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最終更新:

E21553 Japan GAAP

売上高

44.1億 円

前期

29.9億 円

前期比

147.5%

時価総額

91.9億 円

株価

723 (04/26)

発行済株式数

12,711,780

EPS(実績)

-52.30 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

486.7万 円

前期

494.6万 円

前期比

98.4%

平均年齢(勤続年数)

41.5歳(7.5年)

従業員数

264人(連結:380人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループの事業の目的は、我が国で少子高齢化が進み医療費の増加が大きな社会問題となるなか、国民の健康と医療費適正化に貢献し続けることであり、当社グループは、当社および連結子会社3社で構成されております。

当社グループが営むヘルスケア事業は、自社で制作している医療関連データベース(*1)を利用したソフトウエアを開発し、このソフトウエアを利用したデータヘルス(*2)関連サービスを保険者等に提供することを主としております。また、当連結会計年度においてDeSCヘルスケア㈱を子会社としたことにより、データヘルス関連サービス提供先から二次利用の許諾を得た匿名加工情報を公益活用のために分析・データ提供するデータ利活用サービスが新たに加わりました。なお、当社グループはヘルスケア事業の単一セグメントであります。

また、当連結会計年度より、従来「医療関連情報サービス事業」としていたセグメント名称を「ヘルスケア事業」に変更しております。当該セグメントの名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

1.ヘルスケア事業

 当社グループのヘルスケア事業は、主に保険者(*3)に提供するデータヘルス関連の保険者向け情報サービスと、保険者から二次利用の許諾を得た匿名加工情報を製薬会社等に提供するデータ利活用サービスで構成されております。

 

(1)データヘルス計画作成支援

 データヘルス関連サービスは、主に保険者と契約し保険者と加入者に提供しております。保険者から預かったレセプト(*4)と特定健診のデータを分析し、医療費適正化のために、データヘルス計画作成支援等の分析レポートの提供と、保健事業の支援として、加入者への各種通知書の送付、加入者への保健指導を行うとともに、健康管理アプリ「kencom」を提供しております。

 レセプトは、医科・調剤の全てに対応しており、電子レセプトは未コード化病名(*5)もコード化し、紙レセプトの画像データをレセプトOCR変換技術(*6)でコード化したうえで、分析を行っております。

 コード化と分析については、長年にわたって開発してきた医療関連データベースと、特許を取得している三つの技術(傷病ごとの医療費を把握する医療費分解(*7)、傷病のステージ別の患者を抽出・階層化する傷病管理システム(*8)、現在治療中の傷病名だけを判定することが出来るレセプト分析システムおよび分析方法(*9)を、活用しております。

 

①データヘルス計画作成支援等の分析レポートの提供

 分析結果に基づく医療費の適正化ポテンシャルを測定したポテンシャル分析および、データヘルス計画作成支援を行っています。データヘルス計画作成支援は、保険者の現状の把握、課題の抽出、課題に応じた事業の選定、目標の設定〈ポテンシャル分析〉から製本まで、保険者のニーズに合わせた支援を行っております。

②保健事業支援

 分析結果から対象者を抽出し、保険者に代わって加入者へ通知書の送付や指導、健康管理アプリの提供を行うことで、保険者の保健事業を支援しております。また、保健事業の結果をレセプトで分析することで、モニタリング・チェック・成果測定を行い、PDCAサイクルに乗ったアウトカムの見える事業として提供しております。

a. 加入者への各種通知書の送付

 ポリファーマシー、重複服薬、重複受診、頻回受診、生活習慣病放置者の対策のための通知と、ジェネリック医薬品(*10)普及促進のための通知等を行っております。

b. 加入者への保健指導

 糖尿病を中心として重症化予防、頻回受診などの受診行動適正の指導を、面談、電話、タブレット端末により行っております。なお、重症化予防指導は、慢性疾患(現在は主に糖尿病を対象)に罹患された方に対し、適切な情報および問題解決技法等の提供を通じ、病気の進行の防止や健康なライフスタイルの維持を図るものであります。

c. 健康管理アプリ「kencom」の運営・提供

 健診結果などの健康データ、個々の健康状態に合わせた情報などのコンテンツ提供を行うヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」を加入者に提供するサービスです。連結子会社であるDeSCヘルスケア㈱が本サービスの運営・提供を行っております。

 

(2)データ利活用サービス

 データ利活用サービスは、製薬会社・保険会社・アカデミア等を顧客とし、二次利用の許諾を得た匿名加工情報を公益活用のために分析・データ提供するサービスです。

 当社のデータヘルス関連サービスは、市町村国保、後期高齢者広域連合への提供が多く、高齢者の情報を大量に保有しており、慢性疾患と医薬品に関する分析に有用なデータの提供が可能となっております。

 これに、業務提携先のデータと合わせて1,880万人分(*11)を健康・医療データベースとし、製薬会社等に提供することで効率的な創薬開発等を通じ、より多くの人の健康増進、医療費適正化に寄与することを目指しております。なお、本サービスは主に連結子会社のDeSCヘルスケア㈱が顧客に、アドホック分析、データ提供等を行っております。

 

 

  [事業系統図]

  以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 

  (注)  日本の医療保険制度の解説

 日本では、国民皆保険制度により、日本国民ならだれでも、健康保険(会社で働く人が加入する組合管掌健康保険と全国健康保険協会)、共済組合(公務員等)、船員保険、後期高齢者医療制度(75歳以上の全ての人)、国民健康保険(自営業、無職の人を中心に前記制度に加入していない全ての人)のいずれかの医療保険制度に加入することになっております。

 次の図は、医療保険制度に加入した国民(被保険者)が保険料を支払い、医療機関が診療報酬を受けとる流れを表したものであります。

※画像省略しています。

①  被保険者は、保険者に毎月、保険料を支払います。

健康保険組合、全国健康保険協会の加入者は事業主を通じて保険者に支払い、後期高齢者医療制度、国民健康保険の加入者は直接保険者に支払います。

②  患者(被保険者とその扶養家族)は、病気やケガをすると、医療機関で診察・投薬等を受けます。

③  患者は医療機関に自己負担分(多くは3割)を支払います。

④  医療機関は診療報酬の請求のために毎月患者ごとにレセプトを作成し、審査支払機関(*12)に提出します。

⑤  審査支払機関は、レセプトに誤りがないかを審査し、誤ったレセプトは医療機関に差し戻します。

⑥  審査支払機関は、合格した審査済レセプトを保険者に送付します。

⑦  保険者は、レセプトの合計金額を審査支払機関に支払います。

⑧  審査支払機関は、診療報酬を医療機関ごとに支払います。

⑨  保険者は、被保険者に健康診断と保健指導を行います。なお、2008年4月から40歳以上の被保険者に対して、特定健診、特定保健指導が義務付けられました。

 (注)  用語の解説

*1 医療関連データベース

  1996年から蓄積してきた、2023年6月30日現在の当社グループの10万件におよぶ傷病、診療行為辞書データベース、530万件におよぶ傷病と診療行為、医薬品チェックデータベース、そして年間約6億5,824万件のレセプト分析情報などの医療関連データベースは当社グループの主要な製品・サービスに使用されています。

*2 データヘルス

  データヘルスとは、レセプトや特定健康診査(特定健診)などから得られるデータの分析に基づいて、PDCAサイクルで実施する効率のよい保健事業です。

*3 保険者

 保険者とは,保険制度を運営する主体のことで、全国健康保険協会、健康保険組合、共済組合(公務員等)、後期高齢者医療広域連合、市町村および特別区(国民健康保険)などです。

*4 レセプト

  レセプトは、医療機関から、月に一度、審査支払機関へ提出する患者ごとの請求書のことで、診療報酬明細書とも言われます。

  その内容は、診療報酬点数表に基づき、薬、処置、検査などを点数化して、医療費を計算したものです。

*5 未コード化病名

 いわゆるワープロ病名で、傷病名マスターに収載されていない病名を使用する場合に、未コード化傷病名コードを使用して、病名がワープロ入力されたものです。

*6 レセプトOCR変換技術

 画像データを単にテキスト化することは他社でも可能であります。しかし、レセプトの画像から文字だけを抜き出し、その文字を病名、診療行為、医薬品などに分類し、病名と診療行為および医薬品を結びつけてテキスト化するのは困難です。

 これを、当社グループでは、医療関連データベースを基にした技術で自動的にテキスト化しています。

*7 医療費分解

 レセプトには、複数の傷病名が記載され、使用した医薬品、検査、処置、保険点数は傷病名ごとに分類されることなく記載されており、傷病名ごとの医療費は明確ではありません。

 医療費分解とは、傷病名ごとに医薬品、検査、処置などの保険点数を分解し、傷病名ごとの医療費を計算することと当社グループで定義しております。

 また、当社グループは、医療費分解解析装置、医療費分解解析方法およびコンピュータプログラムに関する特許を日本国内において、設定登録(特許第4312757号)しております。

*8 傷病管理システム

 傷病管理システムは、レセプト(診療報酬明細書)に記載の傷病識別情報、医薬品識別情報および診療行為識別情報に基づき、傷病のステージ別の患者を抽出・階層化するもので、傷病管理システムに関する特許を日本国内において、設定登録(特許第5203481号)しております。

*9 レセプト分析システムおよび分析方法

 レセプト分析技術および分析方法は、レセプトに記載されている傷病名のうち、現在治療中の傷病名だけを判定することができ、高精度な保健事業対象者の抽出を可能にするもので、レセプト分析システムおよび分析方法に関する特許を日本国内において、設定登録(特許第5992234号)しております。

*10 ジェネリック医薬品

 ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、成分そのものやその製造方法を対象とする特許権が消滅した先発医薬品について、特許権者ではなかった製薬会社がその特許の内容を利用して製造した、同じ主成分を含んだ医薬品です。

  ジェネリック医薬品は新薬に比べ実施する試験項目が少ないため、開発費が少なく、価格は先発医薬品に対して2割~8割の価格になっています。

*11 業務提携先のデータと合わせて1,880万人分

 当社グループにおけるデータと、IQVIAソリューションジャパン㈱の保有する匿名加工情報の2023年6月末時点での合計値であります。

*12 審査支払機関

 審査支払機関は、レセプトの審査と、医療機関への診療報酬の支払業務を保険者に代わって行い、「社会保険診療報酬支払基金」「国民健康保険団体連合会」があります。

23/09/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー

(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、物価高などの懸念事項があるものの、ウィズコロナの下で景気は緩やかな回復傾向となりました。

当社グループの主要顧客である自治体の国民健康保険、後期高齢者医療広域連合などの保険者においては感染症拡大防止等を目的として、保健事業の中止・延期または事業規模縮小を選択するなどの影響がみられました。一方で、保険財政の改善のための保険者による予防・健康づくりの推進および医療費適正化に向けての取組みは継続されており、当社の主力である市町村国保のデータヘルス関連サービスの需要は堅調に推移しております。また、都道府県が実施する国保ヘルスアップ支援事業による都道府県からの需要も多様化しつつ継続しております。

 

このような状況下で、当社は、2022年10月3日付で㈱ディー・エヌ・エーからDeSCヘルスケア㈱(以下、DeSC)の株式を取得し、第2四半期連結会計期間より同社を連結子会社としております。今後は、引き続きデータヘルス関連サービスの安定的な成長と、新たにデータ利活用サービスの力強い立ち上げを目指しております。なお、DeSCは「kencom(ケンコム)」(健康保険組合や自治体等で導入され、利用者の健康診断結果や楽しく健康増進を促進する仕組みを取り入れたヘルスケアエンターテインメントアプリ)などの運営とデータ利活用サービスを中心としたヘルスケア事業を行っております。

 

新体制となった、当連結会計年度において当社グループは、従来のデータヘルス関連サービスの販売活動に加えて、データ利活用サービスの立ち上げのための活動も積極的に行いました。

データヘルス関連サービスの売上高は市町村国保向けの売上高が増加した一方で、生活保護向けの需要が減少したことおよび都道府県からの受注の一部が継続しなかった等の減少要因があったものの、DeSCにおけるデータヘルス関連サービスの売上高が加わった結果、前期比1億7百万円の増加となりました。また、前期よりDeSCと協業して立ち上げたデータ利活用サービスの売上高は7億86百万円となり、順調に伸びております。データ利活用サービスを含むDeSC子会社化の影響で売上高は14億82百万円増加となり、全体では当連結会計年度の売上高は14億20百万円増加し、44億10百万円(前年同期比47.5%増)となりました。

費用面においては売上原価ならびに販売費及び一般管理費がDeSC子会社化により17億52百万円増加したほか、DeSC取得にかかるのれんの償却費1億92百万円などにより前年同期に比べ増加しております。

この結果、売上高の増加以上に売上原価ならびに販売費及び一般管理費が増加し、営業損失は4億98百万円(前連結会計年度は3億15百万円の営業損失)となりました。

営業外損益では、第三者割当増資ならびに公開買付等に係るコンサル報酬等の支払手数料が1億27百万円発生したため、経常損失は5億99百万円(前連結会計年度は3億79百万円の経常損失)となりました。

特別損益では、DeSCが所有するソフトウエアについて減損処理を行い、1億20百万円の減損損失を計上しました。

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は6億64百万円(前連結会計年度は4億10百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

なお、当社単体では、増収増益ならびに損益反転を目指してまいりましたが、2023年度案件の売上計上が予測より後ろ倒しとなったこと等により売上高が目標に届かず、増収増益は達成したものの、95百万円の営業損失となりました。一方で、EBITDA(注)は1億45百万円(前事業年度は90百万円のマイナス)と損益反転を達成しており、収益力は着実に改善しております。

また、連結でのEBITDAは44百万円と黒字化を達成しております。

 

(注)EBITDA=経常利益+金融費用+減価償却費+のれん償却費+M&Aに関連して発生した一時の費用

 

(イ)財政状態

(資産の状況)

 資産合計の当連結会計年度末の残高は、前期末に比べて41億26百万円増加し、63億90百万円となりました。

このうち、流動資産は売掛金及び契約資産が3億10百万円増加したほか、DeSC子会社化により現金及び預金が6億98百万円増加したことで10億97百万円増加し、当連結会計年度末の残高は21億46百万円となりました。

 また、固定資産はDeSC子会社化によりのれんが23億79百万円増加したほか、同社が保有するソフトウエアなどにより30億28百万円増加し、当連結会計年度末の残高は42億43百万円となりました。

 

(負債の状況)

 負債合計の当連結会計年度末の残高は、前期末に比べて13億87百万円増加し、23億64百万円となりました。

このうち、流動負債は金融機関からの短期借入金の増加50百万円のほか、1年内返済予定の長期借入金が6億10百万円発生したことなどにより、9億76百万円増加し、当連結会計年度末の残高は19億8百万円となりました。

 また、固定負債は長期借入金が4億10百万円発生したことなどにより4億11百万円増加し、当連結会計年度末の残高は4億55百万円となりました。

(純資産の状況)

当連結会計年度末の純資産の残高は、第三者割当増資の払込みにより資本金および資本準備金がそれぞれ16億99百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失6億64百万円および配当支払により利益剰余金が70百万円減少したことなどにより前期末に比べて27億39百万円増加し、40億25百万円となりました。

 また、自己資本比率は60.8%となりました。

 

(ロ)経営成績

(売上高)

 当社グループの当連結会計年度の売上高は、市町村国保向けの売上高が増加した一方で、生活保護向けの需要が減少したことおよび都道府県からの受注の一部が継続しなかった等の減少要因があったものの、DeSCにおけるデータヘルス関連サービスの売上高が加わったほか、DeSCと協業して立ち上げたデータ利活用サービスの売上高が順調に伸びております。データ利活用サービスを含むDeSC子会社化の影響で売上高は14億82百万円増加となり、全体では前期と比べて14億20百万円増加(前期比47.5%増)となり、44億10百万円となりました。

(売上総利益)

 売上総利益は、DeSC子会社化などにより売上原価が増加したため、前期と比べて1億62百万円増加し、14億19百万円となりました。なお、売上高総利益率は32.2%となりました。

(営業損益)

 営業損益は、販売費及び一般管理費がDeSC子会社化により増加したほか、DeSC取得にかかるのれんの償却費1億92百万円などにより、4億98百万円の営業損失(前連結会計年度は3億15百万円の営業損失)となりました。売上高営業利益率は、△11.3%となりました。

(経常損益)

 経常損益は、賃貸不動産の受取家賃ならびに賃貸収入原価が発生しました。また、第三者割当増資ならびに公開買付等に係るコンサル報酬等の支払手数料が発生したため、5億99百万円の経常損失(前連結会計年度は3億79百万円の経常損失)となりました。売上高経常利益率は、△13.6%となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 親会社株主に帰属する当期純損益は減収の影響に加えて、DeSCが所有するソフトウエアのうち、将来の収益獲得が見込まれなくなったものについて減損を行いました。これらの結果、6億64百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前連結会計年度は4億10百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ6億98百万円増加し、当連結会計年度末には10億78百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、1億98百万円(前連結会計年度は4億42百万円の使用)となりました。

これは、主に税金等調整前当期純損失7億29百万円、減価償却費3億3百万円、のれん償却額1億92百万円、減損損失1億20百万円などによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、35億14百万円(前連結会計年度は5億72百万円の使用)となりました。

これは、主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出27億83百万円、固定資産の取得による支出によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、44億11百万円(前連結会計年度は3億31百万円の獲得)となりました。

これは、主に株式の発行による収入33億99百万円、金融機関からの運転資金の借り入れによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

(イ)生産実績

  当社グループの事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

(ロ)受注実績

  当連結会計年度の受注保険者数および受注保険者数残高の実績は、次のとおりであります。

サービスの名称

受注顧客数

(件)

前年同期比

(%)

受注顧客数

残高

(件)

前年同期比

(%)

データヘルス関連サービス

775

121.5

645

138.4

データ利活用サービス

47

11

合計

822

128.8

656

140.8

 

(ハ)販売実績

  当連結会計年度の販売実績をサービスの区分ごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

サービスの名称

当連結会計年度

(自  2022年7月1日

至  2023年6月30日)

前年同期比

(%)

データヘルス関連サービス

2,952,330

103.8

データ利活用サービス

786,204

5414.6

その他

671,950

513.6

合計

4,410,484

147.5

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(イ)財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

(ロ)経営成績の分析

 当連結会計年度における売上高は44億10百万円(前期比47.5%増)となりました。売上高が増加した大きな要因は次のとおりと認識しております。

a.新規連結子会社(DeSC)の影響

 2022年10月にDeSCの株式を取得し、当連結会計年度から同社を連結子会社としております。DeSCは「kencom(ケンコム)」などの運営とデータ利活用サービスを中心としたヘルスケア事業を行っており、当連結会計年度におけるDeSCの売上高は14憶82百万円となります。これは当連結会計年度における当社グループ売上高の33.6%を占めており、前期からの大きな増加要因となりました。

 

 上記の通り、DeSCの子会社化によって大きく増収となりましたが、売上原価ならびに販売費及び一般管理費についてもDeSCを連結子会社としたことにより大幅に増加いたしました。DeSCは現在投資フェーズにあるため、これらのコストの増加が増収額を上回り、営業損失が増加いたしました。また、DeSC取得において多額ののれんを計上したため、のれん償却費1億92百万円が発生し、これらにより営業損失は4億98百万円(前連結会計年度は3億15百万円の営業損失)となりました。また、経常損失は第三者割当増資ならびに公開買付等に係るコンサル報酬等の支払手数料が多く発生したため、5億99百万円(前連結会計年度は3億79百万円の経常損失)となりました。売上高経常利益率は△13.6%であり、期首の予想値を下回りました。

 なお、親会社株主に帰属する当期純損失は、上記の要因に加え減損損失の計上などにより6億64百万円(前連結会計年度は4億10百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(イ)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(ロ)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの主な資金需要は事業運営上必要な人件費および業務委託費などの運転資金ならびに研究開発投資に必要な人件費および外注費などであります。

 当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金は10億78百万円、有利子負債は14億70百万円であります。

 当社グループは、自治体との契約が中心となるため、自治体の年度末である3月末までを契約期間とする業務が多く、営業収入の入金が第4四半期に集中いたします。このため、期中は運転資金の外部調達が必要になりますが、複数の取引銀行と当座貸越契約を締結しており、機動的な資金確保が可能であります。また、当座貸越契約の借入枠については十分な金額を確保しております。

 なお、将来大規模な投資資金などの資金需要が発生した場合には、エクイティファイナンス等による調達手段を検討してまいります。

 株主還元については、財務体質の強化および積極的な事業展開に備えるため必要な内部留保を確保しつつ、配当性向30%程度を目安として業績に対応した配当を行うことを基本方針としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りや仮定によることが必要になります。経営者は、過去の実績や状況および現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点でもっとも合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に採用しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。