売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E25443 Japan GAAP

売上高

845.9億 円

前期

891.0億 円

前期比

94.9%

時価総額

91.0億 円

株価

635 (04/19)

発行済株式数

14,337,200

EPS(実績)

11.88 円

PER(実績)

53.47 倍

平均給与

547.0万 円

前期

570.1万 円

前期比

95.9%

平均年齢(勤続年数)

44.8歳(14.5年)

従業員数

115人(連結:117人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(黒谷株式会社)、連結子会社1社及び持分法適用関連会社1社により構成されており、非鉄金属事業と美術工芸事業を主たる業務としております。

非鉄金属事業は、銅を中心とした非鉄金属関連ビジネスとして、インゴットの製造・販売とリサイクル原料の加工・販売を2本柱として事業展開を図っております。

美術工芸事業は、美術工芸品に関する製造販売を行っております。

当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置づけは次のとおりであります。

なお、当該2事業は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

1.非鉄金属事業

当社グループの非鉄金属事業における大きな特徴は、インゴットとリサイクル原料を同時に取り扱っていることにより、雑多な非鉄金属を一括買いすることが可能であることです。通常、インゴット製造のみを行っている場合であれば、その製造に必要なリサイクル原料のみを仕入れることになりますが、当社グループの場合、幅広いリサイクル原料を取り扱うことが可能であります。

(1) インゴット

インゴットについては、国内外から集荷した銅及び銅合金のリサイクル原料を原材料として配合、溶解し、得意先各社のニーズ、用途に合わせた形状・重量の製品約50品種を生産しております。

仕入れたリサイクル原料は、製品ごとの要求規格に合致する成分割合になるよう製造し、国内外の販売先(造船メーカー、住宅設備メーカー等)に販売しておりますが、製造を行う上で、それぞれの元素の地金同士を組成する場合であれば、製造技術上大きな困難はありません。一方、合金化されたリサイクル原料を用いてこれら複数の金属元素の組成を行うことは技術的要素が必要となります。当社は、各リサイクル原料の分析ができる技術と環境を有しており、国内外の規格や取引先が指定する独自の規格に適合するインゴットを製造しております。

<中心となる品種>

①船舶のスクリュー原材料として用いられる「アルミ青銅」(販売品名:CACIn703等)

②水栓金具、止水栓、産業用バルブ等、主に住宅産業向けに販売する「青銅」(販売品名:CACIn406等)、「鉛レス青銅」(販売品名:CACIn902等)、「黄銅」(販売品名:YBsC等)

 

(2) リサイクル原料

リサイクル原料は、国内外の仕入先(リサイクル原料回収業者、メーカー等)から仕入れた約150品種の非鉄金属リサイクル原料について選別・プレス等を行い、国内外の販売先(電線メーカー、銅製錬メーカー等)に販売しているほか、自社インゴット製造のための溶解用材料として利用しております。リサイクル原料に係る処理は内製によって行っていますが、一部外注利用も行っております。

<中心となる品種>

①主に電線、銅板条・銅管、銅箔の各メーカー向けに販売するピカ線、赤ナゲット等

②主に銅製錬メーカー向けに販売する銅屑、銅滓等

③主に住宅設備や各種産業バルブ業界向けに販売する真中粉、セパ、メッキセパ等

④アルミメーカー(軽圧、板条、二次合金)やステンレスメーカー向けに販売する写真板、サッシ、ビス付サッシ、アルミ缶、ステンレス等

 

(3) その他

その他の主なものとしては、伸銅品等の商品を仕入、販売しております。

 

 

2.美術工芸事業

当社グループの美術工芸事業では、美術工芸品の製造販売を行っており、貴金属製の置物や仏像・仏具が主な販売品目となっております。当事業では高度な鋳造技術と精緻な仕上げで、付加価値の高い製品を創り出しております。

 

 

 

[事業系統図]

 

※画像省略しています。

 

 

 

 

23/11/22

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における当社グループを取り巻く外部環境は、世界的な物価上昇や金融引き締めの影響から景気減速懸念が強まる中、米国経済は雇用・所得環境が底堅く推移して成長を維持しましたが、中国経済はゼロコロナ政策解除後の回復が鈍く、不動産市場も不振が続くなど関連投資は低迷しました。また、依然としてロシアのウクライナ侵攻による供給懸念は続いており、経済全体としては先行き不透明な状態で推移しました。

このような状況から、当社グループの主力取扱製品価格に影響を及ぼす銅価格は、ロンドン金属取引所銅価格期中平均で前年度比10.4%安となったものの、為替相場は13.7%ドル高に推移したことにより、期中平均円ベース価格では1.9%高となりました。

また、販売数量はインゴットでは1.8%、リサイクル原料では8.3%減少したことにより、全体では前年度比6.6%の減少となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は845億94百万円(前連結会計年度比5.1%減)、営業利益5億32百万円(同38.2%減)、経常利益2億27百万円(同75.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億70百万円(同68.9%減)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

(非鉄金属事業)

非鉄金属事業の主力取扱製品に影響を与えるロンドン金属取引所銅期中平均円ベースCash価格が前年度比1.9%高く推移したものの、インゴット並びにリサイクル原料の販売量が前年度比6.6%減少したことから当連結会計年度の売上高は841億98百万円(前連結会計年度比5.1%減)となりました。

品目別では、インゴット売上高は278億56百万円(前連結会計年度比1.1%増)、リサイクル原料売上高は562億35百万円(同7.8%減)、その他売上高は1億6百万円(同25.6%減)となりました。

(美術工芸事業)

美術工芸事業は、コロナ禍から緩やかな回復基調は見られるものの完全回復には至らず、当連結会計年度の売上高は3億95百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は10億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億91百万円増加いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は15億98百万円(前年は20億68百万円の支出)となりました。これは主に棚卸資産の増加4億16百万円などの支出に対し、税金等調整前当期純利益2億60百万円、売上債権の減少6億23百万円、仕入債務の増加3億41百万円、前渡金の減少4億4百万円などの収入が発生したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は57百万円(前年は3億43百万円の支出)となりました。これは主に定期預金の預入による支出6億47百万円、有形固定資産の取得による支出3億49百万円などの支出に対し、定期預金の払戻による収入9億51百万円、投資有価証券の売却による収入1億41百万円などの収入が発生したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は13億84百万円(前年は16億66百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の借入9億円の収入に対し、短期借入金の純減額4億75百万円、長期借入金の返済14億39百万円、配当金の支払2億83百万円などの支出が発生したことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

品目別

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

  至 2023年8月31日)

前年同期比(%)

非鉄金属事業(千円)

インゴット

27,857,259

105.1

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.リサイクル原料については、選別、プレスといった加工作業を主としており、生産実績がないため記載を省略しております。

3.美術工芸事業については、記載を省略しております。

 

b.受注実績

非鉄金属事業は受注生産と見込生産を併用しており、両者を明確に区別することが困難であること、また、非鉄金属相場等の市況は日々変動し期末日時点における受注高及び受注残高を合理的に算定することが困難であることから、記載を省略しております。

また、美術工芸事業については、受注生産と見込生産の明確な区分が困難であることから、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

  至 2023年8月31日)

前年同期比(%)

非鉄金属事業(千円)

84,198,728

94.9

美術工芸事業(千円)

395,644

105.7

合計(千円)

84,594,373

94.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年9月1日

  至 2022年8月31日)

当連結会計年度

(自 2022年9月1日

  至 2023年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

住友金属鉱山株式会社

16,649,926

18.7

17,303,679

20.5

JX金属株式会社

9,762,636

11.5

3.前連結会計年度においてJX金属株式会社は、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は845億94百万円(前年度比5.1%減)、売上総利益20億90百万円(同18.8%減)、売上総利益率2.5%(同0.4ポイント減少)と、売上高、利益面共に前年を下回りました。また、販売費及び一般管理費は前年度比9.0%減となりましたが、営業利益5億32百万円(同38.2%減)、経常利益2億27百万円(同75.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1億70百万円(同68.9%減)となりました。

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、インゴット売上高は278億56百万円(前連結会計年度比1.1%増)、リサイクル原料売上高は562億8百万円(同7.8%減)、美術工芸事業売上高は3億95百万円(同5.7%増)、その他売上高は1億6百万円(同25.6%減)となり、売上高合計では845億94百万円(同5.1%減)となりました。

主な変動要因は、次のとおりであります。

非鉄金属事業では、インゴット売上高につきましては、給水設備関連は受注環境の悪化から販売数量は減少したものの、造船関連では受注環境の改善から販売数量は増加し、また販売価格上昇の影響により全体では前年度比1.1%の増収となりました。一方、リサイクル原料売上高につきましては、製錬会社向け故銅は横ばいにて推移したものの、上物は銅管関連などの受注環境が悪化したことから、前年度比7.8%の減収となりました。

一方、美術工芸事業では、コロナ禍から緩やかな回復基調は見られるものの完全回復には至らず、売上高は前年度比5.7%の増収となりました。

(売上総利益)

売上総利益は、非鉄金属事業では、銅相場は期初より高値圏で強含みに推移していたものの、ロシアのウクライナ侵攻による商品価格や資源・エネルギー価格の高騰等から原材料価格も上昇したことにより利鞘が圧迫し、減益となりました。一方、美術工芸事業では、利益率が改善したため増益となりましたが、非鉄金属事業の減益影響が大きく、前年度比18.7%減の20億90百万円となりました。また、売上総利益率も2.5%と前年度比0.4ポイント減少となりました。

(営業利益)

販売費及び一般管理費が15億57百万円と前年度比9.0%減となったものの、売上総利益の減少により営業利益は5億32百万円と前年度比38.2%減となりました。

(営業外収益及び費用)

営業外収益は、受取配当金10百万円、持分法による投資利益13百万円、受取補償金21百万円等により51百万円(前年度比75.7%減)となりました。

一方、営業外費用は、支払利息1億26百万円(前年度比1.9%増)、為替差損1億76百万円、デリバティブ運用損50百万円等により3億56百万円(同157.1%増)となりました。

(経常利益)

営業利益に営業外収益及び費用を加減し、2億27百万円の経常利益(前年度比75.7%減)となりました。

(法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額)

課税所得の減少により、法人税、住民税及び事業税は94百万円(前年度比62.8%減)、法人税等調整額は△5百万円(前年度は43百万円)となり、税金費用は89百万円(前年度比69.9%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1億70百万円(前年度比68.8%減)となりました。

 

目標とする経営指標について

当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、自己資本比率、自己資本利益率、有利子負債比率を重要な経営指標としております。

今期の実績は、下表の通りとなりました。

経営指標

前連結会計年度

(2022年8月31日)

当連結会計年度

(2023年8月31日)

前年同期比

自己資本比率

35.8%

36.3%

0.5%

自己資本利益率

6.1%

1.9%

4.2%

有利子負債比率

147.8%

139.4%

8.4%

 

②経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(4) 非鉄金属相場、為替相場の変動等」に記載のとおり、当社グループの取扱い品目が、日々の非鉄金属相場や為替相場の影響を強く受けるため、これら二つの市場の相場変動により大きな影響を受ける可能性があります。

 

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)及び長期借入金による調達を基本とし、不足が生じる場合には調達コストも考慮し、短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には、長期借入金による調達で賄っております。ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。

長期資金の調達に際しては、金利動向を注視し、株式の発行に関しては、資本政策に基づき、株式価値の希薄化や配当金の負担等を考慮して実施しております。

資金の流動性については、利益の確保に加え、棚卸資産管理及び売掛債権の管理を行うことにより、営業活動によるキャッシュ・フローの安定的確保に努めております。

 

④財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は218億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億33百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、棚卸資産が4億16百万円増加した一方で、売上債権が5億90百万円、前渡金が4億4百万円減少したことによるものであります。固定資産は32億11百万円となり、前連結会計年度末に比べ23百万円減少いたしました。

この結果、総資産は250億67百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億57百万円減少いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は137億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億88百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、仕入債務が3億74百万円増加した一方で、短期借入金が4億9百万円、1年内返済予定長期借入金が1億91百万円減少したことによるものであります。固定負債は21億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億47百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、長期借入金が3億47百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は159億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億35百万円減少いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は90億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億21百万円減少いたしました。その主な要因といたしましては、利益剰余金が1億13百万円減少したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は36.3%(前連結会計年度末は35.8%)となりました。

 

⑤キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により獲得した資金15億98百万円及び投資活動により獲得した資金57百万円を財務活動による資金として13億84百万円使用した結果、前連結会計年度末に比べ2億91百万円増加し、当連結会計年度末の資金残高は10億62百万円となりました。なお、各キャッシュ・フローの増減要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、連結決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに連結会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積りを、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループは、特に以下の重要な会計方針に関して、使用される当社グループの重要な判断、見積りが当社グループの連結財務諸表の作成において大きな影響を及ぼすと考えております。

(棚卸資産の評価減)

当社グループは、棚卸資産の市場需要に基づく将来の消費見込み又は販売見込み並びに市場状況に基づく時価の見積額を測定し、棚卸資産が将来に獲得可能なキャッシュ・フローを見積り、必要な評価減を計上しております。具体的には製品及び原材料等の評価は非鉄金属相場等で変動する直近月の平均販売単価や平均再調達単価等を時価とした評価を実施しており、実際の市場における将来需要又は時価が当社グループの見積りより悪化した場合、期末に計上した評価減を超える損失が発生する可能性があります。