株式会社ネクソン

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資産

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E25850 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当社グループは、当社グループの主力事業であるPCオンラインゲーム及びモバイルゲーム市場の成長速度を予測することが難しく、ユーザーの嗜好や人気タイトルの有無などの不確定要素に収益が大きく左右されることから、株主と投資家の皆様により正確な情報を提供するために、四半期報告書の経営成績の状況につきましては、前年同四半期連結会計期間との比較・分析を中心に説明を行っております。

また、前第4四半期連結会計期間において、持分法適用に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第3四半期連結累計期間及び前第3四半期連結会計期間の要約四半期連結財務諸表を遡及修正しております。これに伴い、前年同四半期連結累計期間及び前年同四半期連結会計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。暫定的な会計処理の確定の内容については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 12 持分法で会計処理されている投資 (3) 暫定的な会計処理の確定」をご参照ください。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結会計期間における世界経済は、ウクライナ戦争の長期化等によるエネルギー価格の高騰や物価上昇に加え、世界的な金融引締めや中国経済の先行き懸念など、先行き不透明な状況が続いております。わが国経済は、今年5月に新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが5類感染症へ移行し、社会経済活動が一段と正常化へ向かう中、雇用や所得環境の改善もあり、緩やかな回復傾向が見受けられました。

このような状況の中、当社グループはPCオンライン事業及びモバイル事業を展開し、ユーザーの皆様に楽しんでいただける高品質なゲームの開発、コンテンツの獲得、新規ゲームタイトルの配信に努めるとともに、既存ゲームタイトルのアップデートを推し進めてまいりました。具体的には、(ⅰ)大規模マルチプレイヤーオンラインゲームへの注力、(ⅱ)PC、コンソール及びモバイル等、あらゆるプラットフォームでのサービス提供、(ⅲ)自社IPの活用、(ⅳ)特別に価値のある新規IPへの投資、を集中戦略として設定し、グローバル事業の成長に取り組んでまいりました。

当第3四半期連結会計期間においては、『メイプルストーリー』(MapleStory)、『EA SPORTS FC™ MOBILE』及び『ブルーアーカイブ』(Blue Archive)の成長に加え、『Wars of Prasia』、『デイヴ・ザ・ダイバー』(DAVE THE DIVER)及び中国の『MapleStory: The Legends of Maple』の増収寄与により、過去最高の第3四半期連結会計期間の売上収益を達成しました。また、全ての顧客地域別売上においても、為替の好影響もあり売上収益が前年同期比で二桁成長しました。

韓国においては、『メイプルストーリー』(MapleStory)が過去最高の四半期連結会計期間の売上収益を達成したことに加えて、3月に配信を開始したモバイル・PCクロスプラットフォーム対応の『Wars of Prasia』の増収寄与により、PCオンラインゲームの売上収益は前年同期比で増加しました。『メイプルストーリー』(MapleStory)は7月の大型アップデート及び9月に実施したイベントが好評を博したことから、アクティブユーザー数、課金ユーザー数及びARPPUが全て前年同期比で増加しました。9月にタイトルを刷新した『EA SPORTS FC™ ONLINE』は、昨年からの好調を継続し、アクティブユーザー数及び課金ユーザー数が前年同期比で増加しました。モバイルゲームでは、9月にタイトルを刷新した『EA SPORTS FC™ MOBILE』、『ブルーアーカイブ』(Blue Archive)及び『メイプルストーリーM』(MapleStory M)の成長や、『Wars of Prasia』の増収寄与があったものの、『アラド戦記モバイル』(Dungeon&Fighter Mobile)及び『HIT2』が前年同期比で減収となったことから、売上収益が前年同期比で減少しました。以上より、韓国におけるPCオンラインゲームの売上収益の増加が、モバイルゲームにおける売上収益の減少を上回った結果、韓国全体では売上収益が前年同期比で増加し、過去最高の四半期連結会計期間の売上収益を達成しました。

中国においては、8月に配信を開始した『MapleStory: The Legends of Maple』及び『ブルーアーカイブ』(Blue Archive)の増収寄与により、売上収益が前年同期比で増加しました。主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)では、7月の夏季アップデートと9月の国慶節アップデートがともに好評を博し、パッケージ販売が前年同期比で増加しましたが、ユーザー数を高い水準に維持するために実施したイベントにおいて、魅力的な報酬を多く配布したことから、パッケージ以外のアイテム販売が前年同期比で減少しました。その結果、イベントの効果により、アクティブユーザー数及び課金ユーザー数は前年同期比で増加したものの、売上収益はわずかに減少しました。

日本においては、『ブルーアーカイブ』(Blue Archive)の大幅な成長により、売上収益が前年同期比で増加しました。

北米及び欧州においては、『メイプルストーリー』(MapleStory)や複数のモバイルタイトルの成長及び『デイヴ・ザ・ダイバー』(DAVE THE DIVER)の増収寄与により、売上収益が前年同期比で増加しました。

その他の地域においては、『メイプルストーリー』(MapleStory)及びローンチ後一定期間が経過したモバイルタイトルの売上収益が減少した一方で、『ブルーアーカイブ』(Blue Archive)の大幅な成長及び『HIT2』や『デイヴ・ザ・ダイバー』(DAVE THE DIVER)の増収寄与により、売上収益が前年同期比で増加しました。

費用面では、従業員数の増加や定期昇給、ボーナスの増加に伴う人件費の増加により、売上原価が前年同期比で増加しました。販売費及び一般管理費は、7月に大型アップデートを実施した『メイプルストーリー』(MapleStory)における広告宣伝費の増加により、前年同期比で増加しました。

また、外貨建ての現金預金等で発生した為替差益が前年同期を大幅に下回ったことにより、金融収益が前年同期比で大きく減少した結果、税引前四半期利益及び親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期比で減少しました。

上記の結果、当第3四半期連結会計期間の売上収益は120,256百万円(前年同期比23.4%増)、営業利益は46,310百万円(同46.9%増)、税引前四半期利益は52,859百万円(同5.4%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は35,167百万円(同14.6%減)となりました。

当第3四半期連結累計期間については、売上収益は338,779百万円(前年同期比24.3%増)、営業利益は130,199百万円(同40.4%増)、税引前四半期利益は167,589百万円(同7.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は112,496百万円(同4.2%増)となっております。

 

報告セグメントの当第3四半期連結累計期間の業績は、次のとおりであります。

① 日本

当第3四半期連結累計期間の売上収益は3,621百万円(前年同期比3.7%増)、セグメント損失は3,511百万円(前年同期は8,237百万円の損失)となりました。

② 韓国

当第3四半期連結累計期間の売上収益は321,560百万円(前年同期比25.6%増)、セグメント利益は144,910百万円(同30.8%増)となりました。韓国セグメントの売上収益には、子会社であるNEXON Korea Corporationの傘下にあるNEOPLE INC.の中国におけるライセンス供与に係るロイヤリティ収益が含まれます。

③ 中国

当第3四半期連結累計期間の売上収益は2,417百万円(前年同期比1.5%減)、セグメント利益は1,040百万円(同10.2%減)となりました。

④ 北米

当第3四半期連結累計期間の売上収益は10,231百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント損失は6,062百万円(前年同期は3,691百万円の損失)となりました。

⑤ その他

当第3四半期連結累計期間の売上収益は950百万円(前年同期比11.6%減)、セグメント損失は5,608百万円(前年同期は3,750百万円の損失)となりました。

 

 

(2)財政状態の状況

① 資産、負債及び資本の状況

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の総資産は1,193,598百万円であり、前連結会計年度末に比べて150,749百万円増加しております。主な増加要因は、その他の預金の増加(前期末比206,156百万円増)、その他の金融資産の増加(同51,997百万円増)、持分法で会計処理されている投資の増加(同19,791百万円増)及び営業債権及びその他の債権の増加(同17,872百万円増)によるものであり、主な減少要因は、現金及び現金同等物の減少(同159,193百万円減)によるものであります。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の負債合計は197,625百万円であり、前連結会計年度末に比べて22,322百万円増加しております。主な増加要因は、リース負債の増加(前期末比8,113百万円増)、繰延税金負債の増加(同4,575百万円増)及びその他の流動負債の増加(同6,239百万円増)によるものであります。

(資本)

当第3四半期連結会計期間末における資本の残高は995,973百万円であり、前連結会計年度末に比べて128,427百万円増加しております。主な増加要因は、親会社の所有者に帰属する四半期利益計上に伴う利益剰余金の増加(前期末比112,496百万円増)及び在外営業活動体の換算差額の計上等によるその他の資本の構成要素の増加(同60,585百万円増)によるものであり、主な減少要因は、自己株式の取得による減少(同50,079百万円減)によるものであります。

これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は82.5%(前連結会計年度末は82.3%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ159,193百万円減少し、250,175百万円となりました。当該減少には資金に係る為替変動による増加の影響16,080百万円が含まれております。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は98,764百万円(前年同期は103,165百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前四半期利益167,589百万円によるものであり、主な減少要因は、法人所得税の支払額47,733百万円、為替差益15,915百万円及び営業債権及びその他の債権の増加額15,206百万円によるものであります。

前年同期と比べて、税引前四半期利益が増加する一方で、法人所得税の支払額が増加したことにより、営業活動による収入が減少いたしました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は222,445百万円(前年同期は38,889百万円の収入)となりました。主な支出要因は、定期預金の純増加額185,915百万円及び持分法で会計処理されている投資の取得による支出24,030百万円によるものであります。

前年同期と比べて、定期預金への預入れが増加したことにより、投資活動による支出が増加いたしました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は51,592百万円(前年同期は91,291百万円の支出)となりました。主な支出要因は、自己株式の取得による支出50,114百万円によるものであります。

前年同期と比べて、自己株式の取得による支出が減少したことにより、財務活動による支出が減少いたしました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更又は新たに生じた事項はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は17,702百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。