売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00644 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況 

当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く環境は、社会活動の正常化やインバウンド需要の復調等により回復基調で推移しました。一方で先行きにつきましては、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、原燃料価格の高止まり、為替相場の変動など、依然として不確実性が高い状況が続いております。

このような状況下、当社グループは、生産性向上やコスト削減に取り組み、販売面では製品価格を維持し新事業拡大に努めました。

また、当社グループでは、企業価値向上を図るべく「中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)基本方針に沿って、以下の取り組みを実施しました。

 

 選択と集中、新事業拡大による収益力の強化

2023年4月1日付で販売代理店の統合、当社と北上サイト子会社の統合、八戸サイト子会社同士の統合などのグループ組織再編を実行しました。更に、2024年4月1日付での当社と新北菱林産株式会社、京菱ケミカル株式会社、高砂紙業株式会社の統合や、子会社間の統合、2024年7月1日付での当社とKJ特殊紙株式会社の統合を決定、組織合理化による固定費削減とコーポレートガバナンスの強化を進めています。

また、2023年9月1日付でドイツ事業フレンスブルク工場の事業売却を完了、2023年10月2日付で当社連結子会社(孫会社)の株式会社カツマタの感熱紙加工等の事業譲渡を実行、更に、当社連結子会社の菱紙株式会社が運営するスポーツクラブ事業及び固定資産(信託受益権)については譲渡を決定いたしました。引き続き、グループの組織変革を進め、収益性向上を図ってまいります。

 

② グリーン社会への貢献

当社グループの持続的な成長と中長期的企業価値の向上に向け、また、社会に貢献することを目指して、気候変動が事業に与えるリスク・機会の両面に関して、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った情報開示を進めております。

CO2排出量削減の取り組みでは、GXリーグ(GX:グリーン・トランスフォーメーション)へ参画し、カーボンニュートラル社会実現に向け、公約した2030年目標の達成に向けた取り組みを推進してまいります。

環境配慮型製品の拡販では、通販や外食テイクアウト等の紙袋用途で需要が堅調なクラフト紙やバリア紙の拡販を進めております。脱プラ・減プラ、安全かつ快適なサステナブル社会の実現に貢献してまいります。

 

③ サステナビリティ向上のための組織変革

2023年4月に「三菱製紙グループサステナビリティ基本方針」を制定しました。皆様からの信頼と共感を得ることを通して企業価値の向上を図るとともに、さまざまな社会的課題の解決につなげ、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。今期よりコーポレートレポートに代えて統合報告書を発行しております。コーポレートレポートから内容を一新し、全てのステークホルダーの皆様に当社グループの活動全般をご理解いただくべく、より詳細な情報開示を進めてまいります。

 

 

当第3四半期連結累計期間の連結売上高は、1,446億6千9百万円前年同四半期比6.4%減)となりました。

損益面では、原燃料価格高騰に対応した製品価格改定やコストダウン効果により連結営業利益は28億8千2百万円(前年同四半期は連結営業損失13億2千5百万円)、連結経常利益は43億3千2百万円(前年同四半期は連結経常利益6億5千3百万円)となりましたが、8月に発生しました八戸でのボイラー事故による損失計上等により親会社株主に帰属する四半期純損失は4億5千9百万円となりました。

セグメントごとの経営成績は、次の通りとなりました。

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益(△は損失)

2023年3月

2024年3月

増減率

2023年3月

2024年3月

増減率

第3四半期

第3四半期

第3四半期

第3四半期

報告
セグメント

機能商品

82,030

74,046

△9.7

1,852

2,648

43.0

紙素材

74,188

72,111

△2.8

△3,351

133

156,219

146,158

△6.4

△1,498

2,782

その他

4,160

3,875

△6.8

96

129

33.9

160,379

150,033

△6.5

△1,402

2,912

調整額(注)

△5,857

△5,364

 

76

△30

 

合計

154,522

144,669

△6.4

△1,325

2,882

 

(注)調整額は主として内部取引に係るものです。

 

(機能商品事業)

産業資材関連製品は、水処理基材、リライトメディアの販売金額は前年を上回りましたが、エアフィルター、化粧板原紙、テープ原紙、壁紙用裏打紙の販売金額は前年を下回りました。

画像資材関連製品は、インクジェット用紙は海外向けの販売数量減により販売金額は前年を下回りました。特殊ドライフィルムレジストは海外向け製品の販売数量増はあったものの、国内向けの機器販売が前年を下回り販売金額は前年を下回りました。

情報資材関連製品は、販売数量は前年を下回りましたが、昨年度実施した価格改定の効果により販売金額は前年を上回りました。

ドイツ事業は、景気後退懸念による需要減少等の影響を受け、販売数量、販売金額ともに減少しました。

この結果、機能商品事業全体としては、減収増益となりました。

中期経営計画の重点分野である産業資材事業においては、世界的な需要伸長が見込まれ拡販に注力している水処理膜支持体事業、全熱交換素子などのフィルター事業では、欧米新規向け先でのサンプル評価を進めています。蓄電用セパレータ事業では、耐熱性の更なる向上を図り自動車関連需要の取り込みに取り組んでまいります。

画像資材事業は、特殊ドライフィルムレジストの通信デバイス用途に加えて車載関連用途の拡販に取り組んでまいります。画像出力や印刷向けの需要が減少しているイメージングメディア関連事業は、アジア新興国向けの拡販やラベル用途・産業用インクジェットの拡販により数量の維持に努めると共に、継続して生産体制の見直しを図り、収益向上に取り組んでまいります。

情報資材事業は、引き続き収益の安定化に取り組むとともに、FSC認証紙製品などの高付加価値品による増販や人流の回復により需要が旺盛な感熱紙の拡販に取り組んでまいります。

ドイツ事業は、ビーレフェルト工場における事業構造改革を推進し、収益の安定化を図ってまいります。

 

 

(紙素材事業)

印刷用紙の国内市場は、需要減少の影響で販売数量は前年に比べ減少したものの、販売金額は昨年度実施した価格改定の効果により増加しました。輸出は販売数量が前年を上回り、それに加え円安影響もあり販売金額も前年を上回りました。需要動向に合わせた生産体制、在庫削減も並行して進めてまいりました。

市販パルプにつきましては、海外市況の下落により輸出向け販売を抑制したことから、販売数量、金額ともに減少しました。

この結果、紙素材事業全体としては、減収増益となりました。

国内市場では前年からの価格維持、生産体制最適化と在庫水準適正化の取り組みの継続に加えて、環境意識の高まりを背景に脱プラ・減プラ需要が堅調であることから、クラフト紙の拡販及び環境配慮型製品であるバリア性とヒートシール性を有する包装紙(バリアコート紙)の採用実績を積み重ねております。輸出につきましては、為替動向を踏まえ引き続き販売数量及び利益拡大に注力してまいります。さらに八戸・北上両工場シナジー効果の最大化とそれぞれのコストダウンの追求により、紙素材事業の収益安定化を目指してまいります。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の資産は、月末休日影響等による現金及び預金の増加、投資有価証券の評価差額等の増加はありましたが、棚卸資産や有形固定資産等の減少により前連結会計年度末に比べ39億5千9百万円減少し2,230億9千8百万円となりました。

負債は、未払費用等の増加はありましたが、借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少により、前連結会計年度末に比べ42億2千万円減少し1,507億9千5百万円となりました。

純資産は、その他有価証券評価差額金等の計上により前連結会計年度末に比べ2億6千万円増加し723億2百万円となりました。

自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.7ポイント増加し、32.4%となりました。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4億4千1百万円であります。

 

(5) 従業員数

① 連結会社の状況

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数が318名減少しておりますが、主として三菱ハイテクペーパーヨーロッパGmbHのフレンスブルク工場の事業売却によるものです。

② 提出会社の状況

当第3四半期累計期間において、提出会社の従業員数に著しい増減はありません。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい増減はありません。

 

(7) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。