事 |
2024年12月 |
㈱大林組 |
新丸山ダム本体建設第1期工事 |
2025年3月 |
東日本高速道路㈱ |
道央自動車道 旭川管内橋梁補修工事 |
2024年3月 |
奥村組土木興業㈱ |
徳島自動車道 脇工事 |
2026年3月 |
㈱熊谷組 |
東大島幹線工事 |
2025年3月 |
大成建設㈱ |
南摩ダム本体建設工事 |
2024年5月 |
㈱安藤・間 |
東海第二防潮堤(海水ポンプ室エリア区間)設置 |
2023年7月 |
㈱大林組 |
東海第二発電所 ES制御水源建屋他工事 |
2024年3月 |
㈱フジタ |
首都圏中央連絡自動車道弓田工事 |
2023年4月 |
飛島建設㈱ |
福山市蔵王ポンプ場建設工事その2 |
2023年5月 |
西松建設㈱ |
浜松市 新清掃工場新設工事 |
2023年4月 |
前田建設工業㈱ |
石巻市石巻中央幹線管渠復興建設工事その5 |
2024年3月 |
清水建設㈱ |
足羽川ダム本体建設工事 |
2026年12月 |
大成建設㈱ |
なにわ筋線梅田地区T新設工事 |
2025年3月 |
㈱鴻池組 |
瑞穂環境保全センター第三期保全計画埋立地工事 |
2025年3月 |
㈱安藤・間 |
黒川第一発電所復旧工事のうち土木本工事他〔第3工区〕 |
2024年12月 |
㈱熊谷組 |
(仮称)川又発電所導水路修繕工事 |
2024年3月 |
前田建設工業㈱ |
内ケ谷ダム本体建設工事 |
2023年12月 |
㈱安藤・間 |
中央新幹線第一首都圏トンネル新設(小野路工区) |
2025年12月 |
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(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の支払であり、その資金は営業活動からのキャッシュ・フローにより調達しております。施工ボリュームは季節的な変動があり、一時的に営業キャッシュ・フローを上回る資金需要があった場合に備え、金融機関と借入枠2,200百万円のコミットメントライン契約を結んでおります。なお、2023年3月31日現在における貸出コミットメント契約に係る借入未実行残高は2,200百万円、現金預金勘定残高は19,457百万円であり、通常の事業活動を継続するための資金調達は十分であると考えております。
⑤経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。