E02952 Japan GAAP
前期
467.3億 円
前期比
126.2%
株価
1,012 (04/18)
発行済株式数
8,000,000
EPS(実績)
99.02 円
PER(実績)
10.22 倍
前期
629.3万 円
前期比
96.5%
平均年齢(勤続年数)
42.3歳(12.8年)
従業員数
220人(連結:461人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社6社及び関連会社1社により構成されております。主な事業としてコーヒー及び食品の販売を行っており、その事業別の主要品目等は次のとおりであります。
当社及び関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。
事業の系統図は次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き新型コロナウイルスの影響が続くなか、WITHコロナのもとで各種政策の効果もあって徐々に経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。その一方、ウクライナ問題等に起因する世界的な資源価格高騰、さらには急激な円安の影響も相まって物価上昇圧力が高まるなか、今後の金融政策についてさまざまな思惑が広がり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
海外に関しては、米国は利上げによる景気下振れリスクはあるものの、安定した雇用環境のもと個人消費は底堅く推移し、景気は緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方欧州は、高インフレ及び利上げの影響により、景気はこのところ足踏みが続いております。中国は、ロックダウンの影響等から経済活動に停滞が見られましたが、ゼロコロナ政策の解除を機に回復基調を示しております。
当社グループの主力マーケットである食品業界におきましては、外食産業では行動制限の解除により売上高は回復傾向にあるものの、エネルギー価格や原材料の高騰等により厳しい経営環境が続いております。
当社グループの業績に影響を与える為替相場におきましては、期初1ドルあたり122円台で始まり、日米の金融政策の違いに関する思惑からドル高円安基調が強まり、一時151円台まで円安が進みました。その後米国の利上げペース減速の思惑等に加えて、日銀による政策修正観測の高まりを受けて一時127円台までドルが下落した後、再び130円台に戻りその半ばで推移し、期末では133円台となりました。
コーヒー業界におきましては、コーヒー相場は期初1ポンドあたり228.40セントからスタートし、最大生産国であるブラジルの収穫量予測等を背景に乱高下を繰り返し、8月に最大240セント付近まで上昇しましたが、その後徐々に下落し、一時143セント台まで下落した後3月末では170.50セントとなりました。
このような状況のなか、当社グループは、当連結会計年度より新たな中期経営計画「SHINE2024」をスタートさせました。これは、「少しでも多くの、少しでも大きな食の幸せを創る」を目標にGHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題解決のビジネス化に積極的に取り組むものです。当連結会計年度は、その初年度として新中期経営計画実践に向け意欲的に取り組もうとしましたが、期初からの上記した著しいドル高円安が進み、当社グループは取扱商品の多くを輸入しているため、2021年から顕著となっていたコーヒー相場の上昇分と合わせ、お客様に販売価格への転嫁の協力をお願いしていくことになりました。それにより売上高は増加いたしましたが、転嫁は仕入価格上昇を十分にカバーしきれず利益率は低下を余儀なくされました。しかし、販売費及び一般管理費は適切なコントロールにより抑制に努め、売上高に対する比率は低下いたしました。
そうしたことにより当連結会計年度においては、売上高は58,972百万円(前年同期比26.2%増加)、売上総利益は7,623百万円(前年同期比14.9%増加)、営業利益は1,317百万円(前年同期比89.4%増加)、経常利益は1,295百万円(前年同期比63.2%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は792百万円(前年同期比48.7%増加)となりました。
各事業別の状況は次のとおりであります。なお、ここ数年の海外子会社の事業拡大に伴い、当連結会計年度より国内外の販売市場に主眼を置く管理区分に変更いたしました。そのため当連結会計年度の比較・分析は変更後の区分に基づいております。
コーヒー・飲料事業
コーヒー生豆は、コーヒー相場の高騰及び円安により販売価格が上昇し、売上高が大幅に増加いたしました。
また、自家焙煎店、量販店などの家庭用ルートや、一部の輸出が好調で販売量が増加し、新型コロナウイルスが落ち着いてきたことで業務用卸への販売も回復傾向にあることも売上高の増加を支えました。
飲料原料は、円安により販売価格が上がっていることに加え、飲料メーカー向けの販売が好調だったことにより売上高が増加いたしました。
その結果、コーヒー飲料原料の売上高は前年同期比39.7%増加いたしました。
工業用製品の販売はコーヒー相場の高騰及び円安に伴う販売価格上昇により増加し、またWITHコロナが浸透したことにより外食需要が回復し、業務用は増加する一方、コーヒーバッグに関しては、値上げの影響により一部の量販店向けの販売が苦戦を強いられる結果となりました。
その結果、コーヒー飲料製品の売上高は前年同期比26.2%増加いたしました。
これらの理由により、コーヒー・飲料事業の売上高は22,932百万円と前年同期比31.0%の増加となり、売上総利益は3,236百万円と前年同期比13.1%の増加となりました。
食品事業
ドライ商品は、量販店向けの野菜缶詰、メーカー原料・給食業態向けへのフルーツ缶詰等の販売が増加し、各商品群の価格改定も進み、売上高は前年同期比21.2%増加いたしました。
フローズン商品は、中国産ポテトの取り扱いが本格化し、既存の量販惣菜業態、小売業態・外食業態への販売が増加傾向で推移し、外食向け大型商品の価格改定・市場の復調もあり、売上高は前年同期比47.4%増加いたしました。
メーカー商品は、ドライ・フローズンともに、昨年落ち込んだ外食向けの販売が回復に向かい、売上高は前年同期比15.6%増加いたしました。
その結果、加工食品全体の売上高は前年同期比23.7%増加いたしました。
水産は、新型コロナウイルスの規制緩和による外食業界の復調、及び観光地宿泊施設等の需要回復の影響によりエビ商品の販売が増加したことに加え、円安による販売単価上昇により売上高が増加いたしました。
その結果、水産の売上高は前年同期比17.4%増加いたしました。
調理冷食は、顧客需要の変化に伴い工場にて使用される鶏肉原料等の売上が伸びております。その一方、量販店を中心に販売しております合鴨製品の需要鈍化の影響を受け厳しい状況にて推移いたしました。
その結果、調理冷食の売上高は前年同期比7.3%増加いたしました。
生鮮野菜は、台湾向けの国産玉葱の輸出が本格化し大幅に増加いたしました。また中国産玉葱の輸入販売におきましては、既存得意先の販売シェアが拡大したことに加え、円安による販売単価上昇により売上高が大きく増加いたしました。
農産加工品は、既存得意先の販売シェア拡大及び新規得意先開拓が進み、れんこん加工品、唐辛子、トマト加工品の販売が増加いたしました。
その結果、農産の売上高は前年同期比29.8%増加いたしました。
これらの理由により食品事業の売上高は26,989百万円と前年同期比20.7%の増加となり、売上総利益は3,189百万円と前年同期比13.4%の増加となりました。
海外事業
WITHコロナの生活様式が定着した海外市場では、料飲店での外食機会が大幅に増加しました。それに伴い、日本食を提供するレストラン向け業務用食材の需要も増加し、日本から食材の輸出が増加しました。その一方、コロナ禍で急拡大した小売店での巣ごもり需要は縮小へと転じ、小売用日本食材の輸出は減少しました。当社の主たる販売ルートは、小売店向けであるため、日本からの輸出売上高は前年に比べ減少する結果となりました。 中国の現地法人においては現地のコロナ対応の影響がありましたが、一年を通して、中国国内向けの出荷量を伸ばしました。
その結果、海外事業の売上高は9,050百万円と前年同期比31.7%の増加となり、売上総利益は1,197百万円と前年同期比24.3%の増加となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ945百万円増加し、5,100百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果使用した資金は1,290百万円(前連結会計年度に比べ使用した資金は559百万円増加)となりました。その主な内容は、棚卸資産の増加2,683百万円に対し、仕入債務の増加1,779百万円です。
投資活動の結果使用した資金は713百万円(前連結会計年度に比べ使用した資金は52百万円増加)となりました。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出793百万円です。
財務活動により得られた資金は2,944百万円(前連結会計年度に比べ得られた資金は2,145百万円増加)となりました。その主な内容は、借入金及び社債収支による収入3,210百万円です。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は単一セグメントに該当するため、事業別に生産、受注及び販売の状況を記載しております。
当社グループのうち連結子会社において飲料製品(レギュラーコーヒー・インスタントコーヒー)の生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、生産実績及び受注状況については記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高58,972百万円(前年同期比26.2%増加)、売上総利益7,623百万円(前年同期比14.9%増加)、営業利益1,317百万円(前年同期比89.4%増加)、経常利益1,295百万円(前年同期比63.2%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益792百万円(前年同期比48.7%増加)となりました。年度初めより、新型コロナウイルスの感染者数が減少し、その後、一時急激な感染再拡大は見られたものの経済活動が徐々に正常化に向かう一方、ウクライナ問題の長期化、世界的な資源価格高騰、さらには円安に伴う物価上昇圧力も相まって、依然として先行きは不透明な状況が続いておりました。また、食品業界の特に外食産業におきましては、外出機会が徐々に増え、家族客を中心に客足が回復傾向にありました。これに伴い外食産業向けの販売が回復に向かいました。当連結会計年度におきましては、期初からの円安及び2021年度から顕著となっていたコーヒー相場の上昇分を販売価格の引き上げに繋げたことに加え、グループ挙げてのこれまでの取り組みが成果にあらわれ順調に業績を伸ばし、期中には当初計画の上方修正を行い、着地としては利益面で未達ながら、概ね修正計画に沿った結果となりました。
また、当連結会計年度からは新たに中期経営計画「SHINE2024」をスタートさせ、GHG(温室効果ガス)を削減しながらの企業成長や、社会的課題解決のビジネス化に積極的に取り組んでおります。
今後は、将来の目標とする姿からのバックキャストによって描かれるルートにしたがってビジネスモデルの変革や事業ポートフォリオの改革を進め、社会的課題・環境課題に対する高度な取り組みや新たなフィールドへのチャレンジ等を行うことにより事業の持続的成長を目指してまいります。
(単位:百万円)
連結会計年度の財政状態に関しては、売上債権・仕入債務が期末近くの取引活発により概ね並行する形で増えており(売上債権は1,698百万円増加、仕入債務は1,779百万円増加)、加えて、コーヒー相場の高騰及び円安により、棚卸資産が増加(2,683百万円増加)、それに伴い借入金も大きく増加(3,266百万円増加)しております。当連結会計年度末の現預金の残高は月商の1.06ヶ月と当社グループとしては特に問題ない水準ですが(前連結会計年度末は1.09ヶ月)、引き続き財務の効率化と健全化を意識して取り組んでまいります。
事業別の経営成績の状況は次のとおりであります。
コーヒー・飲料事業 ・・・ 売上高: 22,932百万円 (前年同期比31.0%増加)
売上総利益: 3,236百万円 (前年同期比13.1%増加)
食品事業 ・・・ 売上高: 26,989百万円 (前年同期比20.7%増加)
売上総利益: 3,189百万円 (前年同期比13.4%増加)
海外事業 ・・・ 売上高: 9,050百万円 (前年同期比31.7%増加)
売上総利益: 1,197百万円 (前年同期比24.3%増加)
各事業で増収増益となっておりますが、コーヒー・飲料事業は、コーヒー相場の高騰及び円安により販売価格が上昇、また自家焙煎店、量販店などの家庭用ルートへの販売が好調だったこと、加えて一部の輸出において販売拡大、業務用卸への販売回復が前年同期比増加の主な要因であります。食品事業は、主に昨年落ち込んだ外食向けの販売が回復したことによるものであります。海外事業は、輸出先国でのWITHコロナの生活様式が定着し、それに伴い、日本食を提供するレストラン向け業務用食材の輸出が増加し、加えて中国現地法人の業績好調が後押ししたものであります。
今後はGHG(温室効果ガス)削減を図りながら、さらなる事業の持続的成長を目指してまいります。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、現金及び現金同等物において期末残高は、前連結会計年度末に比べ945百万円増加し、5,100百万円となりました。また営業活動によるキャッシュ・フローは営業活動の結果使用した資金は1,290百万円となり、これは、主に棚卸資産の増加(2,683百万円)に対し、仕入債務の増加(1,779百万円)が大きく影響しております。当社が特に重視している運転資本関連項目の回転期間の推移は以下のとおりです。業態を勘案すれば特に問題ない水準と考えており、引き続きキャッシュ・コンバージョン・サイクルを注視しながら適切な運営を行ってまいります。
当社グループは適切な自己資本比率を維持しつつ、外部からの資金調達の制約を考慮しながら、円滑、安定的な資金繰り運営と手許流動性の維持を行っております。2002年の株式店頭登録以降、資本(エクイティ)による資金調達の実績はなく、調達の源泉は基本的に金融機関からの借入金に依存しております。その最近の推移は以下のとおりであります。当社グループは、前項の適切なキャッシュ・コンバージョン・サイクル、金融機関との密接な取引関係、不測の事態へのクッションとしての相応の自己資本の3つを資金流動性維持の根幹に据え、運営を行っております。自己資本比率に関して、当社グループはこれまで30%以上を目安とし、ここ数年その水準を維持しておりましたが、当連結会計年度において、当社グループは取扱商品の多くを輸入しているため、期初からの著しい円安の影響により、運転資金の増加を余儀なくされました。その結果、金融機関からの借入金が大きく増加し、自己資本比率は30%を下回っております。今後改めて適切な自己資本比率を見定めつつ、安定・効率的な資金調達と資本コストを意識した事業運営により、健全な財政状態が維持されるよう努めてまいります。
(単位:百万円)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。ただし見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。それに関連する主な項目は以下のとおりであります。
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒が懸念される特定の債権については個別に回収可能性を検討し、債権の回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を検討し計上しております。
当社グループは、投資案件に関し、金額・内容の妥当性や損益・資金収支の見通し等を慎重に検討の上、金額に応じ取締役会等で決定し、適切に進めております。
当社グループは、保有株式に関し定期的に資本コストに見合っているか等を精査し、保有の適否を見直すこととしております。
当社グループは、従業員に対する賞与支給に充てるため、業績を鑑み、支給見込額を見積り計上しております。
当社グループは、棚卸資産を主として移動平均法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切り下げの方法)で評価しておりますが、収益性の低下による簿価の切り下げは、一定の仮定及び販売可能性の判断に基づいております。