E02932 Japan GAAP
前期
220.8億 円
前期比
58.3%
株価
291 (05/02)
発行済株式数
11,906,880
EPS(実績)
25.57 円
PER(実績)
11.38 倍
前期
883.8万 円
前期比
90.0%
平均年齢(勤続年数)
42.9歳(15.3年)
従業員数
88人(連結:133人)
当社グループは当社(YKT株式会社)と連結子会社4社及び非連結子会社1社で構成され、電子機器及び工作機械、測定機器等の設備機械の販売及びそれらの取引に関連する保守・サービス等を主たる業務としております。
当社グループの事業は「電子機器及び工作機械等」の販売と「光電子装置」の販売に区分され、それらの事業内容と当社及び子会社の位置付けは次のとおりであります。
なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(1)電子機器及び工作機械等
電子機器等
当社が国内メーカーより仕入れ、国内ユーザー及び海外ユーザーへ販売しております。
主要商品はパナソニックコネクト㈱製の電子機器(電子部品実装機等)であります。国内は当社が販売し、海外は主に中国及び台湾向けの販売で、微科帝(上海)国際貿易有限公司(連結子会社・中国)、微科帝貿易股份有限公司(連結子会社・台湾)を経由して販売しております。
工作機械、測定機器、産業機械等
当社が海外メーカーより仕入れ、国内ユーザー及び海外ユーザーへ販売しております。
主要商品は欧州メーカーの工作機械(工具研削盤、特殊研削盤、多軸自動盤等)、米国及び欧州メーカーの測定機器(非接触三次元測定システム、工具測定機等)、欧州メーカーの産業機械(コーティングシステム等)であります。YKT(Thailand)Co.,Ltd(連結子会社・タイ)は主にこれら商品の東南アジア地区での販売活動を行っております。
非連結子会社のYKT-Europe GmbHは当社の輸入先である欧州メーカーとの取引業務のサポートを行っております。
(2)光電子装置
サンインスツルメント株式会社(連結子会社)が国内及び海外メーカーより仕入れ、国内及び海外ユーザーに販売しております。
主要商品は光アンプ、ファイバーレーザー、レーザー加工装置等であります。
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍から経済活動の正常化が進んだことに伴い、個人消費の回復が見られましたが、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の悪化、米中対立の深まりなどの地政学リスクにより、物価の高騰や世界経済への景気後退懸念が広がり、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループの主要販売先である電機・機械・自動車等の製造業におきましては、半導体不足の緩和により生産の回復が見られました。しかし、設備投資に関しましては、電気自動車(EV)需要の増加、人工知能(AI)技術の進展などにより、長期的な設備投資計画はあるものの、中国経済の減速、物価の高騰などから世界的な景気後退懸念が続き、新規設備投資には慎重な姿勢が見られました。
こうした中、当社グループでは第12次中期経営計画「YKT Vision 100(100年に向けて)」の第2年度として、電子機器及び工作機械等の主力商品の販売力・収益力の強化に取り組み、実践してまいりました。
しかしながら、中国経済の減速が電子機器の輸出販売や工作機械の国内販売に影響を及ぼし、受注の調整局面が続きました。
その結果、電子機器の輸出販売が大きく減少するとともに、工作機械の国内販売も減速傾向にあり、連結売上高は、128億8千2百万円(前期比41.7%減)となりました。損益面でも売上高の減少により売上総利益が減少したため、営業利益3億8千6百万円(前期比61.6%減)、経常利益4億5千5百万円(前期比63.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億4百万円(前期比64.4%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(電子機器及び工作機械等)
電子部品実装機を中心とした電子機器の販売は、中国市場で生産力の増強に動いていた設備投資需要が景気の減速とともに急減速する形となり、輸出販売が減少しました。また、工具研削盤を中心とした工作機械の輸入販売も、中国経済減速の影響を受けるとともに、円安による販売価格の高騰により需要の減速が見られ、国内販売が減少いたしました。その結果、当セグメントの売上高は117億1千万円(前期比44.7%減)、営業利益1億9千2百万円(前期比78.6%減)となりました。
(光電子装置)
光電子装置の販売は光通信部品及び研究用、産業向けレーザー装置等の販売が堅調に推移し、当セグメントの売上高は11億7千7百万円(前期比30.7%増)、営業利益1億9千1百万円(前期比79.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態は、商品残高が減少したことなどにより総資産は124億3千6百万円(前期比9.0%減)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ11億5千4百万円減少し、81億7千6百万円となりました。これは消費税の還付、売掛金の回収などにより現金及び預金が15億4千3百万円増加しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が9億2千1百万円減少したこと、商品残高が10億5千5百万円減少したこと及び未収消費税等が7億3千4百万円減少したことなどによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ7千2百万円減少し、42億5千9百万円となりました。これは減価償却により建物及び構築物が3千万円減少したことと、繰延税金資産が4千1百万円減少したことなどによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ10億8千万円減少し、20億7千3百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が5億8百万円減少したことと、1年内返済予定の長期借入金が1億6千3百万円減少したこと及び未払法人税等が1億6千6百万円減少したことなどによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ4億4千9百万円減少し22億6千5百万円となりました。これは長期借入金が4億4千9百万円減少したことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ3億2百万円増加し、80億9千6百万円となりました。これは剰余金の配当が9千2百万円ありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が3億4百万円となり利益剰余金が2億1千1百万円増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億4千3百万円増加し、当連結会計年度末は47億7千1百万円(前期比47.8%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は22億2千6百万円となりました。これは主として、仕入債務の減少額が5億2千8百万円、法人税の支払額が3億7千7百万円となりましたが、税金等調整前当期純利益が4億5千5百万円、売上債権及び契約資産の減少額が10億9千4百万円、棚卸資産の減少額が10億7千3百万円、未収消費税の減少額が7億3千4百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2千9百万円となりました。これは主として、有形固定資産取得による支出3千4百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億1千6百万円となりました。これは主として、長期借入れによる収入6億円がありましたが、長期借入金の返済による支出が12億1千3百万円となったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比 (%) |
受注残高(千円) |
前期比 (%) |
電子機器及び工作機械等 |
9,726,729 |
49.0 |
2,781,823 |
58.4 |
光電子装置 |
1,143,548 |
102.9 |
516,571 |
94.8 |
合計 |
10,870,277 |
51.8 |
3,298,394 |
62.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.受注高及び受注残高は販売金額によっております。なお、受注高には条件変更、為替変動等に伴う金額調整分を含めております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
前期比(%) |
電子機器及び工作機械等(千円) |
11,710,943 |
55.3 |
光電子装置(千円) |
1,171,999 |
131.7 |
合計(千円) |
12,882,942 |
58.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
WINLONG INTERNATIONAL LIMITED |
3,354,831 |
15.2 |
3,756,006 |
29.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(電子機器及び工作機械等)
当セグメントの売上高は117億1千万円(前期比44.7%減)となりました。国内では新型コロナウイルス感染症が5月に第5類に分類され、以降行動制限のない生活様式となり経済活動が正常化に向かいました。それにより、製造業の設備投資も回復基調に推移しておりましたが、国際紛争などにより物価の高騰が見られ、さらに中国では不動産不況に起因した景気減速の不安要素から個人の購買意欲も減退してまいりました。これらの影響により、当社グループの主要商品である工具研削盤等の工作機械の輸入販売は、工具メーカーで生産量の低下が見られ、設備投資の調整局面が見られました。また、急激な円安により仕入コストの上昇、販売価格への影響があり厳しい受注環境となりました。電子部品実装機等の電子機器の販売は、国内では需要が続いていたものの、中国向け輸出が前期までの生産設備拡大の状況から一転して、設備投資需要が落ち着き、低調に推移いたしました。その結果、輸出販売が大きく落ち込むことになりました。
(光電子装置)
当セグメントの売上高は11億7千7百万円(前期比30.7%増)となりました。通信機器の高速化により光通信部品が増加するとともにレーザー需要も高まり、高精度な加工を目的とする産業用レーザー装置や研究用レーザーの販売が増加しました。
これらの要因により、当連結会計年度の売上高は128億8千2百万円(前期比41.7%減)、売上総利益が24億9千8百万円(前期比25.6%減)にとどまり、「第12次中期経営計画(2022年度から3年間)」の第2年度年度計画(連結売上高135億円、売上総利益29億円)に及びませんでした。
費用面では経済活動の正常化により、販売活動も活発化し、旅費交通費等の営業活動費用が増加しましたが、人件費の減少などにより、販売費及び一般管理費の総額は21億1千2百万円(前期比10.1%減)となりました。その結果、営業利益3億8千6百万円(前期比61.6%減)となりました。
営業外収益では電子機器取引に関する仕入割引金額の計上や不動産賃貸収入等がありましたが、為替差損、建物修繕に関する不動産賃貸費用等により、経常利益4億5千5百万円(前期比63.2%減)となりました。
また、当連結会計年度においては特別利益及び特別損失の計上はなく、親会社株主に帰属する当期純利益は3億4百万円(前期比64.4%減)となりました。
当連結会計年度は「第12次中期経営計画(2022年度から3年間)」の第2年度にあたりますが、中国経済の減速が、電子機器及び工作機械等の設備投資需要に影響したため、業績が計画数値に達しておりません。足元では急速な中国経済の回復は予測できませんが、国内販売にも重点を置き、最終年度の計画目標の達成に努めてまいります。その計画の概要につきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております。
財政状態の分析
財政状態の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入ならびに販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要の主なものは設備投資等によるものであります。
当社グループでは事業活動上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としており、当連結会計年度における金融機関からの資金調達は長期借入金で6億円実施いたしました。設備投資資金に関しましても自己資金及び金融機関からの借入金を基本としており、2020年度に完成した本社ビルに関しては、取引銀行2行とのコミットメント期間付タームローン契約により資金調達を行っており、当連結会計年度末残高は8億2千5百万円となっております。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。