売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュース

  • ニュースリリースデータがありません。


最終更新:

E02876 Japan GAAP

売上高

226.3億 円

前期

259.6億 円

前期比

87.2%

時価総額

112.5億 円

株価

1,525 (05/02)

発行済株式数

7,378,050

EPS(実績)

142.59 円

PER(実績)

10.69 倍

平均給与

593.3万 円

前期

637.4万 円

前期比

93.1%

平均年齢(勤続年数)

41.4歳(14.0年)

従業員数

288人(連結:304人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社ケー・エフ・シー)及び子会社2社により構成されており、主な事業内容は、建設資材の販売・設計・施工及び遮水シート、防水シートの輸入販売・設計・施工等を行っております。

 

 当社グループの事業内容及び当社と関係会社との当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。

 なお、次の3事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

 

(1)ファスナー事業

 当社は、主に「あと施工アンカー」に係る建設資材の販売及び耐震関連工事を行っております。

 

(2)土木資材事業

 当社は、主にトンネル掘削資材の販売を行っているほか、唐山日翔建材科技有限公司ではトンネル支保材の製造・販売を行っております。

 

(3)建設事業

 当社及びアールシーアイ株式会社は、主にトンネル内装・リニューアル工事を行っております。

 

 事業の系統図は次のとおりであります。

※画像省略しています。

(注)アールシーアイ株式会社は連結子会社であり、唐山日翔建材科技有限公司は非連結子会社で持分法非適用会社であります。

23/06/26

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、度重なる新型コロナウイルスの感染拡大によって多大な影響を受けたものの、移動制限の緩和などにより一定の回復傾向が見られました。

 しかしながら、原材料価格の上昇や電子部品の供給不足、国際情勢に端を発するエネルギーコストの上昇などにより、企業活動や消費動向に未だ不透明感が残るなど、予断を許さない厳しい状況が継続いたしました。

 当社グループの関連する建設業界においては、建設資材価格の上昇や慢性的な人員不足の問題等が依然として山積し、厳しい経営環境が続いております。

 このような状況のもと当社グループは、従来より強化している技術提案型営業によって需要先のニーズを的確に捉え、当社の有する豊富な製品・工法群より最適なソリューションを提案することで、公共事業を中心とした政府建設投資の需要に確実に応え、商品の拡販と建設工事の受注に努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は、226億27百万円(前年同期比12.8%減)で、その内訳は、商品売上高が95億95百万円(前年同期比2.9%減)、完成工事高は130億31百万円(前年同期比19.0%減)となりました。

 セグメント別の売上高は以下のとおりであります。

〔ファスナー事業〕

 西日本地区をはじめとして橋梁等の土木耐震工事の受注に注力いたしましたが、上下水道施設に関わる耐震補強工事において、工事の進捗が遅れる等の影響により、完成工事高が伸び悩みました。また、当社製品を織り込んだ設計業務や工事物件発注の遅れが影響し、あと施工アンカーをはじめとする建設資材の販売は、前期を下回りました。その結果、売上高は70億77百万円(前年同期比13.9%減)となりました。

〔土木資材事業〕

 北海道・東日本地区においては当社の独自技術を活用したトンネル掘削補助工法の資材販売が順調に推移しましたが、西日本地区における大型案件の減少や工事着工の遅れなどの影響による資材販売減少を補いきれず、売上高は67億79百万円(前年同期比2.2%減)となりました。

〔建設事業〕

 当社の得意とする構造物補修工事で大型物件を3件受注したほか、トンネル補修・補強工事と橋梁補修工事において大型元請物件が4件竣工いたしました。北陸自動車道や関越自動車道の設備工事に付随した「フェイルセーフシステム(取付物落下防止対策商品)」の販売も寄与いたしましたが、大型工事物件が一巡したことなどにより、売上高は87億70百万円(前年同期比18.8%減)となりました。

 財政状態につきましては、当連結会計年度末の総資産は261億91百万円と前連結会計年度末に比べ、17百万円減少しました。これは主として完成工事未収入金が32億20百万円減少したためであります。負債は66億34百万円と前連結会計年度末に比べ4億12百万円減少しました。これは主として、工事未払金の減少によるものであります。なお、純資産は195億56百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.7ポイント増加しております。

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ22億63百万円増加し、59億89百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動における資金は、税金等調整前当期純利益15億26百万円(前年同期比41.0%減)を計上し、売上債権も30億72百万円減少しましたが、棚卸資産が1億84百万円増加したことなどにより、37億50百万円の収入(前年同期比259.1%増)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動における資金は、投資有価証券の取得による支出などにより、9億58百万円の支出(前年同期は10億20百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動における資金は配当金の支払などにより、5億20百万円の支出(前年同期は6億93百万円の支出)となりました。

 

③受注工事高、完成工事高、繰越工事高、施工高、手持工事高、商品仕入及び販売の状況

イ.受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

項目

工事別

期首繰越

工事高

(千円)

期中受注

工事高

(千円)

(千円)

期中完成

工事高

(千円)

期末繰越

工事高

手持工事高

(千円)

期末繰越

工事高

うち施工高

(千円)

期末繰越

工事高

うち施工

比率(%)

期中施工高

(千円)

前連結会計年度

(自2021年4月1日

至2022年3月31日)

環境工事

900,580

1,588,038

2,488,618

1,262,880

1,225,738

1,240,795

リニューアル工事

4,037,412

3,391,471

7,428,883

5,272,743

2,156,140

5,246,593

トンネル及びその他の設備関連工事

2,366,317

3,183,364

5,549,681

3,319,081

2,230,599

3,295,748

耐震関連工事

2,832,390

5,571,870

8,404,260

5,904,937

2,499,323

5,867,035

その他の工事

97,255

259,234

356,490

320,258

36,232

313,812

10,233,955

13,993,979

24,227,935

16,079,900

8,148,034

15,963,986

当連結会計年度

(自2022年4月1日

至2023年3月31日)

環境工事

1,225,738

142,257

1,367,995

824,342

543,653

824,342

リニューアル工事

2,156,140

5,683,652

7,839,792

4,210,396

3,629,395

4,210,396

トンネル及びその他の設備関連工事

2,230,599

1,654,847

3,885,447

2,717,554

1,167,892

2,717,554

耐震関連工事

2,499,323

4,982,410

7,481,734

4,991,151

2,490,582

4,991,151

その他の工事

36,232

270,347

306,579

287,987

18,591

287,987

8,148,034

12,733,515

20,881,549

13,031,433

7,850,115

13,031,433

(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更新により請負金額に変更があるものにつきましては、期中受注工事高にその増減額を含んでおります。従って、期中完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.期末繰越工事高うち施工高は未成工事支出金により手持工事高の工事進捗部分を推定したものであります。

3.期中施工高は、(期中完成工事高+当期末繰越工事高うち施工高-前期末繰越工事高うち施工高)に一致します。

 

ロ.受注工事高及び完成工事高について

 当社グループは、建設市場の状況を反映して工事の受注工事高及び完成工事高が平均化しておらず、最近3年間についてみても上半期は次のように季節的に変動しております。

期別

受注工事高

完成工事高

1年通期(A)

(千円)

上半期(B)

(千円)

(B)/(A)

(%)

1年通期(C)

(千円)

上半期(D)

(千円)

(D)/(C)

(%)

第57期

19,362,764

10,349,029

53.4

17,504,701

6,943,672

39.7

第58期

13,993,979

6,604,293

47.2

16,079,900

7,555,897

47.0

第59期

12,733,515

5,935,261

46.6

13,031,433

5,970,599

45.8

 

ハ.完成工事高

期別

区分

官公庁

民間

合計

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

環境工事(千円)

1,186,148

76,732

1,262,880

リニューアル工事(千円)

5,146,086

126,656

5,272,743

トンネル及びその他の設備関連工事(千円)

3,177,547

141,533

3,319,081

耐震関連工事(千円)

3,623,563

2,281,373

5,904,937

その他の工事(千円)

85,544

234,713

320,258

合計(千円)

13,218,890

2,861,009

16,079,900

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

環境工事(千円)

759,674

64,668

824,342

リニューアル工事(千円)

4,022,811

187,585

4,210,396

トンネル及びその他の設備関連工事(千円)

2,607,214

110,339

2,717,554

耐震関連工事(千円)

2,819,952

2,171,199

4,991,151

その他の工事(千円)

62,050

225,937

287,987

合計(千円)

10,271,704

2,759,729

13,031,433

(注)1.当社グループが総合建設会社等民間企業を通じて受注した官公庁発注工事につきましては、官公庁欄に計上しております。

2.完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。

前連結会計年度の完成工事のうち請負工事1億円以上の主な工事

工事名

発注社名

 東名高速道路静岡管内遮音壁補修工事(2020年度)

中日本高速道路株式会社

 福知山高速道路事務所管内南部地区橋梁補修工事

西日本高速道路株式会社

 東北自動車道十和田管内高速道路リニューアル工事

東日本高速道路株式会社

 中国自動車道(特定更新等)仏坂トンネル他2TN覆工補強工事

西日本高速道路株式会社

 安房峠道路安房トンネル補修工事(平成29年度)

中日本高速道路株式会社

 令和元年度山陽自動車道周南高速道路事務所管内橋梁はく落対策工事

西日本高速道路株式会社

 本牧)第2六層耐震補強工事(1期工事)

日産自動車株式会社

 印東加圧ポンプ場1・2号調整池耐震補強工事

印旛郡市広域市町村圏事務組合

 新東名高速道路伊勢原大山IC~秦野IC間照明設備工事

中日本高速道路株式会社

 小仏トンネル他1シェルター非常用設備更新工事

中日本高速道路株式会社

 

当連結会計年度の完成工事のうち請負工事1億円以上の主な工事

工事名

発注社名

 首都圏中央連絡自動車道久喜遮音壁(外回り)工事

東日本高速道路株式会社

 福知山高速道路事務所管内南部地区橋梁補修工事

西日本高速道路株式会社

 中国自動車道(特定更新等)仏坂トンネル他2TN覆工補強工事

西日本高速道路株式会社

 令和3年度中国自動車道三次高速道路事務所管内構造物補修工事

西日本高速道路株式会社

 北陸自動車道敦賀トンネル補強工事のうち背面空洞注入工

中日本高速道路株式会社

 姫路高速道路事務所管内トンネル覆工補修工事(令和3年度)

西日本高速道路株式会社

 高松自動車道国分寺高架橋他5橋耐震補強工事

西日本高速道路株式会社

 関越自動車道山本山トンネル照明設備更新工事

東日本高速道路株式会社

 中央自動車道土岐IC~小牧東IC間コンクリート構造物補修工事

中日本高速道路株式会社

 北陸自動車道山王トンネル照明設備更新工事

東日本高速道路株式会社

 

ニ.手持工事高

(2023年3月31日現在)

 

区分

官公庁

民間

合計

環境工事(千円)

536,096

7,557

543,653

リニューアル工事(千円)

3,619,058

10,337

3,629,395

トンネル及びその他の設備関連工事(千円)

1,139,662

28,229

1,167,892

耐震関連工事(千円)

1,583,777

906,804

2,490,582

その他の工事(千円)

14,873

3,718

18,591

合計(千円)

6,893,468

956,647

7,850,115

(注)1.当社グループが総合建設会社等民間企業を通じて受注した官公庁発注工事につきましては、官公庁欄に計上しております。

 

2.手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。

手持工事(2023年3月31日現在)のうち請負金額1億円以上の主な工事

工事名

発注社名

完成予定年月

令和4年度中国道千代田高速道路事務所管内構造物補修工事

西日本高速道路株式会社

2025年6月

中国道山口高速道路事務所管内(西地区)構造物補修工事

西日本高速道路株式会社

2024年11月

中央自動車道土岐IC~小牧東IC間コンクリート構造物補修工事

中日本高速道路株式会社

2024年10月

一般国道122号蓮田岩槻バイパス並木工区道路改良工事

さいたま市

2024年3月

北陸自動車道山王トンネル照明設備更新工事

東日本高速道路株式会社

2025年4月

石畑給水所耐震補強工事

東京都水道局

2024年12月

高松自動車道国分寺高架橋他5橋耐震補強工事

西日本高速道路株式会社

2024年7月

高松自動車道高松西IC~大野原IC間耐震補強工事(その2)

西日本高速道路株式会社

2026年2月

呑川防潮堤耐震補強工事(その208)

東京都第二建設事務所

2024年3月

北山田浄水場配水池耐震補強工事

草津市上下水道部

2024年12月

 

ホ.商品仕入実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

ファスナー(千円)

1,730,596

1,657,122

土木資材(千円)

3,871,670

4,011,167

建設(千円)

1,641,368

1,637,831

合計(千円)

7,243,635

7,306,121

(注) 金額は、仕入価格で表示しております。

 

ヘ.売上実績

セグメントの名称

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

比率

(%)

金額(千円)

比率

(%)

ファスナー

商品売上高

2,675,780

 

 

2,471,446

 

 

完成工事高

5,547,476

8,223,257

31.7

4,606,122

7,077,568

31.3

土木資材

商品売上高

6,605,735

 

 

6,273,069

 

 

完成工事高

325,828

6,931,563

26.7

506,243

6,779,312

29.9

建設

商品売上高

596,203

 

 

851,372

 

 

完成工事高

10,206,595

10,802,799

41.6

7,919,068

8,770,440

38.8

合計

商品売上高

9,877,719

 

 

9,595,887

 

 

完成工事高

16,079,900

25,957,620

100.0

13,031,433

22,627,321

100.0

(注)1.販売数量につきましては、販売品目が多岐にわたり表示が困難なため、記載を省略しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.当連結会計年度の経営成績について

① 売上高、受注工事高の状況

 当連結会計年度の売上高は、建設事業における商品売上高や土木資材事業における完成工事高の増加があったものの、ファスナー事業及び建設事業における完成工事高の減少があったことなどにより、226億27百万円(前年同期比12.8%減)で、その内訳は、商品売上高が95億95百万円(前年同期比2.9%減)、完成工事高は130億31百万円(前年同期比19.0%減)となりました。また、当連結会計年度の受注工事高は127億33百万円(前年同期比9.0%減)となり、当連結会計年度末の手持工事高は78億50百万円(前年同期比3.7%減)となりました。

② 営業利益、経常利益の状況

 収益面につきましては、売上高の減少や、材料や人件費をはじめとした仕入れコストの増加などにより、営業利益12億77百万円(前年同期比48.7%減)、経常利益13億96百万円(前年同期比46.3%減)となりました。

③ 親会社株主に帰属する当期純利益の状況

 法人税、住民税及び事業税を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は10億52百万円(前年同期比42.8%減)となりました。

ロ.当連結会計年度の財政状態について

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて17百万円減少した結果、261億91百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。

① 資産の部

 流動資産は、163億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億81百万円(前連結会計年度比3.4%減)の減少となりました。これは主に、完成工事未収入金について、前連結会計年度末において完工物件の増加や工事が進捗したことによる増加があったものの、当連結会計年度末においては工事代金の入金があったことや完成工事高の減少があったことなどによるものであります。固定資産は、98億57百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億63百万円(前連結会計年度比6.1%増)の増加となりました。これは主に、関東流通センターの土地の取得による増加及び投資有価証券の増加によるものであります。

② 負債の部

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べて4億12百万円減少した結果、66億34百万円(前連結会計年度比5.8%減)となりました。

 流動負債は、63億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億円(前連結会計年度比4.5%減)の減少となりました。これは主に、完成工事高の減少に伴う工事関連の支払債務の減少によるものであります。固定負債は、2億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億12百万円(前連結会計年度比30.7%減)の減少となりました。これは主に、関東流通センターの土地の取得に伴う資産除去債務の減少や投資有価証券の売却や時価評価に伴う繰延税金負債の減少によるものであります。

③ 純資産の部

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3億94百万円(前連結会計年度比2.1%増)増加し、195億56百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。

ハ.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

〔ファスナー事業〕

 ファスナー事業の売上高は70億77百万円(前年同期比13.9%減)となりました。商品販売につきましては、鋲螺関係の売上高は堅調に推移したものの、付加価値の高い「あと施工アンカー」等の販売を見込んでいた工事物件の発注遅延が重なったことなどにより売上高が減少したことから、商品売上高は24億71百万円(前年同期比7.6%減)となりました。また、工事につきましては、上下水道施設に関わる耐震補強工事において、特に東日本地区を中心に工事の進捗の遅れなどがあったことなどより、完成工事高は46億6百万円(前年同期比17.0%減)となりました。利益面につきましては適正な原価管理に努めましたが、売上高の減少や原材料価格の高騰などにより経常利益は5億89百万円(前年同期比55.1%減)となりました。

 

〔土木資材事業〕

 土木資材事業の売上高は、67億79百万円(前年同期比2.2%減)となりました。商品販売につきましては、主力商品のロックボルトの販売や北海道・東日本地区におけるトンネル掘削補助工法の資材販売が順調に推移しましたが、西日本地区において大型案件の減少や工事着工の遅れなどの影響による資材販売減少を補いきれず、商品売上高は62億73百万円(前年同期比5.0%減)となりました。また、ロックボルトの販売で得たノウハウを活かし、主に既設トンネルのリニューアル工事を請け負っております。それらの工事につきましては、工事受注高の増加により、完成工事高は5億6百万円(前年同期比55.4%増)となりました。利益面につきましては、鋼材等の原材料価格は引き続き高止まりで推移、また、物流における人件費の高騰による運搬発送費等の上昇などの影響もあり、一部販売価格へ価格転嫁を進めてはおりますが、経常利益は65百万円(前年同期比44.4%減)となりました。

〔建設事業〕

 建設事業の売上高は87億70百万円(前年同期比18.8%減)となりました。商品販売につきましては、引き続き安全対策への需要が継続しており、「フェイルセーフシステム(取付物落下防止対策商品)」の販売が順調に推移していることなどから、商品売上高は8億51百万円(前年同期比42.8%増)となりました。リニューアル工事において当期の受注が堅調に推移し、大型元請物件も順調に竣工いたしましたが、大型工事物件が一巡したことなどにより、完成工事高は79億19百万円(前年同期比22.4%減)となりました。利益面につきましては、売上高の減少や人件費や原材料等のコストの増加などにより、経常利益は7億41百万円(前年同期比36.6%減)となりました。

ニ.経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

ホ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況について

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

 当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は5.4%(前年同期比4.5ポイント減少)となり、配当性向は35.0%(前年同期比7.0ポイント増加)となり、配当性向については目標達成となりましたが、ROEについては目標未達成となりました。当該目標を達成できるよう企業努力を行ってまいります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容について

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは37億50百万円の収入(前年同期比259.1%増)であり、投資活動によるキャッシュ・フローは9億58百万円の支出(前年同期は10億20百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは5億20百万円の支出(前年同期は6億93百万円の支出)であります。フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、27億92百万円(前年同期は23百万円)であります。また、当社グループは、複数年にわたる工事も受注していることから、単年でのキャッシュ・フローに加え、3年間累計のキャッシュ・フローも指標として考えております。3年間累計のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは53億78百万円の収入であり、投資活動によるキャッシュ・フローは24億44百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは18億26百万円の支出であります。また、3年間累計のフリー・キャッシュ・フローは29億33百万円であります。

ロ.資本の財源及び資金の流動性に係る情報について

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、持続的成長に向けた投資の継続と株主還元のためのフリー・キャッシュ・フローを創出することを基本としております。その創出されたフリー・キャッシュ・フローを財源として、成長投資や株主還元を行ってまいります。成長投資として、既存事業での投資と新規事業創出のための研究開発投資を行い、将来の成長を見据えた人材の確保・育成・活用のための投資を行ってまいります。また、株主還元として、盤石な財務体質を維持しつつ、安定的かつ継続的に配当を行ってまいります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、未成工事支出金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、有形固定資産及び無形固定資産の取得等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債である借入金の残高は4億90百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は59億89百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債の数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える様々な要因・仮定に対し、継続して可能な限り正確な見積りと適正な評価を行っております。

 工事契約に該当するものについては、一定の期間にわたり充足される履行義務と判断しております。履行義務の充足に係る進捗率の見積りにあたっては、工事原価総額に対する実際発生原価の割合を合理的に見積る必要があります。工事契約に係る収益の計上の基礎となる工事原価総額は、契約ごとの実行予算を使用して見積りを行っておりますが、工事契約等の実行予算の策定にあたっては、工事等の完成のために必要となる作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。