E02928 Japan GAAP
前期
1,079.6億 円
前期比
102.3%
株価
1,950 (04/26)
発行済株式数
6,250,000
EPS(実績)
226.28 円
PER(実績)
8.62 倍
前期
609.2万 円
前期比
108.2%
平均年齢(勤続年数)
43.4歳(13.7年)
従業員数
47人(連結:1,317人)
当社グループは、以下の8社からなります。
なお、事業区分は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。
○ 持株会社・・・グループ全体を管理・統括
・オルバヘルスケアホールディングス㈱(当社)
○ 医療器材事業・・・医療器材販売
・㈱カワニシ ・サンセイ医機㈱ ・日光医科器械㈱ ・㈱カワニシバークメド ・㈱エクソーラメディカル
○ SPD事業・・・物品・情報管理及び購買管理業務
・㈱ホスネット・ジャパン
○ 介護用品事業・・・在宅介護用ベッド・用品の販売・レンタル
・㈱ライフケア
当社グループ内の取引関係及び顧客との取引関係は以下の図のとおりです。
なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で求められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の分析
①経営成績の分析
新型コロナウイルス(以下、コロナ)の収束に伴い医療機関の診療体制も落ち着き、それに呼応するように当社グループの営業活動も活発さを取り戻しつつあります。また、この間も医療技術の進歩は続いており、特に手術支援ロボットはもはや特別な病院だけのものではなく、広く普及する時期に入ったと思われます。これらのことを背景に、当社グループの成長の軸である医療器材事業の消耗品売上高は順調に伸長しました。なお、世界的なインフレによる仕入価格の上昇はありましたが、販売価格への転嫁も進んだことから一定の利益水準を確保することができました。
また、コロナ前からICT活用による生産性の向上は各業界で進んでいましたが、コロナへの対応を通じてその動きはますます加速しているように思われます。これは我々の業界も例外ではなく、当社グループにおいても営業活動から管理業務に至るまで生産性向上を目的としたICT投資を継続しています。
医療器材事業の商品分類別売上高は下記のとおりです。ただし、当該商品分類別売上高については、管理会計に基づく集計値を元に分析を行っています。そのため、商品分類別売上高の合計は医療器材事業の売上高と一致していませんが、これによる分析の正確性への影響は軽微であると判断しています。
<医療器材事業 商品分類別売上高> 単位:百万円
コロナは手術件数へ影響を与え続けてきましたが、ワクチン接種率の向上や医療機関内での感染対策が進んできたこと、感染症法上の位置付けが5類感染症に変更されたことなどにより、手術件数はおおむねコロナ前の水準に戻ったと判断しています。一方で、世界的なインフレにより、その多くを輸入に頼る医療機器の仕入価格は上昇傾向にあります。このような背景を踏まえて、営業活動の拡大や自販力を背景とした仕入改善に努めた結果、医療器材事業の消耗品の売上高は前期比4.2%増となりました。その内訳は以下のとおりです。
手術関連消耗品の売上高は、コロナによる手術件数減少の影響から脱したことにより、前期比2.7%増となりました。主力の外科関連製品が同5.4%増と第3四半期に引き続いて増加傾向であることに加え、重点領域として取り組んでいる糖尿病関連製品を含む内科関連製品も同10.8%増と業績を牽引しました。また、外科手術の増加に伴う麻酔関連製品や、コロナに関連する検査関連製品については、引き続き安定した需要があります。
整形外科消耗品の売上高は、人工関節関連製品が前期比7.0%増と大幅な伸びを見せました。これは新規顧客を獲得した効果のほか、急速に普及しているロボット手術の影響があります。当社グループが積極的に支援するロボット手術は専用の消耗品(人工関節等)を用いるため、ロボットの導入が消耗品の売上増をもたらすという好循環が生まれています。その他、脊椎関連製品は同4.0%増、外傷・スポーツ・関節鏡(※1)関連製品は同4.9%増など全体的に好調で、整形外科消耗品の売上高は同7.2%増となりました。
(※1)膝や肩などの関節内にカメラを挿入して行われる低侵襲手術
循環器消耗品の売上高は、不整脈治療用インプラント(※2)関連製品などコロナによる影響が残る領域もありますが、全体では前期比4.3%増となりました。新規顧客開拓が進んだカテーテルアブレーション(※3)関連製品は、前期比8.6%増と引き続き業績を牽引しました。また、TAVI関連製品(※4)を含む心臓血管外科領域も、同9.6%増となり、業績に寄与しています。
(※2)ペースメーカーに代表される体内に埋め込む不整脈治療装置
(※3)頻脈の原因となる心筋組織を焼灼もしくは凝固する治療
(※4)経皮的大動脈弁置換術:心臓の弁を低侵襲で人工物に置き換える治療
設備備品の売上高は、前期に複数の医療機関において新築・移転案件があった反動により、前期比17.7%減となりました。一方で、新規事業として取り組んでいるクリニック向けの自動精算機の販売については、インサイドセールス、オンライン面談などの営業活動を進め、販売台数の拡大につなげています。
その結果、医療器材事業は、売上高1,042億12百万円(前期比2.0%増)となりました。一方、販売費及び一般管理費(以下「販売管理費」という)は、人員増強・システム開発投資・燃料費高騰などにより前年を上回ったため、営業利益18億97百万円(前期比0.4%増)となりました。
<SPD事業>
SPD事業は、既存受託施設における管理料の見直しや、引き続き高い水準を維持する感染対策製品の需要により、売上高は52億75百万円(前期比11.5%増)と増加しました。一方、燃料費高騰や人件費上昇に伴い販売管理費も増加しました。その結果、営業利益は1億71百万円(前期比0.5%増)となりました。
介護用品事業は、在宅医療・居宅介護の需要が引き続き高く、主力の介護用品レンタル売上高は前期比5.6%増と順調に推移しました。その結果、売上高は25億23百万円(前期比6.4%増)となりました。また、仕入先との協力体制の構築などによりレンタルの利益率改善を推し進めた結果、販売管理費の上昇を上回る利益確保に成功し、営業利益は2億1百万円(前期比17.3%増)となりました。
以上の結果、当期の連結売上高は1,104億72百万円(前期比2.3%増)、連結営業利益21億51百万円(前期比3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億14百万円(前期比7.9%減)となりました。
また、主にタイ王国での医療器材販売を行う目的で、当社とタイ個人株主との間でTHAI OLBA Healthcare Co., Ltd.(旧社名 Medical Device Innovation Co., Ltd.)への共同出資、及び運営に関するJOINT BUSINESS AGREEMENTを2023年1月26日に締結し、合弁事業を開始いたしました。
さらに、2021年に創業100周年を迎えた当社は、中期経営計画において次の100年に向けた基盤づくりを掲げており、「現業強化・生産性向上」「SDGs推進・ESG経営」「新規事業探索」「DXの推進」をそのポイントとして挙げています。これらを推進するうえで、ディーブイエックス株式会社(以下「DVx社」という)と2023年3月15日付で業務提携契約を締結いたしました。当社とDVx社との間で合意した業務提携の内容は以下のとおりです。今後、提携内容の実現はもとより、両者の協力のもと、さらなる価値創造に向けて協議を継続していくこととしています。
・営業活動の相互補完や、仕入先とも連携した物流合理化による医材流通コストの低減
・当社グループのSPDシステムの活用によるDVx社へのSPDノウハウの供与
・教育コンテンツの相互利用や両者の教育研修への派遣による人材育成のスピードアップ
・両者の企画製品の国内販売・両者の有するニーズ・マーケット情報の共有による製品開発
・当社による、DVx社の製造販売業者機能を活用した製品開発・販売
・情報システムの運用に関する情報交換及び業務系システムの共同利用やマスタ共有によるDX推進
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しています。
当連結会計年度末の総資産は408億78百万円となり、前連結会計年度末と比べ9億9百万円増加しました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が7億37百万円、電子記録債権が1億99百万円、商品が5億70百万円、退職給付に係る資産が2億6百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が7億89百万円減少したことによるものです。
また、負債は305億50百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億24百万円減少しました。主な要因は、短期借入金が9億円増加した一方で、支払手形及び買掛金が2億72百万円、電子記録債務が3億83百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億65百万円、未払法人税等が29百万円、長期借入金が55百万円、長期未払金が1億3百万円それぞれ減少したことによるものです。
純資産は103億27百万円となり、前連結会計年度末と比べ12億34百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益により14億14百万円、退職給付に係る調整累計額が1億31百万円それぞれ増加した一方で、配当金により3億67百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、2.5ポイント増加し、25.3%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前連結会計年度末に比べ7億89百万円減少し、23億59百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
営業活動による資金の減少は、6億59百万円(前期は24億20百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益により21億56百万円、減価償却費により5億2百万円それぞれ増加した一方で、売上債権の増加により9億37百万円、棚卸資産の増加により5億70百万円、仕入債務の減少により6億55百万円、長期未払金の減少により1億3百万円、法人税等の支払額により7億27百万円それぞれ減少したことによるものです。
投資活動による資金の減少は、3億6百万円(前期は2億11百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出により1億61百万円、無形固定資産の取得による支出により89百万円、投資有価証券の取得による支出により37百万円、関係会社貸付けによる支出により19百万円それぞれ減少したことによるものです。
財務活動による資金の増加は、1億75百万円(前期は11億69百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入による収入により9億円増加した一方で、長期借入金の返済による支出により2億20百万円、リース債務の返済による支出により1億63百万円、当社の配当金の支払により3億67百万円それぞれ減少したことによるものです。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。
当社グループの事業活動における運転資金需要は、商品仕入代金並びに販売費及び一般管理費の支払など、日常の運転資金が主なものです。これに対する資金は、顧客への販売代金の回収及び金融機関からの短期借入金で賄います。また運転資金に加えて、設備・システム・M&A等の投資資金需要が随時発生します。これに対する資金は、上記の方法に加えて、金融機関からの長期借入金により賄います。これらの資金調達方法により、毎月末のグループ全体の現預金残高は、概ね20億円程度確保することを方針としています。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りを合理的な基準に基づいて実施していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があることから、これらの見積りと異なる場合があります。なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものはありません。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
これらのリスクに対して継続的にモニタリングを行って現状把握に努めるとともに、平時から対応策を検討し、リスクの最小化・分散化を図っていきます。