E02491 Japan GAAP
前期
124.5億 円
前期比
100.9%
株価
900 (04/26)
発行済株式数
5,304,040
EPS(実績)
-6.08 円
PER(実績)
--- 倍
前期
509.9万 円
前期比
93.1%
平均年齢(勤続年数)
42.5歳(12.7年)
従業員数
183人(連結:513人)
当社グループは、当社及び子会社6社(株式会社三ツ知製作所、株式会社三ツ知部品工業、株式会社創世エンジニアリング、Thai Mitchi Corporation Ltd.、Mitsuchi Corporation of America、三之知通用零部件(蘇州)有限公司)で構成されており、自動車部品に係るカスタムファスナーの製造・販売等を主たる業務としております。
当社グループの製品は、自動車用部品における車体用部品向けがその中心であり、用途別にはシート用部品、ウインドウレギュレーター用部品、ロック用部品等の各機能部品となっております。
当社グループでは、得意先からのコスト・品質等における高度化・多様化するニーズに的確に対応するために、冷間鍛造(※)をコア技術とし、生産性の向上・製品の高付加価値化に努めております。
○当社及び主要な関係会社の当社グループにおける位置付け
○当社グループの製・商品における用途品目別の主な種類及び機能
(※)冷間鍛造
金属材料を常温で金型とプレスを使用して成形する工法であります。
鍛造は、金属材料の温度により、冷間鍛造の他、温間鍛造、熱間鍛造に区分されます。
なお、冷間鍛造における特長は次のとおりであります。
①生産速度が速い(効率的に生産)
②材料のムダが少ない(省資源化及び製造コストの引下げ)
③製品強度を高め、品質が安定(高い品質を保証)
事業の系統図は、次のとおりであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、国内において回復基調で推移する一方で、原材料、電力等エネルギー価格の高騰が続くとともに、米欧を中心とした金融引き締めにより景気後退が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの主要得意先であります自動車部品業界におきましては、鋼材価格の高騰をはじめとしたコスト上昇が続いている中、半導体・部品供給不足による得意先の生産調整が続いておりましたが、期末近くになりようやく生産が回復基調となってきた状況です。
このような経営環境の中、当社グループでは経営理念であります「絶えざる技術革新」と「ニーズを先取りした製品」の「スピードある提供」を通じ、お客様の「揺るぎない信頼のもとグローバル企業」を実現するために、前期に策定した中期経営計画「ビジョン2021」の2年目として、対処すべき課題の解消に取組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高につきましては、得意先の生産調整による受注の減少がありましたが、為替変動の影響もあり、売上高は125億55百万円(前年同期比0.9%増)となりました。利益面につきましては、原材料、電力等エネルギー価格の高騰等の影響により、31百万円の営業損失(前年同期は3億54百万円の営業利益)、為替差益等の営業外収益があったことから経常利益は1億41百万円(前年同期比73.6%減)、特別損失として固定資産の減損損失64百万円を計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純損失は32百万円(前年同期は3億95百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
〔日本〕
半導体・部品供給不足による得意先の生産調整による減産を受け、売上高は98億23百万円(前年同期比3.9%減)、利益面につきましても2億93百万円の営業損失(前年同期は2億32百万円の営業利益)となりました。
〔米国〕
得意先の生産調整の影響により前年同期に比べ受注は減少しておりますが、為替変動による円安の影響により、売上高は11億68百万円(前年同期比12.9%増)となりました。利益面につきましても、原価低減活動によるコスト削減に努めましたが、固定費を賄うことができず、74百万円の営業損失(前年同期比36.8%減)となりました。
〔タイ〕
得意先の生産調整の影響により前年同期に比べ受注はわずかに減少しておりますが、為替変動による円安の影響により、売上高は22億58百万円(前年同期比7.6%増)となりました。利益面につきましても、経費削減に努めた結果、営業利益は2億56百万円(前年同期比46.6%増)となりました。
〔中国〕
得意先の生産調整の影響により受注が減少し、売上高は6億円(前年同期比14.5%減)となりました。利益面につきましても、減収の影響により、営業利益は33百万円(前年同期比47.1%減)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億38百万円増加し、39億28百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費7億15百万円、仕入債務の増加額2億25百万円、税金等調整前当期純利益77百万円等による資金増があり、一方で法人税等の支払額1億81百万円、売上債権の増加額1億3百万円等による資金減により、7億円の収入(前連結会計年度比16.8%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入3億13百万円等の資金増があり、一方で有形固定資産の取得による支出7億67百万円、定期預金の預入による支出1億43百万円等による資金減により、5億16百万円の支出(前連結会計年度比41.2%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入7億50百万円、短期借入金の増加額4億円の資金増があり、一方で長期借入金の返済による支出10億25百万円、社債の償還による支出1億84百万円等による資金減により、1億45百万円の支出(前連結会計年度比81.8%減)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)2023年4月1日付シロキ工業株式会社より社名変更。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」を、当社グループの連結財務諸表で採用する会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の連結財務諸表の「重要な会計上の見積り」をご参照下さい。
② 経営成績の分析
a.売上高
売上高は、日本及び中国では減収となったものの、米国及びタイにおいて為替変動の影響もあり増収となった結果、売上高は125億55百万円(前年同期比0.9%増)となりました。
b.売上原価
売上原価は、製品・型費の増加、材料費の増加等により107億92百万円(前年同期比5.7%増)となりました。売上原価率は費用の増加により前年同期の82.0%から86.0%となりました。
c.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、運搬費の減少及び人件費の減少等により、17億93百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
d.営業損失
営業損失は、販売費及び一般管理費が90百万円減少しましたが、売上総利益が4億76百万円減少した結果、3億85百万円減少の31百万円(前年同期は3億54百万円の営業利益)となりました。
e.経常利益
経常利益は、為替差益及び助成金収入の増加等はありましたが、営業損失の増加等により、3億95百万円減少の1億41百万円(前年同期比73.6%減)となりました。
f.親会社株主に帰属する当期純損失
親会社株主に帰属する当期純損失は、経常利益の減少、特別損失として固定資産の減損損失64百万円を計上したこと等により、32百万円(前年同期は3億95百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、主要顧客である自動車関連業界の動向やそれらの企業の設備投資動向と密接な関係にあり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
なお、事業に係るリスクについては「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しておりますが、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、リスク発生の回避及びリスク発生時の対応に努めながら積極的な経営を心掛けていく所存であります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローについては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主要なものは、販売のための商品仕入、原材料費、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、税金の支払、及び当社グループの設備投資等であります。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資等の調達につきましては、自己資本及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度において実施した設備投資の総額は、7億60百万円となりました。その主なものといたしましては、株式会社創世エンジニアリング及び株式会社三ツ知製作所における機械装置の増設であり、資金の調達につきましては、自己資金及び借入金によっております。
b.財政状態
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比べ2億72百万円増加し、166億83百万円となりました。
資産の部では、流動資産が原材料及び貯蔵品の増加、受取手形及び売掛金の増加等により前連結会計年度末に比べ3億37百万円増加し、103億65百万円となりました。また、固定資産については、建設仮勘定の減少、建物及び構築物の減少等により前連結会計年度末に比べ65百万円減少し、63億17百万円となりました。
負債の部では、流動負債は短期借入金の増加、支払手形及び買掛金の増加等により前連結会計年度末に比べ2億63百万円増加し、50億42百万円となりました。また、固定負債については、社債の減少、長期借入金の減少等により前連結会計年度末に比べ1億55百万円減少し、24億10百万円となりました。
純資産の部では、利益剰余金の減少があったものの、為替換算調整勘定の増加等により前連結会計年度末に比べ1億63百万円増加し、92億30百万円となりました。この結果、自己資本比率は55.3%(前連結会計年度同率)となりました。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの課題としましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますが、特に以下の事項が当社グループの成長に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.自動車業界の生産動向
当社グループは、自動車用カスタムファスナー製品の製造・販売を主な事業としており、主要取引先は自動車部品一次メーカーであります。このため、自動車メーカー並びに自動車部品メーカーにおける生産状況、海外への拠点展開等これら業界の動向と密接な関係があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
b.グローバル化の推進
当社グループの主要得意先であります自動車部品メーカーは、海外での現地調達化を加速させております。その為、当社グループといたしましては、最適地での最適設備による高付加価値生産体制実現のために、海外戦略として、第1に海外拠点の収益力向上のための現地化及び最適設備の導入、第2に国内の海外拠点バックアップ体制強化、第3に人財採用、育成の強化を推進してまいります。
当社グループでは、企業価値及び経営効率の向上を図るため、第60期(2022年6月期)より中期経営計画(ビジョン2021)をスタートし、下記の数値を主要な目標としております。
(千円)