E30918 Japan GAAP
前期
83.1億 円
前期比
111.6%
株価
882 (04/19)
発行済株式数
55,163,232
EPS(実績)
17.45 円
PER(実績)
50.54 倍
前期
579.3万 円
前期比
97.5%
平均年齢(勤続年数)
33.2歳(4.6年)
従業員数
365人(連結:381人)
当社グループは、「ネットを空気に変える」というコンセプトを掲げ、もはや生活インフラとなったインターネットが、いまだに利用にあたりITリテラシー(※1)を必要とする現状を変え、インターネットそのものを空気のように、全く意識することなく使いこなせる存在に変えていくことをミッションとして、創業以来すべての人々が等しくインターネットのもたらす創造性・便利さを享受できるようサポートするプロダクトの開発に尽力しております。
当社グループの属する情報通信市場は、さまざまな端末の普及とともにサービスの多様化や高度化が急速に進んだ動きが世界的な潮流となっております。このような市場環境の中、当社グループはさまざまな機器の接続を前提としたマネジメントサービス(管理、運用サービス)、ITサポートサービス(※2)の提供を中心に事業を展開しております。
なお、当社グループは、ライセンス販売・保守サポートサービス(オプティマル)事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当社グループの事業内容をサービス別に区分し、以下に記載いたします。
(2) リモートマネジメントサービス
[事業系統図]
当社グループの主要な事業系統図は以下のとおりです。
※1 ITリテラシー…情報機器やITネットワークを活用して、情報・データを管理、活用する能力のこと。さまざまなアプリケーションソフトを使いこなし効率的に業務を行う能力など、コンピューターに関する広い意味での利用能力のこと。
※2 ITサポートサービス…情報機器やITアプリケーション、サービスの使用、管理などにおいて支援を行うこと。
※3 スマートデバイス…スマートフォンやタブレット端末等の、さまざまな用途に利用可能な情報端末機器。
※4 クラウド…ソフトウエアやハードウエアの利用権などをネットワーク越しにサービスとして利用者に提供する方式を「クラウドコンピューティング」(cloud computing)と呼び、データセンターや、その中で運用されているサーバー群のことをいう。
※5 ソリューション…問題・課題を解決したり、要望・要求を満たしたりすることができる製品やサービス、及びその組み合わせ。
※6 ブロックチェーン…情報を記録するデータベース技術の一種。ブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、それを鎖(チェーン)のように連結してデータを保管する技術。
※7 OEM…Original Equipment Manufacturer:自社のブランドではなく他社ブランドの製品を製造するということ。
※8 LiDAR(ライダー)…Light Detection and Rangingの略。レーザー光を使い、対象物までの距離や位置、形状を正確に検知できるセンサー技術の一種。
※9 GNSSレシーバー…複数の航法衛星から地上に向けて送信される電波を受信し、位置情報を取得する機器。
※10 DX…Digital transformation(デジタルトランスフォーメーション):「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるということ。
※11 ルーター…ネットワークで通信を行う際に、通信経路を決定する通信機器。
※12 OS…Operating System:ソフトウエアの種類の一つで、機器が提供する基本的機能を提供する。代表的なスマートフォン端末用のOSにはアップル社のiOS、グーグル社が開発しているAndroid OS、マイクロソフト社のWindowsなどがある。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直しております。
このような市場環境の中当社グループでは、成長戦略をよりわかりやすくお伝えするために、サービスを新たに3つの区分に構成しなおしております。具体的には、これまでひとまとまりに「IoTプラットフォームサービス」としてお伝えしてきた区分について、Optimal Bizを中心とする「モバイルマネジメントサービス」と、産業・業種毎に特化したサービスである「X-Tech(クロステック)サービス」とに再構成いたしました(X-Techサービスには、アグリテック、デジタルヘルス、デジタルコンストラクション、オフィスDX※1等が該当します)。これに、Optimal RemoteやOptimal Second SightなどのITサポートサービスを中心とした「その他サービス」とを加えた3つのサービス区分に従って、以下当社グループの進捗状況をお伝えいたします。
まず、当連結会計年度における概況についてお伝えします。「モバイルマネジメントサービス」である「Optimal Biz」を始めとしたライセンス売上が順調に推移する中、将来的な安定成長を支え、利益率の高いストック売上の底上げを図るべく、「X-Techサービス」の各領域に対して、成長投資の継続ならびにサービス開発の強化、強固な販売網を活用したサービスの販売促進に取り組んでまいりました。これらの成長投資は、当連結会計年度におけるライセンス数の増加に寄与するだけでなく、将来にわたるライセンス売上の増加へつながるものであると考えております。
以下、当社グループにおける当連結会計年度の具体的な進捗についてご説明いたします。
まず、「モバイルマネジメントサービス」の状況についてですが、「Optimal Biz」については、DXの社会浸透に応じ、業務に利用するPCやスマートフォンの管理、セキュリティ対策が必要となったことから需要が広がり、ライセンス数が順調に増加しております。
次に、「X-Techサービス」についてお伝えします。
アグリテックについては、これまで、研究開発や、スマートアグリフードプロジェクトによって、技術開発から流通まで一貫して取り組んでまいりました。今後はこの流れをさらに一層強化すべく、国内の公的研究機関などとの基礎研究とその実証、事業化をさらに推進し、農業全体のDX化を拡大させてまいります。当連結会計年度においては、AIやドローンを使い、農薬使用量を抑えたあんしん・安全なお米「スマート米」の2022年度産新米「スマート米2023」を栽培管理、販売しており、順調に販売が拡大しております。当社が運営するオンラインストア「スマートアグリフード(愛称:スマ直)」やAmazonなどにおいて、順調に販売が進んでおります。また、上記の取り組みの成果として、防除作業のDX化を可能とする「ピンポイントタイム散布サービス」を始めとするアグリ・コントラクター・サービスの販売を開始し、全国各地に広がっております。
デジタルヘルスについては、総合メディカル株式会社へ「OPTiM Digital Marketing」の顧客管理機能と、オンライン診療プラットフォームのオンライン服薬指導機能などを組み合わせたプラットフォームを提供しました。総合メディカル株式会社は、このプラットフォームを活用した、公式ヘルスケアアプリ「タヨリス」のサービスを開始し、同社が運営する日本全国の約740店舗(※2)へ順次展開中となっています。また、医療分野における株式会社シスメックスと株式会社メディカロイドとの事業についても堅調に推移しております。第4四半期においては、株式会社メディカロイドの手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステム「MINS」へ技術提供している「OPTiM Cloud IoT OS」等の利用料が、ライセンス売上として本格的に発生し始めており、営業利益等の向上に寄与しております。
デジタルコンストラクションについては、スマホ3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」を中心に販路の拡大を進めております。また、土木測量のみならず建設現場で必要な多くの業務がスマホで行えるOPTiM Geo Scanプラットフォームの提供を開始しました。この取り組みを足掛かりに、工事開始から検査終了まで建設全体のプロセスを省力化・効率化を推進する建築・土木DXサービスの開発と展開を進めてまいります。当連結会計年度においては、「OPTiM Geo Scan」の追加機能として、測量データから平面図、縦断図、横断図を作図するための図形データを作成(図化)することが可能な図化アプリ「OPTiM Geo Design」の提供を開始しております。このように、建設現場において生産性向上を図ることができるオプションを充実させていることや、国土交通省が改定した「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」に準拠し公共事業に活用できることなどから、「OPTiM Geo Scan」は、順調にライセンス数を伸ばしております。
オフィスDXについては、AI契約書管理サービス「OPTiM Contract」が、JIIMA認証(電子取引ソフト法的要件認証制度※3)の取得や、さまざまな電子契約サービスとの連携強化を推進するなどの対応をしており、ライセンス数が順調に増加しております。
※1 DX…デジタルトランスフォーメーション。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念であり、企業がテクノロジーを利用して、事業の業績や対象範囲を根底から変化させるという意味。
※2 出典:2023年2月7日時点、総合メディカル株式会社発表。
※3 出典:電子取引ソフト法的要件認証制度…公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会により、国税関係書類をコンピューターで作成し電子的にやり取りする場合の当該取引情報の保存を行う市販ソフトウエア及びソフトウエアサービスが、改正電子帳簿保存法第7条の要件を満たしているかをチェックされ、法的要件を満足していると判断したものを認証する制度。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計の残高は、8,219,451千円となり、前連結会計年度末と比較して831,973千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアが527,482千円、現金及び預金が461,461千円増加した一方で、敷金及び保証金が214,593千円減少したことによるものです。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計の残高は、2,030,141千円となり、前連結会計年度末と比較して108,532千円減少いたしました。これは主に、短期借入金が200,000千円減少したことによるものです。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計の残高は、6,189,309千円となり、前連結会計年度末と比較して940,506千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が962,761千円増加したことによるものです。
当連結会計年度の経営成績は、売上高9,277,336千円(前年同期比11.6%増)、営業利益1,750,121千円(前年同期比14.0%増)、経常利益1,634,990千円(前年同期比10.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益962,761千円(前年同期比2.0%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して461,461千円増加し、1,440,860千円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりです。
営業活動により獲得した資金は2,313,091千円(前年同期は698,237千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,612,024千円、減価償却費620,619千円があったことによるものです。
投資活動により使用した資金は1,651,715千円(前年同期は1,666,254千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,229,243千円、有形固定資産の取得による支出324,360千円があったことによるものです。
財務活動により使用した資金は199,915千円(前年同期は493,739千円の獲得)となりました。これは主に、短期借入れによる収入800,000千円があった一方で、短期借入金の返済による支出1,000,000千円があったことによるものです。
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する該当事項はありません。
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する該当事項はありません。
当社グループは単一セグメントのため、サービスごとに記載しております。
(注) 当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
1) 財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、9,277,336千円(前年同期比11.6%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの売上高が8,074,331千円(前年同期比16.6%増)となり、ライセンス収入が増加したことによるものです。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は、4,598,156千円(前年同期比23.3%増)となりました。これは主に、IoTプラットフォームサービスの収入の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。
この結果、売上総利益は4,679,179千円(前年同期比2.1%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,929,057千円(前年同期比3.9%減)となりました。これは主に、研究開発費が減少したことによるものです。
この結果、営業利益は1,750,121千円(前年同期比14.0%増)となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度における営業外収益は14,409千円(前年同期比52.7%減)となりました。これは主に、消費税差額によるものです。
当連結会計年度における営業外費用は129,541千円(前年同期比62.8%増)となりました。これは主に、持分法による投資損失によるものです。
この結果、経常利益は1,634,990千円(前年同期比10.1%増)となりました。
(特別損益)
当連結会計年度における特別利益の発生はありません(前連結会計年度の発生はありません)。
当連結会計年度における特別損失は22,965千円(前連結会計年度の発生はありません)となりました。これは、減損損失と投資有価証券評価損によるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は1,612,024千円(前年同期比8.5%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等合計は、649,052千円(前連結会計年度は542,293千円)となり、前連結会計年度と比べて106,759千円増加いたしました。これは主に、ライセンス収入が増加したことにより課税所得が増加したことによるものです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は962,761千円(前年同期比2.0%増)となりました。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向や技術革新への対応等があります。当社グループが事業展開するEMMやMDM、DX市場は堅調に拡大を続けており、その市場の中での位置づけも優位な状況であることは変わっておりません。
また、当社グループは「第4次産業革命」において中心的な役割を果たす企業となるべく、各業界・産業とITを融合させる「○○×IT」の取り組みに代表される「X-Techサービス」へ集中的に成長投資を行い一定の成果をあげることができております。当社グループは、「X-Techサービス」を中心とした取り組みを引き続き推進し、技術革新への対応を進め、知的財産権の取得等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応してまいります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当社グループは、売上高の増加が研究開発投資の源泉であり、将来的な利益の源泉となるものと考えており、売上高の増加、ならびに研究開発投資の成果として知的財産権(特許権)を重視しております。
当連結会計年度における売上高は9,277,336千円を達成しました。売上高の多くを占めるストック型のライセンス収入については、IoTプラットフォームサービスを中心にライセンス数を積み上げることができ、順調に推移しております。
知的財産権(特許権)については、他社との差別化の根幹となるものであり、あるいは新市場・新顧客開拓のための重要な手段でもあるため、事業展開と同期した知的財産権の獲得となるよう、事業戦略と知的財産戦略の一体的立案・推進に加え、業務の迅速化・効率化にも取り組んでまいりました。
このような取り組みの一例として、令和3年度九州地方発明表彰で文部科学大臣賞を受賞した「契約書管理システム」 (特許第6290459号)が挙げられます。この特許は2021年5月発表の新サービス「OPTiM Contract」での研究開発成果を権利化したものです。
また、取り組みで得た知見は、知的財産による産業発展に寄与すべく国内外に発信しております。2021年12月の世界知的所有権機関(WIPO)主催シンポジウムでは、当社代表取締役社長の菅谷から知財を活用した第4次産業革命への挑戦について講演しました。また、直近ではWIPOのIP Advantage(世界各国の知財活用事例データベース)にて、当社農業事業での知財活用事例が掲載されました。
今後も、「第4次産業革命」実現の中心的な企業になるべく、更なる研究開発体制の強化、知的財産権獲得による競争優位の確保に取り組んでまいります。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、研究開発投資に向けた労務費及び外注費等です。必要な運転資金については、手元資金及び事業から創出される資金によることを基本としておりますが、事業拡大に向けた大型のM&Aの実行に追加的に資金が必要となる場合は、金融機関からの借入等をはじめとした資金調達手段を実施する可能性があります。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の17.5%を占める1,440,860千円となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。