売上高

利益

資産

キャッシュフロー

セグメント別売上

セグメント別利益

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS

バランスシート

損益計算書

労働生産性

ROA 総資産利益率

総資本回転率

棚卸資産回転率

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最終更新:

E00644 Japan GAAP

売上高

1,934.6億 円

前期

2,095.4億 円

前期比

92.3%

時価総額

331.1億 円

株価

740 (07/16)

発行済株式数

44,741,433

EPS(実績)

93.20 円

PER(実績)

7.94 倍

平均給与

649.1万 円

前期

631.1万 円

前期比

102.9%

平均年齢(勤続年数)

47.9歳(25.7年)

従業員数

607人(連結:2,832人)

株価

by 株価チャート「ストチャ」

 

3 【事業の内容】

当社グループ(当社、連結子会社19社、非連結子会社2社及び関連会社8社)が営んでいる主な事業内容と、各社の当該事業に係る位置づけ及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。

 

○ 機能商品事業

情報・特殊紙の製造・販売を当社、三菱ハイテクペーパーヨーロッパGmbHが行っております。

機能材料、化学紙の製造・販売などを当社、KJ特殊紙㈱、珠海清菱浄化科技有限公司が行っております。

写真感光材料の製造は、当社が行っております。

製品の販売は、当社、三菱王子紙販売㈱、三菱イメージング(エム・ピー・エム),Inc.が行っております。

製品の加工・仕上包装などを、京菱ケミカル㈱、高砂紙業㈱が行っております。印刷・加工・販売などを行う会社が1社あります。

欧州子会社の管理・統括を三菱ペーパーホールディング(ヨーロッパ)GmbHが行っております。

その他の事業を行う会社が1社あります。

 

○ 紙素材事業

印刷用紙・衛生用紙等の製造は、当社、エム・ピー・エム・王子ホームプロダクツ㈱が行っております。

パルプの製造は、当社及び東邦特殊パルプ㈱が行っております。

当社八戸工場の業務請負をエム・ピー・エム・オペレーション㈱が行っております。

製品の販売は、当社、三菱王子紙販売㈱が行っております。

製品の加工・仕上包装などは、エム・ピー・エム・オペレーション㈱が行っております。

倉庫・運輸関連サービスの提供などを、浪速通運㈱が行っております。

木材チップの当社への供給を新北菱林産㈱が、填料の供給を兵庫クレー㈱が行っております。

海外における植林事業を行っていたフォレスタル・ティエラ・チレーナLtda.は、2018年1月に土地・植林資産の譲渡を行っており、清算手続中であります。

 

○ その他

保険代理店業、不動産業を菱紙㈱が行っております。

当社の工場設備の保守・設計製作をはじめとするエンジニアリング業などを三菱製紙エンジニアリング㈱及び菱工㈱が行っております。

その他の事業を行う会社として、エム・ピー・エム・王子エコエネルギー㈱があります。

 

 

企業集団の概略を図示すれば、次のとおりであります。

※画像省略しています。

 

24/06/27

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況及び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、個々の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成にあたって、重要な見積りや計画の策定は、過去の実績や現状を勘案して合理的に行っておりますが、これらは不確実性を伴うため、実際の結果は異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。

 

(固定資産の減損処理)

当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準等に従って減損の兆候判定を行い、兆候があると判断した場合には、将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っています。経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、対象資産に対する減損損失の計上により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループは、将来の課税所得について合理的な仮定に基づく見積りを行い、繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得に関する仮定について変動が生じた場合などは、将来の連結財務諸表の繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

経営成績に関する説明

当期における当社グループを取り巻く環境は、社会活動の正常化やインバウンド需要の復活等により回復基調で推移しました。一方で先行きにつきましては、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の長期化、中東情勢の緊迫化など地政学リスクの高まりなどによる原燃料価格の高止まりや、世界的な金融引き締めに伴う影響及び中国経済の先行き懸念、円安の常態化など、依然として不確実性が高い状況が続いております。

このような状況下、当社グループは、生産性向上やコスト削減に取り組み、販売面では製品価格改定や新製品の拡販に努めました。

また、当社グループでは、企業価値向上を図るべく「中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)基本方針に沿って、以下の取り組みを実施しました。

 

1) 「選択と集中」、「新事業拡大」による収益力の強化

成長事業である、機能性不織布関連事業やエレクトロニクス関連分野の拡大を強力に推進し、事業を伸長させました。今後も「機能商品事業」に集中投資、売上・利益を着実に伸長させ、当社の主力事業にしてまいります。また、選択と集中による構造改革を進める中、当社への子会社の統合、子会社間の統合などのグループ組織再編を行ったほか、ドイツ事業フレンスブルク工場の事業売却、スポーツクラブ運営事業の譲渡、感熱紙加工等の事業の譲渡を実施いたしました。引き続きグループの組織変革を進め、収益性向上とコーポレートガバナンスの強化を図ってまいります。

2) グリーン社会への貢献

当社グループの持続的な成長と中長期的企業価値の向上に向け、また、社会に貢献することを目指して、気候変動が事業に与えるリスク・機会の両面に関して、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った情報開示を進めております。CO2排出量削減の取り組みでは、GXリーグ(GX:グリーン・トランスフォーメーション)へ参画し、カーボンニュートラル社会実現に向け、公約した2030年目標の達成に向けた取り組みを推進してまいります。

環境配慮型製品の拡販では、通販や外食テイクアウト等の紙袋用途で需要が堅調なクラフト紙やバリア紙の拡販を進めております。脱プラ・廃プラ、安全かつ快適なサステナブル社会の実現に貢献してまいります。

3) サステナビリティ向上のための組織変革

「三菱製紙グループサステナビリティ基本方針」を制定し、皆様からの信頼と共感を得ることを通して企業価値の向上を図るとともに、さまざまな社会的課題の解決につなげ、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。また、「三菱製紙 ニッシー・カッシーの森」制度を新設、当社グループの事業活動やサステナビリティ推進活動の在り方について、株主の皆様に理解を深めていただき、その一翼を担っていただくことを目的としております。また、コーポレートレポートに代えて統合報告書を発行、コーポレートレポートから内容を一新し、全てのステークホルダーの皆様に当社グループの活動全般をご理解いただくべく、より詳細な情報開示を進めてまいります。

当社グループでは基幹システムを刷新、グループ統一の新たなIT基盤を構築いたしました。工場を含めてデジタル化をさらに推進し、業務効率化や作業安全強化のみならず、企業価値向上に資するDXにも取り組んでまいります。

 

これらの結果、当期の連結売上高は1,934億6千2百万円前期比7.7%減)となりました。

損益面では、原燃料価格高騰に対応した製品価格改定やコストダウン効果により、連結営業利益は54億1千万円(前期は連結営業利益9億6千8百万円)、連結経常利益は70億9千8百万円(前期は連結経常利益30億8千9百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は41億7千万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失5億7千1百万円)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりとなりました。

なお、当社は、2023年4月1日付のグループ組織再編及び当社機構改革に伴い各報告セグメントの構成内容を見直し、当連結会計年度よりドイツ事業を含む情報・特殊紙製品を「紙素材事業」から「機能商品事業」、北上工場製品(写真用原紙他)を「機能商品事業」から「紙素材事業」にそれぞれ変更しております。

なお、前連結会計年度間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しています。

 

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益(△は損失)

2023年3月

2024年3月

増減率(%)

2023年3月

2024年3月

増減率(%)

報告
セグメント

機能商品

109,967

97,351

△11.5

3,176

4,053

27.6

紙素材

101,668

97,511

△4.1

△2,423

1,177

 

211,636

194,863

△7.9

752

5,231

594.9

その他

5,303

5,628

6.1

120

245

104.1

216,939

200,491

△7.6

873

5,476

527.3

調整額(注)

△7,397

△7,029

 

95

△66

 

合計

209,542

193,462

△7.7

968

5,410

458.7

 

(注)調整額は主として内部取引に係るものです。

 

(機能商品事業)

産業資材関連製品は、蓄電デバイス用セパレータ、リライトメディアの販売金額は前年比増加、エアフィルター、水処理膜基材の販売金額は前年比減少しました。

画像資材関連製品は、インクジェット用紙は販売数量減により販売金額は前年比減少、特殊ドライフィルムレジストは販売数量増でしたが、販売金額は前年比減少しました。

情報資材関連製品は、感熱紙、ノーカーボン紙、PPC用紙の販売数量は前年比減少しましたが、価格改定効果を維持し販売金額は前年比増加しました。

建築資材関連製品は、テープ原紙の販売金額は前年比増加、化粧板原紙の販売金額は前年比減少しました。

ドイツ事業は、景気後退懸念による需要減少等の影響を受け、販売数量、販売金額ともに減少しました。

この結果、機能商品事業全体としては、減収増益となりました。

産業資材事業においては、さらなる品質向上による競争力強化や、海外拠点を活用したグローバルな販売強化を図り、水処理膜基材は工業用及び海水淡水化プラント用途、蓄電デバイス用セパレータは電気二重層キャパシタ及びコンデンサ用途、フィルターは全熱交換用途など成長分野の需要取り込みに取り組んでまいります。

画像資材事業は、特殊ドライフィルムレジストの通信デバイス用途と今後市場拡大が期待できる車載関連用途の拡販に取り組んでまいります。イメージングメディア関連事業は、画像出力や印刷向けの需要が減少しているものの、サイネージ・ラベル用途、産業用インクジェットの拡販、アジア新興国向けへの拡販により数量の拡大に努めるとともに、適正な生産体制の構築を図り、収益向上に取り組んでまいります。

情報資材事業は、引き続き収益の安定化に取り組むとともに、感熱紙はPOS市場、PPC用紙はFSC認証紙製品などの高付加価値品の拡販に取り組んでまいります。

建築資材事業は、米中の住宅不況の回復に伴う化粧板原紙の輸出による増販に取り組んでまいります。

ドイツ事業は、引き続きビーレフェルト1工場体制における事業構造改革を推進し、収益の安定化を図ってまいります。

 

(紙素材事業)

印刷用紙の国内市場は、需要の減少により販売数量は前年に比べ減少したものの、販売金額は前年度実施した価格改定の効果により増加しました。輸出は円安の市場環境下、販売数量、販売金額ともに前年を上回りました。生産体制については需要動向を見極めながら、効率生産、在庫削減を意識して進めてまいりました。

市販パルプは、生産設備の事故影響から、販売数量、販売金額ともに減少しました。

この結果、紙素材事業全体では、減収増益となりました。

 

印刷用紙に関しては価格維持、生産体制最適化と在庫水準適正化の取り組みを継続してまいります。

また、包装紙に関しては、環境意識の高まりを背景に脱プラ・減プラ需要が堅調であることに相まって、当社クラフトコート紙の印刷性が高く評価されており、採用実績を積み重ねております。環境配慮型製品であるバリア性とヒートシール性を有する包装紙(バリアコート紙)などのラインアップを拡充し、増販しております。さらに八戸・北上両工場のシナジー効果の最大化とコストダウンの追求により生産体制の効率化に取り組み、事業基盤を一層強固にしてまいります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機能商品事業

89,572

89.7

紙素材事業

68,051

98.8

合計

157,624

93.4

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

その他

818

59.9

100

26.6

合計

818

59.9

100

26.6

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

機能商品事業

96,426

88.9

紙素材事業

94,746

95.9

その他

2,289

102.9

合計

193,462

92.3

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

④ 財政状態
(資産の部)

流動資産は、棚卸資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ70億9千3百万円減少しました。

固定資産は、投資有価証券の評価差額や退職給付に係る資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ154億1千5百万円増加しました。

この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ83億2千1百万円増加し、2,353億8千万円となりました。

 

 

(負債の部)

負債は、借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ105億9千万円減少し、1,444億2千5百万円となりました。

 

(純資産の部)

非支配株主持分を含む純資産は、退職給付に係る調整累計額の増加等により、当連結会計年度末における残高は、前連結会計年度末に比べ189億1千2百万円増加し、909億5千4百万円となりました。

この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ6.9ポイント改善し、38.6%となりました。

 

⑤ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ16億8千3百万円増加し100億9百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ162億8百万円増加し、134億8千7百万円となりました。収入の主な内訳は、減価償却費77億2千7百万円、棚卸資産の減少94億9千7百万円、支出の主な内訳は、仕入債務の減少33億3千6百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ73億9千3百万円増加し、38億2千7百万円となりました。収入の主な内訳は、有形及び無形固定資産の売却による収入29億3千1百万円、投資有価証券の売却による収入31億8千4百万円であり、支出の主な内訳は有形及び無形固定資産の取得による支出16億8千2百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ214億7千4百万円増加し、162億6千4百万円となりました。これは主に借入金の返済によるものです。

 

⑥ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要の主なものは、原燃料購入費用、製造諸費用、販売費及び一般管理費等であります。投資資金需要の主なものは、既存設備の改善や効率向上、省エネルギー対応などの性能向上、成長分野での事業拡大と多様な新規事業の確立に向けた設備投資などであります。

当社グループの運転資金及び設備資金については、自己資金、金融機関からの借入金、コマーシャル・ペーパーの発行等により充当することとしております。また、資金調達手段の多様化として売掛債権の流動化も実施しております。長期借入金の資金調達につきましては、金利動向等の市場環境を見ながら、シンジケート・ローンの活用など調達手段や調達時期を適宜判断して実行しております。

また、当社グループ内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入して資金の一元管理を行い、資金効率の向上を図っております。