E05552 Japan GAAP
前期
105.3億 円
前期比
102.6%
株価
1,024 (04/25)
発行済株式数
29,224,108
EPS(実績)
39.66 円
PER(実績)
25.82 倍
前期
715.2万 円
前期比
102.2%
平均年齢(勤続年数)
37.1歳(5.9年)
従業員数
265人(連結:368人)
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社ドリコム)、子会社5社により構成されており、ゲームを提供する「ゲーム事業」と、スマートフォンやPC向けメディアコンテンツを提供する「メディア事業」の2サービス領域で事業を展開しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)1.報告セグメントの概要」を参照下さい。
当社、子会社、関連会社の当社グループの各事業における位置付け及びセグメント区分との関連は、次のとお りであり、当事業の内容における事業区分と、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント区分は同一であります。
事業区分 |
主な事業の内容 |
主要な会社 |
会社数 |
ゲーム事業 |
ゲーム事業 |
株式会社ドリコム(当社) 株式会社スタジオレックス 株式会社ドリアップ 株式会社BlasTrain |
連結子会社 3社 |
メディア事業 |
メディア事業 |
株式会社ドリコム(当社) |
連結子会社 2社 |
(1)ゲーム事業
ゲーム事業は、ゲームや教育コンテンツを中心としたスマートフォン向けエンターテインメントコンテンツの企画、開発及び運用の他、HTML5を中核とする技術を活用したオンラインゲーム及び配信プラットフォーム(「enza」)の開発及び運営を主な事業としております。
当社グループが提供している上記関連サービスの内容は、以下のとおりです。
・ゲーム事業
主にスマートフォン上でプレイするゲームの企画、開発及び運用を行っております。当社のゲームは、国内外のプラットフォーム運営事業者の運営するプラットフォーム上又はプラットフォームを介してユーザーに無料で提供され、アイテムを購入する際に課金がされる課金型のビジネスモデルを導入しております。2016年3月期以降は、市場環境の変化と当社の強みを活かし、オリジナルゲーム(従来の自社コンテンツをテーマとしたゲーム)から、IPゲーム(一定の知名度や支持ユーザーを有する他社コンテンツをテーマとしたゲーム)へ事業の焦点を移しIPゲームを今後の成長基盤とする戦略を打ち出し、企画、開発及び運用に注力しております。
当該サービスに係る取り組形態は、①当社がゲームの企画、開発、配信及び運用までを単独で担う形態、②当社がゲームの企画、開発及び運用(配信及びマーケティングを除く)を担い、配信及びマーケティングをIPプロジェクト・パートナーが担う形態、③当社がゲームの企画、開発及び運用(配信及びマーケティング含む)をIPプロジェクト・パートナーと分担し収益を共有する形態があり、現時点においては上記の戦略の下、②及び③の形態の割合が高くなっております。
②及び③の形態における当社の収益スキームとしては、企画及び開発にあたり発生する費用の一部又は全額を、開発報酬又は費用分担としてIPプロジェクト・パートナーから受領する方法若しくはユーザーからの課金収入の一定割合を受領する方法(レベニューシェア)があります。
当該事業については、当社及び株式会社スタジオレックスがゲームの企画、開発及び運用を、株式会社ドリアップ及び株式会社BlasTrainが当社向けゲームの開発及び運用を主要事業として展開しております。
(2)メディア事業
メディア事業は、当社が過去培ったノウハウや有する最先端技術を応用した顧客企業に対する事業支援サービスの提供、及び当社の中長期の成長を担うゲーム以外のエンターテインメント領域の新規事業創出に取り組んでおります。
当連結会計年度においては、小説等の書籍、電子書籍の出版、販売を行っている他、位置情報×3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォームSNSを活用したファンコミュニティ促進サービス、負荷テストのコンサルティング・脆弱性診断などの事業支援を行うサービスを提供しております。
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
※画像省略しています。
※ 株式会社ハッピーホッピーハッピー、DRECOM SG PTE.LTD.は連結子会社でありますが、休眠会社であるため、事業系統図には記載しておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、「with entertainment」を存在意義として掲げており、人々の期待を超えるサービスを生み続けていくことを目指しております。また、今までになかった価値を創造し、ユーザーを魅了する体験を届けていくことに努めております。中期的には、IPを軸に、多様なデジタル・エンターテインメント・コンテンツをグローバルに提供する総合エンターテインメント企業となっていくことを掲げており、持続的成長及び企業価値向上を目指しております。
主力のゲーム事業においては、ゲームの開発・運用が主要事業となっており、他社IPゲーム及びゲームプラットフォーム並びにオリジナルゲームの開発・運用を行っております。また、メディア事業においては、IPの獲得・開発・育成を目的として小説、コミックス等の書籍、電子書籍の出版、販売を行っている他、当社の有するインターネットサービスの知見と先進的なテクノロジーを活用した新規サービスを試験的に立ち上げ、事業化に向けた試行を重ねております。
当連結会計年度における業績は、売上高10,800,257千円(前期比2.6%増)、営業利益2,281,354千円(前期比43.4%増)、経常利益2,192,519千円(前期比42.2%増)となり、営業利益および経常利益は過去最高となりまし た。なお、運用中のタイトルで減損処理を行ったことで特別損失386,259千円が発生し、親会社株主に帰属する当期純利益は1,159,125千円(前期比43.6%増)となりました。
各セグメントの業績は以下のとおりです。
ゲーム事業
当期においては、主力IPタイトルが年間を通じて好調に推移し、収益に貢献いたしました。
売上高につきましては、当社主力IPタイトルが好調さを維持したことに加え、昨年度後半にリリースしたタイトルが通期で寄与したこと等により、前期比で増加いたしました。
利益につきましては、運用タイトルの増収影響に加え、運用体制の効率化や一部の不採算タイトルをクローズしたこと等により、前期比で増加いたしました。
以上の結果、セグメント売上高は10,517,071千円(前期比1.5%増)、セグメント利益は2,903,312千円(前期比 55.1%増)となりました。主力事業である当セグメントにおいては、引き続き運用中タイトルの安定的な収益の維持に努めるほか、開発中の複数の新規タイトルのヒットによる売上、利益の増大を目指してまいります。
メディア事業
当期においては、Twitterを活用したファンコミュニティ促進サービス『Rooot』が引き続き収益に貢献いたしました。また、IPの開発・獲得、育成、収益化チャンネルの多様化を目的として出版・映像事業に取り組む中、10月よりライトノベルレーベル「DREノベルス」の刊行を開始いたしました。さらに、Web3領域における新たな事業開発にも注力しております。
売上高につきましては、『Rooot』の好調に加え、「DREノベルス」の刊行開始に伴い、前年同期比で増加いたしました。
利益につきましては、出版・映像やWeb3などの新規事業領域への投資を行っており費用先行が継続しているた め、損失額は前年同期比で増加いたしました。
以上の結果、セグメント売上高は284,835千円(前期比67.7%増)、セグメント損失は621,957千円(前期はセグメント損失280,418千円)となりました。当セグメントにおいては、中長期的な事業成長を目指し、今後も積極的な 研究開発投資を促進してまいります。
今後につきましては、主力のゲーム事業において一層の採算性向上に取り組むほか、新規タイトルのリリースによる売上成長を目指してまいります。また、積極的な投資を行い、ゲーム以外のエンターテインメント領域での事業開発に注力し、IPを軸とした総合エンターテインメント企業への成長を目指してまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,307,511千円増加し、6,040,496千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは2,665,778千円の収入となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上額1,806,259千円、減価償却費の計上額269,275千円、減損損失の計上額386,259千円、主な減少要因は、法人税等の支払額334,675千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは2,017,183千円の支出となりました。主な要因は無形固定資産の取得による支出2,005,229千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは658,833千円の収入となりました。主な増加要因は長期借入れによる収入2,552,958千円であり、主な減少要因は長期借入金の返済による支出1,688,500千円、配当金の支払額144,781千円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社では生産業務は行っておりませんので、該当事項はありません。
b. 仕入実績
当社では仕入業務は行っておりませんので、該当事項はありません。
c. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
受注高 |
前年同期比(%) |
受注残高 |
前年同期比(%) |
|
ゲーム事業(千円) |
10,547,933 |
1.8 |
31,357 |
- |
メディア事業(千円) |
288,755 |
57.3 |
24,070 |
30.1 |
合計(千円) |
10,836,689 |
2.8 |
55,427 |
191.7 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部売上高を除いた数値によっております。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
ゲーム事業(千円) |
10,517,071 |
1.5 |
メディア事業(千円) |
284,835 |
66.8 |
合計(千円) |
10,801,907 |
2.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
株式会社バンダイナムコエンターテインメント |
3,409,932 |
32.3 |
4,372,063 |
40.4 |
株式会社バンダイナムコネクサス |
2,048,344 |
19.4 |
1,543,257 |
14.2 |
Apple,Inc. |
1,628,897 |
15.4 |
1,487,120 |
13.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、当社主力IPタイトルが好調さを維持したことに加え、昨年度後半にリリースしたタイトルが通期で寄与したこと等により、前期比で271,756千円増加し、10,800,257千円(前期比2.6%増)となりました。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、ゲーム事業が97.4%、メディア事業が2.6%となっております。
(売上総利益)
当連結会計年度においては、主に、運用費の最適化やサービスのクローズ等の不採算タイトルの採算性向上を目指した取組みが奏功したことから、売上原価が前期比で489,878千円減少し、6,242,019千円(前期比7.3%減)となりました。前述の増収影響と併せ、売上総利益は前期比で761,634千円増加し、4,558,237千円(前期比20.1%増)となりました。また、売上総利益率は、前期に比べ6.1%増加し、42.2%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度においては、全社的なコスト最適化に取り組んだものの、新作リリースに伴う広告宣伝費の増加や、新規事業開発の進展に伴う研究開発費の増加により、販売費及び一般管理費は、前期比で71,391千円増加し、2,276,882千円(前期比3.2%増)となりましたが、前述の売上総利益の増加影響が上回り、当連結会計年度の営業利益は前期比で690,243千円増加し、2,281,354千円(前期比43.4%増)となりました。
(経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前期比で4,038千円増加し5,059千円(前期比395.6%増)となりました。営業外費用につきましては、前期比で43,535千円増加し、93,895千円(前期比86.5%増)となりました。以上の結果、経常利益は、前期比で650,746千円増加し、2,192,519千円(前期比42.2%増)となりました。
また、運用中の2タイトルで減損処理を行ったことにより、特別損失386,259千円が発生したものの、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比で351,823千円増加し、1,159,125千円(前期比43.6%増)となりました。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりとなります。
b. 当連結会計年度の財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,848,394千円となり、前連結会計年度末に比べ1,082,385千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が1,307,348千円増加したことによるものであります。固定資産は4,378,002千円となり、前連結会計年度末に比べ1,490,541千円増加いたしました。これは主にソフトウエア仮勘定が1,693,491千円増加したことによるものであります。この結果、総資産は12,226,397千円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は6,595,277千円となり、前連結会計年度末に比べ1,515,881千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が339,237千円、銀行借入865,500千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は5,631,120千円となり、前連結会計年度末に比べ1,057,045千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,159,125千円を計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は45.6%(前連結会計年度末は46.9%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、下記のとおりとなります。
ⅰ) 資本の財源
当社グループは現在、運転資金および設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。
ⅱ) キャッシュ・フロー計算書に基づく資金の流動性についての分析
当連結会計年度における状況につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
a.経営戦略の現状と見通し
今後につきましては、引き続きスマートフォン向けコンテンツ市場における競争の激化が予想されます。そうした環境下、当社グループは市場の急速な変化に対応し、多様化するユーザーニーズを捉えたアプリ及びサービスの開発に努めるとともに、積極的な投資を行い、ゲーム以外のエンターテインメント領域での事業開発に注力し、IPとテクノロジーを軸とした総合エンターテインメント企業への成長を目指してまいります。
b. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2022年5月12日公表の2023年3月期の連結業績予想の達成状況は以下のとおりとなります。売上高は計画比2,200百万円減(16.9%減)となりました。これは主に、新作ゲームのリリース時期が計画比で後ろ倒しとなったことによるものです。経常利益は計画比292百万円増(15.4%増)となりました。これは主に、既存運用ゲームの売上高が計画比で上回ったことによるものです。親会社株主に帰属する当期純利益は計画比41百万円減(3.4%減)となりました。これは主に、一部の運用中ゲームアプリにおいて、関連する資産を減損処理したことによるものです。
指標(当初計画) |
2023年3月期 (計画) |
2023年3月期 (実績) |
2023年3月期 (計画比) |
売上高 |
13,000百万円 |
10,800百万円 |
△2,200百万円 |
経常利益 |
1,900百万円 |
2,192百万円 |
292百万円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,200百万円 |
1,159百万円 |
△41百万円 |