E25850 IFRS
前期
4,233.6億 円
前期比
105.4%
株価
2,118 (04/22)
発行済株式数
822,970,201
EPS(実績)
165.52 円
PER(実績)
12.80 倍
前期
684.6万 円
前期比
106.0%
平均年齢(勤続年数)
39.5歳(7.7年)
従業員数
238人(連結:9,329人)
3 【事業の内容】
当社グループは、当社、連結子会社45社並びに持分法で会計処理されている関連会社及び共同支配企業15社(2024年12月31日現在)により構成されており、PCオンラインゲーム及びモバイルゲームの制作・開発、配信に関連した事業を行っております。取り扱う商品・サービスについて、国内では当社、海外においては現地連結子会社が、それぞれ独立した経営単位として各地域における包括的な戦略を立案し、事業を展開しております。
したがって、当社グループは、PCオンラインゲーム及びモバイルゲームの制作・開発、配信を基礎とした各社の所在地別のセグメントから構成されております。報告セグメントは「日本」、「韓国」、「中国」、「北米」、「その他」の5つとしており、「その他」の区分には欧州及びアジア諸国が含まれております。
各社の事業の内容等につきましては、後述「(5) 当社グループについて」における「<当社及び連結子会社の事業内容並びにその位置付け>」をご参照下さい。
・主要な連結子会社(2024年12月31日現在)
当社グループでは事業を、主に①PCオンライン事業、②モバイル事業に区分しております。
(1) 事業について
(a) PCオンライン事業
PCオンライン事業では、主にPCオンラインゲームの制作・開発、配信を行っております。また、付随してPCオンラインゲーム配信に係るコンサルティング事業やゲーム内広告事業並びにマーチャンダイジング事業などの業務も行っております。
当社グループが配信する代表的なゲームタイトルには、『メイプルストーリー』(MapleStory)、『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)、『EA SPORTS FC™ ONLINE』(以下『FC ONLINE』という。)などがあります。新規ゲームタイトルのサービス化に当たっては、世界の各地域のユーザー特性やその嗜好性を考慮した上で試験的な配信を行うなどして、市場の違いに柔軟に対応しております。
また、NEXON Korea Corporation、NEOPLE INC.、NEXON Games Co., Ltd.などの当社グループが開発したPCオンラインゲームは、自らが、又は市場が大きな地域では当社やNexon America Inc.、NEXON TAIWAN LIMITEDなどの当社グループ会社を通じて直接的に配信を行っており、PCオンラインゲームの制作・開発、配信をグループ内で連携することで、事業上の相乗効果最大化に努めております。加えて、当社が配信権を獲得した、当社グループ以外の他の開発会社が開発したPCオンラインゲームについても、当社グループがパブリッシングし、多数のユーザーへ向けてゲームを配信することで収益の最大化を図るとともに、開発会社と良好な関係を構築しながらゲームの配信サービスを提供しております。当社グループが直接的に配信を行っていない地域では、現地のパブリッシャーを通じて当社グループが制作したPCオンラインゲームを配信しております。以上のような事業上の取り組みを通じて、当社は世界中のユーザーへ面白くて、独創的なゲームを配信できるよう鋭意努力しております。
コンサルティング事業は、Lexian Software Development (Shanghai) Co., Ltd.が中国国内の配信会社に対して、ビリングシステム(注)及び会員システムの構築及び管理業務、事業戦略、ゲーム運営、マーケティングに係るコンサルティングサービスを提供しております。
また、韓国ではNexon Networks CorporationがPCオンラインゲーム及びモバイルゲームを提供する際の顧客支援及びネットカフェ運用に係るサービスを提供し、N Media Platform Co., LTD.がインターネットカフェ向けの広告プラットフォーム及び運用管理サービスを提供しております。
ゲーム内広告事業は、PCオンラインゲーム内広告の強みであるゲームコンテンツや広告内容の継続的なアップデートを通じ、ゲームの中で広告機能が付加された機能性アイテムを使用することにより直接露出できるといった特徴や、広告を一括管理している専用サーバーを通じ、異なる広告をターゲットユーザーに合わせて同時刻に露出できるという特徴を生かし、事業を展開しております。
マーチャンダイジング事業は、当社グループが保有するゲーム内の人気キャラクターを用いて商品を製作・販売する事業です。
<代表的なゲームタイトル一覧>
(注) 1. MMORPG:多人数同時接続型オンラインRPG
2. IP:特許権、商標権、著作権等を総称する知的財産権
3. ダンジョン:ゲームにて冒険の舞台として多様な謎が埋もれている領域、迷宮、経験値等が取得できる場所を指します。
4. MORPG:複数プレイヤー参加型オンラインRPG。実際にゲーム世界でプレイするプレイヤーの数においてMMORPGと異なります。
(b) モバイル事業
モバイル事業では、スマートフォン、タブレット等の端末でプレイするモバイルゲームの開発、配信を行っております。当社グループでは、国内や海外においてモバイルゲームの開発、配信を行っております。国内では当社がモバイルゲームの配信を行っております。韓国では主にNEXON Korea Corporation、NEOPLE INC.、NEXON Games Co., Ltd.などがモバイルゲームの開発、配信を行っております。
(2) PCオンラインゲーム及びモバイルゲームのビジネスモデルについて
PCオンラインゲーム及びモバイルゲームにおいて当社が採用しているビジネスモデルは、以下の3種類に区分することができます。
(a) 自社配信モデル
自社配信モデルは、当社グループのNEXON Korea Corporation、NEOPLE INC.などで開発したゲームを自らが、又は当社や当社グループのNexon America Inc.、NEXON TAIWAN LIMITEDなどの会社が直接にゲームサービス(ネットワーク環境の構築、マーケティング、ユーザーサポート等を含む。)を行うモデルです。
配信開始後は、課金方法に応じてユーザーから利用料を回収しますが、多くの場合は決済代行会社に手数料を支払い、ユーザーの利用料金回収業務を委託しております。
(b) ライセンス供与モデル
ライセンス供与モデルにおいて当社グループは、製品化したゲームの著作権者として、当社グループ外の配信会社とライセンス契約を締結し、その配信権を供与します。
ライセンス契約を締結し、配信権を得た配信会社は、サービスを行うに当たって必要なネットワーク環境の構築、マーケティング、ユーザーサポートを主体となって行います。また、ゲーム著作権を持つ当社グループ各社は、配信会社の収益拡大のために、これらの活動を支援いたします。
当社グループでは、PCオンラインゲームを開発しているNEXON Korea Corporation や NEOPLE INC.などが、例えば中国などにおいて、当社グループ外の配信会社に配信権を供与しております。
なお、配信権を供与するライセンス契約は一つのゲームタイトルにつき、一か国一社を原則とし、配信会社に対しては現地での独占的な配信権を当社グループとしては許諾しております。これに対し、ゲーム著作権を持つ当社グループ各社は継続的なゲームコンテンツのアップデートや、テクニカルサポートを提供し、配信会社との契約締結時には契約金を、ゲームの配信サービス開始後は配信会社がユーザーから回収するサービス利用料に応じて、その一定率をロイヤリティとして受け取ります。
なお、ロイヤリティ等の支払条件については、配信会社が所在する現地の実情を踏まえながら個別の契約に基づいて定めております。
(c) ライセンス配信モデル
ライセンス配信モデルでは、当社グループはグループ外のPCオンラインゲーム又はモバイルゲーム開発会社とライセンス契約を締結し、特定地域の独占配信権を取得し、当社グループでサービスを提供するネットワーク環境を構築し、マーケティング及びユーザーサポートを行い、ゲームの配信サービスを提供いたします。
当社はユーザーからサービス利用料を回収いたしますが、そこから一定のロイヤリティをグループ外のPCオンラインゲーム又はモバイルゲーム開発会社に支払います。
当社グループにおいては、Valve Corporationとの『カウンターストライクオンライン』(Counter-Strike Online)に係る取引、Electronic Arts Inc.との『FC ONLINE』、『EA SPORTS FC™ ONLINE M』及び『EA SPORTS FC™ MOBILE』(以下『FC MOBILE』という。)に係る取引などがライセンス配信モデルに該当いたします。
(3) PCオンラインゲームの収益モデルについて
現在のPCオンラインゲームにおける課金方法は以下の三種類があります。なお、当社グループでは主に(a)の方法で課金を行っております。
(a) ゲーム内の有料アイテム購入時に課金するアイテム課金制
基本的なゲームの利用料は無料ですが、これに必要なアイテム(衣装や武器等)の購入や特定のサービスを利用する際に課金する方式をいいます。
基本的なゲームの利用料が無料であることから、ユーザーが新たにPCオンラインゲームのプレイを始めようとする際の意識的ハードルは低くなり、新規のユーザーが気軽にゲームを始められる反面、ゲームが生み出す売上収益がゲーム内で販売する有料アイテム等の魅力に影響されることがあります。近年では基本的なゲームの利用料が無料のゲームについて、市場認知度が向上したことに伴い、新規ユーザーの確保を目的にこの方式を採用するPCオンラインゲームが市場全体として増加しております。
当社グループでは、より多くのユーザーに当社グループが提供するゲームのサービスを楽しんでいただくことを目的に、アイテム課金制度をいち早くPCオンラインゲームに取り入れております。
(b) 売り切り型及びダウンロードコンテンツ(DLC)への課金
ゲーム本編の購入時に一括で課金する方式又は追加コンテンツを購入する際に課金する方式を指します。
売り切り型は、ゲームの購入後に追加課金を必要としないため、完成品としてのゲーム体験を重視するユーザー層に支持されております。一方、DLC型は、ゲーム本編に加えて、新たなストーリーやアイテム、キャラクターなどの追加コンテンツを提供することで、ユーザーがゲームを楽しむ機会を更に広げることを目的としております。
当社グループでは、特定のタイトルや地域においてこの方式を採用し、ユーザーの期待に応える多様なゲーム体験を提供しております。
(c) 広告収入モデル
ゲームの利用料は無料ですが、ゲームの前後やゲーム中に画面に表示される広告により収入を得るモデルです。このモデルの広告は、一般に企業広告によるものが多いため、上記の(a)又は(b)と組み合わせる方式が多く、ゲームそのものの人気(集客度)に影響を受けます。
(4) モバイルゲームの収益モデルについて
現在のモバイルゲームにおける課金方法は以下の2種類があります。なお、当社グループでは主に(a)の方法で課金を行っております。
(a) ゲーム内の有料アイテム購入時に課金するアイテム課金制
基本的なゲームの利用料は無料ですが、これに必要なアイテム(衣装や武器等)の購入や特定のサービスを利用する際に課金する方式をいいます。
基本的なゲームの利用料が無料であることから、ユーザーが新たにモバイルゲームのプレイを始めようとする際の意識的ハードルは低くなり、新規のユーザーが気軽にゲームを始められる反面、ゲームが生み出す売上収益がゲーム内で販売する有料アイテム等の魅力に影響されることがあります。モバイルゲーム市場においては、アイテム課金制モデルが主流となっております。
(b) 広告収入モデル
ゲームの利用料は無料ですが、ゲームの前後やゲーム中に画面に表示される広告により収入を得るモデルです。このモデルの広告は、一般に企業広告によるものが多いため、上記の(a)と組み合わせる方式が多く、ゲームそのものの人気(集客度)に影響を受けます。
(5) 当社グループについて
当社は、事業持株会社であり、日本国内でPCオンラインゲーム及びモバイルゲームの配信を中心としたゲーム関連事業を行うとともに、関係会社の管理を行っております。
当社グループは、海外の主要市場にPCオンラインゲーム配信事業を行う連結子会社(韓国では、NEXON Korea Corporation、米国ではNexon America Inc.、東南アジアではNexon Thailand Co., Ltd.)を置き、当社グループが株式を100%保有しております。
PCオンラインゲームの制作・開発については、韓国のNEXON Korea Corporationとその傘下にある開発会社が担当するとともに、開発したゲームの著作権を中心とするIPを保有し、グループ内外のオンラインゲーム配信会社に、ゲームごとに各地域における独占配信契約を締結(ライセンスを供与)し、ロイヤリティの支払いを受けております。
中国では同国の法規制により、海外資本の会社が直接PCオンラインゲームの配信事業を行うことができないため、連結子会社であるLexian Software Development (Shanghai) Co., Ltd.(中国法人)が、中国の配信会社に必要なインフラの提供及びゲーム配信に必要なコンサルティング(事業戦略、ゲーム運営、マーケティング)を行っております。一方、PCオンラインゲーム運営に必要なインフラ及びノウハウを持っている配信会社に対するライセンス供与は、PCオンラインゲームのIPを保有しているNEXON Korea Corporationをはじめとする韓国の連結子会社が直接行っております。NEOPLE INC.はTencent Technology Shenzhen Company Limited 及び Shenzhen Tencent Computer Systems Co., Ltd.を通じて『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)を配信しております。
当社グループは、当社グループ内の開発チームにより世界市場で通用するPCオンラインゲームのタイトルを開発するとともに、他社との共同開発や、開発会社に出資又は他社を買収することでPCオンラインゲームのIPを獲得しております。当社グループの代表的なゲームタイトルである『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)は、2008年8月に買収したNEOPLE INC.がIPを保有し、配信会社と独占配信契約を締結し、ロイヤリティの支払いを受けております。
なお、モバイルゲームの開発・配信については、主にNEXON Korea Corporation及びNEXON Games Co., Ltd.において行っております。
当社及び主な連結子会社の事業内容並びにその位置付けは、次のとおりであります。
<当社及び連結子会社の事業内容並びにその位置付け>
[事業系統図]
以上述べた事項を事業系統図によって示すと、<図1>のとおりであります。
<図1>
また、当社グループにおけるロイヤリティ収入の流れは<図2>のとおりであり、当社及び主な子会社について記載しております。
<図2>
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響による下振れリスク、中東地域における紛争の長期化など、先行き不透明な状況が続いております。我が国経済は、不安定な国際情勢による資源・エネルギー価格の高騰や、為替変動による物価の上昇などがあったものの、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続きました。
このような状況の中、当社グループは、ライブ運用を基盤とし、IP成長戦略に沿った組織再編を行っております。これにより主要IPを著しく成長させるとともに、新たな大ヒット作の開発を進めてまいります。新たに策定したIP成長戦略は、垂直及び水平方向の成長で構成される戦略です。垂直方向の成長とは、『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)や『メイプルストーリー』(MapleStory)などの大ヒットフランチャイズを新しいコンテンツ、プラットフォーム、地域を通じて提供し、再活性化及び拡張することで成長させる戦略です。この戦略の重要な要素として、市場間の文化的違いを認識し、各地域のプレイヤーの好みに合わせてコンテンツをカスタマイズするハイパーローカライゼーションが含まれます。また、水平方向の成長とは、『マビノギ』(Mabinogi)など、当社グループのその他のゲームフランチャイズ、また『ARC Raiders』など開発中の新作から新たな大ヒット作を創出することを目的とした戦略です。
上記の結果、当連結会計年度の売上収益は446,211百万円(前期比5.4%増)、営業利益は124,176百万円(同7.8%減)、税引前当期利益は195,987百万円(同55.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は134,848百万円(同91.0%増)となりました。
報告セグメントの業績は、次のとおりであります。
当連結会計年度の売上収益は6,123百万円(前期比23.3%増)、セグメント損失は2,633百万円(前期は4,553百万円の損失)となりました。
当連結会計年度の売上収益は413,098百万円(前期比3.9%増)、セグメント利益は154,434百万円(同2.8%減)となりました。韓国セグメントの売上収益には、連結子会社であるNEXON Korea Corporationの傘下にあるNEOPLE INC.の中国におけるライセンス供与に係るロイヤリティ収益が含まれます。
当連結会計年度の売上収益は2,617百万円(前期比17.9%減)、セグメント利益は560百万円(同56.9%減)となりました。
当連結会計年度の売上収益は17,609百万円(前期比17.8%増)、セグメント損失は4,059百万円(前期は8,363百万円の損失)となりました。
当連結会計年度の売上収益は6,764百万円(前期比173.5%増)、セグメント損失は9,188百万円(前期は9,796百万円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は1,256,771百万円であり、前連結会計年度末に比べて158,668百万円増加しております。主な増加要因は、現金及び現金同等物の増加(前期末比51,416百万円増)、営業債権及びその他の債権の増加(同50,844百万円増)及びその他の金融資産の増加(同97,000百万円増)によるものであり、主な減少要因は、その他の預金の減少(同47,309百万円減)によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は226,246百万円であり、前連結会計年度末に比べて34,718百万円増加しております。主な増加要因は、リース負債の増加(前期末比10,274百万円増)、引当金の増加(同16,666百万円増)及び繰延税金負債の増加(同7,637百万円増)によるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本の残高は1,030,525百万円であり、前連結会計年度末に比べて123,950百万円増加しております。主な増加要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等に伴う利益剰余金の増加(前期末比72,970百万円増)及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の計上等によるその他の資本の構成要素の増加(同47,241百万円増)によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ51,416百万円増加し、331,931百万円となりました。当該増加には資金に係る為替変動による増加の影響7,780百万円が含まれております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は100,968百万円(前期は128,712百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期利益195,987百万円によるものであり、主な減少要因は、営業債権及びその他の債権の増加53,822百万円及び法人所得税の支払額43,740百万円によるものであります。
前期と比べて、営業債権及びその他の債権が増加したことから、営業活動による収入が減少いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は7,445百万円(前期は188,367百万円の支出)となりました。主な収入要因は、定期預金の純減少額40,653百万円によるものであり、主な支出要因は、連結子会社である投資ファンドを通じた有価証券の取得による支出13,091百万円、有価証券の取得による支出12,419百万円及び拘束性預金の純増加額9,221百万円によるものであります。
前期と比べて、定期預金への預入れが減少したことにより、投資活動による収入が増加いたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は64,777百万円(前期は78,554百万円の支出)となりました。主な支出要因は、自己株式の取得による支出54,564百万円及び配当金の支払額10,295百万円によるものであります。
前期と比べて、自己株式の取得による支出が減少したため、財務活動による支出が減少いたしました。
④ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における報告セグメントごとの情報を記載しております。
当社グループの生産実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当社グループは、受注活動は行っていないため、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 最近二連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2024年12月期における当社グループの売上収益は446,211百万円(前期比5.4%増)、営業利益は124,176百万円(同7.8%減)、税引前当期利益は195,987百万円(同55.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は134,848百万円(同91.0%増)となりました。
イ. 売上収益の分析
2024年12月期における売上収益は446,211百万円となり、前期比で5.4%増加いたしました。
当連結会計年度においては、5月21日に中国で配信を開始した『アラド戦記モバイル』(Dungeon&Fighter Mobile)の増収寄与により、三大フランチャイズである『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)、『メイプルストーリー』(MapleStory)及び『EA SPORTS FC™』の総売上収益が成長いたしました。また、7月2日に配信を開始した『The First Descendant』が大きく増収寄与した結果、過去最高の連結会計年度の売上収益を達成いたしました。主要フランチャイズ別の売上収益は、以下のとおりです。
『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)においては、フランチャイズを中国のモバイル市場に展開することで、多くの新規プレイヤーの獲得だけでなく、PC版の休眠ユーザーの掘り起こしに成功いたしました。その結果、フランチャイズ全体の売上収益は前期比で成長いたしました。中国のPC版『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)においては、2023年12月にゲーム内の経済バランスが悪化して以降、売上収益及びアクティブ・ユーザー数の回復に向けて継続してバランス改善及びプレイヤーエンゲージメントの向上に取組んでおります。しかし、売上収益が成長軌道に戻るにはまだ時間を要する見込みであり、前期比で減少いたしました。
『メイプルストーリー』(MapleStory)においては、既存ゲームのライブ運用を改善すると共に、ハイパーローカライゼーション戦略による地域展開や、IPを新作ゲームとして拡張する取組みを行っております。しかし、韓国におけるPC版の大型アップデートや中国におけるモバイル版の配信開始により、フランチャイズ全体として過去最高の連結会計年度の売上収益を記録した前期の高い水準との比較で売上収益が減少いたしました。韓国の『メイプルストーリー』(MapleStory)では、1月に公正取引委員会から課徴金納付命令を受けたことをきっかけにユーザーのセンチメントが悪化したことから、売上収益は前期比で減少いたしました。しかし、プレイヤーエンゲージメントの改善に努めた結果、プレイヤー満足度を示す指標であるネットプロモータースコアが第1四半期連結会計期間から第4四半期連結会計期間にかけて継続的に上昇し、来年度の成長に向けた土台を築きました。韓国以外の地域においては、各地域のプレイヤー嗜好に合わせた地域独自のコンテンツ開発やイベント及びプロモーションを行うハイパーローカライゼーション戦略が功を奏し、前期比で成長いたしました。また『メイプルストーリーM』(MapleStory M)もグローバルでの売上収益が前期比で増加いたしました。加えて、『MapleStory Worlds』を4月に韓国で正式ローンチし、また、10月に北米及び南米にてソフトローンチしたことから、売上収益への寄与だけでなくメイプルストーリーIPのファン層拡大に貢献いたしました。
『FC ONLINE』及び『FC MOBILE』においては、過去最高の連結会計年度の売上収益を記録した前期の高い水準との比較で減少いたしました。
その他の主要タイトルにおいては、7月2日に配信を開始した『The First Descendant』が欧米を中心に好評を博したことから、大きく増収に寄与いたしました。
ロ. 売上原価の分析
売上原価は164,838百万円(前期比19.5%増)となりました。これは主に、従業員数の増加や定期昇給、好業績による業績連動賞与により人件費が増加したことによるものです。
ハ. 販売費及び一般管理費の分析
販売費及び一般管理費は142,176百万円(前期比3.8%減)となりました。これは主に、従業員数の増加や定期昇給により人件費が増加したものの、プラットフォーム利用料や広告宣伝費が減少したことによるものです。
二. その他の収益(費用)の分析
その他の収益は1,039百万円(前期比40.1%減)となりました。これは主に、雑収入が減少したことによるものです。
その他の費用は16,060百万円(同244.2%増)となりました。これは主に、第1四半期連結会計期間において債務超過の持分法適用会社を連結子会社化しのれんの減損損失を認識したこと、及び前払ロイヤリティから生じた減損損失が増加したことによるものです。
ホ. 金融収益(費用)の分析
金融収益は79,698百万円(前期比98.5%増)となりました。これは主に、外貨建ての現金預金等で発生した為替差益が前連結会計年度に認識した金額を上回ったこと、及び市場性のある株式の市場価格の上昇により、前連結会計年度に認識した金額を上回る有価証券評価益を計上したことによるものです。
金融費用は3,400百万円(同53.3%減)となりました。これは主に、損失評価引当金繰入額が減少したことによるものです。
へ. 持分法による投資損益の分析
持分法による投資損失は5,179百万円(前期比47.5%増)となりました。これは主に、持分法適用会社の業績の変動によるものです。
ト. 持分法による投資の減損損失の分析
持分法による投資の減損損失は-百万円となりました。これは、前連結会計年度に計上した持分法による投資の減損損失が当連結会計年度では認識されなかったことによるものです。
チ. 法人所得税費用の分析
法人所得税費用は59,771百万円(前期比9.0%増)となりました。これは主に、金融収益が前期比で増加したことによるものです。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度における財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループにおける中長期的な事業拡大と企業価値向上のために必要な資金需要の主なものは、外注費、人件費等の原価、販売費及び一般管理費、研究開発費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。これらの運転資金及び設備投資資金については、自己資金を充当しておりますが、必要とされる資金水準を満たす十分な流動性を保持していると考えております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境及び(4) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。