E00530 Japan GAAP
前期
356.7億 円
前期比
106.2%
株価
1,044 (04/25)
発行済株式数
11,810,829
EPS(実績)
132.76 円
PER(実績)
7.86 倍
前期
489.4万 円
前期比
99.9%
平均年齢(勤続年数)
45.7歳(17.6年)
従業員数
532人(連結:2,195人)
当社グループは、当社、子会社24社で構成され、繊維製品の製造販売、工業用品の製造販売、不動産の賃貸等を主な事業内容としております。
当社グループの事業に係る主な位置付けは次のとおりであり、当社グループが営んでいる事業内容と、報告セグメントにおける事業区分は同一であります。
事業の系統図の概略は次のとおりであります。
当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、一時的に新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、行動制限の解除や入国規制の緩和が進み、経済活動は緩やかな回復基調となりました。しかし、中国のゼロコロナ政策によるサプライチェーンの混乱、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化による資源価格高騰や、物価上昇を受けた世界的な金融引き締めによる急激な為替変動により、先行き不透明な状況が続いております。
こうした事業環境のもと、当社グループは、中期経営計画「ACTION22-24」において3つの基本方針 「経営基盤の強化」、「次の革新的成長に向けた取組」、「サステナビリティ経営への取組」を掲げ、取組みを進めております。1年目となる本年度は、「経営基盤の強化」としては、新たな市場展開に向けた設備投資として、リネンサプライ事業において工場増設を進めております。加えて、資本効率を重視した既存事業の稼ぐ力の向上と事業ポートフォリオの見直しとして、当社の連結子会社であった㈱マーメイドスポーツの株式譲渡を実施いたしました。「サステナビリティ経営への取組」につきましては、カーボンニュートラル社会実現に寄与する設備投資として、長野事業所にCO2排出量の削減を目的とした自家消費型太陽光発電設備を設置いたしました。また、従業員エンゲージメントの向上にむけた、やりがいや働きがいのある職場・制度づくりの実現のため、当社グループの全従業員を対象にエンゲージメントサーベイを実施いたしました。
セグメント別の概況については、繊維セグメントでは、売上高は前年比増収となりましたが、原燃料価格の高騰と急激な円安の影響により利益が圧迫され、営業損失は拡大する結果となりました。産業材セグメントでは、ドライヤーカンバス事業は低調に推移いたしましたが、フィルタークロス事業は堅調な需要により、増収となりました。化成品事業は増収となりましたが、原燃料価格の高騰が利益を圧迫いたしました。複合材料事業の航空機用途は、順調に推移いたしました。不動産・サービスセグメントでは、リネンサプライ事業は、コロナ禍からの回復に伴うホテルの稼働率上昇により、好調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は378億93百万円(前連結会計年度比6.2%増)、営業利益は12億17百万円(同10.2%減)、経常利益は11億25百万円(同8.4%増)となりました。また、特別損益として、2021年9月8日に当社の海外連結子会社である㈱マーメイドテキスタイルインダストリーインドネシアにおいて発生した火災による損害に対する保険金及び投資有価証券の売却益を特別利益に計上し、連結子会社であった㈱マーメイドスポーツの株式譲渡損失を特別損失に計上いたしました。さらに、前記の内容等による当連結会計年度の税金費用の減少及び繰延税金資産を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は15億68百万円(前連結会計年度は49百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりです。
繊維セグメントにおいては、急激な円安と原燃料価格の高騰による製造原価の押し上げに価格転嫁が追い付かず、非常に苦戦いたしました。
原糸販売事業は、堅調に推移しておりましたが、第3四半期以降、ベトナム等アセアン地域における市場価格が下落したことに加えて、綿糸の市況低調が継続し、非常に苦戦いたしました。
輸出衣料事業は、中東民族衣装用生地販売は好調に推移いたしました。
ユニフォーム事業は、増収となりましたが、急激な円安とエネルギー価格等の高騰が影響し、価格転嫁が追い付かず、利益を圧迫いたしました。
ニット製品事業は、増収となりましたが、原材料費の高騰、円安による輸入コスト上昇等が利益を圧迫いたしました。
生活資材事業は、リビング分野においては、中国の都市封鎖による影響に加え、店頭の余剰在庫により市況が振るわず、減収となりました。リネンサプライ分野は、価格改定が進んだ一方、主要顧客のコストアップによる購買抑制が影響し、減収となりました。
メディカル分野では、悪臭を良い香りに変える臭気対策剤「デオマジック®」の売上高は好調に推移いたしました。加えて量販店向け「フルテクト®マスク」は堅調に推移し、増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は199億35百万円(前連結会計年度比7.0%増)、営業損失は6億9百万円(前連結会計年度は4億80百万円の営業損失)となりました。
(産業材セグメント)
産業資材部門では、ドライヤーカンバス事業は、主要顧客である国内製紙会社の洋紙生産減少により、カンバス需要は低調に推移、エネルギー及び原材料価格の高騰等が利益を圧迫いたしました。フィルタークロス事業は、底堅い官公需の受注に加えて、国内製造業各社の設備投資の状況が改善したことにより、増収となりました。空気清浄機器分野では、工作機械メーカー向け大口機器の単発受注により、増収となりました。
機能材料部門では、化成品事業は中国向けの化学品需要が景気減速の影響を受け、減収となりました。一方、食品用途の増粘多糖類等は堅調に推移したため、化成品事業全体では増収となりましたが、エネルギー及び原材料価格の高騰によるコスト上昇が、利益を圧迫いたしました。複合材料事業は、電力分野の複合材料部材が低調に推移いたしましたが、航空機用途向け部品の需要は回復基調にあり、全体では増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は126億28百万円(前連結会計年度比5.1%増)、営業利益は5億20百万円(同23.4%減)となりました。
不動産賃貸事業は、順調に推移いたしました。物流事業は入出荷量が伸びず、若干苦戦したものの、新規顧客獲得により、堅調に推移いたしました。リネンサプライ事業は、コロナ禍からの本格的な回復により、ホテルの稼働率が上昇、大幅な増収となり、利益に大きく貢献いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は59億41百万円(前連結会計年度比5.6%増)、営業利益は20億4百万円(同9.7%増)となりました。
流動資産の当連結会計年度末の合計は247億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億98百万円の増加となりました。これは主に、売上債権や棚卸資産の増加によるものであります。
固定資産の当連結会計年度末の合計は573億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億51百万円の減少となりました。これは主に、繰延税金資産が増加したものの、連結子会社の株式譲渡等による有形固定資産の減少によるものであります。
その結果、当連結会計年度末の総資産は、820億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億47百万円の増加となりました。
流動負債の当連結会計年度末の合計は171億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億31百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等、未払消費税等が減少したものの、短期借入金、仕入債務の増加によるものであります。
固定負債の当連結会計年度末の合計は315億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億32百万円の減少となりました。これは主に、社債、長期借入金の減少によるものであります。
その結果、当連結会計年度末の負債は、486億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億1百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産は、333億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億48百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。
その結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.6ポイント増加し、40.6%となりました。
当連結会計年度において営業活動による資金は、11億12百万円の増加(前連結会計年度は29億88百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益8億91百万円、減価償却費18億20百万円、棚卸資産の増加11億88百万円による減少であります。
当連結会計年度において投資活動による資金は、6億82百万円の減少(前連結会計年度は6億54百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得11億71百万円による減少、投資有価証券の売却4億79百万円による増加であります。
当連結会計年度において財務活動による資金は、5億79百万円の減少(前連結会計年度は37億91百万円の減少)となりました。主な要因は、外部借入調達及び社債発行55億67百万円による増加、外部借入返済及び社債償還54億59百万円による減少、配当金の支払い4億63百万円による減少であります。
その結果、資金は85百万円の減少(前連結会計年度は13億64百万円の減少)となり、期末残高は49億22百万円(前連結会計年度は50億8百万円)となりました。
当社グループのキャッシュ・フロー指標トレンドの推移は以下のとおりであります。
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
キャッシュ・フローは、営業キャッシュフローを利用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
(4) 生産、受注及び販売
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は外注加工(材料費部分を含む)を含んでおります。
2 金額は製造原価により算出しております。
該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額は、セグメント間取引の相殺消去後の金額であります。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(売上高、営業利益)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ22億22百万円増加の378億93百万円、また、営業利益は前連結会計年度に比べ1億38百万円減少の12億17百万円となりました。
なお、セグメント別の詳細につきましては、「(1)経営成績」に記載のとおりであります。
(単位:百万円)
当社グループは、2023年3月期の業績予想を売上高370億円、営業利益17億円と予想して活動してまいりましたが、コロナ禍の継続により、海外をはじめとする新規商流を開拓できなかったことやエネルギー及び原材料価格高騰等の外部要因の影響により、営業利益については苦戦いたしました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、為替差益が70百万円増加したこと等により、前連結会計年度に比べ23百万円増加の2億56百万円となりました。また、営業外費用は、新型コロナウイルス感染症による損失が72百万円減少したこと等により、前連結会計年度に比べ2億2百万円減少の3億49百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ86百万円増加の11億25百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、2021年9月8日に当社の海外連結子会社である㈱マーメイドテキスタイルインダストリーインドネシアにおいて発生した火災に伴う損失額についての受取保険金を7億99百万円計上したこと等により12億68百万円となりました。特別損失は、連結子会社であった㈱マーメイドスポーツの株式譲渡損失を11億93百万円計上したこと等により15億2百万円となりました。
また、法人税等合計は、前記の内容等による当連結会計年度の税金費用の減少及び繰延税金資産を計上した結果、前連結会計年度に比べ9億52百万円減少の△6億91百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ28百万円増加の14百万円となりました。
以上のとおり、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ15億19百万円増加の15億68百万円となりました。
財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(2)財政状態」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]3[事業等のリスク]に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、財務の健全性や資本効率の向上を追求しながら、株主への適性な利益還元を実施するとともに、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入金での調達によるものであり、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入金及び私募債での調達によるものであります。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務の有利子負債の残高は249億38百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は49億22百万円となっております。