E24248 Japan GAAP
前期
102.1億 円
前期比
93.5%
株価
630 (06/05)
発行済株式数
6,085,401
EPS(実績)
43.73 円
PER(実績)
14.41 倍
前期
505.9万 円
前期比
104.8%
平均年齢(勤続年数)
45.2歳(13.1年)
従業員数
117人(連結:176人)
当社グループは主に、当社、連結子会社(丸幸株式会社、日里貿易(上海)有限公司、日里服装輔料(大連)有限公司、大連保税区日里貿易有限公司)で構成されており、(1)防護服・環境資機材事業、(2)機能性建材事業、(3)アパレル資材事業を主な事業としております。連結子会社丸幸株式会社はアパレル資材事業に区分し、連結子会社日里貿易(上海)有限公司、日里服装輔料(大連)有限公司、大連保税区日里貿易有限公司はその他に区分しております。
当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであり、セグメントと同一の区分であります。
当事業においては、デュポン™タイベック®防護服、アスベスト(石綿)処理用資機材を中心に販売を行なっています。当社は40年以上前から日本における防護服製造・販売のパイオニアとして安全衛生の啓発活動を行っており、作業者の安全・健康を守る為、防護服の着用を推奨し、事業基盤を拡大してまいりました。
従来、有害な粉塵、液体、気体等にばく露(化学物質や物理的刺激などに生身体がさらされること)する可能性がある労働環境において作業者は作業着、雨衣等を使用してきましたが、防護性能が十分ではないために作業者の健康を害する危険性がありました。このため、欧米を中心に危険因子に対応した防護服の需要が高まってきました。
当社では、米国、欧州を始めアジア諸国でも使用されている米国デュポン社製のタイベック®防護服と同社製のタイケム®化学防護服を総輸入販売元である旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社の戦略的パートナーとしてマーケティング活動を行い日本国内で販売する他、作業者の環境に合わせてタイベック®、タイケム®生地(原反)を用いた当社オリジナルの防護服及びその他不織布素材製の防護服を製造販売しております。これらの製品は使い切り製品(リミテッドユース)という性格であり、一度納入すると継続的な販売が期待できるのが特徴となっております。
専門知識を有する当社社員が作業者の環境を確認した上で作業環境に応じた適切な防護服・保護具を提案し、納入に際しては、着脱方法により自己又は他者に対する二次的ばく露の可能性があるため顧客向けの着脱トレーニングを行っております。また、製品は当社物流センターから主に全国代理店を通じて顧客に販売しております。
2016年4月からアゼアスデザインセンター秋田(秋田県大仙市)が稼働し、マザー工場としての国内縫製拠点の確保と防護服関連製品の研究開発、企画、試作品製造等の機能強化を進めております。2022年2月に同工場を増築し、防護服と衛生マスクの生産設備を増設して2022年5月から稼働しています。
防護服の主要な用途、顧客は次のとおりであります。
タイベック®防護服、ゴーグル、マスク、手袋、シューズカバーをパッケージにした感染症対策キットを中心に様々な保護具を中央省庁、地方公共団体、病院、企業、検疫所、家畜保健所、研究所、ワクチン製造会社等へ販売しております。
原子力発電所において放射性粉塵や有害化学物質から作業者を守るために各種防護服を電力会社に販売しております。
アスベスト除去、封じ込め、囲い込み作業においてアスベストのばく露から作業者を守るための防護服、保護メガネ、呼吸用保護具、手袋及び除去作業に用いる集じん・排気装置、HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter = 高性能微粒子フィルター)付真空掃除機(アスベスト除去作業等で、吸い込んだ粉塵等を飛散させない産業用の掃除機)、エアシャワー(アスベスト除去作業等で、防護服や人体に付着した粉塵を取り払う機器)、養生シート等の資機材を施工業者に販売しております。
ごみ焼却場のメンテナンス及び解体作業でダイオキシンのばく露から作業者を守るための防護服、保護メガネ、呼吸用保護具、手袋及び作業に用いる集じん・排気装置、HEPAフィルター付真空掃除機等の資機材を施工業者に販売しております。
サリン、VXガス、マスタードガス等の化学兵器や生物剤を使用したテロ活動対策として米国EPA基準レベルA(米国環境保護局が定める呼吸器、皮膚、目粘膜に対する最高レベルの防護)対応のタイケム®10000防護服を消防等に販売しております。
有害物質による皮膚障害や経皮吸収による健康障害から作業者を守るため、タイケム®防護服、長靴及び手袋を化学工場に販売しております。
汚れ作業対策として鉄鋼関連、自動車関連企業を中心に様々な業種に向けて、タイベック®防護服を中心に用途に応じた防護服を販売しております。
製薬会社や再生医療分野では、研究室内をクリーンな環境に保つための特殊な設備を備えたクリーンルームが使用されています。作業者や衣類から生じる発塵によって、研究対象となる微生物や医薬品原料などが汚染されることを防ぐために、特別なプロセスでクリーン処理されたタイベック®アイソクリーン®シリーズを国内の大学、研究所に販売しています。
電気アークによるエネルギーの放出に伴って生じる危険な状態から作業者を守るための防護服、手袋、フード等を電気回路を取り扱う事業者に販売しております。
さまざまな車両が行き交う一般道路や高速道路の他、空港や鉄道、港湾、倉庫等で作業する人々の人対車両事故対策として、高い視認性を持った蛍光生地、再帰性反射材を使用した防護服等を販売しております。
(注) デュポン™、タイベック®、タイケム®、アイソクリーン®は、米国デュポン社の関連会社の商標もしくは登録商標です。
当事業においては、畳の主要材料である畳表、インシュレーションファイバーボード、ポリスチレンフォーム(いずれも畳床用資材。従来の藁(ワラ)に比べてダニ・カビの発生が少なく断熱性が高い素材)、副資材である畳縁、畳糸等、畳に関連する資材全般を取り扱っております。また、デザイン性・機能性に優れ、畳・壁・床の表面材として使用できるReFace®(ポリ塩化ビニル織物シート)の販売を行っております。
当事業においては、裏地、芯地、袋地(ポケット地)、腰裏ベルト、型カット品、表生地、その他繊維副資材の製造、販売を行っています。国内に東西4箇所の営業拠点を持ち、大阪事業所(大阪府大阪市)はユニフォーム関連、岡山事業所(岡山県浅口郡)はユニフォーム、学生服、カジュアル関連、丸幸株式会社(群馬県太田市、東京都台東区)はユニフォーム、スポーツ、カジュアル関連の副資材を主に取り扱っております。それぞれの拠点の取扱商材の特性に対応して専門性を活かした体制としております。岡山事業所においては、原反の型カット等の加工を施すことで付加価値を高め取引先のニーズに対応しております。
海外の拠点として中国の上海、大連に下記3社を擁し、日系企業向けを中心に日中連携の上、取引先のニーズに対応して繊維副資材の製造、販売をしております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のまん延に左右される形で一進一退の状況が続きました。本年に入ってからは感染力の強い変異株が流行し、個人のサービス消費回復に影響を及ぼしましたが、まん延防止等重点措置が解除され、経済活動の正常化に向けた動きが、ようやく加速しつつあります。一方で、ロシア・ウクライナ情勢や、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う中国のロックダウンの影響などの要因を背景に、原材料コストの上昇、為替相場における円安の進行、サプライチェーン停滞など、企業収益に深刻な影響を及ぼす事象が発生しており、経済環境の先行きは、依然として不透明な状況が続くことが予想されます。
このような環境下、主力事業であります防護服・環境資機材事業が比較的堅調に推移して業績を牽引し、売上高は9,545,291千円(前年同期比6.5%減)、営業利益は387,572千円(前年同期比51.2%減)、経常利益は414,080千円(前年同期比52.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は266,138千円(前年同期比57.2%減)となりましたが、感染用対策資材の需要が急拡大した前年対比では、減収減益となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は7,792千円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ506千円増加しております。また、当社単体では、売上高は7,503,726千円(前年同期比11.0%減)、営業利益は360,416千円(前年同期比51.8%減)、経常利益は469,183千円(前年同期比40.2%減)、当期純利益は326,170千円(前年同期比39.4%減)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は7,804千円減少し、営業利益と経常利益はそれぞれ495千円増加しております。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
防護服・環境資機材事業におきましては、中期経営計画の重点施策の一つとして、化学物質対策、橋梁の老朽化工事対策、アスベストのばく露防止対策など、防護具(ハード)と安全・防護のノウハウ(ソフト)を組み合わせたソリューションビジネスを推進しながら、インフラ、環境分野や一般産業での継続的な需要と、家畜感染症を含めた感染症対策の緊急的な需要に対して、安定的な供給に努めてまいりました。比較的堅調ではあったものの、前年同期の水準は下回り、売上高は5,379,248千円(前年同期比13.2%減)、セグメント利益(営業利益)は648,472千円(前年同期比39.9%減)となり、減収減益となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は7,273千円減少し、セグメント利益(営業利益)は432千円増加しております。今後は、サプライチェーン網の再構築を目的に設備を増設した「アゼアスデザインセンター秋田」では、技術力の向上と自動化の促進を図りながら、新たに開設した「アゼアス防護服Labo」では、知的資源を活用した研究開発に注力することで、機能性の高い商品の提供を目指していきます。
機能性建材事業におきましては、需要縮小の影響を避けられず、畳関連資材については全般的に販売が減少しましたが、畳よりも多用途な新製品の販売促進により利益率の改善に努め、売上高は946,385千円(前年同期比2.0%減)、セグメント利益(営業利益)は27,491千円(前年同期比22.9%増)となり、減収増益となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による売上高及びセグメント利益(営業利益)への影響は軽微であります。引き続き、新製品を中心に、独自性があり、機能性の高い製品の販売と、新たなマーケットの開拓に注力し、事業構造の転換を図ることで収益力の改善を進めてまいります。
アパレル資材事業におきましては、食品製造用途や医療用途などワーキング分野を中心に、一部の副資材販売では堅調な推移となり、売上高は2,377,102千円(前年同期比9.0%増)、セグメント利益(営業利益)は119,330千円(前年同期比80.5%増)となり、増収増益となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による売上高及びセグメント利益(営業利益)への影響は軽微であります。需要構造の変化が進んでいることから、安全、快適を実現する新たな衣料分野の製品販売の取り組みを進め、機能性建材事業同様、ビジネスモデルの変革に注力してまいります。
報告セグメントではありませんが、中国子会社について「その他」の区分で管理しております。売上高は842,554千円(前年同期比2.7%減)、セグメント損失(営業利益)は30,900千円(前年同期はセグメント利益25,025千円)となりました。中国市場では、引き続き資材高騰の影響を大きく受けております。
なお、報告セグメントに配分していない一般管理費等の全社費用は377,139千円であります。
生産、仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 金額は、製造原価によっております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
受注から売上計上までの期間が短いため、記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) セグメント間取引については相殺消去しております。
流動資産は前連結会計年度末に比べて7.8%減少し6,237,779千円となりました。これは、主として現金及び預金が501,920千円減少したためであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べて28.4%増加し2,414,195千円となりました。これは、主としてアゼアスデザインセンター秋田の衛生マスク等生産設備拡張などにより有形固定資産が548,815千円増加したためであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて7,085千円増加し8,651,975千円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により流動資産の商品及び製品が874千円増加しております。
当連結会計年度はアゼアスデザインセンター秋田を増設する設備投資を行いました。これにより技術力向上と自動化の促進を図り、防護服や一般消費者向けマスク等の製造開発体制を強化いたします。
流動負債は前連結会計年度末に比べて18.6%減少し1,836,001千円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金等の仕入債務が377,183千円減少、未払法人税等が90,265千円減少し、1年内返済予定の長期借入金が80,787千円増加したためであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べて117.1%増加し542,932千円となりました。これは、主として長期借入金が275,561千円増加したためであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて127,934千円減少し2,378,934千円となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により流動負債のその他が3,953千円増加しております。
当連結会計年度は、アゼアスデザインセンター秋田の設備投資資金に充当するため、銀行借入で450,000千円を調達いたしました。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末に比べて2.2%増加し6,273,041千円となりました。これは、主として利益剰余金が91,385千円増加したためであります。なお、収益認識会計基準等の適用により減少した利益剰余金の期首残高は2,485千円であります。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて343,851千円増加し3,699,620千円となりました。これは主に有形固定資産が587,416千円増加し、売掛金等の売上債権が243,980千円減少したためであります。有形固定資産の増加の主な内容は、アゼアスデザインセンター秋田の設備投資であります。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて13,912千円減少し383,280千円となりました。これは主に商品及び製品が5,723千円減少、有形固定資産が減価償却等で5,761千円減少したためであります。今後も事業に見合った資産構成となるようバランスをとりながら事業構造の転換を図ります。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて42,217千円減少し1,350,461千円となりました。これは主に現金及び預金が55,090千円減少、商品及び製品等の棚卸資産が7,385千円減少、有形固定資産が共用資産の配分減少等により37,974千円減少し、受取手形等の売上債権が66,649千円増加したためであります。今後も事業に見合った資産構成となるようバランスをとりながら事業構造の転換を図ります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて501,920千円減少し、当連結会計年度末には1,868,353千円となりました。
営業活動の結果支出した資金は51,532千円(前連結会計年度は797,764千円の獲得)となりました。支出の主な内訳は、仕入債務の減少393,333千円、法人税等の支払額218,993千円であります。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益416,759千円、減価償却費99,830千円であります。
前連結会計年度は感染用対策資材の需要が急拡大し税務上の所得も増加ししたため、当連結会計年度に支払う法人税等が増加いたしました。利益や在庫に関しては概ね計画通りに推移しましたが、これらの要因により営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなりました。
投資活動の結果支出した資金は654,871千円(前連結会計年度は800千円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出645,722千円であります。この支出の主な内容はアゼアスデザインセンター秋田の設備投資であります。
財務活動の結果獲得した資金は184,130千円(前連結会計年度は189,467千円の支出)となりました。収入の主な内訳は、長期借り入れによる収入450,000千円であります。支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出93,652千円、配当金の支払額172,217千円であります。長期借り入れによる資金調達は、アゼアスデザインセンター秋田の設備投資に伴うものであります。
資金需要及び財政政策について、当社グループは、運転資金及び投資等の資金需要に対して、自己資金を充当することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、一部資金を銀行借入等により調達しております。銀行借入等については、新規投資案件が発生した時点で、調達を検討する方針であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。