E27877 Japan GAAP
前期
146.6億 円
前期比
104.6%
株価
926 (02/06)
発行済株式数
23,672,000
EPS(実績)
49.13 円
PER(実績)
18.85 倍
前期
588.9万 円
前期比
96.5%
平均年齢(勤続年数)
35.9歳(7.4年)
従業員数
641人(連結:1,080人)
当社グループは、情報サービス業(ソフトウェア開発サービス)を主たる業務としております。顧客より請け負った受託開発業務を中心に、主にソフトウェアの設計・開発・導入・維持管理等の業務を実施しております。ソフトウェア開発は4つのフェーズと9つの工程からなり、それを実現するプロセスの関係は以下のとおりです。
※画像省略しています。
当社グループは、長年の開発実績に基づき、品質保証のための世界標準であるCMMI®(注1)について、2012年11月に最高位のレベル5を達成いたしました。また、2015年11月、2018年10月、2021年9月にレベル5を継続して達成しております。
さらに、プロジェクト管理の国際標準的な資格であるPMP®(注2)についても、全従業員に占める資格取得率において日本国内でトップクラスに位置しているものと認識しております。
当社グループでは、このCMMI®、PMP®をベースに独自の開発標準(SICP(注3))を策定し、積極的に品質強化に努めております。この開発標準(SICP)は、組織方針、標準プロセス、標準書式、組織ベースラインから構成されており、当社グループが受託する全ての開発プロジェクトへの適用を義務付けております。
開発標準(SICP)の体系を図示すると以下のようになります。
※画像省略しています。
これらに基づき、より品質の高いシステムの開発を実現することを経営の最重要課題として取り組んでおります。
当社グループは、主に保険・共済、金融、流通・サービス、製造、通信、官公庁などの業種・業態向けの業務システム開発を行っております。
なお、当社グループはソフトウェア開発サービスの単一セグメントであります。
(注1)CMMI®(Capability Maturity Model Integration の略)
米国カーネギーメロン大学(CMU)のソフトウェア工学研究所(SEI)が開発したソフトウェア開発プロセスの能力成熟度モデルであります。組織のプロセス能力(成熟度)を5段階で評価し継続的な改善を促す、体系的なプロセス改善のためのモデルであります。現在ではソフトウェア開発能力を測る国際標準的な指標となっております。
なお、最高位のレベル5を達成している日本企業は、以下のとおりとなります。
・株式会社ジャステック
Production Div., Training & Workforce Development Dept., Procurement Dept., Audit Office, Inspection Group, Quality/Environment Group
・株式会社富士通コンピュータテクノロジーズ
System Div.
・株式会社大和コンピュータ
Solution 3rd Department & ISO Secretariat
・株式会社クロスキャット
Public System Division #1, Public Business Systems Department #1
・三菱総研DCS株式会社
System development Div. and Support Div.
・株式会社システム情報
Software Development Departments and Quality Management Division
(注)出典:ISACA「Published Appraisal Results」より
(注2)PMP®(Project Management Professional の略)
米国PMI(Project Management Institute)が認定するプロジェクトマネジメントに関する資格であります。PMIが発行する知識体系ガイド(PMBOK® = A Guide to Project Management Body of Knowledge)に基づくプロジェクトマネジメントエリアに関する知識と理解度をはかることをその目的としております。現時点ではプロジェクトマネジメントに関する国際標準的な資格となっております。
(注3)SICP(SI&C system Integration Control Processの略)
国際資格/標準であるPMP®、CMMI®をベースに、長年に亘る当社の開発ノウハウを注入して策定した当社独自の開発標準であります。
当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。
※画像省略しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が「5類感染症」へと移管されたことで、各種政策に加えてインバウンド需要が順調に回復するなど、経済活動が正常化し企業収益にも緩やかな改善がみられております。一方で、地政学リスクの増大と、それに伴う資源価格の高騰、加えて円安による原材料価格の高騰が企業収益や家計へ大きな影響を与えており、物価の上昇に収束が見えないことから、先行き不透明な状況になっております。
当社グループが属する情報サービス産業においては、前年度に引き続き企業の設備投資意欲は旺盛で、2023年9月の日銀短観でも、2023年度はソフトウェア投資計画で10%以上の伸びとなっております。
このような環境下、当社グループ売上高の4割を占める金融セクター(保険を含む)だけでなく、デジタル化とDX推進によるビジネス拡大意欲が旺盛な流通・小売セクターやサービス産業向けのシステム開発案件が好調だったことで、売上高は過去最高となりました。一方で、新卒や第二新卒の採用強化、業容の拡大に伴うオフィス増床、既存社員の待遇改善、リスキリングを含む技術者教育などに注力した結果、経費の増加が、売上高の増加を上回る結果となりました。採用や人材育成の強化が利益を圧迫する主要因となりましたが、各企業が来春新卒採用において、想定の採用人数を満たさず採用の再募集や延長などを行っている現状を考え合わせると、適切な人材獲得を行えたものと考えており、中期経営計画の基本方針のひとつである「高付加価値人材の創出」の一環としての人材強化は、高度領域案件の受注獲得、高付加価値人材の価格転嫁による受注単価の上昇といった先につながる効果も生み出してきております。
また、教育投資による直接的な効果だけではなく、6月に当社社員の山田豊が、Google社の「2023 Google Open Source Peer Bonus」を受賞、当社社外取締役鷲﨑弘宜及びフェロー小林浩が、情報処理学会ソフトウェア工学研究会主催の「ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2023」にて最優秀論文賞を受賞するといった当社の技術力の高さの発信も、ブランド力強化による受注環境の後押しをしております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高15,327,359千円(前年同期比4.6%増)、営業利益1,692,248千円(同6.8%減)、経常利益1,716,935千円(同6.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,163,025千円(同6.4%減)となりました。
なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて503,617千円増加し、4,141,310千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,171,903千円(前年同期は956,583千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,703,237千円の収入があったこと、棚卸資産の増加額64,125千円、法人税等の支払額610,634千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は190,345千円(前年同期は171,473千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出71,918千円、長期前払費用の取得による支出52,140千円、保険積立金の積立による支出49,625千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は477,939千円(前年同期は819,105千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額438,438千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループはソフトウェアの開発・保守等に係るサービスの提供を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
ソフトウェア開発サービス |
15,460,907 |
105.0 |
1,336,949 |
110.0 |
合計 |
15,460,907 |
105.0 |
1,336,949 |
110.0 |
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
ソフトウェア開発サービス |
15,327,359 |
104.6 |
合計 |
15,327,359 |
104.6 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
当連結会計年度 (自 2022年10月1日 至 2023年9月30日) |
||
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
(株)エヌ・ティ・ティ・データ |
1,675,720 |
11.4 |
2,199,881 |
14.4 |
第一生命情報システム(株) |
1,781,130 |
12.2 |
1,689,318 |
11.0 |
(注)株式会社エヌ・ティ・ティ・データは2023年7月1日付で株式会社NTTデータグループに商号変更しております。なお、当連結会計年度における販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合には、国内事業会社である株式会社NTTデータとの取引も含まれております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性のため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、15,327,359千円(前年同期比4.6%増)となりました。主な販売先は株式会社エヌ・ティ・ティ・データ2,199,881千円(売上高に対する割合14.4%)、第一生命情報システム株式会社1,689,318千円(同11.0%)、日鉄ソリューションズ株式会社1,183,185千円(同7.7%)であります。
なお、株式会社エヌ・ティ・ティ・データは2023年7月1日付で株式会社NTTデータグループに商号変更しております。また、売上高には国内事業会社である株式会社NTTデータとの取引も含まれております。
b.売上原価、売上総利益
売上原価は外注費や人件費の増加等により前期比5.6%増の12,174,787千円となり、売上高に対する割合は79.4%となりました。
売上総利益は売上高の増加及びプロジェクト管理の強化により、前期比0.8%増の3,152,571千円となり、売上高に対する割合は20.6%となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は事務所増床による地代家賃や積極的な新卒及び中途採用による給与手当及び教育費の増加等により前期比11.4%増の1,460,323千円となり、売上高に対する割合は9.5%となりました。
営業利益は、前期比6.8%減の1,692,248千円となり、売上高に対する割合は11.0%となりました。
d.営業外損益、経常利益
営業外収益は前期比39.9%増の33,829千円、営業外費用は前期比11.8%減の9,142千円となりました。
経常利益は前期比6.1%減の1,716,935千円となり、売上高に対する割合は11.2%となりました。
e.親会社株主に帰属する当期純利益
法人税等合計が前期比6.3%減の540,211千円となったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比6.4%減の1,163,025千円となり、売上高に対する割合は7.6%となりました。
なお、経営成績等の状況の概要については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 当連結会計年度の財政状態の分析
a.資産の部
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度と比べて793,787千円増加し、8,589,592千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べて619,276千円増加し、6,758,485千円となりました。これは主に、現金及び預金が503,617千円、売掛金が68,889千円、仕掛品が64,125千円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて174,510千円増加し、1,831,106千円となりました。これは主に、投資その他の資産が191,457千円増加したこと、無形固定資産が41,747千円減少したこと等によるものであります。
b.負債の部
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比べて22,189千円増加し、2,417,028千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べて14,907千円減少し、2,083,937千円となりました。これは主に、賞与引当金が54,171千円増加したこと、未払法人税等が71,290千円、1年内返済予定の長期借入金が58,332千円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて37,096千円増加し、333,091千円となりました。これは主に、長期借入金が29,166千円増加したこと等によるものであります。
c.純資産の部
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べて771,598千円増加し、6,172,563千円となりました。これは主に、利益剰余金が724,088千円増加したこと等によるものであります。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループのキャッシュ・フローの状況の概要については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要のうち主なものは、外注費、労務費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金であります。これらの所要資金については、自己資金により充当しております。
ただし、①大規模プロジェクトなどの案件によって立替が先行する場合、②M&Aによる買収資金の手当てが必要な場合や、③緊急時の対応等を鑑みて金融機関との良好な関係を維持することを目的とした場合には、金融機関からの調達を行うこととしております。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は307,500千円、現金及び現金同等物の残高は4,141,310千円であり、当面の資金需要に十分対応できる資金を保有しております。