E00642 Japan GAAP
前期
1.71兆 円
前期比
99.4%
株価
624.7 (07/12)
発行済株式数
1,014,381,817
EPS(実績)
50.09 円
PER(実績)
12.47 倍
前期
827.0万 円
前期比
101.6%
平均年齢(勤続年数)
48.3歳(19.7年)
従業員数
381人(連結:38,322人)
当社の企業集団は、当社、子会社299社及び関連会社58社で構成され、その主な事業内容と、主要な会社の当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。
なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
事業の系統図は次のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものですが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。
当連結会計年度の売上高は、国内では価格修正の実施等を行ったものの、主にニュージーランドのPan Pac Forest Products Ltd. の被災影響やパルプ市況悪化により、前期を104億円(△0.6%)下回る16,963億円となりました。
営業利益は、国内では物価上昇に伴う消費抑制を受けた減販等の影響を価格修正やコストダウン等で補いましたが、主に海外でのパルプ市況の悪化により、前期を122億円(△14.4%)下回る726億円となりました。経常利益は、外貨建債権債務の評価替えによる為替差益の発生等がありましたが、前期を90億円(△9.5%)下回る860億円となりました。税金等調整前当期純利益は、前期を70億円(△8.3%)下回る776億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期を57億円(△10.0%)下回る508億円となりました。
当社グループの海外売上高比率については前期を2.7ポイント下回る34.9%となりました。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち、経済的特徴、製品の製造方法又は製造過程、製品を販売する市場又は顧客の種類等において類似性が認められるものについて集約を実施し、「生活産業資材」、「機能材」、「資源環境ビジネス」、「印刷情報メディア」の4つとしています。報告セグメントに含まれない事業セグメントは、「その他」としています。
各セグメントの主要な事業内容は以下のとおりです。
生活産業資材・・・・・段ボール原紙・段ボール加工事業、白板紙・紙器事業、包装用紙・製袋事業、家庭紙事業、紙おむつ事業
機能材・・・・・・・・特殊紙事業、感熱紙事業、粘着事業、フィルム事業
資源環境ビジネス・・・パルプ事業、エネルギー事業、植林・木材加工事業
印刷情報メディア・・・新聞用紙事業、印刷・出版・情報用紙事業
その他・・・・・・・・商事、物流、エンジニアリング、不動産事業、液体紙容器事業 他
○生活産業資材
当連結会計年度の売上高は前期比2.3%増収の7,987億円、営業利益は同225億円増益の212億円となりました。
国内事業では、段ボール、白板紙、家庭紙等、多くの品種において物価上昇に伴う消費抑制により販売数量は減少しましたが、価格修正の実施により、売上高は前年に対し増収となりました。また、紙おむつの売上高は、子供用おむつは前年並み、大人用おむつは前年に対し増収となりました。
海外事業では、東南アジア・オセアニアで更なる事業の拡大に注力しており、段ボール原紙は、2021年10月に稼働した新マシンの稼働率向上により、東南アジアで販売数量は増加しましたが、市況の悪化により、売上高は前年に対し減収となりました。段ボールは、オセアニアで価格修正を実施したものの、東南アジアにおける需要低迷により、売上高は前年に対し減収となりました。紙おむつは、マレーシアでの拡販により、売上高は前年に対し増収となりました。
○機能材
当連結会計年度の売上高は前期比3.5%増収の2,275億円、営業利益は同41.4%減益の91億円となりました。
国内事業では、特殊紙は電子部品の需要低迷を受けて剥離原紙・剥離紙の販売数量は落ち込みましたが、戦略商品である通販向けヒートシール紙や非フッ素耐油紙等の拡販や価格修正の実施により、売上高は前年に対し増収となりました。感熱紙は2022年下期から継続している顧客在庫調整により販売数量は減少しましたが、価格修正の実施により、売上高は前年に対し増収となりました。
海外事業では、感熱紙は需要低迷、金利上昇等による在庫削減の動きが顕在化し、販売数量は前年に対し減少しましたが、価格修正の実施等により、売上高は前年に対し増収となりました。
○資源環境ビジネス
当連結会計年度の売上高は前期比15.2%減収の3,596億円、営業利益は同71.4%減益の196億円となりました。
国内事業では、溶解パルプの堅調な販売や、徳島での2022年12月のバイオマス発電所稼働開始による増収もありましたが、木材事業で建設・梱包用の木材需要が低調に推移したことなどもあり、売上高は前年並みとなりました。
海外事業では、パルプ事業及び木材事業は、パルプ市況の悪化に加え、ニュージーランドのPan Pac Forest Products Ltd.が2023年2月にサイクロン被害を受け、製造設備等が復旧途上であることにより、売上高は前年に対し減収となりました。
○印刷情報メディア
当連結会計年度の売上高は前期比6.5%増収の2,994億円、営業利益は同216億円増益の168億円となりました。
国内事業では、新聞用紙、印刷・情報用紙は需要の減少傾向が継続しているものの、価格修正の実施により、売上高は前年に対し増収となりました。
海外事業では、江蘇王子製紙有限公司において、ゼロコロナ政策終了後の経済回復が鈍く、売上高は前年並みとなりました。
○その他
当連結会計年度の売上高は前期比0.6%減収の3,161億円、営業利益は同31.5%減益の58億円となりました。
2023年5月にイタリアのIPI社を子会社にしたことにより、液体紙容器事業は増収となりましたが、物流事業等の減収により、売上高は前年に対し減収となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
(注) 生産高は自家使用分を含めて記載しています。
当社グループは、エンジニアリング等一部の事業で受注生産を行っていますが、その割合が僅少であるため、記載を省略しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間取引については相殺消去しています。
当連結会計年度末の総資産は、円安の進行による為替換算差に加え、有形固定資産の増加、保有する株式の株価上昇に伴う投資有価証券及び退職給付に係る資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に対し1,465億円増加し、24,425億円となりました。負債は、有利子負債等が減少しましたが、保有する株式の株価上昇に伴う繰延税金負債の増加に加え、円安の進行による為替換算差もあり、前連結会計年度末に対し155億円増加し、13,470億円となりました。純有利子負債残高(有利子負債-現金及び現金同等物等)は、前連結会計年度末に対し574億円減少し、6,739億円となりました。純資産は、為替換算調整勘定や利益剰余金等の増加により、前連結会計年度末に対し1,310億円増加し、10,955億円となりました。この結果、ネットD/Eレシオ(純有利子負債残高/純資産残高)は0.6倍となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、625億円(前連結会計年度末は568億円)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に対して1,846億円収入が増加し、2,029億円(前連結会計年度は183億円の収入)となりました。主なキャッシュの内訳は、税金等調整前純利益に減価償却費を加えた金額1,571億円(前連結会計年度は1,577億円)、売上債権の減少175億円(前連結会計年度は439億円の増加)及び仕入債務の増加168億円(前連結会計年度は95億円の増加)、法人税等の支払額136億円(前連結会計年度は469億円の支払い)です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出等により、1,180億円の支出(前連結会計年度は1,233億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の返済等により、849億円の支出(前連結会計年度は1,018億円の収入)となりました。
当社グループの営業活動に関する資金需要は、生産・販売活動のために必要な運転資金や研究開発費等です。投資活動に関する資金需要は、経営戦略の遂行に必要な投資や品質改善・省力化・生産性向上・安全・環境のために必要な設備投資等です。今後も海外事業や有望な事業等の成長分野に対しては、M&Aや設備投資、研究開発投資等を積極的に行っていく予定であり、また、「環境行動目標2030」の達成に向けて、石炭ボイラの燃料転換や植林地の取得等を進めていきます。株主還元に関しては、配当性向の目安を30%とし、また、長期的な企業価値向上に向けた成長投資に備えるための資金需要を勘案しつつ、財務の健全性が維持出来る範囲において自己株式の取得も検討していきます。
資金の外部調達は、営業活動によるキャッシュ・フローと資金需要の見通し、金利動向等の調達環境、既存の借入金や社債償還時期等を総合的に勘案の上、調達規模、調達手段等を適宜判断し実施しています。
財務の健全性は、主にネットD/Eレシオを用いて管理しています。
総資産効率向上と財務ガバナンス強化を目的として、国内主要子会社とはキャッシュ・マネジメント・システムを導入することで資金の一元管理を行い、海外子会社においても必要に応じて同一地域内のグループ各社間で資金融通を行った上で、余剰となった資金は随時当社に集約するなど、現金および現金同等物の保有は必要最小限に留めています。なお、不測の事態に備え、主要取引銀行とコミットメントライン契約等を締結しています。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。