売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

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労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

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最終更新:

E26086 Japan GAAP

売上高

232.7億 円

前期

155.3億 円

前期比

149.8%

時価総額

87.5億 円

株価

1,019 (04/26)

発行済株式数

8,584,900

EPS(実績)

137.79 円

PER(実績)

7.40 倍

平均給与

761.4万 円

前期

757.8万 円

前期比

100.5%

平均年齢(勤続年数)

38.7歳(8.9年)

従業員数

187人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社2社(株式会社サンセイランディックファンディング、八幡平観光活性化合同会社)により構成されており、旧借地法・借家法(注1  以下、「旧法」という。)の適用される底地等に係る「不動産販売事業」を主たる業務として行っております。当社グループの事業の内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりであります。

 

「不動産販売事業」

当事業におきましては、当社が、主にひとつの不動産に複数の権利者がいるため、自由な活用が制限されていたり、資産価値が低くなっている物件を土地所有者から買取り、権利関係を調整(以下、「権利調整」※という。)することにより、不動産の価値を高めた上で販売する事業を行っております。物件情報は不動産仲介業者等からの紹介によって収集しており、物件の法的規制や権利関係などの調査を実施し、土地所有者と仕入交渉を行って物件を買取っております。

なお、当事業において取扱う具体的な物件は以下の通りでありますが、案件によって単体の場合と、①~③が混在している場合があります。

※以下の「①底地」「②居抜き」文中の下線部が、当社による権利調整に該当します。

① 底地

底地とは、主に「借地権負担付土地」であり、土地所有者が第三者に土地を貸し、賃借料(以下「地代」という。)収入を得ている土地を指します。一般的な土地には、土地所有者に「土地の所有権と利用権」(以下、「完全所有権」という。)がありますが、土地所有者が、その土地を第三者に貸し、第三者がその土地に家を建てると、当該第三者は、地代を支払う義務を負う代わりに「土地の利用権」(「借地権」)を得ます(以下、この第三者を「借地権者」という。)。一方、土地所有者は、土地の利用権を一時的に失った状態となり、「土地の所有権と地代徴収権」(「底地権」)を持つことになります。

当社は、主に旧法が適用される底地を土地所有者より買取り、隣地との境界確定、借地区画ごとの分筆や借地権者との交渉の後、借地権者のニーズに合わせて、以下のように対応します。

イ  借地権者への底地の販売(借地権者の完全所有権化)

ロ  借地権者からの借地権の買取り等による当社の完全所有権化後、不動産仲介業者を通じての不動産会社や事業会社、個人に販売

このように、当社が当事者(土地所有者)として様々な権利を適切に調整することで、借地権者との間におけるトラブルを回避し、満足頂けるようなソリューションを提供しております。また、当社が取得した底地を販売するまでの期間は、借地権者から地代を得ております。

② 居抜き

居抜きとは、老朽化して十分に収益を上げることができないアパートやビルなどの借家権付土地建物のことをいいます。

当社は、土地建物所有者より居抜きを買取り、借家権者(その建物の一部を借りている建物賃借人)に退去の依頼をして、必要に応じて新しい移転先の紹介や移転費用の負担などを行った上で(以下、「明渡し交渉」という。)、賃貸借契約を合意解約して当社の完全所有権とします。借家権者の退去後、空き物件となった土地建物(必要に応じて建物解体後の更地)を、不動産仲介業者を通じて不動産会社や事業会社、個人に販売しております。

③ 所有権

所有権とは、土地建物に係る所有者の完全所有権のことであり、当社が所有者から所有権物件を買取り、不動産仲介業者を通じて不動産会社や事業会社、個人に販売しております。

 

当社は、東京本社を含め札幌支店・仙台支店・武蔵野支店・名古屋支店・京都支店・関西支店・福岡支店の全国8ヶ所に営業拠点を設け、底地及び居抜きを主体に取扱う不動産会社として、積極的に事業を展開しております。

不動産の売買の他に、不動産の仲介、土地活用のコンサルティングサービスや、地代の集金業務の代行や土地賃貸借契約期間の更新手続など、土地所有者から土地賃貸管理業務を一括して請け負うサービスである「オーナーズパートナー」(注2)を展開しております。また、オフィスビル・マンション・アパート等の賃貸不動産を所有し、賃料収入を得ております。

 

(注1) 「旧借地法・借家法」について

わが国の近代における土地所有制度の歴史的変革は、明治政府により実施された土地の自由売買容認と地租改正に始まります。しかし当時は、税負担が大きく、借地形態での居住が中心であり、土地所有者の権利が強い時代でした。明治から大正にかけて、農村部から都市部への人口流入が進む中で、借地権者の権利保護が求められるようになり、1921年に借地法・借家法が制定されました。そして、1923年に発生した関東大震災により、多くの被災者が発生しましたが、迅速かつ円滑な復興を目的として、翌年、借地借家臨時処理法を制定し、被災前の借家権者であった者に借地権者の権利を主張できるようにしました。これにより、借地の供給が大幅に増加したといえます。この後も都市部への人口流入が続いて不動産価格の高騰がおき、賃借人の保護を行う必要が高まったため、1941年に借地法・借家法の改正がなされ、土地所有者側の正当な事由なしに土地賃貸借契約解約の申入れ、更新の拒絶ができなくなりました。

戦後においても、戦後復興を進めるため罹災法(罹災都市借地借家臨時処理法)が制定され、借地の供給がなされました。高度経済成長期には地価の大幅な上昇を招いたことや都市部への人口流入が続いたこともあり、住宅難の時代が続きました。また、多くの借地権建物も老朽化が進み、建替えの必要があるが、土地所有者が建替えを認めないなど問題が発生したことから、1966年に借地法・借家法の改正がなされ、借地権者の建替え、増改築に関して、土地所有者が承諾を出さない場合は、借地権者は裁判所から地主の承諾に代る許可をとれるという内容が盛り込まれました。

このような経過を辿った末に、1992年に土地所有者と借地権者・借家権者の権利関係を有期の契約とする「定期借地権」の新しい概念が盛り込まれた借地借家法の新法が施行されました。

旧法は、戦前戦後の混乱の中で、借地や借家が大量に発生した事情や、道路の問題や隣地境界、契約内容、権利関係の不明朗さが残されたまま、土地の需要の拡大に取り込まれてしまった経緯があります。

1992年の新法施行以後に借地契約が成立した借地は新法の適用となりましたが、日本全国には現在でも旧法が適用される相当数の借地が存在することが推測されます。特に、戦前戦後の混乱期に生じた底地は、現在、相続等による権利継承が行われる時期にきていることや現代の状況に見合わない旧法の解消を求めることなどが、底地の流動化の大きな要因となっております。

 

(注2) 「オーナーズパートナー」について

土地所有者の底地管理・運営のサポートを目的として、地代集金・滞納督促連絡・土地賃貸借契約期間の更新手続など、土地賃貸管理業務を一括して請け負うサービスです。

底地は、長い年月の間、土地を貸し借りしていることにより、契約内容が曖昧なまま、土地所有者・借地権者ともに世代交代が進み権利関係が複雑化していることや、経済情勢の変化に対応した地代改定が行われていないなど、底地を資産として有効に活用できていないケースが多く見受けられます。当社が土地所有者を代行して借地権者の管理を行うことにより、土地所有者の管理に係る負担が軽減されるとともに、底地の有効な資産活用が可能となります。

 

 

不動産販売事業の標準的な流れは以下の通りとなります。

それぞれ単体の場合と、底地・居抜き・所有権が混在している場合があります。

 

※画像省略しています。

 

 

不動産販売事業における底地を仕入れた場合の流れ・権利調整方法は、以下のようになります。

 

 

※画像省略しています。

 

(注1)接道義務とは、建築基準法第43条において、原則、建築物の敷地は幅員4m以上の道路(同法第42条第1項に規定する道路)に2m以上接しなければならないとされています。

(注2)位置指定道路とは、建築基準法第42条1項5号に定められる特定行政庁から道路位置の指定を受けた私道のことです。

 

 

24/03/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末から1,999百万円増加し、30,976百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末から978百万円増加し、18,899百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末から1,020百万円増加し、12,076百万円となりました。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度の経営成績は、売上高23,269百万円(前年同期比49.8%増)となり、営業利益2,155百万円(前年同期比46.7%増)、経常利益1,765百万円(前年同期比37.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,182百万円(前年同期比11.6%増)となりました。

当社グループは前連結会計年度において、建築事業を営む株式会社One's Life ホームの全株式を譲渡したことにより「不動産販売事業」の単一セグメントとなったため、第1四半期連結累計期間より、セグメント別の記載を省略しております。

なお、単一セグメント内の当連結累計期間における販売実績及び仕入実績は次のとおりであります。

 

ⅰ 販売実績

区分

件数

前年同期比(%)

売上高(百万円)

前年同期比(%)

底地

292

△0.7

8,253

+44.7

居抜き

89

+111.9

13,138

+56.4

所有権

20

+11.1

1,487

+88.8

その他の不動産販売事業

388

△7.8

合計

401

+13.3

23,269

+52.0

 

(注)1.「件数」については、売買契約の件数を記載しております。

2.底地・居抜き・所有権の「区分」については、仕入時の区分により記載しております。仕入後に権利調整により底地から所有権に変わった区画等に関しては、仕入時の区分に基づき底地に含めて記載しております。また、底地・居抜き・所有権が混在する物件については、底地を含む物件は「底地」に、居抜きと所有権のみが混在する物件は「居抜き」に含めて記載しております。

3.「その他の不動産販売事業」は、地代家賃収入、仲介手数料による収入、業務受託手数料収入等であります。

 

販売におきましては、底地、居抜き及び所有権の区分において販売が増加したことにより、売上高は前年同期比で増加いたしました。

 

ⅱ 仕入実績

区分

区画数

前年同期比(%)

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

底地

439

+34.7

9,924

+36.4

居抜き

84

△23.6

7,287

△39.2

所有権

21

△50.0

1,406

+1.7

合計

544

+13.8

18,617

△9.8

 

(注)1.「区画数」については、底地の場合は借地権者の人数など、物件の仕入時に想定される販売区画の数量を記載しております。

2.底地・居抜き・所有権が混在する物件の「区分」については、底地を含む物件は「底地」に、居抜きと所有権のみが混在する物件は「居抜き」に含めて記載しております。

 

仕入におきましては、底地及び所有権の仕入が増加したものの、居抜きの仕入が減少したことにより、仕入高は前年同期比で減少いたしました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,714百万円(前期比14.9%減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動の結果使用した資金は11百万円(前年同期99.8%減)となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,756百万円であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加による支出1,707百万円、法人税等の支払額82百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は765百万円(前年同期187.0%増)となりました。

収入の主な内訳は、差入保証金の回収による収入109百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出279百万円、差入保証金の差入による支出178百万円、拘束性預金の増加による支出391百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は302百万円(前年同期96.2%減)となりました。

収入の主な内訳は、短期借入金の増加による収入1,117百万円、長期借入れによる収入3,000百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出3,637百万円、配当金の支払額227百万円であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

なお、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、以下のとおりであります。

(販売用不動産の評価)

当社グループは、販売用不動産の評価について、個別法に基づく原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)によっており、収益性の低下した販売用不動産については、正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。

国内経済の変化により、不動産市場が悪化したこと等により正味売却価額が下落した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

ⅰ 財政状態の分析
(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から1,592百万円増加し、29,521百万円となりました。現金及び預金66百万円の減少、販売用不動産1,707百万円の増加が主な要因であります。

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末から407百万円増加し、1,454百万円となりました。建物119百万円の増加、投資その他の資産その他97百万円の増加が主な要因であります。

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から3,139百万円増加し、15,746百万円となりました。短期借入金1,117百万円の増加、1年内返済予定の長期借入金1,490百万円の増加、未払法人税等589百万円の増加が主な要因であります。

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末から2,160百万円減少し、3,153百万円となりました。長期借入金2,127百万円の減少が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末から1,020百万円増加し、12,076百万円となりました。利益剰余金954百万円の増加、資本剰余金28百万円の増加が主な要因であります。

 

ⅱ 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は23,269百万円(前年同期比7,735百万円増)となりました。

売上高が増加した主な要因は、底地、居抜き及び所有権の販売が増加したことによるものであります。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は6,342百万円(前年同期比1,294百万円増)となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は4,186百万円(前年同期比608百万円増)となりました。これは、販売手数料の増加164百万円、賞与の増加113百万円によるものであります。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は2,155百万円(前年同期比686百万円増)となりました。前述の売上総利益の増加によるものであります。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は1,765百万円(前年同期比481百万円増)となりました。営業外収益は28百万円であります。営業外費用は418百万円であり、主な内容は支払利息271百万円、事務所移転費用92百万円によるものであります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は1,756百万円(前年同期比486百万円増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は573百万円(前年同期比363百万円増)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,182百万円(前年同期比122百万円増)となりました。

 

ⅲ キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、2,714百万円(前年同期比474百万円減)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が1,756百万円(前年同期比486百万円増)、棚卸資産の増加による支出が1,707百万円(前年同期8,649百万円減)、契約負債の減少による支出が82百万円(前年同期比403百万円減)、法人税等の支払額が82百万円(前年同期比343百万円減)となったこと等により、11百万円の資金の減少(前年同期比9,256百万円減)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出279百万円(前年同期比265百万円増)、差入保証金の差入による支出178百万円(前年同期比146百万円増)、拘束性預金増加が391百万円となったこと等により、765百万円の資金の減少(前年同期比498百万円の増加)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加による収入が1,117百万円(前年同期比3,531百万円減)、長期借入れによる収入3,000百万円(前年同期比2,896百万円減)、長期借入金の返済による支出が3,637百万円(前年同期比1,384百万円増)、配当金の支払額が227百万円(前年同期比13百万円増)となったこと等により、302百万円の資金の増加(前年同期比7,668百万円減)となりました。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社グループの事業活動における主な資金需要は、不動産販売事業における不動産の取得資金であります。資金需要に対しては、主に金融機関からの借入金により調達しており、特定の金融機関に依存することなく個別の案件毎に調達を行うことにより、安定的な資金の確保に努めております。