売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

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労働生産性

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最終更新:

E05712 IFRS

売上高

260.1億 円

前期

174.2億 円

前期比

149.3%

時価総額

1,220.4億 円

株価

2,446 (04/19)

発行済株式数

49,893,243

EPS(実績)

190.49 円

PER(実績)

12.84 倍

平均給与

1,192.3万 円

前期

1,122.3万 円

前期比

106.2%

平均年齢(勤続年数)

46.2歳(2.5年)

従業員数

10人(連結:843人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループは、連結財務諸表提出会社(以下、当社という)と、連結子会社17社及び関連会社2社により構成され、その事業内容を医薬品事業と医療機器事業に区分しています。医薬品事業では、中国市場で販売しているアイスーリュイ及び臨床試験中のF351を主力とする開発化合物の研究開発・製造・販売を行っています。医療機器事業では、米国を拠点とし医療機器(生体材料)の開発、製造及び販売を行っています。

事業区分、主要製品等及び主要な会社の関係は、次のとおりです。

 

事業区分

主要製品等

主要な会社

医薬品事業

アイスーリュイ、医薬品開発、その他医薬品、試薬

当社

上海ジェノミクス有限公司

北京コンチネント薬業有限公司

GNI Hong Kong Limited

Cullgen (Shanghai), Inc.

上海リーフ国際貿易有限公司

GNI USA, Inc.

Cullgen Inc.

Gyre Therapeutics, Inc.

医療機器事業

生体材料、医療機器選任製造販売業者(DMAH)及び治験国内管理人(ICC)サービス

Berkeley Advanced Biomaterials LLC

マイクレン・ヘルスケア株式会社

Berkeley Biologics LLC

 (注) 上記における事業区分は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、連結財務諸表注記、6.事業セグメント」における事業区分と同一です。

 

事業の系統図は、次のとおりです。

 

※画像省略しています。

 

 

24/03/28

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

2023年の世界経済は新型コロナウイルス感染症の厳戒態勢が和らぎ落ち着きを取り戻す一方で、中東情勢の緊迫化等、地政学的リスクが高まり予断を許さない状況が続いております。

わが国経済も新型コロナウイルス感染症の影響が一定の落ち着きを見せ、年末にかけて日経平均株価がバブル後の最高値に迫る等、明るい材料がみられる一方で、円安による物価インフレが起こり、収入上昇とのギャップ解消への対応が大きな課題として取り上げられております。

一方、当社の属するバイオテクノロジー・セクター及び東証グロース市場におきましては、将来的な国内の金利上昇懸念の高まりから、総じて厳しい状況が続いております。

このような状況下ではありますが、当社グループは、大幅な増収増益を達成し、売上収益及び営業利益、当期利益のすべてにおいて過去最高を記録いたしました。また、将来の事業発展の布石として当社グループを挙げて従前取り組んできた幾つかのプロジェクトにおいて、重要な成果を挙げることができました。

医薬品事業におきましては、当社グループ主要子会社である北京コンチネントは、引き続き主力製品であるアイスーリュイの販売が堅調に推移し、売上収益の増加に大きく寄与しました。また、2023年10月26日に開示いたしましたとおり、同社は、次期主力製品の有力候補であるF351(一般名:ヒドロニドン)の中国における第3相臨床試験において、2023年内としていた予定を大幅に前倒しして被験者登録を完了し、現在、鋭意データの収集を進めております。そして、2023年10月31日に開示いたしましたとおり、米国ナスダック市場に上場するCatalyst Biosciences, Inc.(以下「CBIO」)との取引を成功裏に完了いたしました。CBIOは、Gyre Therapeutics, Inc.(以下「GYRE」)と名称を変更し、代謝障害関連脂肪肝炎(MASH:Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis、以前はNASH:非アルコール性脂肪肝炎と呼ばれていた疾患の病名が変更されたもので、上記日本語訳は仮称)向けの第2相臨床試験を2024年中に米国で提出すべく、鋭意準備を進めております。更に、北京コンチネントは、中国で築き上げた販売網を有効活用するため、ジェネリックのオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の開発販売を始めております。

米国及び中国において独自の標的タンパク質分解誘導技術を活用した研究開発を推進している米国子会社Cullgenは、2023年5月9日に開示いたしましたとおり、アストラゼネカ-CICCファンドをリード・インベスターとするシリーズC資金調達ラウンドで3,500万米ドルを調達いたしました。更に、2023年6月15日に開示いたしましたとおり、アステラス製薬とは革新的なタンパク質分解誘導剤創出に向けて提携し、鋭意研究を進めております。この提携により、3,500万米ドルの契約一時金のみならず、毎月の安定的な収益源を獲得したため、Cullgenも黒字化を達成いたしました。この提携から、Cullgenは最大19億米ドルをアステラス製薬から受領する可能性があります。加えて、同社は、2023年7月31日に開示いたしましたとおり、抗がん剤候補であるTRK分解剤の第1/2相臨床試験を中国にて進めております。他の複数プログラムについても、臨床試験申請を目指して研究開発を推進しております。

医療機器事業につきましては、米国で生体材料事業に携わるBerkeley Advanced Biomaterials LLC(以下「BAB」を筆頭に、業績は堅調に推移しております。2023年9月19日及び11月10日に開示いたしましたとおり、当社グループは、米国ナスダック市場上場のElutia Inc.からオーソバイオロジクス事業の一部を譲り受け、当該事業の拡大に努めております。

その他、2023年11月20日に開示いたしましたとおり、CVI Investments, Inc.(以下「CVI」)が第46回、47回新株予約権を全て行使し、またCVIに割り当てていた第48回新株予約権を当社が買い戻し、消却いたしました。その結果、当社は更なる成長に投資するための資金を確保すると共に、当社発行済株式の約9%に及ぶ潜在的な株式希薄懸念は全て払拭されております。

 

② 販売費及び一般管理費ならびに研究開発費

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

差額

販売費及び一般管理費

△10,965,656

△15,292,839

△4,327,182

人件費

△3,636,074

△5,318,748

△1,682,673

研究開発費

△2,545,455

△2,557,803

△12,347

 

販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、15,292,839千円となり、前連結会計年度比39.5%増となりました。主に北京コンチネントにおける拡販体制の強化による販売・マーケティング費用の増加、CBIOとの取引に関連する法務費用及び取引完了後のGYREにおける諸経費の増加等によるものです。

 

研究開発費

当連結会計年度の円ベースの研究開発費は、中国における北京コンチネント及びCullgenの研究開発の進展により、2,557,803千円、前連結会計年度比0.5%増となりました。北京コンチネントの研究開発費には、新規パイプラインに加え、新たなジェネリックのオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の製品化に関する費用も含まれております。

 

③ 金融収益及び金融費用

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

差額

金融収益

259,835

771,527

511,692

金融費用

△869,887

△1,250,685

△380,798

 

金融収益

当連結会計年度の金融収益は、771,527千円(前連結会計年度比196.9%増)となりました。主に円安による為替差益によるものです。

 

金融費用

当連結会計年度の金融費用は、1,250,685千円(前連結会計年度比43.8%増)となりました。主にCullgenの財務活動に係る現金支出を伴わない利息費用です。

 

④ セグメント情報

医薬品事業

 当社グループの主要子会社である北京コンチネントにおいて、その主力医薬品であるアイスーリュイの売上収益が現地通貨ベースでも引き続き最高を更新し、中国での売上収益が好調に成長した事に加え、Cullgenにおけるアステラス製薬とのタンパク質分解誘導剤創出共同開発に伴う3,500万米ドルの契約一時金及び共同開発費用売上収益が大きく寄与いたしました。当連結会計年度の医薬品事業の売上収益とセグメント利益は、それぞれ22,976,201千円(前連結会計年度比53.3%増)、12,026,795千円(前連結会計年度比2,687.3%増)となりました。

 

医療機器事業

 医療機器セグメントにおいても、堅調な業績となりました。2023年9月19日及び11月10日に開示いたしましたとおり、米国ナスダック上場のElutia Inc.からオーソバイオロジクス事業の一部を譲り受けました。当連結会計年度の医療機器事業の売上収益とセグメント利益は、それぞれ3,058,541千円(前連結会計年度比21.3%増)、1,082,048千円(前連結会計年度比14.3%増)となりました。

 

⑤ 生産、受注及び販売の実績

生産実績

 当社グループの業務は業務の性質上、生産として把握することが困難である為、記載を省略しております。

 

受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注状況の記載はしておりません。

 

販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

医薬品事業

22,976,201

53.3

医療機器事業

3,034,369

25.0

合計

26,010,571

49.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

セグメント

前連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Sinopharm

医薬品事業

4,596,597

26.4

5,365,748

20.6

Astellas Pharma Inc.

医薬品事業

5,804,973

22.3

(注) 相手先は企業グループ毎にまとめて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度における経営指標の実績は次のとおりです。売上収益については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ⑤生産、受注及び販売の実績」に記載しております。

また、研究開発費については、その活動を「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載しております。

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

売上収益合計

17,418,966

26,010,571

研究開発費

2,545,455

2,557,803

売上収益対比

14.6%

9.8%

 

① 重要性がある会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積り及び判断を行っております。また、実際の結果は見積りによる不確実性がある為、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表、連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.当期の財政状態の概況

 

連結財政状態

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

差額

資産合計

33,906,981

62,394,370

28,487,388

負債合計

14,096,013

26,341,592

12,245,578

資本合計

19,810,968

36,052,778

16,241,809

 

資産合計

 当連結会計年度末における資産合計は、62,394,370千円、前連結会計年度比84.0%増となりました。主に事業活動に伴う現金及び現金同等物の増加、企業結合によるのれんの増加によるものです。

 

負債合計

 当連結会計年度末における負債合計は、26,341,592千円、前連結会計年度比86.9%増となりました。主にCullgenの財務活動に係る現金支出を伴わない費用の計上によるものです。

 

資本合計

 当連結会計年度末における資本合計は、36,052,778千円、前連結会計年度比82.0%増となりました。主に売上収益の伸長による利益剰余金の増加、新株予約権行使に伴う株式発行による資本金・資本剰余金の増加によるものです。

 

b.当期のキャッシュ・フローの概況

 

連結キャッシュ・フロー

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

差額

営業活動によるキャッシュ・フロー

393,320

6,549,337

6,156,016

投資活動によるキャッシュ・フロー

△4,116,163

△6,842,661

△2,726,498

財務活動によるキャッシュ・フロー

△646,327

10,686,556

11,332,883

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、6,549,337千円の収入、前連結会計年度比1565.1%増となりました。主に北京コンチネントの堅調な売上収益拡大、Cullgenのアステラス製薬との契約によるものです。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、6,842,661千円の支出、前連結会計年度比66.2%増となりました。主に事業譲受による投資支出、定期預金の取得によるものです。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の646,327千円の支出に対し、10,686,556千円の収入となりました。主に新株予約権行使による株式発行収入、CullgenのシリーズC優先株式発行収入によるものです。

 

c.財務政策

当社グループの核となる事業は医薬品開発であります。当社グループでは、当社グループ内にて当該医薬品候補化合物の収益化を成功させることを目指しており、中国市場においてはアイスーリュイにて実際に達成しております。これにより、当社グループは、十分なキャッシュ・フローを創出し、利益を得ることと、将来の売上収益獲得のために当社グループの医薬品開発パイプラインに継続的な投資を行うこととの両方を実現させるという経営戦略を遂行できるようになりました。このためには、研究開発費と売上利益とのバランスを慎重に保つという厳しい財務政策が必要とされます。

当社グループは主として、上記戦略遂行によって生み出された内部留保資金を当社グループの事業運営に活用しますが、当社経営陣は、医薬品開発のリスク及び将来の金融市場混乱の可能性を予見できないことを依然として認識しております。従いまして、当社グループの事業継続を確かなものにし、また、新たな事業機会が訪れた際に先手を打てるに十分な資金を保有しておくため、場合によっては外部資金調達に取り組むことがあります。そのような外部資金調達を行う場合においても、当社への出資拡大に伴う希薄化を最小限に抑えるとともに、当社グループの成長を支援して頂ける長期安定投資家の探索に努める方針であります。

当連結会計年度において予定している設備投資に係る資金需要の主なものは「第3 設備の状況、3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。