売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E01575 Japan GAAP

売上高

8,326.0億 円

前期

6,068.9億 円

前期比

137.2%

時価総額

3,290.2億 円

株価

1,268 (07/12)

発行済株式数

259,481,819

EPS(実績)

-30.18 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

1,083.4万 円

前期

844.1万 円

前期比

128.4%

平均年齢(勤続年数)

44.8歳(14.4年)

従業員数

249人(連結:8,865人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社、当社の子会社59社及び関連会社36社)は、総合エンジニアリング事業及び機能材製造事業を主たる事業としており、これに加え、機器調達及びコンサルティング等の附帯事業を営んでおります。各事業における当社及び主要な関係会社の位置付け等は次のとおりであります。なお、次の区分はセグメント情報に記載された区分と同一であります。

 

総合エンジニアリング事業

当セグメントは、石油、石油精製、石油化学、ガス、LNG、一般化学、原子力、金属製錬、バイオ、食品、医薬品、医療、物流、IT、環境保全、公害防止等に関する装置、設備及び施設の計画、設計、調達、建設及び試運転役務等のEPCビジネスを中心に構成されております。なお、当セグメントを構成する会社は以下のとおりであります。

分野

会社名

設計・調達・建設

日揮グローバル㈱、日揮㈱、

JGC ASIA PACIFIC PTE. LTD.、JGC PHILIPPINES, INC.、

PT. JGC INDONESIA、JGC Gulf International Co., Ltd.、

JGC OCEANIA PTY LTD、JGC America, Inc.、JGC Gulf Engineering Co., Ltd.、JGC Construction International Pte. Ltd.、

JGC ASIA PACIFIC (M) Sdn.Bhd.、JGC Vietnam Co., Ltd.、

Japan NuScale Innovation, LLC、JGC INDIA EPC PRIVATE LIMITED、

JGC Corporation Oceania Pty Ltd

検査・保守

青森日揮プランテック㈱

プロセスライセンシング

日揮ユニバーサル㈱

その他

Sunrise Healthcare Service Co., Ltd、Sunrise Property Co., Ltd

 

 

機能材製造事業

当セグメントは、以下のような分野別製品群からなる事業で各関係会社にて製造・販売しております。

分野

製品

会社名

触媒分野

重質油の水素化精製・流動接触分解、灯軽油の脱硫などの石油精製用触媒、化学品の水素化・異性化・酸化などの石油化学用触媒など

日揮触媒化成㈱

日揮ユニバーサル㈱

ナノ粒子技術分野

フラットパネルディスプレイ・半導体・化粧品・オプトなどに使用される機能性素材、化学的機械研磨材料など

日揮触媒化成㈱

クリーン・安全分野

環境触媒、脱臭・消臭剤、オゾン分解触媒、酵素フィルタなど

日揮触媒化成㈱

日揮ユニバーサル㈱

電子材料・高性能セラミックス分野

薄膜集積回路、高品位アルミナ基板、半導体製造装置用窒化ケイ素部品、液晶製造装置用金属セラミックス複合材料部品、半導体製造装置用セラミックス部材など

日本ファインセラミックス㈱

JFCマテリアルズ㈱

次世代エネルギー分野

燃料電池用脱硫材、色素増感型太陽電池用材料など

日揮触媒化成㈱

 

 

その他の事業

その他の事業は総合エンジニアリング事業及び機能材製造事業以外の事業であり、以下のような分野及び会社で構成されております。

分野

会社名

機器調達

日揮商事㈱

コンサルティング

日本エヌ・ユー・エス㈱

オフィスサポート

日揮ビジネスサービス㈱

原油・ガス生産販売事業等

JGC (GULF COAST), LLC、JGC Exploration Eagle Ford LLC、

JGC EXPLORATION CANADA LTD.

水処理事業

水ing㈱、水ingAM㈱、水ingエンジニアリング㈱

発電・造水事業

Al Asilah Desalination Company S.A.O.C.、A.R.C.H WLL、

ASH SHARQIYAH OPERATION AND MAINTENANCE COMPANY LLC

FPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)保有・傭船事業

Japan Sankofa Offshore Production Pte. Ltd.

国産廃食用油を原料とするSAF、バイオナフサ、バイオディーゼルの製造事業

(同)SAFFAIRE SKY ENERGY

 

 

また、当社グループに対してコーポレート業務を提供する日揮コーポレートソリューションズ㈱があります。

 

以上に述べた事項の概略は次のとおりであります。

 

※画像省略しています。
24/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 当連結会計年度の概況

当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症対策の緩和による各国の経済活動の正常化や資源価格の落ち着き、個人消費の増加などによって世界経済は引き続き回復傾向にありました。世界経済の先行きも、中東情勢などの地政学的リスクの高まりはあるものの、インフレーション率の鈍化や金融緩和の動きが見え始めたことによって、底堅さを示しはじめました。

このような状況のなか、当社グループの総合エンジニアリング事業の海外マーケットにおいて、エネルギーソリューションズ分野(石油精製、石油化学・化学、ガス処理、LNG等)では、エネルギー安全保障と低・脱炭素化の両立の観点から、環境負荷が比較的少ない天然ガス(液化天然ガス(LNG)を含む)の需要は引き続き高く、産油・産ガス諸国において新設のみならず既設プラントの増設・改造などの設備投資計画が進展しました。サステナブルソリューションズ分野(水素・燃料アンモニア、小型モジュール原子炉(SMR)、スペシャリティケミカル、ケミカルリサイクル、グリーンケミカル等)では、低・脱炭素化に向けた各国の政策や支援が後押しし、水素・燃料アンモニア、SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage : CO2の回収・貯留)、合成メタン(e-methane)などの領域において、実現に向けた計画検討が前進するなどしました。ファシリティソリューションズ分野(半導体、蓄電池、データセンター、発電、受入基地、医薬、医療、水処理、鉄道等)では、デジタル社会の進展や米国の対中政策等に伴い需要が高まる半導体材料や、蓄電池部材、データセンターなど、デジタル産業を支えるインフラ施設や関連施設の設備投資計画が北米やアジアなどを中心に着実に進展しました。

また、同事業の国内マーケットにおいて、ライフサイエンス分野の設備投資計画が堅調に進んだほか、グリーンイノベーション基金や長期脱炭素電源オークションなど日本政府の政策が追い風となり、SAFや水素、蓄電池といった低・脱炭素分野や資源循環分野における設備投資計画が進展しました。

このように国内外で様々な設備投資計画が進展する一方で、金利上昇や建設費用等の増加により、顧客の初期投資費用が増加傾向にあったことなどから、一部の顧客において投資決定時期を2024年度以降に先送りする動きがありました。

機能材製造事業においては、触媒・ファインケミカル分野では、触媒製品は世界経済の回復傾向を受けて顧客の製品需要は堅調に推移したものの、ファインケミカル製品は供給過剰に伴う顧客の在庫調整により、半導体やエレクトロニクス向け製品は厳しい事業環境となりました。ファインセラミックス分野では、半導体関連市場における景気停滞が続いたものの、電気自動車向けのパワー半導体関連製品は、自動車のEV化の加速により引き続き需要が拡大しました。

また、総合エンジニアリング事業において、第3四半期連結会計期間に損失を計上したタイの化学プラント建設プロジェクトにおいて、設計及び調達業務の進捗状況から配管材料調達コスト及び遅延対応費用を追加で見込む必要が生じました。また、主要な海外プロジェクトの進捗状況に照らして今後の遂行計画及び実行予算について集中的な再検討を行い、最近の設計業務における配員状況や中東での資機材の需給逼迫による納期遅延といった当連結会計年度の採算悪化に影響を及ぼしている事業環境を考慮し、必要と判断されるリスク対応費用を追加的に見込むことといたしました。その結果、サウジアラビアにおける石油・ガス関連案件において損失引当を行ったほか、海外子会社において追加損失計上及び新たに1件の損失引当を行うこととなり、当社グループの当連結会計年度の業績等については、以下のとおりとなりました。

経営成績

 

当連結会計年度
(百万円)

前年同期増減率
(%)

売上高

832,595

37.2

営業損失(△)

△18,995

経常利益

358

△99.3

親会社株主に帰属する
当期純損失(△)

△7,830

 

 

 

 

受注高

地域

当連結会計年度
(百万円)

割合
(%)

海外

158,679

44.7

国内

196,471

55.3

合計

355,151

100.0

 

 

当連結会計年度末の受注残高は、為替変動による修正及び契約金額の修正・変更等を加え、1兆2,534億円となりました。

なお、当連結会計年度の連結財政状態の概況は以下のとおりであります。

 

    (資産)

当連結会計年度末における流動資産は6,035億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ640億69百万円の増加となりました。これは主に受取手形・営業債権及び契約資産等が589億73百万円増加したことによるものです。固定資産は1,887億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ151億円の増加となりました。これは主に有形固定資産が121億76百万円、無形固定資産が23億3百万円増加したことによるものです。

この結果、総資産は7,922億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ791億69百万円の増加となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は3,507億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ785億30百万円の増加となりました。これは主に支払手形・工事未払金等が573億3百万円増加したことによるものです。固定負債は536億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ107億34百万円の増加となりました。これは主に社債が100億円増加したことによるものです。

この結果、負債合計は4,044億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ892億65百万円の増加となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は3,878億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ100億95百万円の減少となりました。これは主に配当などにより利益剰余金が91億42百万円減少したことによるものです。

この結果、自己資本比率は48.7%(前連結会計年度末は55.7%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較し82億48百万円減少し、3,245億7百万円となりました。また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益28億9百万円に加え、売上債権及び契約資産や仕入債務など運転資本の増減などにより、結果として110億90百万円の増加(前連結会計年度は1,107億69百万円の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより202億1百万円の減少(前連結会計年度は114億71百万円の減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより88億94百万円の減少(前連結会計年度は612億88百万円の減少)となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

総合エンジニアリング事業

機能材製造事業

46,928

107.5

報告セグメント計

46,928

107.5

その他の事業

合計

46,928

107.5

 

(注)金額は販売価格によっております。

 

ⅱ)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

総合エンジニアリング事業

293,887

35.7

機能材製造事業

53,589

112.3

報告セグメント計

347,477

39.9

その他の事業

7,674

108.6

合計

355,151

40.4

 

 

ⅲ)売上実績

セグメントの名称

当連結会計年度(百万円)

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

総合エンジニアリング事業

773,106

140.2

機能材製造事業

52,012

108.9

報告セグメント計

825,119

137.7

その他の事業

7,475

99.5

合計

832,595

137.2

 

 

(注)売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、以下のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

売上高(百万円)

割合(%)

売上高(百万円)

割合(%)

サウスリファイナリーズ社

93,603

15.4

169,066

20.3

LNGカナダ社

171,419

28.2

127,374

15.3

 

 

(参考)受注高、売上高及び受注残高

(単位:百万円)

区分

前連結会計年度末受注残高

当連結会計年度
受注高

当連結会計年度
売上高

当連結会計年度末受注残高

総合エンジニアリング事業

1,563,459

293,887

773,106

1,243,957

 

国内

 

 

 

 

 

 エネルギートランジション関係

 

 

 

 

 

  石油・ガス関係

8,663

21,313

24,209

5,766

 

  LNG関係

0

12

12

 

  化学関係

24,136

19,510

30,126

13,496

 

  クリーンエネルギー関係

134,284

27,426

64,146

97,469

 

  その他

3,326

2,003

4,703

472

 

170,410

70,265

123,199

117,204

 

 ヘルスケア・ライフサイエンス関係

67,622

77,357

59,348

85,414

 

 産業・都市インフラ関係

138

9,039

1,776

7,401

 

 その他

154

612

690

24

 

国内計

238,326

157,273

185,015

210,045

 

海外

 

 

 

 

 

 エネルギートランジション関係

 

 

 

 

 

  石油・ガス関係

739,098

45,929

298,133

570,862

 

  LNG関係

376,018

47,085

203,615

270,722

 

  化学関係

183,936

24,097

61,513

170,243

 

  クリーンエネルギー関係

2,068

11,113

3,675

9,517

 

  その他

6,469

727

4,754

2,897

 

1,307,590

128,953

571,692

1,024,243

 

 ヘルスケア・ライフサイエンス関係

17,224

2,867

13,392

7,570

 

 産業・都市インフラ関係

318

4,056

2,513

1,855

 

 その他

737

492

242

 

海外計

1,325,132

136,614

588,091

1,033,912

機能材製造事業

7,036

53,589

52,012

8,660

その他の事業

597

7,674

7,475

835

合計

1,571,093

355,151

832,595

1,253,452

 

(注)1.総合エンジニアリング事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額159,716百万円を含んでおります。

2.機能材製造事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額46百万円を含んでおります。

3.その他の事業の「当連結会計年度末受注残高」は、当連結会計年度における為替換算による修正及び契約金額の修正・変更等による調整額38百万円を含んでおります。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概要 ① 当連結会計年度の概況」に記載のとおり、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高8,325億95百万円(前期比37.2%増)、営業損失189億95百万円(前期は営業利益366億99百万円)、経常利益3億58百万円(前期比99.3%減)、親会社株主に帰属する当期純損失78億30百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益306億65百万円)となりました。

売上高は、海外及び国内プロジェクトの順調な進捗によって前連結会計年度と比較して増収となったものの、営業利益は、総合エンジニアリング事業の国内外プロジェクトでの採算悪化により売上原価が増大したことで営業損失となりました。経常利益は、金利上昇の影響を受け、受取利息の増加があったものの、プロジェクト採算悪化による売上総利益減少の影響を吸収しきれず、前連結会計年度と比較して減益となりました。外国税額の増加に加え損益悪化した海外子会社の税負担増加により、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失を計上することとなりました。

 

当連結会計年度のセグメント別の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。

 

 

総合エンジニア
リング事業
(百万円)

前年同期
増減率
(%)

機能材製造事業
(百万円)

前年同期
増減率
(%)

その他の事業
(百万円)

前年同期
増減率
(%)

売上高

773,106

40.2

52,012

8.9

7,475

△0.5

営業利益又は営業損失(△)

△22,094

7,251

1.1

2,010

12.6

 

 

総合エンジニアリング事業

総合エンジニアリング事業においては、海外では中東での製油所近代化プロジェクトや北米での大型LNGプロジェクト、国内ではライフサイエンス関連プロジェクトやバイオマス発電プロジェクトの進捗が順調に伸びたこと、また期末に向けて円安が進行したことにより、売上高は前連結会計年度と比較して増収となりましたが、国内外のプロジェクトで追加費用やリスク対応費用を見込んだことなどにより採算が悪化しセグメント損失となりました。

 

機能材製造事業

触媒分野においては、FCC触媒、水素化処理触媒を中心に原燃材料高騰の影響を一部販売価格へ転嫁できたこと、海外顧客への販売量の増加及び円安の影響により増収となりました。ファインケミカル分野においては、半導体やエレクトロニクス市場における在庫調整が継続しており減収となりました。ファインセラミックス分野においては、半導体関連市場の需要の低迷が継続する一方で、電気自動車やハイブリッド車向け高熱伝導窒化ケイ素基板の需要は引き続き旺盛で増収となりました。セグメント利益は変動費の削減や生産性向上を積極的に進めたものの、半導体関連需要低迷の継続、生産設備増強に伴う減価償却費負担の増加等により、前連結会計年度からほぼ横ばいとなりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、金利上昇による受取利息の増加等により、営業活動によるキャッシュ・フローが110億90百万円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に土地やソフトウェア等の有形固定資産、無形固定資産の取得による支出により202億1百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い等により88億94百万円の減少となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末から82億48百万円減少し3,245億7百万円となりました。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。

 

(資金需要)

総合エンジニアリング事業は、キャッシュ・フローや採算の変動が大きく、プロジェクトの安定的な遂行のために十分な運転資金を必要としております。機能材製造事業では、主として製造設備の拡張・更新のための設備投資を効率的かつ継続的に行っております。また、中期経営計画「BSP2025」において計画している戦略投資を進めてまいります。

 

(資金調達)

当社グループは、資金需要に対して、営業活動によるキャッシュ・フローから得た資金及び手元資金に加え、状況に応じて有利子負債などによる調達資金を充当しております。有利子負債は、金融市場の環境等を鑑み、社債発行や金融機関からの借入など最適な手段によることとしております。当年度は、中期経営計画「BSP2025」における重点戦略である「高機能材製造事業の拡大」及び「将来の成長エンジンの確立」に係る新規の投資及びプロジェクトを推進するための資金調達手段として100億円のグリーンボンドを発行いたしました。なお、当社は株式会社日本格付研究所から信用格付を取得しており、報告書提出時点において長期発行体格付がA+、コマーシャルペーパー格付がJ-1となっております。

 

(財務戦略)

当社グループは、顧客からの信頼獲得及び長期にわたる大型プロジェクトの円滑な遂行の観点から、短期的な市場動向に左右されない強固な財務基盤を維持するとともに、戦略投資に対する機動的な資金調達余力を確保するため、自己資本比率については50%以上を安定的に維持することを目標としております。また、市場混乱時にも事業を継続するために十分な流動性を常時確保する方針としており、手元資金に加え取引金融機関とのコミットメントライン契約未使用枠300億円を有しております。手元資金については、効率的な運用・配分を実現するため、グループ内のキャッシュ・マネジメントの最適化に取組んでおります。当社は、戦略投資に機動的に対応しつつ強固な財務基盤を維持するとともに株主還元を着実に実施し、企業価値・株主価値の向上に努めてまいります。

 

(株主還元)

当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題として位置付けております。具体的な株主還元方針の内容については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。