売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率


最終更新:

E30877 Japan GAAP

売上高

19.5億 円

前期

17.8億 円

前期比

109.7%

時価総額

163.5億 円

株価

1,996 (05/01)

発行済株式数

8,190,000

EPS(実績)

22.87 円

PER(実績)

87.29 倍

平均給与

642.9万 円

前期

634.6万 円

前期比

101.3%

平均年齢(勤続年数)

36.1歳(4.4年)

従業員数

123人(連結:186人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の子会社)は、当社(株式会社FFRIセキュリティ)及び子会社1社により構成されており、サイバー・セキュリティ事業を主な事業内容とし、さらにソフトウェア開発・テスト事業を営んでいます。

なお、事業区分は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメントの区分と同一です。各事業の内容は以下の通りです。

 

(1)サイバー・セキュリティ事業

コンピュータ・システムは今や社会に深く根付き、そのシステムが果たす機能の安全を守ることは、私たちの生活だけでなく、国家安全保障においても重要な課題となっています。

近年、技術革新に伴ってコンピュータ・システムに対する脅威は多様化・複雑化し、かつ急速に変化しています。増え続ける標的型攻撃 ※1 やランサムウェア ※2 などによる機密情報漏洩やシステム破壊は、従来のリスク管理プロセスだけでは十分な対応を取る事が難しく、サイバー・セキュリティ ※3 の果たすべき役割の重要性はますます高まっております。

当社グループは、サイバー・セキュリティの基盤となる技術とリサーチ能力をバックグラウンドに、IT社会を取り巻く様々な外部脅威からコンピュータ・システムを守る、サイバー・セキュリティの研究開発企業です。当社グループではサイバー・セキュリティのシーズ型研究開発 ※4 を行っており、研究開発活動から得た技術・知見を元に様々な形態でユーザーにサイバー・セキュリティ対策を提供しています。

また、当社グループは特にセキュリティ脆弱性 ※5 分野、マルウェア ※6 関連分野、情報家電やスマートフォン等をはじめとした組み込み機器分野に係るセキュリティにおける技術力を強みとしているほか、車載システムのセキュリティを始めとするIoTセキュリティ分野の研究開発を行っており、Black Hat※7等の国際的に権威のあるセキュリティカンファレンスにおける研究成果の発表実績があります。

なお、サイバー・セキュリティ事業の主要な販売区分である「ナショナルセキュリティセクター」及び「パブリックセクター」、「プライベートセクター」の内容は以下のとおりです。

(ナショナルセキュリティセクターについて)

ナショナルセキュリティセクターは、官公庁における国家安全保障及び経済安全保障関連業務の受注や、安全保障関連組織及び防衛産業企業を対象としたセキュリティ・サービスの提供及び各種セキュリティ・プロダクトの販売をしています。また、最新のマルウェアやサイバー攻撃手法、IoCなどのテクニカル情報の収集・解析及び対策技術の研究開発を行い、サイバー・セキュリティに関する知見や技術を獲得し、そのノウハウを製品やサービスに活用しています。

(パブリックセクターについて)

パブリックセクターは、官公庁及び地方自治体、独立行政法人などを対象としたセキュリティ・サービスの提供及び各種セキュリティ・プロダクトの販売をしています。官公庁においては、当社グループが純国産のサイバー・セキュリティ企業であるという事から販売に強みを持っており、専任のセールスチームを組織し集中的な販売活動を行っております。

(プライベートセクターについて)

プライベートセクターは、国内及び海外の一般企業を対象としたセキュリティ・サービスの提供及び各種セキュリティ・プロダクトの販売をしています。また、小規模事業者や個人を対象としたセキュリティ・プロダクトの販売も行っています。

 

 各販売区分で提供している、サービス及びプロダクトの内容は以下のとおりです。

(セキュリティ・サービスについて)

セキュリティ・サービスでは、セキュリティ脅威の調査・分析から脆弱性検査、セキュリティ人材育成のための教育・研修サービスや、セキュリティ上の課題に対するコンサルティング及びセキュリティ情報の提供、コンピュータ・システムのセキュリティ堅牢性調査と実際にサイバー攻撃を受けた場合の影響調査、ハードウェア・ソフトウェアへ独自のサイバー・セキュリティ対策の仕組みを組み込むための受託開発、IoTやAI、5Gなど先端技術分野のセキュリティ診断などのほか、ユーザーのニーズに応じてセキュリティ調査・分析・研究等を行っております。

(セキュリティ・プロダクトについて)

セキュリティ・プロダクトでは、パターンファイル ※8 に依存しない、完全ヒューリスティック検出技術 ※9 により未知・既知のマルウェア及びセキュリティ脆弱性を狙った攻撃を防御する技術を始めとした、従来の技術では防御できない新たな外部脅威からコンピュータ・システムを守る製品を提供しております。各種セキュリティ対策製品はサブスクリプションライセンス(期限付きの使用権)又はパーペチュアルライセンス(無期限の使用権)により販売しています。サブスクリプションライセンスではユーザーは契約した期間、製品を使用でき、契約には製品のアップデートや保守サポートを含んでいます。契約期間終了後、引き続き使用する際は再度契約の更新をすることとなります。パーペチュアルライセンスは販売後、ユーザーは製品を永続的に使用することができますが、最新のプログラムへのアップデート及び保守サポートサービスは別途保守サービスを有償で提供しています。

また、サイバー・セキュリティ対策の仕組みを販売用製品として開発し、主にITセキュリティベンダー ※10 やSIer ※11 を対象にそれらプログラム著作物の権利販売を行っています。

セキュリティ・プロダクトの主な製品は、標的型攻撃対策製品「FFRI yarai」、マルウェア自動解析ツール「FFRI yarai analyzer」といった製品を提供しております。

 

当社グループの提供する主な製品は以下のとおりです。

名称

内容

FFRI yarai

マルウェアごとに検出パターンを作成する旧来の技術では、未知の攻撃をカバーしないほか、検出パターンの増加に伴いシステムに対する負荷も増加します。FFRI yaraiはパターンファイルに依存しない、完全ヒューリスティック検出技術による標的型攻撃マルウェア対策製品で、未知・既知のマルウェア及びセキュリティ脆弱性を狙った攻撃を防御します。

FFRI yarai analyzer

プログラムや文書ファイル、各種データファイルを自動的に解析し、マルウェア混入のリスク判定が可能となります。実施が難しいソフトウェア製品の出荷前マルウェア混入検査、マルウェア被害の初動分析、ハッキングによる情報流出対策などで活用可能です。

 

(2)ソフトウェア開発・テスト事業

 ソフトウェア開発・テスト事業においては、ソフトウェアの設計・開発・評価・解析などの業務に関わる技術者の派遣や、ソフトウェアの不具合により顕在化するリスクを回避するため、ソフトウェアの不具合を発見、又は、重大な不具合が発生していないことを確認するテストの計画・設計、実施を提供しております。

 

[事業系統図]

※画像省略しています。

 

(注)セキュリティ・プロダクトでは、販売パートナーとOEM提供先の2つの販売チャネルにてユーザーに提供しております。販売パートナーは主にSIerやITセキュリティベンダーで構成され、当社グループから製品を仕入れ、ユーザーに販売します。OEM提供はITセキュリティベンダー向けに行っており、当社製品をOEM提供先ブランドとしてカスタマイズし、ユーザーに販売します。当社グループはOEM提供先から製品の対価を受け取ります。また、販売パートナー及びOEM提供先はユーザーに対して製品のユーザーサポートを提供し、当社グループは販売パートナー及びOEM提供先に対して製品についての技術的な問合せに対応する技術サポートを提供する体制をとっています。このほか、個人向けにおいては当社グループからの直接販売も行っております。

 

(用語解説)

※1

標的型攻撃

特定の企業や組織、個人を狙った攻撃のこと。攻撃者は綿密な事前調査により、標的システムのセキュリティ対策に応じた攻撃手法を選択するため、危険度の高い脅威。

ランサムウェア

コンピュータ・ウイルスの一種で、感染すると直ちにコンピュータ内のファイルを暗号化しファイルを使えなくしたうえで、元に戻すための身代金を要求する。

サイバー・セキュリティ

第三者による悪意ある攻撃からの防御対策のことで、コンピュータへの不正アクセス、データの改ざんや破壊、情報漏洩、コンピュータ・ウイルスの感染などからコンピュータ・システムを守ること。

シーズ型研究開発

顕在化した需要に基づいて行うニーズ型研究開発に対して、現在ある情報を元に将来発生するであろう需要を探り、それに基づいて行う研究開発のこと。

セキュリティ脆弱性

コンピュータやネットワークなどの情報システムにおいて、第三者が保安上の脅威となる行為(システムの乗っ取りや破壊、機密情報の漏洩など)に利用できる可能性のあるシステム上の欠陥や仕様上の問題点。

マルウェア

コンピュータ・ウイルス、スパイウェアなど、悪意のある目的を持ったソフトウェアやプログラム。

Black Hat

世界各国の企業や政府、教育機関等からのリーダーが一堂に会し、最先端のセキュリティ情報を発表する世界最大規模の国際セキュリティカンファレンス。

パターンファイル

ウイルス対策ソフトが持つ、マルウェアを検出するためのデータベースのことで「定義ファイル」ともいう。マルウェアが持つ特定の文字列や、特徴的な動作パターンなどが記録されているもので、多くのウイルス対策ソフトはこのパターンファイルとマルウェアを照合することで検査対象のプログラムがマルウェアかどうか判定する。新しいマルウェアが出現するごとに対応するパターンファイルが必要であるため、新種や未知のマルウェアに対する防御機能はない。

ヒューリスティック検出技術

マルウェア等の不正なプログラムを検知する際、パターンファイルによるマッチングではなく、マルウェア等がもつ特徴的なプログラムの構造や振る舞いを検知する手法。これにより未知のウイルスや亜種、0-day脆弱性などにも対応できる。

10

ITセキュリティベンダー

ウイルス対策ソフト等のセキュリティ対策ソフトウェアやセキュリティ関連サービスを開発・提供している事業者のこと。

11

SIer

ユーザーニーズに応じて選定した複数のシステムを1つのシステムとして構築し、それぞれの機能が正しく働くように完成させる「システムインテグレーション」を行う企業のこと。

23/06/29

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるサイバー・セキュリティ業界は、ロシアのウクライナ侵攻による著しい世界情勢の変化によって、世界中でサイバー攻撃が増加するなど、セキュリティリスクが大幅に増大しました。国内では、ランサムウェアを用いた身代金目的と見られるサイバー攻撃が増加した他、医療機関や交通インフラ、政府組織の機能停止を狙ったサイバー攻撃など、政治的目的のためと見られるサイバー攻撃も増加しており、サイバー・セキュリティが安全保障に与える影響はますます大きくなっています。このようなリスクの顕在化を受け、政府は令和4年5月に経済安全保障推進法、令和4年12月には防衛3文書を制定し、サイバー防衛能力の強化や、基幹インフラ事業者のセキュリティ体制の確保、国内サイバー・セキュリティ産業の育成など、多方面からサイバー・セキュリティ能力の整備・拡充を進める方針です。これにより、ナショナルセキュリティセクター及びパブリックセクターにおける需要の拡大は一層加速しています。

 このような環境の中、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。

 

○サイバー・セキュリティ事業

(ナショナルセキュリティセクター)

 ナショナルセキュリティセクターにおきましては、国際情勢の緊張と比例してサイバー攻撃のリスクが急速に高まっており、サイバー領域における安全保障は重要な課題となっています。我が国においては、防衛3文書が制定されるなど、国家安全保障及び経済安全保障の両面で政府が主導する取り組みが急速に進んでおり、引き続き需要拡大が見込まれます。当社グループにおいては、ナショナルセキュリティセクターの人員を拡大し、研究開発体制を強化した他、横須賀ナショナルセキュリティR&Dセンターにて、防衛産業及び関連組織向けにセキュリティ調査・研究案件及び、教育案件を中心に実施しました。また、高度なスキルを持つ技術者の育成及び採用の強化など体制整備にも取り組んでおり、将来のナショナルセキュリティセクターでの大きな需要を取り込める体制構築を進めております。

 この結果、当連結会計年度におけるナショナルセキュリティセクターの売上高は143,800千円(前年同期比163.9%増)となりました。

 

(パブリックセクター)

 パブリックセクターにおきましては、経済安全保障の実現に向けた政府の取り組みを背景に、セキュリティ調査・研究などの案件が増加している他、地方自治体におけるデジタル化の進展に伴うセキュリティ体制の見直しなどにより需要が増加しています。当社グループにおいては、パブリックセクターに特化したチームによる販売活動の他、官公庁又は地方自治体への販売に強みを持つ販売パートナーとの連携強化によるOEM製品や、マネージドサービスの提供など販売拡大施策を進めております。

 この結果、当連結会計年度におけるパブリックセクターの売上高は755,800千円(前年同期比42.2%増)となりました。

 

(プライベートセクター)

 プライベートセクターにおきましては、引き続き戦略的販売パートナーとの連携強化を進めた他、セキュリティアラートの監視や運用支援、インシデント発生時の初動対応及び調査を提供する「FFRIセキュリティ マネージド・サービス」の提供を開始しております。個人向け製品につきましては、Android端末用セキュリティ診断アプリ「FFRI安心アプリチェッカー」の提供を令和4年3月末で終了した影響により売上高が減少しておりますが、同時に販売代理店に支払う販売手数料も減少しており、利益面への影響は軽微となっております。セキュリティ・サービスにつきましては、セキュリティ調査・研究サービス及び車載セキュリティの関連案件を中心に実施しました。

 この結果、当連結会計年度におけるプライベートセクターの売上高は631,704千円(前年同期比30.0%減)となりました。

 

○ソフトウェア開発・テスト事業

 ソフトウェア開発・テスト事業におきましては、品質保証業務等を中心に堅調に推移した他、将来的なサイバー・セキュリティ関連業務提供に向けた人材の育成にも取り組んでおります。

 この結果、当連結会計年度におけるソフトウェア開発・テスト事業の売上高は421,446千円(前年同期比44.6%増)となりました。

 

 その他、NTTコミュニケーションズ株式会社との合弁会社である株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズにおきましては、需要増大に伴う増員及び育成を進めた他、教育・研修案件や調査・テストなどの案件を中心に受託した結果、持分法による投資利益38,893千円(前年同期比24.2%減)を計上しております。

 

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,952,752千円(前年同期比9.7%増)、営業利益202,956千円(前年同期比96.2%増)、経常利益247,404千円(前年同期比58.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益187,279千円(前年同期比54.8%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ114,686千円増加し、1,758,909千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、302,310千円(前年同期は16,306千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上247,404千円、減価償却費40,394千円、契約負債の増加80,754千円、売上債権及び契約資産の増加64,915千円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、26,101千円(前年同期は157,980千円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出10,489千円、無形固定資産の取得による支出15,649千円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は、161,522千円(前年同期は275,076千円の支出)となりました。これは自己株式の取得による支出161,522千円によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(イ)生産実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(ロ)受注実績

 当社グループは概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。

 

(ハ)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

サービスの種類

当連結会計年度

(自 令和4年4月1日

至 令和5年3月31日)

前年同期比(%)

サイバー・セキュリティ事業(千円)

1,531,305

102.9

ソフトウェア開発・テスト事業(千円)

421,446

144.6

合計(千円)

1,952,752

109.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 令和3年4月1日

至 令和4年3月31日)

当連結会計年度

(自 令和4年4月1日

至 令和5年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ソリトンシステムズ

189,913

10.7

リコーITソリューションズ

株式会社

257,169

13.2

※最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は2,115,979千円となり、前連結会計年度末に比べ163,826千円増加いたしました。主な増加要因は現金及び預金の増加114,686千円、売掛金の増加37,250千円等であります。固定資産は511,657千円となり、前連結会計年度末に比べ9,898千円増加いたしました。主な増加要因は投資その他の資産の増加38,356千円、主な減少要因は有形固定資産の減少3,147千円、無形固定資産の減少25,310千円であります。

 この結果、総資産は、2,627,637千円となり、前連結会計年度末に比べ173,724千円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は868,509千円となり、前連結会計年度末に比べ147,928千円増加いたしました。主な増加要因はセキュリティ・プロダクトにおける契約の増加等による契約負債の増加80,754千円、未払法人税等の増加45,420千円、未払消費税等の増加32,012千円等であります。主な減少要因は未払金の減少18,125千円等であります。固定負債は9,974千円となり、前連結会計年度末に比べ39千円増加いたしました。増加要因は資産除去債務の増加39千円であります。

 この結果、負債合計は、878,484千円となり、前連結会計年度末に比べ147,967千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は1,749,153千円となり、前連結会計年度末に比べ25,756千円増加いたしました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益計上による利益剰余金の増加187,279千円、主な減少要因は自己株式の取得による減少161,522千円であります。

 

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、1,952,752千円(前年同期比9.7%増)となりました。内訳としましては、ナショナルセキュリティセクターが143,800千円、パブリックセクターが755,800千円、プライベートセクターが631,704千円、ソフトウェア開発・テスト事業が421,446千円であります。

 

(売上原価)

 当連結会計年度における売上原価は、785,016千円(前年同期比41.9%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、964,779千円(前年同期比14.1%減)となりました。

 

(営業外収益及び営業外費用)

 当連結会計年度における営業外収益は、持分法の投資利益等の計上により44,609千円、営業外費用は、自己株式取得費用等の計上により161千円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、187,279千円(前年同期比54.8%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる当社の会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。当社グループは、これらのリスク要因について、分散又は低減するよう取り組んでまいります。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針

 当社グループでは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の各リスク項目について顕在化することがないよう常に注意を払っております。また、当面の当社の課題として「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の各事項に対応していくことで、企業価値向上に努める方針であります。

 

⑥ 経営戦略の現状と見通し

○サイバー・セキュリティ事業

(ナショナルセキュリティセクター)

 ナショナルセキュリティセクターにつきましては、令和4年12月に制定された防衛3文書により、欧米諸国並みのサイバー能力保有に向けて、教育体制の強化及び部隊規模の拡大、サイバー・セキュリティ関連予算の大幅増額が行われるなど、将来にわたる需要の増加が見込まれています。当社グループにおいては、需要の増加や案件の長期化及び大型化に備えセキュリティエンジニアの採用強化を継続してまいります。また、直近で採用した人材は3~6ヶ月ほどで戦力化ができておりますが、さらなる技術力向上のため、教育体制の充実も進めてまいります。なお、こうしたエンジニアの採用強化による採用コスト及び人件費の増加を見込んでおります。

 

(パブリックセクター)

 パブリックセクターにつきましては、経済安全保障推進法の制定を受けて、各省庁で様々な角度から国内サイバー・セキュリティ産業の育成及び強化に向けたプロジェクトが進んでおり、急速に需要が増加しております。当社グループにおいては、官公庁専門のセールスチームによる製品・サービスの販売活動を進めるとともに、地方自治体に対しては、販売パートナーによるOEM製品の販売など、付加価値の高い製品やサービスの提供を進めてまいります。

 

(プライベートセクター)

 プライベートセクターにつきましては、引き続きFFRI yaraiの機能強化による商品力の向上を図る他、特に当社グループ製品の販売を積極的に行う戦略的販売パートナーとの連携強化を継続してまいります。セキュリティ・サービスにつきましては、FFRIセキュリティ マネージド・サービスや、セキュリティ調査・研究及び情報提供などの案件を実施していく予定です。

 

○ソフトウェア開発・テスト事業

 ソフトウェア開発・テスト事業につきましては、子会社である株式会社シャインテックにおいて品質保証業務及びテスト業務を中心に実施してまいります。また、将来的なサイバー・セキュリティ関連業務の提供に向けて、当社の教育メソッドを活用しセキュリティ人材の育成を進めてまいります。

 

⑦ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に伴う人件費、その開発用のパソコン及びソフトウェア等の購入費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらについてはすべて自己資金により対応しております。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,758,909千円となっており、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えております。