売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

ニュースリリース


最終更新:

E27047 Japan GAAP

売上高

35.1億 円

前期

41.2億 円

前期比

85.2%

時価総額

45.7億 円

株価

212 (04/19)

発行済株式数

21,543,560

EPS(実績)

-63.79 円

PER(実績)

--- 倍

平均給与

583.3万 円

前期

586.9万 円

前期比

99.4%

平均年齢(勤続年数)

36.7歳(5.4年)

従業員数

119人

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

 当社は、インターネットを通じたモバイルゲームの企画・開発・提供を行うモバイルゲーム事業を主たる事業としています。当社の提供するサービスについては、主に「App Store」「Google Play」上においてサービスを提供するネイティブアプリケーション(注1)の配信を中心としております。また、モバイルゲームプラットフォーム(注2)を通じてもサービスを提供しており、ユーザーへの課金、料金の回収は当該モバイルゲームプラットフォーム事業者に委託するとともに、当社はその対価としてシステム利用料等を支払っております。

(注)1.ネイティブアプリケーションとは、特定のコンピューターの機種やOS上で直接実行可能なプログラムで

     構成されたアプリケーションソフトウェアのことをいいます。

   2.プラットフォームとは、ソフトウェアやハードウェアを動作させるために必要な、基盤となるハードウェ

     アやOS、ミドルウェア等のこと。また、それらの組み合わせや設定、環境などのことです。

 

[事業系統図]

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

 当社が提供するモバイルゲームの内容

 当社は2009年にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)プラットフォーム事業者がそのプラットフォームをオープン化(注)したことに伴い、独自の経営シミュレーションゲーム「ぼくのレストラン」の提供を皮切りに国内モバイルゲーム市場に参入しました。

 当社が提供する主要なアプリは下記のとおりとなります。

2023年3月29日現在

提供ソーシャルアプリ名

内容

ぼくのレストランⅡ

 1,000種類以上の料理が作れるレストラン経営シミュレーションゲーム

ガルショ☆

 世界中で商品を買い付けてアパレルショップを経営するシミュレーションゲーム

De:Lithe

~忘却の真王と盟約の天使~

 “命”をテーマに、神と人間の永きにわたる戦いの詩編を描いた

 ドラマチック共闘オンラインRPGゲーム

五等分の花嫁

五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。

 アニメ『五等分の花嫁』初のゲームアプリ。

 五つ子達とキズナを深めながら進めていく、かわいさ500%のラブコメパズルゲーム

進撃の巨人Brave Order

 単行本世界累計発行部数1億部を突破した人気作品

『進撃の巨人』のスマートフォンゲーム最新作

ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!

 アニメ『ゆるキャン△』初となるオンラインゲーム

(注)プラットフォームのオープン化とは、SNSプラットフォームのAPI((Application Programming Interface)

   :開発を効率的に行うための技術)を外部のサービス事業者や開発者に開放することです。

 

24/03/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により、社会経済活動に正常化の動きがある一方、世界的な原材料高騰による物価上昇の影響で、景気の先行きは極めて不透明な状況が続いております。

 当社においては、従業員の安全性を考慮し、恒久的なテレワーク(在宅勤務)制度を導入しており、通勤時間が不要になるなど、従業員満足度の向上が図られたとともに、場所を問わずチーム体制が有効に機能したこともあり、ゲームアプリの運用・開発面での生産性向上につながっております。

 当社の事業領域であるモバイルゲーム事業を取り巻く環境につきましては、2022年の世界ゲームコンテンツ市場は、前年比7.0%減の26.8兆円と減少している中、日本国内においては前年比1.4%増と一定の成長が見られました。また2022年のゲームアプリ市場は、世界的に見ると大ヒットしたタイトルがなく、前年比4.4%減の1.2兆円となりましたが、日本国内においては変わらず国内オンラインプラットフォームにおけるゲームコンテンツ市場では75%と大きな割合を占めており、引き続き堅調に推移していくことが期待されます。(出典:株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2023」)

 このような事業環境の中、当社は2023年6月15日にアニメ『ゆるキャン△』初となるオンラインゲーム「ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!」をリリースいたしましたが、ゲームシステムの修正や動作パフォーマンスの不具合などの改善点を修正しきれずに、売上想定を大きく下回る結果となりました。事前に広告宣伝費用も使用していたため、当期の業績に大きな影響を与えました。

 既存タイトルについては、運営施策の工夫により売上の逓減を最小限に抑え、リリース1周年を迎えた大人気作品『進撃の巨人』のスマートフォンゲーム「進撃の巨人 Brave Order」は、2023年11月にアニメ『進撃の巨人 The Final Season完結編(後編)』の放送・配信に伴い、新規ユーザーの流入や呼び戻し施策等により、売上高が好調であり引き続き当社の業績に貢献しております。今後もゲーム内のさらなる活性化を図るため、出演人気声優を起用した公式放送を行い、番組とゲームで連動した企画の実施や機能改善など、引き続き魅力的なイベント施策を行い、収益寄与につなげてまいります。

 リリース3年目を迎えたアニメ『五等分の花嫁』初のスマートフォンゲーム「五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。」は、累計800万ダウンロードを突破し、当社の業績に貢献しております。イベント施策や書き下ろしイラストの充実など、引き続き魅力的な施策を行い収益寄与につなげてまいります。

 リリース13年目を迎えた「ぼくのレストラン2」や「ガルショ☆」は、コラボレーション施策等が好調に推移し、引き続き当社の売上収益に大きく貢献しております。よりきめ細やかな対応を図り、ユーザーの皆様の満足度向上に努めてまいります。

 また、足元の状況としては、累計ダウンロード数900万突破のスマートフォン向けドラマチック共闘オンラインRPG「De:Lithe~忘却の真王と盟約の天使~」をベースとした、モバイルゲームクオリティのブロックチェーンゲーム「De:Lithe Last Memories(ディライズ ラストメモリーズ)」を開発中であります。クリプトファンにもモバイルゲームプレイヤーにも満足頂けるものを提供してまいりたいと考えております。今後も開発の進捗状況等については、積極的にプレスリリース等でお伝えしていく予定であります。

 さらに、当社は、全世界でサービス提供中のゲームプラットフォーム「Roblox」に向けた『ドラえもん』のアクションレースゲーム「ドラえもん のび太のゴーゴーライド!」を開発中であることを発表いたしました。なお「Roblox」へのゲーム配信は、パブリッシングをGeekOut株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:田中創一朗)が、開発・運営をenishが行う、2社の協業体制で実施してまいります。

 その他、当社は、収益構造の最適化の観点でリストラクチャリングを実行しており、人員の適正化に伴う特別退職金25百万円の計上、当社の非連結子会社である中国子会社(Enish China Limited.)の縮小に伴う関係会社整理損13百万円、その他、新規タイトルの開発の一部縮小に伴う事業整理損66百万円の特別損失を計上しております。

 なお、当社は株式会社HashPaletteより不当利益返還請求として176百万円の訴訟が提起させておりますが、今後、先方の主張及び請求内容を精査し適切に対処してまいります。今後の進捗に伴い、開示すべき事項が判明した場合には、すみやかにお知らせいたします。

 当事業年度においては、既存タイトルの効果的運営を推進するとともに、ブロックチェーンゲーム開発に人材を投入しております。引き続き、有力案件を確保し、ブロックチェーンゲームを含め年1~2本ペースでの新規タイトルリリースを行うことにより利益を積み上げ、企業価値向上を図ってまいります。

 

 この結果、当事業年度の業績は、売上高は3,508百万円(前事業年度比14.8%の減少)、営業損失は1,206百万円(前事業年度は335百万円の営業損失)、経常損失は1,265百万円(前事業年度は375百万円の経常損失)、当期純損失は1,374百万円(前事業年度は415百万円の当期純損失)となっております。

 また、当社はエンターテインメント事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

②財政状態の状況

 (資産)

 当事業年度末の資産につきましては、前事業年度末に比べて356百万円減少し、1,893百万円となりました。これは主に、関係会社株式の増加(前事業年度末比103百万円の増加)があった一方で、現金及び預金の減少(前事業年度末比468百万円の減少)によるものであります。

 

 (負債)

 当事業年度末の負債につきましては、前事業年度末に比べて261百万円増加し、1,384百万円となりました。これは主に、短期借入金の増加(前事業年度末比200百万円の増加)、契約負債の増加(前事業年度末比110百万円の増加)があった一方で、その他流動負債の減少(前事業年度末比55百万円の減少)によるものであります。

 

 (純資産)

 当事業年度末の純資産につきましては、前事業年度末に比べて618百万円減少し、508百万円となりました。これは主に、第三者割当による行使価額修正条項付第16回新株予約権の権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ377百万円増加した一方で、当期純損失を1,374百万円計上したことによるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ622百万円減少し、707百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動により使用した資金は、1,338百万円となりました。これは主に、税引前当期純損失1,370百万円、契約負債の増加額110百万円、未払又は未収消費税等の減少額104百万円があったことによるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動により使用した資金は、81百万円となりました。これは主に、関係会社株式の取得による支出103百万円があったことによるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動により獲得した資金は、798百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入749百万円があったことによるものであります。

 

④生産・受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。

 

b.受注実績

 当事業年度の受注実績は次のとおりであります。

事業の名称

 

当事業年度

(自 2023年1月1日

    至 2023年12月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

エンターテインメント事業(千円)

71,090

56.9

30,000

合計(千円)

71,090

56.9

30,000

 

c.販売実績

 当事業年度の販売実績は次のとおりであります。

事業の名称

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

前年同期比(%)

エンターテインメント事業(千円)

3,508,746

85.2

合計(千円)

3,508,746

85.2

(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

当事業年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Apple Inc.(注)2

1,629,209

39.6

1,224,110

34.9

グリー株式会社(注)2

724,938

17.6

714,938

20.4

Google Inc.(注)2

651,116

15.8

548,364

15.6

  2.相手先は決済会社又はプラットフォーム事業者であり、ユーザーからの代金回収を代行しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産・負債や収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所があります。これらの見積りについては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内で合理的に判断を行っております。

 当社の財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

 

②財政状態の分析

 財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

③経営成績の分析

a.売上高

 当事業年度の売上高は3,508百万円となりました。詳細については「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。

 

b.売上原価、売上総利益

 当事業年度の売上原価は開発中タイトルのコストの増加により、前事業年度比3.1%の増加の3,886百万円となりました。これは主に、労務費925百万円、既存・新規タイトル制作に伴う外注費916百万円及びプラットフォーム事業者等への支払手数料1,192百万円となり、この結果、売上総損失は377百万円となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業損益

 販売費及び一般管理費は828百万円となりました。これは主に、労務費193百万円、広告宣伝費335百万円、カスタマーサポート等の外注費29百万円となり、この結果、営業損失は1,206百万円となりました。

 

d.営業外収益、営業外費用及び経常損益

 営業外収益は5百万円、営業外費用は64百万円となりました。営業外収益は主に受取利息2百万円、債務免除益1百万円、営業外費用は主に支払利息60百万円、株式交付費2百万円であり、この結果、経常損失は1,265百万円となりました。

 

e.特別損失及び当期純損益

 特別損失は105百万円となりました。特別損失は主に、人員の適正化に伴う特別退職金25百万円、当社の非連結子会社である中国子会社(Enish China Limited.)の縮小による子会社整理損13百万円、新規タイトルの開発の一部縮小に伴う事業整理損66百万円であり、この結果、税引前当期純損失は1,370百万円となり、法人税、住民税及び事業税の計上により、当期純損失は1,374百万円となりました。

 

④キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤経営戦略の現状と見通し

 今後の見通しにつきましては、既存タイトルの売上高の維持と効率的な運営体制の見直しを行い収益力の強化を図ってまいります。また、売上収益の拡大を目的に、新規で年間1~2タイトルをリリースしていく方針です。今後の新規タイトルにつきましては、新規開発に注力できる体制を構築・維持することで、開発の長期化や開発費の高騰など各種リスクの低減を図りながら、高品質なIPタイトルの開発を行ってまいります。

 さらに、ブロックチェーンゲーム市場の急速な拡大と活性化のなかで、当社はブロックチェーン技術を活用したサービス開発に早期参入しノウハウを得る方針です。なお、ブロックチェーンゲームの開発にあたり体制を強化し推進してまいりますが、受託開発方式により先行コストが増加しないよう努めてまいります。

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑦資本の財源及び資金の流動性

 当社の資金需要のうち主な内容は、モバイルゲームの開発・運営に係る人件費及び外注費並びに広告宣伝費等の運転資金であります。当社では、運転資金につきましては、自己資金及び借入金等により資金調達をしておりますが、必要に応じて資本性の資金調達を実施しております。なお、2023年9月1日付で発行した第三者割当による行使価額修正条項付第16回新株予約権が2023年12月6日までにすべて行使された結果、752,783千円の資金調達をしております。

 当事業年度においては、営業活動により1,338百万円、投資活動により81百万円を使用し、財務活動により798百万円の資金を調達しております。

 各項目の主な要因については、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑧経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、売上高及び営業利益を継続的に成長させ、企業価値向上を目指してまいりたいと考えております。このため、売上高及び営業利益を重要な指標として位置付けております。

 売上高については、ブラウザタイトルは引き続き堅調に推移し、「進撃の巨人 Brave Order」や「五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。」は大きく業績に寄与しました。しかしながら2023 年6月にリリースいたしました「ゆるキャン△ つなげるオールインワン!!」はゲームシステムの修正や動作パフォーマンスの不具合などの改善点を修正しきれずに、想定を大きく下回る結果となりました。コストについては、外注費及び広告宣伝費のコントロール等を行ったが、新規IPタイトル及びブロックチェーンゲームの開発コストが計上された結果、当事業年度の業績は、減収減益となりました。

 この結果、当事業年度における、売上高は3,508百万円(前事業年度比14.8%の減少)、営業損失は1,206百万円(前事業年度は335百万円の営業損失)、経常損失は1,265百万円(前事業年度は375百万円の経常損失)、当期純損失は1,374百万円(前事業年度は415百万円の当期純損失)となっております。引き続き当該指標の改善に邁進していく所存であります。