E00567 Japan GAAP
前期
214.5億 円
前期比
95.6%
株価
662 (04/25)
発行済株式数
17,319,568
EPS(実績)
-70.15 円
PER(実績)
--- 倍
前期
525.2万 円
前期比
102.8%
平均年齢(勤続年数)
42.8歳(15.0年)
従業員数
140人(連結:1,400人)
当社グループは、当社及び連結子会社11社で構成され、レッグウェア及びインナーウェア等の製造、仕入、販売を主とし、他に不動産販売、賃貸及び介護用品の仕入、販売、グループホームの運営および太陽光発電による売電等を行っております。
当社グループの事業系統図は次のとおりであります。
※画像省略しています。
(注)上記11社はすべて連結子会社であります。
提出会社及び関係会社のセグメントに係る位置付けは次のとおりであります。
セグメントの名称 |
主な事業内容 |
主な会社名 |
繊維事業 |
繊維製品の販売 |
アツギ㈱、㈱レナウンインクス、厚木香港有限公司、厚木(上海)時装貿易有限公司 |
繊維製品の製造、仕入 |
アツギ㈱、㈱レナウンインクス、アツギ東北㈱、煙台厚木針織有限公司、厚木靴下(煙台)有限公司、厚木(上海)時装貿易有限公司、阿姿誼(上海)国際貿易有限公司、煙台阿姿誼靴下有限公司 |
|
物流業務の請負 |
神奈川スタッフ㈱、アツギ佐世保㈱ |
|
不動産事業 |
不動産の販売、賃貸 |
アツギ㈱ |
その他 |
介護用品の仕入、販売 グループホームの運営 太陽光発電による売電 |
アツギケア㈱、アツギ㈱ |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限や入国制限の緩和により社会・経済活動の正常化が進み、緩やかに改善の兆しが見られました。その一方で、ウクライナ情勢の長期化などによる資源・エネルギー価格の上昇や外国為替相場における急激な円安進行等が景気の下押し圧力となるなど、先行きは不透明な状況で推移しました。
繊維業界においては、行動制限の緩和に伴う外出機会の増加により、個人消費は回復傾向にありますが、物価上昇による消費者の生活防衛意識や節約志向の高まりから衣料品への支出には慎重さが見られるなど、本格的な回復には至っておらず、依然として厳しい環境が続いております。
このような状況において当社グループは、経営体制の刷新を図り、2023年3月期から2025年3月期までを実行期間とする中期経営計画『ATSUGI VISION 2024』をスタートさせました。本計画では、顧客ニーズの変化と多様性に的確に対応したうえで、「事業ポートフォリオの強化」、「生産体制の再編による収益基盤の強化」、「資本の効率化」の3つの重点課題に取り組むことにより収益性を高めることに注力し、まずは足元において黒字転換を図ること、そして、その先にある将来の持続的成長のための安定した財務基盤の確立を目指しております。
当連結会計年度においては、収益構造の抜本的な見直しとさらなる製造原価の低減を目的として、2022年5月をもって国内生産子会社であるアツギ東北株式会社の生産業務を終了し、中国工場への生産移管を進めるとともに、販売においては、行動制限の緩和による人流回復とそれに伴うストッキング需要の回復を想定し、ストッキングの主力ブランド「ASTIGU(アスティーグ)」のリブランディングを行うなどの商品戦略による巻き返しを図りましたが、物価高を背景とした消費者の生活防衛意識や節約志向の高まりなどから売上は想定を下回る結果となりました。利益面においても、急激な円安進行をはじめ、原燃料価格や物流費の高止まり、人件費の上昇などのコストアップ要因が重なったこと等により、厳しい状況で推移しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は20,503百万円(前年同期比4.4%減)、営業損失は2,131百万円(前年同期は2,293百万円の損失)、経常損失は1,583百万円(前年同期は1,804百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,215百万円(前年同期は1,827百万円の損失)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
[繊維事業]
レッグウェア分野は、行動制限の緩和により個人消費に回復の兆しがみられましたが、物価上昇による消費者の生活防衛意識の高まりなどから高価格帯の商品が苦戦し、同分野の売上高は11,013百万円(前年同期比3.7%減)となりました。
インナーウェア分野は、紳士インナーウェアは堅調に推移しましたが、レッグウェア同様、消費者の生活防衛意識の高まりなどから全般的に厳しく、同分野の売上高は8,246百万円(前年同期比5.7%減)となりました。
これらの結果、繊維事業の売上高は19,260百万円(前年同期比4.5%減)、営業損失は2,474百万円(前年同期は2,614百万円の損失)となりました。
[不動産事業]
保有資産の有効活用を進めておりますが、当事業の売上高は544百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は388百万円(前年同期比0.8%減)となりました。
[その他]
その他の事業につきましては、太陽光発電による売電は天候の影響などにより発電量が減少し、介護分野も苦戦しました。これらの結果、当事業の売上高は699百万円(前年同期比4.7%減)、営業利益は58百万円(前年同期比18.2%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は40,688百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,545百万円減少いたしました。主な増減内容は、現金及び預金の減少1,521百万円、棚卸資産の減少670百万円、投資有価証券の減少580百万円、無形固定資産の増加866百万円および有形固定資産の増加202百万円等によるものであります。
負債の部は9,756百万円となり、前連結会計年度末に比べ332百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の減少470百万円等によるものであります。
純資産の部は30,932百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,213百万円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失1,215百万円の計上による減少等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前年同期比(%) |
繊維事業 |
6,859 |
80.8 |
合計 |
6,859 |
80.8 |
(注)1.セグメント間取引については、内部振替前の数値によっております。
2.金額は、製造原価によっております。
b.受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前年同期比(%) |
繊維事業 |
19,260 |
95.5 |
不動産事業 |
544 |
101.2 |
その他 |
699 |
95.3 |
合計 |
20,503 |
95.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
㈱しまむら |
5,924 |
27.6 |
5,509 |
26.9 |
④キャッシュ・フローの状況
科目 |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減(百万円) |
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△748 |
△1,356 |
△608 |
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,043 |
760 |
1,803 |
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△616 |
△471 |
145 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
505 |
316 |
△189 |
現金及び現金同等物の増減額 |
△1,902 |
△751 |
1,151 |
現金及び現金同等物の期末残高 |
5,500 |
4,749 |
△751 |
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失1,171百万円、投資有価証券売却益による減少507百万円、棚卸資産の減少684百万円等により、1,356百万円の支出(前年同期は748百万円の支出)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,216百万円、無形固定資産の取得による支出633百万円、投資有価証券の売却による収入1,032百万円、定期預金の払戻しによる収入815百万円、有形固定資産売却による収入695百万円等により、760百万円の収入(前年同期は1,043百万円の支出)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出470百万円等により471百万円の支出(前年同期は616百万円の収入)となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ751百万円減少し、4,749百万円となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、3 事業等のリスク」をご参照下さい。
当社グループにおける資金需要は、製品製造のための原材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備新設、維持改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、自己資金を基本としており、必要に応じて、金融機関からの借り入れによる調達を行っております。また、当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、資金調達に関し、低コストかつ安定的な資金の確保を基本に、財務状況や金融環境に応じ、最適と思われる調達手段を選択しております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2023年3月期から2025年3月期までの3年間を実行期間とする中期経営計画を策定し、達成に向けた施策を実行しております。しかしながら、為替の急激な変動等の影響により、計画初年度である2023年 3月期の当社の業績は予定していた利益水準を大幅に下回る結果となったことから、戦略および目標とする財務指標の見直しを行うことといたしました。
改訂後の『ATSUGI VISION 2024』では、主力領域であるストッキング市場の低位安定、ブランド力の脆弱化や顧客への訴求力不足等、当社における現状の課題を真摯に受け止めたうえで、課題解決に向けて、「顧客視点に立脚した価値創りへのシフト」、「ブランド力強化による市場ポジションの明確化」、「企業風土改革による強い組織力の実現」、「従前発想から脱却したビジネスモデルの実現」の4つの新たな課題を掲げて、それぞれの課題に対する戦略として「付加価値の最大化」「コスト構造改革」「資本の効率化」「組織改革(人的資本への投資)」を重点取組戦略として策定しました。目標とする財務指標は以下の通りです。
見直し前
|
2023年度 |
2024年度 |
連結売上高 |
255億円 |
272億円 |
連結営業利益 |
6億円 |
16億円 |
連結営業利益率 |
2.3% |
5.9% |
当期利益 |
7億円 |
15億円 |
ROE |
2% |
4% |
ROIC |
3% |
5% |
見直し後
|
2023年度 |
2024年度 |
連結売上高 |
228億円 |
255億円 |
連結営業利益 |
△3億円 |
12億円 |
連結営業利益率 |
△1.5% |
4.5% |
当期利益 |
5億円 |
13億円 |
ROE |
2% |
4% |
ROIC |
△1% |
3% |